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【連載第203回】 あの、おもちゃを徹底レポート




孫悟空になりきれる体感ゲームの傑作!
バンダイ「ドラゴンボールZ バトル体感かめはめ波 おめぇとフュージョン」

「ドラゴンボールZ バトル体感かめはめ波 おめぇとフュージョン」
発売 バンダイ
価格 7,560円
電源 アルカリ単三電池×4(別売)
専用ACアダプタ(別売)
発売日 発売中



 「孫悟空のように、かめはめ波を放てる!」という触れ込みで、発売前から話題を呼んでいたアイテムだ。筆者も発売日に手に入れて以来、折をみて遊んでいるが、結論からいえば大傑作。とにかくおもしろい。

 開発を担当した新世代株式会社は、これまでにエポック社の「勝負しようぜ!! エキサイトスタジアムDX」やスクウェア・エニックスの「剣神ドラゴンクエスト 甦りし伝説の剣」などを手がけた、名実ともに“体感ゲーム”の第一人者。筆者も同社の手がける体感ゲームが大好きで、そのほとんどを遊んでいるのだが、今回の「ドラゴンボールZ バトル体感かめはめ波 おめぇとフュージョン」は、最高傑作と呼ぶにふさわしい素晴らしいできばえだ。

 少年ジャンプ誌上の連載をリアルタイムで読んで育ったお父さんたち。そして、現在DVDや、スカイパーフェクトTV!やケーブルテレビなどで視聴することができる「ANIMAX (アニマックス)」の放映を楽しんでいるリバイバル世代の子供たち。その両者に強くアピールする内容になっている。もし、親子ともに「ドラゴンボール」が好きなのならば、いますぐにでもこの商品を買うことをおすすめする。

 体感ゲームに明るくない方のために、改めて説明しよう。体感ゲームとは、新感覚のゲーム機だ。プレイステーション 2などのいわゆる家庭用ゲーム機との違いは、大きく分けてふたつある。ひとつ目の特徴は、お手軽さ。本体の中にソフトが内蔵されているので、付属のAVケーブルを使ってテレビと接続するだけで遊ぶことができる。ふたつ目の特徴は、コントローラのデザイン。ソフトの内容によって大きく変わるので、常に新鮮な感覚で遊ぶことができる。

 たとえば、「エキサイトスタジアムDX」ならば、コントローラはバットの形をしており、実際の野球さながらに両手で握ってスイングをしながら遊ぶ。「剣神ドラゴンクエスト」ならば、剣の形をしており、画面に出現するスライムやドラゴンなどを切りつけながら遊ぶ。このように体を使って遊ぶ点から「体感ゲーム」と呼ばれるようになり、低年齢層の児童をメインターゲットに、一大ジャンルを形成するほどの発展を遂げている。

   「ドラゴンボールZ バトル体感かめはめ波 おめぇとフュージョン」の魅力は、なんといっても孫悟空になりきって、かめはめ波を放ったり、敵と肉弾戦を演じられる点にある。実際にどのようなコントローラで、どのようなおもしろさを味わえるのだろうか。いくつかの疑問を思い描きながら遊びはじめたのだが、いやはやこれが大当たりだった、というわけだ。


自分と孫悟空の動きがリンクして「孫悟空になりきれる」!

 パッケージの中には、本体、ドラゴンバンド、AVケーブル、反射シール、そして取扱説明書が収められている。本体は幅約10センチ、奥行約12センチの長方形の箱。本体の正面にある黒いパーツは、赤外線カメラ。赤外線を受光して、プレーヤーの動作をゲーム中に反映する。

パッケージ。サブタイトルの「おめぇとフュージョン」は、プレーヤーと孫悟空が一体化するという意味 パッケージの中身。遊ぶためには、ほかに単三電池4本か別売のACアダプタが必要
本体は長方形でコンパクトな形状だ 本体の前部に設けられた赤外線カメラ。ここでプレーヤーの動きを感知する 本体の後部には、電源スイッチや各種端子がまとめられている


 コントローラの役割を担うドラゴンバンドは、個人的に意表を突かれた。従来の体感ゲームのコントローラは、バット型だったり、ゴルフクラブ型だったり、つりざお型だったりと形状は多様だが、そのどれもが「大きい」という共通点があった。しかし、ドラゴンバンドは、非常に小さい。幅約4センチ、高さ約2センチしかないのだ。たとえるなら「名札」の大きさか。この小さなバンドは、左右それぞれの手の中指と薬指にかけて使用するのだが、あまりに小さくて、本当にこれでゲームができるのだろうか、としばらく不安に感じてしまったほどだった。

ドラゴンバンドの表面で赤外線を反射して、本体に伝える 反射シール。赤外線の感度はよくなるが、誤動作も多くなる上級者向けとのことなので、今回は使用しなかった ドラゴンバンドは、両手の中指と薬指にとりつける


 操作は、以下のようにして行なう。テレビの上に置いた本体に向けて、手のひらを閉じたり開いたりすると、気功波を発射できる。これがもっとも基本的な操作だ。敵が接近してきたときに同様の動作を行なうと、パンチをくり出せる。

 体力ゲージの上に、「かめはめ波」などの必殺技の名前が表示されたら、それらをくり出すチャンスだ。原作の孫悟空と同じように、両手を上下に並べ、指を閉じたあとに一気に開くと、必殺技を放つことができる。必殺技は、キャラクタ別に2種類以上が用意されている。「かめはめ波」を筆頭に、「気円斬」や「元気玉」、「サイヤラッシュ」、「魔貫光殺砲」など、おなじみの技と技がぶつかりあう楽しさを味わえる。

 攻撃のほかに、防御も行なえる。敵がエネルギー弾などを放ってきた場合は、TVの画面を拭くようにして、手を左右へ大きく動かすと跳ね返すことができる。敵が接近してきたり、強力な攻撃をくり出してきたりした場合は、両手のひらをTV画面に向けて開くと、受けるダメージを減らせる。

本体はテレビの上に置き、プレーヤーは1~1.5m離れた場所でプレイする 操作の基本は、手のひらのすばやい開閉。これによって、気功波やパンチをくり出せる
「かめはめ波」を放つときの手の動き。孫悟空と同様に、手のひらを大きく広げる プレイのイメージ。ひっきりなしに両手を動かすので、汗をかき、気分は次第にハイになっていく


 ゲームを始める前は、「カメラチェック」を行なう。プレーヤーの動作を正しくゲームに反映するために欠かせない作業だ。筆者のプレイでは、最初は自分の手の動きと画面中のカーソルの動作がまるでリンクせず、タイトル画面からつぎの画面へ進むだけでも、数分を費やさなければならなかった。しかし、「カメラチェック」を終えたあとは、先ほどまでの苦労は嘘のようになくなり、自分の手の動きと画面中のカーソルの動きが同調するようになった。

「カメラチェック」。複数のサイバイマンを倒すと、カメラの設定が自動的に最適化される モード選択画面。このような操作も、すべてドラゴンバンドを使用する


 ゲームモードは、大きく分けると「ストーリー」、「フリーバトル」、「ミニゲーム」の3種類。

 「ストーリー」は、次々に現われる強豪たちを倒しながら、「ドラゴンボールZ」の物語を追体験していくモードだ。最初のステージは、サイバイマンたちとのバトル。TVアニメのようなサブタイトルが表示されたあと、ストーリーがテンポよく語られ、気分を盛り上げる。

 サイバイマンたちは、空中を自在に飛び、さらには複数で攻撃を仕掛けてくる。ドラゴンバンドをつけた手を動かし、サイバイマンたちにカーソルが重なるようにする。カーソルが重なった瞬間に、手のひらをすばやく開閉する。すると、気功波が放たれ、サイバイマンたちに命中。一気に倒すことができる。

 プレイ開始からわずか数分しか経っていないのだが、筆者は快感に酔っていた。画面中のカーソルは俊敏に動き、こちらの手の動きをゲームの中に完全に反映している。手のひらを開閉すると発射される気功波は、ほんの一瞬の遅れもなく、敵へ向かって放たれる。そのため、まるでゲームの中に自分の腕が伸びていって、本当に気功波を撃っているかのような錯覚に陥るのだ。

 感動と興奮のピークは、かめはめ波を撃ったときに迎えた。画面に「かめはめ波」の文字が表示され、準備OKと告げられた。目の前にいるのは、ナッパ。なかなかの強敵だ。これは撃つしかない。画面のアイコンに示されたとおり、両手のひらを上下に合わせる。すると画面が切り替わり、孫悟空が気合をためている様子が表示されている。同時に画面の左端に「かくせ」との指示が出される。手のひらを閉じて気合をためろ、という意味だ。手のひらを閉じると、「か」、「め」、「は」と1文字ずつゆっくりと映し出され、パワーがたまっていく。「め」が表示されると、指示は一転して「うて」に切り替わる。この瞬間に、両手のひらを大きく開くと、画面は暗転し、「かめはめ波」という文字とともにエネルギー波が放たれる。「かめはめ波」をくらったナッパは、一瞬にして画面の奥へ吹き飛ばされる。「かめはめ波」の放射はしばらく続き、ナッパの体力をみるみるうちに減らしていく。

 「気持ちいい!」のひと言に尽きる。仕事場の外は寒さのために身を縮ませて歩いている人ばかりだというのに、体が熱くなってセーターを脱いでしまったほどだ。

 ナッパのあとは、ベジータとのバトル。ベジータが撃ってきた「ギャリック砲」を、こちらは「はね返しかめはめ波」で打ち返す。決まった! いやあ最高! その後、ギニューやフリーザ、18号、セルジュニア、セルといった強敵を次々と撃破。憧れの「元気玉」を放ったり、「スーパーサイヤ人」に変身できる能力を身につけたり、とさまざまなイベントも起こり、満足、満足。

「ストーリーモード」。「ドラゴンボールZ」の物語がアップテンポに再現される ステージの最初には、TVアニメを思わせるタイトル画面が映し出される
バトルの前には、孫悟空や仲間、ライバルたちの会話シーンを見られる バトルの1シーン。腕を動かしてカーソルを敵に重ね、攻撃を放つ 敵の攻撃をふせぐことも可能だ
「かめはめ波」をくり出す瞬間。このゲームの見せ場のひとつだ
必殺技の操作は、キャラクターたちの動きに即している。「元気玉」を放つ場合は、両手を高く上げる 敵が挑発してくることもあり、バトルが単調にならないように工夫されている ステージをクリアすると、コマンドが追加されることがある
スーパーサイヤ人となって、「超かめはめ波」をくり出した瞬間 ステージをクリアすると、スコアが「スカウター」上に表示される。心憎い演出だ



ミニゲームも練り上げられた素晴らしい内容

「フリーバトル」。一度倒した敵と再戦できる
 「フリーバトル」は、「ストーリー」に登場したキャラクタと自由に対戦できるモードだ。操作の確認や必殺技の練習などを行なうときに使用するといいだろう。

 「ミニゲーム」では、3種類のミニゲームを楽しめる。ミニゲームは、まず最初に「ストーリー」の中に登場し、それをクリアすると、この「ミニゲーム」モードで自由に遊べるようになる仕組みだ。

 「ストーリー」のおもしろさにはすっかり感激させられたが、この「ミニゲーム」にも深く感心させられた。ありきたりなミニゲームではなく、ドラゴンハンド独特の操作方法と、「ドラゴンボールZ」の世界観を巧みに融合させているからだ。

 たとえば「ミニゲーム」のひとつ「カリン塔のぼり!」は、カリン塔をひたすら登るゲーム。両手を上下に交互に振ると、孫悟空が塔を登る仕組みになっている。両手を上下に振る行動は、孫悟空が塔の上に登るアクションと見事にマッチしている。しかも、この両手を上下に振る動作は、「ストーリー」の中には登場せず、「そうか、ドラゴンハンドはこのようにも使えるのか!」とその自由度に驚かされたりもする。

 「仙頭キャッチ」は、カリン様が投げてくる仙頭を手のひらでキャッチしていくゲーム。仙頭がこちらに近づいてきたら、手のひらを開閉するとキャッチできる。手のひらを開閉する動作は、「ストーリー」では気功波を発射するときと同じ操作方法だが、ここでは仙頭をつかむ操作方法に置き換わっている。ここでも「なるほど、うまくアレンジしたなあ」とゲームデザインの妙に唸らされる。

「ミニゲーム」の選択画面。「ストーリー」でクリアしたゲームがここに追加される 「カリン塔のぼり!」。孫悟空の両腕を操作して、ひたすら頂上をめざして登っていく 「仙頭キャッチ」。手のひらを開閉して、仙頭を手に取る


 メニューのひとつ「パスワード」では、何らかのパスワードの入力すると何かの特典を得られる。パスワードは、「ドラゴンボールZ データカードダス第6弾」に記載されており、今後「Vジャンプ」誌上でも発表されていくとのこと。このように長く遊べる工夫が施されている点も見逃せない。

 プレイの進行は自動的にセーブされ、セーブデータを消去することも可能。「オプション」を使えば、ゲームの難易度を下げることもできる。

 大人が遊んでも充分におもしろく、なおかつ配慮の行き届いた内容は、体感ゲームのひとつの到達点として、高く評価したい。

「パスワード」。文字や数字ではなく、7つのドラゴンボールの組み合わせになっている 「ハイスコア」は自動的に記録され、更新される。消去することもできる 「オプション」では、難易度とカーソルの有無を選択できる


(C)バードスタジオ/集英社・東映アニメーション
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□バンダイのページ
http://www.bandai.co.jp/
□「ドラゴンボールZ バトル体感かめはめ波 おめぇとフュージョン」のページ
http://catalog.bandai.co.jp/item/4543112348760000.html


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(2005年12月15日)

[Reported by 元宮秀介]


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