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会場:アニヴェルセル表参道
今回は、このガマニアの再始動と、現在クローズドβテストを実施している「飛天online」について、日本法人の最高執行責任者(COO:Chief Operating Officer)を務める浅井清氏と、運営を担当するオンラインサービス部部長の能島城亮氏に話を伺った。
■ 「これからアクティブに動いていく」、浅井氏が語るこれからのガマニア
浅井清氏: ありがとうございます、正直ちょっと無理していますね(笑)。無理はしていますけど、「飛天online」はクローズドβテストが始まりましたし、「Holy Beast Online」もローカライズも含めて作業に入っています。今はまだ詳しい時期は言えないんですが、比較的近いうちにスケジュールをお話しできるんじゃないかと思います。 台湾の開発タイトルに関しては、以前からずっとコツコツと開発してきていまして、今回ようやくお見せできるレベルにはなりました。今日のムービーはプロモーション用に専用に作ったのではなくて実際にサーバー上で動いているゲームの画面から収録したものです。いつとは決まっていませんが2~3年先とかそんな先ではなくて、こちらも近い将来に遊んでいただけるんじゃないかなと思います。そういったことをまとめて、ガマニアは「今後アクティブに動いていくんだ」ということを、今回はアピールしてみました。 編: ガマニアの立ち上げから見てきている人間としては、東京ゲームショウへ出展した頃の勢いの良いガマニアの再来のような感じがしますけれど(笑) 浅井氏: そこまではないと思いますよ。アレはちょっと無駄にやりすぎた(笑)。正直ゲームショウに出展した2002年は早かったのかなという感じはしているんですよね。ちょっと長い充電期間になりましたが、これから本格的に再スタートという形でやっていきたいなと思っています。 編: 日本法人は設立以来、途中でビジネスモデルがたびたび変わって来ていますよね。初期は自社タイトルのパブリッシャーやGASHプラットフォームを使ったポータルビジネス、あるいは日本のタイトルを台湾に持っていったり、今回は台湾のタイトルをどんどん出していくと。台湾タイトルのパブリッシングは今後のメインビジネスと考えていいのでしょうか? 浅井氏: 台湾タイトルだけにこだわるわけではありません。今回は、日本のマーケットで受け入れられる内容ということで探したところ、たまたま今回は台湾のタイトルだっただけです。それから、本社が台湾であること、うちの能島(オンラインサービス部部長)が中国語ができることもあって、開発、ライセンサーさんとコミュニケーションの部分で中国語圏のものは我々にとってアドバンテージになるというところもあります。今回は台湾のタイトルで固まったという感じですね。 編: 最後に発表された「Bright Shadow」まで含めると、すべてサービスインした暁には、8タイトル近くのMMORPGを抱えるということになりますが、各タイトルの差別化はどのように図っていくのでしょうか。 浅井氏: 各タイトルともゲームの特徴がよく出ていると思っています。「エターナルカオス」に関しては若干古くはなってきているのですが、いわゆる3DのシンプルなMMOとして、ギルドやサーバー間の対戦もできるようになって完成度の高いゲームとして今後も遊んでいただけると思います。 「巨商伝」に関しては元々差別化の図られているゲームですし、日本でいち早くアイテム課金を実施したゲームでもありますので、今後もこの路線でやっていこうと。「エバークエスト」は今後もコアユーザーをメインターゲットとしていきます。 「飛天online」に関しては“宿命システム”などでよりライトなユーザーさん、今までMMOに興味のなかったユーザーさんにも遊んでいただけるかなと。「Holy Beast Online」は変身のシステムが特徴です。システム的に企画段階から新しいものがいくつかありますが、比較的シンプルなMMORPGです。キャラクタもかわいいですし、パーティー、ギルド、コミュニティのシステム含めて初心者というか、MMORPGの人口の底辺を広げていく上で向いているタイトルかなと考えています。 「仙魔道」に関しては見ていただいた通り、バリバリの武侠で暗い世界観なんですよね。善と悪というか、陰と陽というような、今までのゲームでも国に分かれて戦うことはあったのですが、「仙魔道」では善と悪に分かれて、しかもユーザーがゲームの中に入ってから選択するというあたりが今までとは違う大規模PvPに仕上がりそうです。ビジュアルも含めて今までとはちょっと違うコアなユーザー層が狙えると考えています。 編: 基本的にはどれも毛色の異なるゲームであり、メーカーとしてより多くのユーザーに対して選択肢を提供していくという方針なのでしょうか? 浅井氏: そうですね。日本市場はひとつのゲームですべてのユーザーさんが満足するというマーケットではなくなってきていて、かなりニーズが多様化していると思っています。今回はMMOに偏っているんですけれども、MMOでも色々なユーザーさんのニーズに応えられるようにやっていこうと考えています。 それと平行してボードゲームのような短時間で遊べるカジュアル的なものもやっていきたい。最近「ココカン」も正式サービスに入りまして意外にユーザーさんにもご好評いただいてますので、カジュアル系も継続してやっていこうと思っています。 編: 一気に4タイトル始めるわけですが、人員的には大丈夫なんですか 能島城亮氏: 厳しいです。ここはちゃんと聞いておいてください。
浅井氏: (笑) 人員的には正直今のスタッフだけでは回しきれないので、今後会社的にも拡張していくことになるでしょうね。実はガマニアは「エターナルカオス」、「巨商伝」、「エバークエスト」、「ココカン」、「O2Jam」とタイトル数では比較的いくつかやってきて、それなりに運営のノウハウを持っているコアな人材が揃ってきました。タイトルを丸ごと任していける人材が育ってきたからこそ、そろそろ複数タイトルを行けるだろうと判断しました。 ■ 占いとのコラボレートやアイテム課金、台湾とは違う「飛天online」の独自路線
能島氏: 元々台湾の「飛天online」にも宿命システムは入っているんです。干支と誕生日を元に運勢を算出してゲーム内で様々なギミックに反映するのですが、その算出方法を強化しているとは言えないんですけれども、日本のユーザーの嗜好と環境に合わせてカルチャライズしました。その算出方法を塔里木さんの監修のもとに行なっています。ゲーム内の占いの監修ということになりますね。 編: 占いをするための乱数のようなものが違うと? そうすると結果も台湾と違ってくるわけですか? 能島氏: どちらがいいという話ではなくて、日本では日本人向けの占いのほうがいいだろうということで、内部の算出方法に塔里木さん監修のもとに変更を加えています。ですから占いの結果も台湾版とは異なってきます。 編: 今後もコラボレートしていくとのことでしたが? 能島氏: ええ。これはあくまで構想段階ですけど、ゲーム内で「塔里木の水晶」といったアイテムを導入したりとか、ゲーム内で実際にオンラインで占い師さんに入っていただいてそこで実際に占ってもらうといったことも考えています。 編: もうひとつ、Chu!☆Lipsというアイドルグループの起用ですが、ガマニアとしてはユニークな展開ですね? 浅井氏: 「飛天online」は、キャラクタの魅力という点で日本のユーザーさんにも興味を持っていただけるクオリティだと思っています。そこで日本だとやっぱりコスプレなどの展開することでより身近に感じていただけるかなと。このコスプレなどで興味を持っていただけるユーザーさんもいるでしょうし、Chu!☆Lipsさんを起用することで間口を広げていきたいと思っています。 編: そうなると今後はガマニア主催、または協賛のオフラインイベントや同人誌コミュニティへの協力もしていくことになるわけですか? 浅井氏: 具体的なプランが決まっているわけではないのですが、そういった展開も考えています。 編: ほうほう、「飛天」のファンは期待しますよ? 浅井氏: そこは能島が責任を持って色々考えていますので。 能島氏: はい、その方向で調整したいと思います(笑) 編: ビジネスモデルについてもう少し具体的に教えてください。「飛天online」は基本プレイ無料、アイテム課金制ということですが、どういったアイテムを販売していくのですか? 能島氏: 基本的にはアイテムを買わなくても楽しめる仕様にはしていくつもりです。アイテムを使うことで更に便利になる物や、あると良いなあと思っていただけるもの、時間を短縮もしれないというアイテムを売って、プレイの“利便性”を上げていきたいですね。 それからコミュニティ方面で役立つアイテム、「飛天online」ではパーティーを“旅団”と呼称するのですが、旅団を組んだ相手の所に瞬間的に飛んでいけるようなアイテムなど、コミュニティを重視したアイテムを売っていきたいなと考えています。 編: 基本は経験値獲得率アップなどブーストアイテムなどになるのでしょうか。ペットについてはどうなりますか? 能島氏: そうですね。ユーザーの要望があればブースト系のアイテムは揃えていきたいと思っています。ペットは、課金アイテムとして検討しています。台湾版だとゲーム内マネーでコインを購入して、そのコインを使って“ガチャガチャ”を回してペットの卵を入手するのですが、それを課金アイテムでペットがもらえるようにしようかなと。 編: この前体験プレイの際は、“ガチャガチャ”を回すのに特別なコインが必要でしたが、そのコインをリアルマネーで販売する感じでしょうか? そうなると手に入れられるペットはランダムになりますね。レアなペットも登場するのですか。 能島氏: そうですね、コインを販売する形になると思います。どのペットが手に入るかはやってみなければわからない、ということにはなると思います。 編: ペットが成長するのはこのゲームの大きな楽しみになりそうですが、ペットを成長させて姿を変えるためには、普通にレベルを上げていけばいいのですか? 能島氏: そうです。ペットと一緒に戦う時に、経験値を全部ペットに渡すか、半々にするかという設定も可能で、ペットと一緒に戦って経験値を稼いでいきます。 編: ペットにはレアペットなどもいるのでしょうか。たとえば虎縞の服を着た女の子はレアペットだったりするのでしょうか。 能島氏: レアペットは当然あります。女の子はレアペットですね。ペットシステムに関しては、どのペットが欲しいかアンケートを採ったりして、βテストなどでユーザーさんの意見を参考にしていきたいです。 編: サービススケジュールをもう少し具体的に教えていただけますか。 能島氏: 現在、クローズドβテストの参加人数をもう少し増やそうかと考えています。ユーザーが増えた後にクローズドβテストが終了してデータがワイプされてしまうというのも何だからということで期間を延ばそうかなと。 浅井氏: 現在、不具合の修正など、もう少しテスターさんに入っていただいて、時間をかけて安定させたいと考えているところはあります。単純にクローズドβテストの枠を広げようというだけではなくて、テストをよりしっかりやるということで考えています。 現段階では比較的安定した形で修正の方は進んでいます。4月の上旬にはオープンβテストに移行できるであろうと考えています。クローズドβテスト中にクリティカルな問題が出てくれば変化する可能性もありますが。 編: 有料化のタイミングはいつぐらいになりそうでしょうか。 浅井氏: 日本ではアイテム課金で進めるというのは比較的早い段階から想定しながら準備は進めていました。ですので準備ができれば比較的早いタイミングで正式サービスに移行できるのではないかと考えています。 編: もともと月額課金のゲームを、他国でアイテム課金に変更して展開するというケースは非常に珍しいですよね? 浅井氏: そうですね。ですので開発さんと協議を重ねています。我々ガマニアとして日本でサービスするにあたって1つのポイントになるのは、日本のユーザーさんの様々なプレイスタイルに合わせたサービスをしていこうという事でした。 ゲームに実際に使える時間も含めて、ユーザーさんのニーズは多様化していると思うんです。そういったところに対応するために基本は無料なんだけど+αの所には料金を払っていただいて、より深く遊んでいただこうと。 最近だと、実質的にアイテムを買わないと遊べないゲームというのも出てきています。「飛天online」はそうではなく、基本は無料でありながら+αの部分で料金を払っていただいて楽しんでいただくことができます。ゲームのシステムを含めてその調整がうまくできるという見通しができてきたので、今回βテストを開始することができました。 能島氏: 台湾版に比べて、アイテムのパラメータなどはかなり日本語版はいじっていますね。 浅井氏: 単純にアイテムを売ればいいのではなくて、アイテム課金制のゲームとしてバランスをいじっています。 編: 課金アイテムとして取り扱うアイテムは基本的に新しい物ばかりなのですか? 能島氏: 既存のアイテムもありますし、新規アイテムも作ってもらっています。 編: 定期的に新しいアイテムを用意していくとしたら結構大変ですよね?
能島氏: それだと日本のユーザーに満足してもらえない部分もあると思いますし、やっぱり日本人の嗜好にあった物を出していかないと成功しないと思っています。たとえアイテム課金でなかったとしても日本独自のアイテムなどは追加していくというスタンスですから。当たり前のことだと思っています。 ■ 新規4タイトルに関しては続報待ち。オンラインボードゲーム「富貴達人」に期待
浅井氏: まだ現時点で決定しているものはありません。 編: ボードゲームの「富貴達人」は、比較的アイテム課金をしやすいゲームデザインですよね。 浅井氏: 台湾では1プレイいくらという従量課金制を採用しています。日本では別途アイテム課金制を採用するという可能性はあるのですが、ゲーム性と課金モデルがしっかりバランスがとれて共存できるものじゃないとダメだと思うんですね。何でもかんでも基本無料のアイテム課金でやればいいとは私は思っていません。そこを開発の状況と日本の仕様の変更、バランス調整を含めて検討していきながら判断していきたいですね。 編: 個人的には今回発表された新規タイトルの中では「富貴達人」に一番注目しました。他がどうというよりは、「富貴達人」は何が楽しめるゲームなのかが現段階ですでに明確ですよね。日本には「桃太郎電鉄」や「カルドセプト」、「いただきストリート」などボードゲームの文化がゲームファンの間でしっかり根付いていますから、ゲームとしておもしろければ、意外とおもしろいことになるのではないかと思いました。 浅井氏: 「富貴達人」に注目していただけるのはGAME Watchさんらしいですね、ありがとうございます(笑)。確かにボードゲームに関してはコンシューマも含めて歴史のあるジャンルですし、仰るとおり潜在的な需要はかなりあると思っています。そういった中でしっかり遊べるゲーム、特にゲームバランスが一番重要だと思っていますので、そこがしっかりできていればある程度ユーザーさんに支持してもらえるのではないかと思っています。 編: 最後に新しいユーザーへ向けてメッセージを。 浅井氏: 今回、新生ガマニア、ガマニアの再スタートということで、今後我々は、日本のユーザーの皆さんに充分楽しんでいただけるタイトルを用意していきますので、今後是非とも注目していただきたいと思います。
能島氏: 自分は「飛天online」を“人との繋がりを楽しむゲーム”として捉えています。システム的に今もそういう形にはなっているのですが、今後ともこういうところを強化して皆さんに楽しんでいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
□ガマニアデジタルエンタテインメントのホームページ (2006年3月23日) [Reported by 中村聖司 Photo by 勝田哲也]
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