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【連載第45回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
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今年最後はPSPの画面をテレビに出力! PSPやGBMのケースとカバーもレポート |
当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
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本年最後となる 今回のゲームグッズ研究所は、PSPの映像をテレビに出力することが可能になる製品をレポート! PSPは映像出力端子を備えていないのだが、PSPの液晶画面を電子式カメラで直接撮影し、その映像をテレビ信号に変換することでテレビでのプレイを実現した。PSPを改造する必要もなく手軽に大画面プレイを楽しむことができるのだ。しかし、気になるのはテレビに出力したときの画質だろう。実用度はいかほどなのか!? その性能に迫ってみた。
後半では、PSP用の本体保護カバー「クリスタルシェルP」、同じくPSP用となる充電機能付きスタンドケース「“PSP”対応 充電スタンドケースポータブル」に加え、ゲームボーイミクロ(以下、GBM)用シリコンカバーケース「シリコンカバーミクロ」をレポートしているので合わせてチェックしていただきたい。
● PSPを大画面でプレイ! 電子式カメラを使ってPSPの画面をテレビに出力する製品が登場
いつでもどこでもゲームや動画を楽しむことができるPSP。しかし、自宅でどっしりと構えてゲームをプレイしているときに、ふと「テレビ画面でプレイできたらなぁ」と感じることがある。また、UMD VIDEOや動画ファイルを自宅で視聴するときも、できればテレビで視聴したい。そんな願いを手軽に実現してくれるのが、サーバーガジェットの「CYBER・テレビプロジェクター」、ゲームテックの「プレイオンTV CAP (CMOSファインビューモデル)」の2製品だ。いずれの製品も、PSPの画面を電子式カメラで撮影してテレビ画面に映し出すという方式を採用しているが、撮影方式や電子式カメラの特性はそれぞれ異なっているのだ。
・「CYBER・テレビプロジェクター」
メーカー:サイバーガジェット
価格:9,240円
カメラモジュール:CMOS
重量:約120g(ケーブル含まず)
映像/音声ケーブル長:約3m
「CYBER・テレビプロジェクター」は、電子式カメラ部分にCMOSカメラを採用、映像の伝送方式はコンポジット、音声はステレオとなっている。高さが約14cmとサイズの大きい「CYBER・テレビプロジェクター」だが、内部は空洞になっており、奥にCMOSカメラが設置されている。本体の素材は艶のあるプラスチックを使用しているものの、内部には艶のない黒いシートが張られており、PSPの液晶画面から放出される光が反射しないように配慮されている。この「CYBER・テレビプロジェクター」本体でPSPの液晶画面みをすっぽりと覆い、外部から光が進入しない安定した空間を作り、PSPの画面をCMOSカメラで撮影するというわけだ。
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パッケージには「CYBER・テレビプロジェクター」本体のほかに、本体とテレビを接続するためのUSB AVケーブルが付属している。ケーブル長は約3m |
「CYBER・テレビプロジェクター」の内部。開口部周辺にはツヤ消しのシートが貼り付けられている。奥に見えるのがCMOSカメラだ |
本体の高さは約14cm。イヤホン/リモコン端子も備えているため、PSP用のリモコンでの操作も可能 |
「CYBER・テレビプロジェクター」はUSB端子のネジ穴を利用してPSP本体に装着する。ネジは指で回すタイプなのでドライバーを使う必要はなく、サイズの大きい機器だがPSP本体にガッチリと固定することができる。次に、「CYBER・テレビプロジェクター」の下部から伸びる音声ケーブルをPSPのイヤホン/リモコン端子へ、電源供給ケーブルをPSPのACアダプタ端子へ接続。最後に、付属のUSB AVケーブルで「CYBER・テレビプロジェクター」とテレビを接続し、PSPのACアダプタを「CYBER・テレビプロジェクター」のACアダプタ端子に差し込んで電源を供給すれば、セッティングは完了だ。PSPの液晶画面が汚れていると、その汚れも一緒にテレビへ出力されることになるので、装着前に液晶画面のホコリや皮脂をしっかりと取り除いておきたい。
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USB AVケーブルの端子はPSPのUSB端子と同じ形状になっているので、間違えてPSP側のUSB端子に差し込まないよう注意。ACアダプタからの電力は、「CYBER・テレビプロジェクター」とPSP本体へ供給される |
さて、「CYBER・テレビプロジェクター」はPSPの画面をどれだけテレビで再現してくれるのだろうか。まずは、PSPのメイン画面を28インチのワイドテレビに映し出してみた。PSPの液晶画面の比率は16:9だが、「CYBER・テレビプロジェクター」から出力される映像比率は4:3となっているので、テレビ側の映像は上下に黒帯が付く。16:9のワイドテレビに出力する場合は横に引き伸ばされた映像になるだろう。今回利用したテレビは、上下の黒帯部分を自動的にカットして画面全体に引き伸ばす映像モードを備えているため、PSPの画面のみをテレビ画面全体に映し出すことができた。
画面の明るさは、PSPのバックライトの明るさに準じて変化する。ACアダプタを接続したときは画面の明るさを4段階で調整できるのだが、4段階中2段階めの明るさで十分。ただ、画面の中心部に比べると外側が若干暗く映ってしまう。PSPはバックライトを採用しているので、画面の明るさは均一なはずだが、おそらく「CYBER・テレビプロジェクター」のCMOSカメラは、中心部がもっとも感度が高いという特性なのだろう。
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このように、画面の中心部から外側へ向かうに連れて明度が低くなっている |
独自のテストパターン(左画像)をPSPに転送してフォトモードで表示、その結果が右の写真だ。彩度は落ちているが、画面全体を見ても歪みがほとんどないことがわかる |
テレビに映し出されたPSPのメイン画面をさらに詳しくチェックしてみると、画面の歪みがほとんど感じられず、思ったよりもくっきりとしたシャープな映像を再現している。シャープすぎて文字やアイコンの輪郭に櫛状のノイズが発生しているのだが、細かい文字も問題なく認識することが可能で、ゲームプレイに耐えうる解像感を維持していることには驚かされた。
PSPのメイン画面をテレビに出力した時は、明るさのばらつきや輪郭に櫛状のノイズが少々目立っていたのだが、実際にゲームをプレイしてみると、これらの弱点は思いのほか気にならない。ゲームプレイ中の映像は、PSPのメイン画面のように単色でシンプルな映像ではなく、様々な色が使われた動きのある映像なため、明るさのばらつきや解像感の低さに気が付きにくいという感じだ。
一方、PSPのメイン画面を表示したときにはわからなかったのだが、PSPの液晶画面で表示した映像よりも彩度が若干落ち、のっぺりとした映像になっている印象を受けた。これは、「CYBER・テレビプロジェクター」に搭載されたCMOSカメラが、PSPの液晶画面に表示される映像の階調を捕らえきれていないためだと思われる。さらに、解像度480×272ドット、4.3インチとなるPSPの液晶画面を、28インチのテレビに引き伸ばして表示しているので、のっぺり感がより目立つのだろう。しかし、ゲームをプレイしている限りでは、PSPの映像がテレビへ表示されるまでのラグを感じることもなくレスポンスは上々。映像は劣化してしまうものの、細かい文字の認識が可能なレベルであり、ゲームの進行になんら問題はなかった。
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「CYBER・テレビプロジェクター」を使ってナムコの「僕の私の塊魂」をプレイ。左写真がテレビ画面を直接撮影したもの、右写真はパソコンでキャプチャーしたものだ。色味がかなり異なるが、テレビとキャプチャーカードの映像調整は、標準の設定となっている (C)2003 2005 NAMCO LTD., ALL RIGHTS RESERVED. |
映像以外に気になる点といえば、やはり操作感の変化だ。PSPの液晶画面へこれだけ大きな機器を装着するため、操作間は大きく変わる。特に、□ボタンと「CYBER・テレビプロジェクター」本体との間は約1.5mmしかないため、親指の先が「CYBER・テレビプロジェクター」本体へ触れてしまう。方向キーと「CYBER・テレビプロジェクター」本体との間は約4mm。方向キーを親指の先端で入力する場合は問題ないが、親指の腹を使った入力は困難だ。普段ゲームをプレイしているとき、液晶画面に親指の指紋がついてしまうという人は、間違いなく「CYBER・テレビプロジェクター」本体に指が触れることになるため、なるべく親指の先端で方向キーやボタンを押すように意識する必要があるだろう。
「CYBER・テレビプロジェクター」本体の重量は約120g。その重みはPSPの中心へ集中するため、PSPを平行に持つ場合はバランスの悪さを感じない。また、本体はネジを使ってPSPにガッチリ固定されているのでプレイ中に激しく動かしてもPSPから本体が外れることはない。なお、L/Rボタンとアナログパッドに関しては未装着時と同じ感覚で操作することができた。
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方向キーやボタン周りはどうしても窮屈になってしまう。PSPの下部に位置する明るさ調整ボタンは「CYBER・テレビプロジェクター」の電源供給ケーブルも干渉してしまうためかなり押しにくい |
テレビから出力される音声は若干ゲインが低く、PSP側の音量を最大まで上げても少々物足りなさを感じるところだが、これはテレビ側の音量を上げることで対処が可能だ。だが、常に「ピー」という甲高いノイズがテレビのスピーカーから聞こえてくるのが非常に気になった。この問題は、「CYBER・テレビプロジェクター」の電源供給ケーブルをPSPのACアダプタ端子から抜くとおさまる。気になる場合は、PSPの内蔵バッテリーのみでプレイすると良いだろう。
・「プレイオンTV CAP (CMOSファインビューモデル)」
メーカー:ゲームテック
価格:9,975円
カメラモジュール:CMOS
重量:約170g
映像/音声ケーブル長:約3m
「プレイオンTV CAP (CMOSファインビューモデル)」(以下、プレイオンTV CAP)は「CYBER・テレビプロジェクター」と同じく電子式カメラ部分にCMOSカメラを使用しており、映像の伝送方式はコンポジット、音声はステレオとなっている。本体にはフォーカス調整ダイヤル、ピクチャー調整ダイヤル、モード切替スイッチを備えており、映像に合わせてピントや明るさ、発色を自由に調整することが可能だ。
「プレイオンTV CAP」の外観は「CYBER・テレビプロジェクター」と大きく異なっている。本体の高さは約7.9cmと低く、そのかわりに奥行きが約16.2cmと長い。本体の高さを低く抑えているのにPSPの画面全体を撮影できるのは、PSPの画面に対して45度の角度で設置されたミラーにPSPの画面を投影し、ミラーに映った画面をCMOSカメラで撮影しているから。PSPへ「プレイオンTV CAP」を装着したときは、「CYBER・テレビプロジェクター」よりも見た目はスマートである。
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パッケージには「プレイオンTV CAP」本体のほか、本体とテレビを繋ぐ約3mの専用AVケーブルが付属している |
内部にはPSPの液晶画面より大きなミラーを備える。このミラーに映ったPSPの液晶画面を奥にあるCMOSカメラで撮影する |
ミラーにはホコリが付着しやすいので、未使用時は保護カバーを必ず装着しておこう |
装着にはUSB端子の横にあるネジ穴を利用するが、取り付けにはネジを使わない。「CYBER・テレビプロジェクター」本体上部にあるフックの突起をネジ穴にはめこみ、本体下部のフックをPSP本体に引っ掛けるようにして固定する。次に、「プレイオンTV CAP」の音声ケーブルと電源供給ケーブルをPSPのイヤホン端子とACアダプタ端子に挿し込み、専用AVケーブルで「プレイオンTV CAP」とテレビを接続。最後にPSP用のACアダプタを「プレイオンTV CAP」のACアダプタ端子に差し込めばOK。取り外しは各ケーブルを抜いて下部のフックを爪で持ち上げるだけとなっており、着脱は非常にカンタンである。
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下部のフックがPSPを引っ掛ける力は結構強い。取り付けるときはPSP本体に傷が付かないようゆっくりと慎重に |
装着が完了したら、お次はテレビに出力されたPSPの映像を見ながらフォーカス調整ダイヤルを回してピントの調整を行なう。PSPのメイン画面に表示される文字を基準に、輪郭がシャープになるようピントを合わせる。フォーカス調整ダイヤルのダイヤルはかなり堅くなっているので、通常の使用範囲でずれてしまうことはない。色の濃淡を調整できる「ピクチャー調整ダイヤル」と、発色を2段階で切り替えることが可能な「モード切替スイッチ」は、テレビに表示するゲーム画面や動画に合わせてその都度設定していこう。
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モード切替スイッチにより、ムービーモードとゲームモードを選択することができる |
左写真がムービーモード、右写真がゲームモードを選択したときの画面だ。ムービーモードは発色を高めて画質の良さを優先したモード、ゲームモードは明るさを抑えて文字の読み易さを優先したモードとしている |
テレビに表示される画面比率は、「CYBER・テレビプロジェクター」と同じく4:3となっており、上下と左右に黒帯が付く。画面の左右が少しだけ暗くなっているように感じるが、「CYBER・テレビプロジェクター」よりも明るさは均一だ。全体的に見ると、「CYBER・テレビプロジェクター」がシャープで硬めな絵作りとすれば、「プレイオンTV CAP」は彩度が高く、ソフトで自然な絵作りといえる。
しかし、細かな文字が多いゲームをプレイするときは、文字の輪郭が膨らんでしまい若干読みづらい。モード切替スイッチを切り替えながらムービーモードとゲームモードで画面を比較してみたが、文字の読み易さにあまり変化はなかった。また、画面の外周部には樽型の歪みが見られ、中心部に比べるとピントが少々甘くなっているように感じる。この影響により画面の隅に表示された文字は一段と認識しづらくなるというのは少々残念なところだ。どちらかというと、ゲームよりも動画の視聴に向いているといえよう。字幕付きの動画は厳しいかもしれないが……。
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先ほど利用したテストパターン(左画像)で画質をチェック。「プレイオンTV CAP」のモード切替スイッチは、色の鮮やかさを優先してムービーモードに設定した。その結果が右の写真だ。やはり、樽型の歪みが気になるところ。色味は「CYBER・テレビプロジェクター」よりも鮮やかだ |
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「プレイオンTV CAP」を使って「僕の私の塊魂」をプレイした時の写真。モード切替スイッチはムービーモードに設定した。左写真がテレビ画面を直接撮影したもの、右写真はパソコンでキャプチャーしたものとなっている (C)2003 2005 NAMCO LTD., ALL RIGHTS RESERVED. |
次に、PSPへ「プレイオンTV CAP」を装着したときの操作感を見てみよう。十字キーと□ボタンの押し心地は「CYBER・テレビプロジェクター」と同様、本体に親指が触れないよう親指の先でキーやボタンを押し込む必要がある。異なる点は、手に持ったときの重心だ。「CYBER・テレビプロジェクター」はPSPを地面と平行に持った時に重心が安定する。「プレイオンTV CAP」は重心がPSPの上部にかかるため、奥に約45度傾けた時にバランスよく持つことができるという感じだ。
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アナログパッドとL/Rボタンは未装着時と同じ操作感。「CYBER・テレビプロジェクター」ではケーブルが横に伸びているため明るさ調整ボタンが押し辛くなっていたが、「プレイオンTV CAP」はケーブルを下に伸ばすことで押し辛さを解消している |
出力される音声の音量については、「CYBER・テレビプロジェクター」よりも「プレイオンTV CAP」の方が1.5倍ほど大きく、PSPの音量を最大にすれば丁度よい。ただし、「CYBER・テレビプロジェクター」と同様に充電中は「ピー」というノイズが発生してしまう。このノイズが気になる場合は、電源供給ケーブルを外して内蔵バッテリーのみで駆動させるとよいだろう。
「CYBER・テレビプロジェクター」と「プレイオンTV CAP」を使う前は、PSPの画面を電子式カメラで撮影してテレビに出力するという原始的な方法で、本当にゲームをプレイすることができるのだろうか? と、正直不安だった。ところが実際に使ってみると、PSPの液晶画面で見たときよりも映像は劣化してしまうものの、ゲームをプレイするという目的は十分に果たしてくれる製品であった。特に、歪みがほとんどなくクッキリとした画面を再現できた「CYBER・テレビプロジェクター」は、どっしりと構えてプレイしたいRPGにも問題なく対応できるはずだ。このような製品が登場したことで、“いつでもどこでも気軽にプレイ”、“大画面でじっくりプレイ”という2つのプレイスタイルを選択できるようになったことは嬉しい限りだ。
そして、「CYBER・テレビプロジェクター」や「プレイオンTV CAP」の映像出力ケーブルを、ビデオデッキやHDDレコーダー、パソコンのキャプチャーカードといった録画機器に接続すれば、PSP用ゲームのプレイ内容を簡単に録画できることもできる。また、友達同士で集まってワイヤレス通信で遊ぶとき、1台のPSPの画面をテレビに出力しておけば、プレイしていない人もテレビ画面でゲームを観戦することが可能、場はより盛り上がることだろう。
さて、今回レポートした2製品はCMOSカメラを利用したものだったが、1月下旬にはゲームテックからCCDカメラを採用した「プレイオンTV CAP (CCDプロモデル)」が発売される。価格は15,750円となっており、今回レポートした2製品に比べて6,000円ほど高くなるが、高画質なテレビ出力が期待される製品だ。もちろん当研究所でレポートする予定なのでお楽しみに!
● シンプルなデザインながら3つの機能を詰め込んだ高機能ケース「“PSP”対応 充電スタンドケースポータブル」
・「“PSP”対応 充電スタンドケースポータブル」
「“PSP”対応 充電スタンドケースポータブル」(以下、充電スタンドケースポータブル)は、充電機能とスタンド機能を備えたプラスチック製のPSP用本体収納ケースだ。PSP本体を持ち運ぶときはフタを閉めてバッグやリュックに、動画を観賞したいときはフタを開いてスタンドに、充電したいときはケース外部に設けられた独自のACアダプタ端子へPSP用のACアダプタを接続するだけ。多機能ながらシンプルなデザインに抑え、使い易さに重点を置いた収納ケースといえよう。
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ケースのデザインは非常にシンプル。フタを閉じている状態だとミニノートパソコンにも見える |
ケースの内部を見てみると、PSP本体が触れる部分に硬いスポンジが設置されている。これは、PSP本体を傷や衝撃から守る役割と、本体をケース内にガッチリと固定する役割を果たす。PSPの充電用金属端子が触れる部分からは2本の金属端子が伸びており、ケース外部のACアダプタ端子に繋がっている。また、イヤホン/リモコン端子部分には純正リモコン端子と同じ大きさの穴が空けられているため、PSPをケースに収納したままリモコンを使うことも可能だ。
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本体収納部の底面は完全にスポンジで覆われている。さらにPSP本体上部と液晶画面が触れる部分のスポンジで、PSPをガッチリと挟み込む |
「充電スタンドケースポータブル」はPSPのACアダプタ端子ではなく、ACアダプタ端子の下部にある充電用金属端子で電源を供給するため、収納方法は非常にカンタン。PSPの下部を「充電スタンドケースポータブル」のガイドにあてがい、スポンジで挟み込むようにPSPの上部をグッと押し込むだけだ。
スタンドとして「充電スタンドケースポータブル」を利用する場合は、ケースのフタがスタンドの土台となる。ヒンジ部分の可動範囲は約180度。前方に傾けると一気に倒れてしまうため、実際は後方約90度の範囲で角度を調整することになる。スタンドとして利用するときも、前述の通りリモコンを使うことができる。
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本体収納部のガイドは、PSP本体の下部がピッタリと収まるようになっているため、充電用金属端子の位置を気にすることなく素早く収納することができる |
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フタを土台にしてスタンド化。右側面にあるACアダプタ端子にPSP用ACアダプタを接続すれば、充電が開始される |
据え置き型のPSP用スタンド製品の場合、PSPを外に持ち運ぶときに別のケースなどへ一旦PSPを収納してから持ち運ぶ必要があるが、「充電スタンドケースポータブル」の場合はスタンドの状態からスムーズに、そのままケースとして使用することができる。多少の手間とはいえ、スピーディーに持ち運びの状態とスタンド設置の状態を切り替えられる上に、充電の機能を持ち合わせているこの製品は、一石三鳥の万能的な製品といえるだろう。
● PSP本体のほぼ全面をカバーしつつ、装着したまゲームプレイが可能な「クリスタルシェルP」
・「クリスタルシェルP」
PSPの全部をプラスチック素材で保護することできるプレイオンカバーがこの「クリスタルシェルP」。液晶画面を含め、PSP全体を保護することができる上に、ボタン類や端子類、UMDスロットなどへ、カバーからPSPを出し入れせずにアクセスすることが可能。さらに、カバーを装着したままゲームをプレイすることもできる製品だ。ただし、UMDスロットの開閉には、クリスタルシェルPの背面部を開閉する必要がある。このような、カバーを装着したまま操作ができる製品は、これまでシリコンカバータイプのものが主流であり、プラスチックケースとしてはほとんど登場していない。シリコンカバーケースと大きく異なる点は、PSP本体に加えて液晶画面もケースが覆ってしまうという点だ。液晶画面ごと全体的に保護するこの製品はこれまでにはない、特徴があるプレイオンカバーと言えよう。
カバーの外観は、液晶画面も保護することから透明度の高いクリアカラーのみとなっている。そのため、PSPの本体カラーとなるホワイトカラー、ブラックカラーどちらにもマッチするだろう。十字キーおよび4つのボタンの周辺部は、カバーの厚みが薄くなっており、プレイ時に支障が起きないよう工夫がされている。また、全面を保護するカバーではあるもの、音声を出力するスピーカーの部分にはしっかりと4つの穴が空けられており、出力音量にも変化がおきないように加工されている。
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「クリスタルシェルP」は液晶画面も守ることができる。反射は防げないが透明度は高く映像の劣化は見受けられない |
実際に装着したままゲームをプレイしてみると、PSPの背面はザラついているのだが、「クリスタルシェルP」の背面はツルツルしているため、指が汗ばんでくると滑りやすくなる。十字キーに関しては、親指の使い方によっては指先がカバーに当たってしまうことがある。□ボタンと×ボタンも同様に親指の腹がケースに触れることがあるものの、操作に問題は感じなかった。アナログパッド周辺部については、アナログパッドを大きく動かしたときに親指がケースに触れてしまうが、カバーの表面は滑りやすくなっているので指が引っかかるということはない。
PSP下部に位置するHOME、START、SELECTといったサイズの小さなボタンは、ケースの穴が少々小さいため正直なところ押し辛い。PSPの側面部にある電源スイッチとワイヤレスLANスイッチについても、やはりケースの穴が狭く、操作するには親指を軽く押し込む必要があった。
UMDスロットを開閉する時は、「クリスタルシェルP」の背面カバーを指で引っ張り開閉する必要がある。また、メモリースティックを取り出す場合は、カバーを装着したままだと取り出すことは困難なので、カバーから一度取り外さなければならない。USBケーブルでメモリースティック内のデータをやり取りしているかたは問題がないかもしれないが、この点は注意が必要だ。
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十字キー、4つボタン、L/Rキー周りがどのようになっているのかチェックしてみて欲しい |
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UMDも素早く交換することができる |
プラスチック製とはいえ、薄い作りになっているため重量が軽く、装着したままでもあまり重みを感じない。また、液晶保護フィルターを装着しなくても、液晶画面を傷や汚れから守ることができるというのが嬉しいカバーだ。ただ、プラスチックという素材だけに、PSP本体へ擦り傷が付いてしまう可能性があることには注意しておきた。装着も手軽でかつ、保護性も高く、いくつか惜しい点があるものの全体的には満足度の高い製品である。
● 装着したままでも操作感は抜群! GBM本体保護カバー「シリコンカバーミクロ」
・「シリコンカバーミクロ」
当連載第44回でGBM本体を傷や汚れから守るラバーケース、UGAME「ラバージャケット for GBM」とサイバーガジェットの「CYBER・ラバーケース」をレポートした。その後、これらと同様の機能を持ったHORIの「シリコンカバーミクロ」が発売されたので、比較しながらレポートしていこう。
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写真左から「シリコンカバーミクロ」、「ラバージャケット for GBM」、「CYBER・ラバーケース」だ |
「ラバージャケット for GBM」と「CYBER・ラバーケース」はケースの素材に合成ラバーを使用していたが、「シリコンカバーミクロ」は製品名からも分かるとおりシリコン素材を使用しているため、ケースの質感や手触りは多少異なる。「ラバージャケット for GBM」と「CYBER・ラバーケース」の表面を指で触るとラバー素材とはいえザラつき感があるのだが、「シリコンカバーミクロ」は表面がきめ細かくスベスベとした感触を得られる。また、半透明になっている点は同様なのだが、「シリコンカバーミクロ」はにごりの少ない質感だ。「シリコンカバーミクロ」の厚みは約1mm。「ラバージャケット for GBM」が約1.5mm、「CYBER・ラバーケース」は約2.5mmなのでは3製品の中では「シリコンカバーミクロ」が一番薄い。
十字キーとA、Bボタンの周辺部には穴が空けられているが、L/RボタンとSTART、SELECTボタン部分は完全にカバーで覆われている。また、充電端子部分は「ラバージャケット for GBM」と「CYBER・ラバーケース」よりも穴が大きい。これは、GBM用の周辺機器「ワイヤレスアダプター」を装着できるようにするためである。さらに、カートリッジスロット部分も背面が広く開いており、特殊なカートリッジもカバーを装着したまま挿入することが可能だ。
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「シリコンカバーミクロ」が使用しているシリコン素材は、薄いものの伸縮性が高く頑丈だ |
装着は、カートリッジスロットの開口部からGBMを挿し込み、カバーを引っ張りながらGBM全体を包み込んでいく。「ラバージャケット for GBM」、「CYBER・ラバーケース」と同様の装着方法だが、「シリコンカバーミクロ」のほうがカートリッジスロットの開口部が広くなっているため着脱がより簡単であった。
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「シリコンカバーミクロ」をGBMに装着。カートリッジスロットと充電端子周辺の穴が広いことが特徴的である |
「シリコンカバーミクロ」をGBM本体に装着して実際にゲームをプレイしてみると、表面がスベスベしていることから、「ラバージャケット for GBM」と「CYBER・ラバーケース」に比べるとグリップ感向上の効果はやや低いという印象。しかし、手が汗ばんできたときはGBM本体の表面よりも高いグリップ感を得ることができた。
さて、気になる操作感だが、約1mmというカバーの薄さに加え、十字ボタン部分とA、Bボタン部分の周辺はさらに1段薄くなっているため、カバーに指が触れることはない。L/Rボタンはカバー越しに押すことになるのだが、若干の抵抗感があるため未装着時よりも少し強い力を加える必要があった。それでも強い力で押そうと意識するほどではなく、操作感は良好だ。
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START、SELECTボタン部分もカバーで完全に覆われているが、ボタンの形に合わせて出っ張っているため楽に押すことができた |
当連載第44回では、GBMを衝撃や傷から守ることを重視したい場合は「CYBER・ラバーケース」、操作のしやすさを重視するのであれば、「ラバージャケット for GBM」がオススメとした。「シリコンカバーミクロ」はどうかというと、傷や汚れからGBM本体を守る範囲はやや狭いものの、装着したままワイヤレスアダプターや特殊なカートリッジを使うことができるという点が嬉しい。また、操作のしやすさに関しては、カバーの薄さから「シリコンカバーミクロ」が一歩リードしているという印象だ。3つの本体保護カバーが店頭に並ぶ状況となっているが、細かくチェックしていくとそれぞれに特徴があり、目的によってチョイスすることができるだろう。
今回レポートした製品の中で注目したいのは、やはりPSPの画面をテレビに出力することができる「CYBER・テレビプロジェクター」と「プレイオンTV CAP」だろう。PSPの画面そのまま撮影してしまうという一種アナログ的な手法に驚く製品だが、あと一歩画質の向上を望みたいというところに落ち着いた。だが、PSPの画面をテレビに出力したいということは誰もが一度は考えることであり、このようなチャレンジ的な製品は見逃せない存在である。
「“PSP”対応 充電スタンドケースポータブル」は、スタンドでありながら持ち運びと充電機能を持ち合わせており、非常に万能なグッズ。このようなオイシイとこ取りの製品が登場するのも、PSP用のゲームグッズがここ1年で進化した証であろう。「クリスタルシェルP」に関しても同様の印象を受ける。2006年には、これらよりもさらに面白く快適なグッズが登場することに期待したい。今後ともごひいきに。
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□サイバーガジェットのホームページ
http://www.cybergadget.co.jp/
□ゲームテックのホームページ
http://www.gametech.co.jp/
□HORIのホームページ
http://www.hori.jp/
(2005年12月28日)
[Reported by ゲーム環境向上委員会]
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