「XNA Studio」は、ゲーム開発に携わるクリエーター、プログラマー、マネジメント、品質保証スタッフなどの連携をとり、効率よくゲーム製作を行なうための開発ソフト。各ファイルフォーマットを統一し、ソフトウェア制作フレームワークによりツール群と組み合わせ、プログラムコードと同期したコンテンツ管理が可能となる。このことからチームメンバー間でのやりとりも容易となり、ソフトを効率的に製作することができる。前述の通り、2005年に発表されたが、今回初めて開発者に提供されたこととなる。

　同社でゲーム開発グループを担当するChris Satchell氏は「『XNA Studio』は、大手開発スタジオからガレージまたは学生寮の一室で成功を夢見つつゲーム開発に励む人たちまで、ありとあらゆる開発者が、効率的な新プロセスを使ってゲーム開発に取り組むことを可能とします」とリリースにおいてコメントしている。

　今回リリースされた「コミュニティー・テクノロジー・プレビュー(CTP)」は、「XNA Build」プレスリリースバージョンで、デバッグやゲームの最適化が行なえるメカニズムを備えている。これにより、ゲーム開発者は内部ツールの作成や保守に多大な時間を費やすことがなくなるという。

　「XNA Framework」は、.NET Frameworkとゲーム開発用の特定ライブラリをカスタマイズし、C#による開発を行なうことでWindowsとXbox 360間のクロスプラットフォームのゲームの製作を容易にする。「Halo」シリーズの製作で知られるBungie StudiosのChris Butcher氏は「Xbox 360でC#を使うことは、必要なリアルタイムパフォーマンスを維持しながら、コードとの格闘ではなくゲームの創造に集中できる新しいプログラミングのあり方を考えさせてくれます」と歓迎している。また、カジュアルゲームの製作をより簡単に行なえることになるため、サポートしていくと表明している。

　さらにMicrosoftは、「Xbox Live Server Platform」のリリースを発表。サービスの拡張を行なうことを明らかにした。今回のサービスの拡張により、ゲームサービス側が天候の変化や選手の最新データの更新などを、アップデートできるようになる。たとえば「フライトシミュレータ」などのソフトにおいて、実際の天候と連動した状況の作成をより手軽に行なえることになる。またMMOのゲームシステムを持ったゲームの製作も可能となった。すでに「PGR 3 -Project Gotham Racing 3-」やElectoronic Artsの「Burn Out Revenge」において同技術の一端が使用されている。

□米Microsoftのホームページ (英文)
http://www.microsoft.com/
□Xboxのホームページ (英文)
http://www.xbox.com/
□「XNA」のホームページ (英文)
http://www.microsoft.com/xna/
□ニュースリリース (英文)
http://www.microsoft.com/XNA/3.20.2006.aspx
□関連情報
【2005年3月9日】Microsoft、チームベースでゲーム制作の効率化をアップさせる
「XNA Studio」発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050309/xna.htm
【2004年3月24日】Microsoft、次世代ゲームプラットフォーム「XNA」発表
WindowsとXbox、モバイル機器も共通化
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040324/xna.htm

(2006年3月22日)

[Reported by 船津稔]