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【連載第222回】 あの、おもちゃを徹底レポート




往年の名作がXAVIXで復刻
バンダイ「Let's TVプレイ CLASSIC」

「Let's TVプレイ CLASSIC」
発売 バンダイ
価格 各3,500円
電源 専用ACアダプター(別売)
発売日 発売中



 オールドゲームファンなら見逃せない。そんなアイテムを紹介しよう。タイトルは「Let's TVプレイ CLASSIC」。据え置き型テレビゲーム機のコントローラを彷彿とさせる本体の中には、CPUとソフトが内蔵されている。別売のAVケーブルとACアダプターを使って、TVと接続すればすぐに遊べるアイテムだ。

 「この規格、どこかで聞いたことがあるよな……」と気づいたあなたは鋭い。「Let's TVプレイ CLASSIC」は、新世代社のXAVIXシステムを採用しているのだ。エポック社の「エキサイト」シリーズや、スクウェア・エニックスの「剣神ドラゴンクエスト」などに搭載されているシステムだ。

 ただし、XAVIXシステムを採用していながら、これらの作品とはプレイイメージが異なる。別売のAVケーブルとACアダプターはTVやコンセントに挿しっぱなしにしておいて、気分に応じて本体を交換する、という遊び方をするのだ。


1タイトルに4本の新旧ゲームを収録

 気になる本体は、現在4タイトルが発売されている。メーカー別に分類され、1つの本体の中に4種類のゲームが収録されている。4種類のゲームの内訳は、2本がアーケードゲームの移植作、残りの2本がアーケードゲームのアレンジ版となっている。

    ●「NAMCO NOSTALGIA1」
    収録タイトル
     「ゼビウス」
     「マッピー」
     「ゼビウス スクランブルミッション」
     「マッピー ニャームコ団の逆襲」

    ●「NAMCO NOSTALGIA2」
    収録タイトル
     「ドラゴンバスター」
     「ギャプラス」
     「ドラゴン バスターハンドレット」
     「ギャプラス ファランクス」

    ●「TAITO NOSTALGIA1」
    収録タイトル
     「影の伝説」
     「黄金の城」
     「影の伝説 改伝」
     「黄金の城 アマゾネス」

    ●「TAITO NOSTALGIA2」
    収録タイトル
     「奇々怪界」
     「スラップファイト」
     「奇々怪界 覚蓮坊」
     「スラップファイト タイガー」

 それぞれのソフトの中に同梱されている取扱説明書には、作家の渡辺浩弍氏による詳細な解説が書かれている。また、本体のアートディレクションは、「ゲーメスト」誌などで活躍していた雑君保プ氏が担当。さらには、パッケージにはイラストの、タイトル画面のドット絵の「ゲームセンターあらし」が描かれており、どちらもすがやみつる氏の手によるもの。このように、オールドゲーマーの心をくすぐる仕掛けがいくつも施されているのだ。

パッケージ。家庭用ゲーム機のコントローラとほぼ同寸サイズなので、店頭ではコンパクトに見える
左下には容量の表示が。今はもうない、だからこそグッと来る仕掛けだ 別売のACアダプター。本体の電源供給に電池は対応していないので、必ず必要となる



ことのほか楽しめる「アレンジ版」

本体。コントローラそのものの形をしているので、これだけでゲームを遊べるのかと不思議な気分にさせられる
 本体のコントローラは、方向キーと4種類のボタンという仕様。スタートボタンはなく、その代わりにクレジットボタン、つまり100円を投入するという意味のボタンが付いている仕様が泣かせる。

 方向キーは指になじみやすいが、4種類のボタンには難を感じた。押すと深めに潜るので、Aボタンを押してBボタン、そしてまたAボタンを押す……というふうに複数のボタンをひんぱんに使い分けるゲームでは、若干のタイムラグが生じてしまうのだ。アーケードゲームは、ボタンを連打し、場面に応じて使い分けるような内容が多いため、今後は改良を求めたいところだ。

方向キー。指との接触面が凹んでいるので、なじみやすい ボタン。本文でも触れたが、使い分けが難しく感じた 本体を飾るデザインシートのシールが入っている
デザインをマッピーに変更した 専用AVケーブルとACアダプタ。音声はステレオ出力に対応している プレイイメージ。このようにコントローラそのものの本体を操作して遊ぶ

 また、気になるアーケードゲームの移植度は、「ほぼ忠実」といえる程度。あくまでXAVIXの仕様に応じた移植がなされているので、かすかなところでオリジナルとの違いを見つけてしまうのだ。

 まあ、でもこれはマニアならではの意見で、「懐かしいゲームを気軽に遊びたい」という向きには、気にならない程度だろう。

 意外な収穫といえるのが、それぞれのアレンジ版。得てして古典的名作のアレンジ版は的を外しているものが多いのだが、この「Let's TVプレイ CLASSIC」のものは楽しめた。

 無理に現代風にするのではなく、すでにあるグラフィックを使い、軽いアレンジを施して、上手に別のゲームに仕上げる。この姿勢が功を奏しているのだ。

 筆者は「NAMCO NOSTALGIA1」と「NAMCO NOSTALGIA2」、そして「TAITO NOSTALGIA2」の3タイトルを入手したので、アレンジ版を中心に簡単にレビューしていこう。

ゲームセレクト画面。テーブル筐体を模している ゲーム開始前には、ちょっとした解説が表示される



「NAMCO NOSTALGIA1」

・「ゼビウス」
・「ゼビウス スクランブルミッション」

 オリジナルの「ゼビウス」は、'82年にリリースされ、特大級のヒットを記録したシューティングゲーム。アレンジ版の「ゼビウス スクランブルミッション」は、自機のソルバルウが巨大要塞の中へと潜入し、コアを破壊するシューティングゲーム。画面がスクロールするスピードは速く、開閉するシャッターなど障害物が多い。しかし、基本的にはボムしか使わないので、自機の操作に専念しやすく、バランスが良い。

「ゼビウス」。スペシャルフラッグなど様々な隠し要素も完全に再現されている
「ゼビウス スクランブルミッション」。猛スピードの中で巨大要塞の中を突破し、コアを破壊していく

・「マッピー」
・「マッピー ニャームコ団の逆襲」

 オリジナルの「マッピー」は、'81年に発売されたアクションゲーム。トランンポリンを活かした独特のアイデアが光る。アレンジ版の「マッピー ニャームコ団の逆襲」は、ニャームコ団を操作して、マッピーからお宝を奪い返すゲームに変貌。トランポリンを操作して、ニャームコを空中に飛ばす内容は、「ブロック崩し」を彷彿とさせる。

「マッピー」。トランポリンで跳ね、敵を避けながら盗品を取り返していく
「マッピー ニャームコ団の逆襲」。トランポリンでニャームコを跳ね返し、マッピーが管理しているお宝を奪う



「NAMCO NOSTALGIA2」

・「ドラゴンバスター」
・「ドラゴンバスター ハンドレット」

 オリジナルの「ドラゴンバスター」は、'85年に発売されたRPG風のアクションゲーム。アレンジ版の「ドラゴンバスター ハンドレット」は、ドラゴンやウィザードの100体斬りをめざし、斬って斬って斬りまくるゲーム。

「ドラゴンバスター」。ファンタジー風味のゲームのさきがけでもあった
「ドラゴンバスター ハンドレット」。基本的はオリジナル版と同じ。何体の敵を倒せるかに挑む

・「ギャプラス」
・「ギャプラス ファランクス」

 オリジナルの「ギャプラス」は、'84年に発売されたシューティングゲーム。ギャラクシアンシリーズの第3作目に当たる。アレンジ版の「ギャプラス ファランクス」は、トラクタービームで青い敵を捕まえ、宇宙に文字を描くゲーム。ただし、赤い敵を捕まえると、文字が削れてしまう。

「ギャプラス」。宇宙空間を舞うようにトリッキーに動く敵を打ち落としていく
「ギャプラス ファランクス」。トラクタービームで青い敵を捕獲すると、自動的に文字を形成していく



「TAITO NOSTALGIA2」

・「奇々怪界」
・「奇々怪界 覚蓮坊」

 オリジナルの「奇々怪界」は、'86年にリリースされたアクションゲーム。巫女の小夜ちゃんが人気を集めた。アレンジ版の「奇々怪界 覚蓮坊」は、プレーヤーのキャラクタを覚蓮坊という名のお坊さんに変更。攻撃手段も異なるので、一風変わった感じで楽しめる。

「奇々怪界」。当時としては珍しかった女の子の主人公が高い支持を集めた
「奇々怪界 覚蓮坊」の武器は、前と斜め右、斜め左へと飛ぶ数珠となる

・「スラップファイト」
・「スラップファイト タイガー」

 オリジナルの「スラップファイト」は、'86年に発売されたシューティングゲーム。豊富なオプションで自機を強化しながら、敵を倒す。アレンジ版の「スラップファイト タイガー」は、タイトーの人気シューティングゲーム「タイガーへリ」のヘリコプターが自機となり、それを操作して戦うと大胆なアレンジが施されている。

「スラップファイト」。星を集めると、さまざまなオプションパーツを追加できる
「スラップファイト タイガー」には、人気アーケードゲーム「究極タイガー」のヘリが登場する


 「Let's TVプレイ CLASSIC」シリーズは、今後も続く予定で、7月下旬には「NAMCO NOSTALGIA3」の発売が予定されている。収録タイトルは「ドルアーガの塔」と「超絶倫人ベラボーマン」。「超絶倫人ベラボーマン」は、かのPCエンジン版以来の登場というレアな名作だ。さらなる続編の登場にも期待したい。

「NAMCO NOSTALGIA1」
(c)1982 NAMCO LTD.,ALL RIGHTS RESERERVED. (c)1983 NAMCO LTD.,ALL RIGHTS RESERERVED. (c)BANDAI 2006 (c)2006 SSD COMPANY LIMITED
「NAMCO NOSTALGIA2」
(c)1984 NAMCO LDT.,ALL RIGHTS RESERERVED. (c)BANDAI 2006 (c)2006 SSD COMPANY LIMITED
「TAITO NOSTALGIA1」
(c)TAITO 1985,2006 (c)TAITO 1986,2006 (c)BANDAI 2006 (c)2006 SSD COMPANY LIMITED
「TAITO NOSTALGIA2」
(c)TAITO 1986,2006 (c)BANDAI 2006 (c)2006 SSD COMPANY LIMITED


□バンダイのホームページ
http://www.bandai.co.jp/
□「Let's TVプレイCLASSIC NAMCO NOSTALGIA1」の製品情報
http://catalog.bandai.co.jp/item/4543112329202000.html
□「Let's TVプレイCLASSIC NAMCO NOSTALGIA2」の製品情報
http://catalog.bandai.co.jp/item/4543112347916000.html
□「Let's TVプレイCLASSIC TAITO NOSTALGIA1」の製品情報
http://catalog.bandai.co.jp/item/4543112348104000.html
□「Let's TVプレイCLASSIC TAITO NOSTALGIA2」の製品情報
http://catalog.bandai.co.jp/item/4543112348425000.html
□「Let's TVプレイCLASSIC 専用AVケーブル&アダプターセット」の製品情報
http://catalog.bandai.co.jp/item/4543112348500000.html


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(2006年6月15日)

[Reported by 元宮秀介]


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