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★オンラインゲームファーストインプレッション★

交易を巡るロールプレイが楽しめる
「旅とロマン」をテーマにしたMMORPG

「シルクロードオンライン」

  • ジャンル:MMORPG
  • 開発元:Joymax
  • 発売元:ゲームオン
  • 利用料金:未定(アイテム課金を予定)br>
  • 対応OS:Windows 98/Me/2000/XP
  • 発売日:11月1日よりオープンβサービス中



 「シルクロードオンライン」は東洋と西洋を繋ぐユーラシア大陸を横断する交易路“シルクロード”を舞台とした韓国産MMORPGである。プレーヤーは多くの荷物を馬にくくりつけ、一攫千金を夢見て遙か遠方まで旅していく。

 本作は日本ではゲームオンが運営を行なっており、11月1日からオープンβサービスが開始されている。シルクロードは日本ではNHKの番組などで特になじみ深い題材である。本作ではそのシルクロードはどう表現されており、プレーヤー達はどんな世界を形成しているのだろうか。


■ 危険に満ちた旅路を進むロールプレイが楽しめる交易システム

 本作の最大の特徴は、商人、盗賊、ハンターという3つの「職業」によって表現される交易システムだ。プレーヤーはレベル20を超えることでこれらの職業に就くことができる。この職業は対象アイテムを身につけることで就くことができ、いつでも転職可能となっている。

ラクダに荷物を積み込み、出発しようとするプレーヤー。街や道で行き交う彼らの姿は、本作に独特の雰囲気を与えてくれる
運ぶことができる商品。敦煌では馬具の生産が盛んだったりと、各地で特色がある
 商人はラクダや馬に荷物を積み込み、交易することができ、盗賊は商人を襲うことができる。ハンターは盗賊やモンスターから商人を守る。PKやPKKをシステムの中に組み込んだシステムなのだ。商人が長安から敦煌に布や壺などの交易品を運ぶことに成功した場合、売値は3倍以上になる。荷物をたっぷり積んだ動物の歩みは遅く、実時間にしておよそ1時間ほどひたすら歩くことになる。もちろん、途中にはモンスターがひしめいているし、頻繁にNPCの盗賊も襲ってくる。交易を成功させるには、護衛の雇用や仲間の協力が欠かせない。

 盗賊は商人を殺すだけではなく、商人の荷物をまるまる奪い、売りさばくことができる。「シルクロードオンライン」では、荷馬に積む交易品の量で難易度が設定され、交易難易度は☆の数で示される。商人は常に身ぐるみはがされる危険があるが、荷物を切りつめて☆を1つにしておけば、盗賊はその商人や荷馬を襲えないという特例措置もある。こうなると、問題は交易路に現われるモンスターだけとなる。

 筆者はレベル20までキャラクタを育て上げ、早速商人となりラクダを買ってみた。まずは☆1つの交易から始めてみようとしたのだが、敦煌周辺のモンスターは、レベル25くらいの強さがないと太刀打ちできないという。幸い、レベル35のハンターが護衛をしてくれ、1時間の行程を経て無事敦厚へ荷物を運ぶことができた。

 最初に敦煌についた時の興奮は忘れられない。とても商人ではかなわないようなモンスターに怯えながら、ひたすらハンターに守ってもらって逃げるように敦煌に入り安堵した気持ち、長安とはまったく違う風景と、レベルの高い人達で賑わう街は「危険をくぐり抜けた」実感をひとしお強くしてくれた。

 これ以降、他の商人に手伝ってもらったりして筆者は何度か街を往復した。気がついたのは、盗賊プレーヤーの多さである。時には集団で盗賊達が待ち受けている一方、ハンターはほとんどいない。本作では商人や盗賊の数の割に、ハンターを演じるプレーヤーは少ないようだ。筆者は常に☆1つで交易を行なったため襲われる対象にはならなかったが、盗賊の横を通るのはいつも緊張してしまった。

左から、商人、ハンター、盗賊の装備を身にまとった姿。アイテムを付け替えることでいつでも役割を変更できる。それぞれに経験値が設定されていて、商人としてのランクが上がれば一度に運ぶ量が増え、ハンター、盗賊は、それぞれ敵対する対象への攻撃力が増す
商人として、ハンターや先輩商人に守られながら数回長安と敦煌の間を往復した。途中、PCの盗賊が他のキャラバンを襲う場面にも遭遇したが、筆者達は☆1つのため難を逃れた


■ スキルによって個性を発揮していくキャラクタシステム

画面一杯の巨大なモンスタージャイアント。様々な種類のジャイアントモンスターが頻繁に登場するのが本作の特徴で、ゲームの風景にも独特のアクセントを加えている
闘神モード発動。跳ね上がった攻撃力は属性を付与することでさらに強力に。速いペースでモンスターを倒していける
 「シルクロードオンライン」のキャラクタは、他のMMORPGに見られるような固定的なクラスの概念が登場せず、プレーヤーはいくつかあるスキルと、ステータスの割り振りで個性を与えていくという自由度の高いシステムを採用している。

 しかも本作のキャラクタのステータスは「力」と「知力」のみという割り切った設計となっている。レベルアップすると自動的に力と知力に1ずつ追加され、他に3ポイントのフリーポイントが与えられる。力を強化していけば打たれ強く通常攻撃が強力に、知力を強化していけば下記のスキルの効果が強化されていく。

 スキルには剣、槍、弓という攻撃方法に関するものと、氷、火、雷、回復という気功系のスキルが用意されている。モンスターを倒すと入手できるスキルポイントを消費することで各スキルを育てていく。「シルクロードオンライン」の気功系のスキルは序盤のものは補助用のものが多いため、戦闘は武器を使う肉弾攻撃中心の展開になる。

 戦闘で非常に強力に感じたのが氷系スキルの「氷河訣」である。このスキルは武器に氷属性をつけるもので、これで攻撃された敵はまず動きが遅くなり、ついには凍結する。敵を凍結させると与えるダメージも倍近くなるので、非常に有利に戦える。また、雷や炎系の気功は強化していくことで、広範囲に攻撃できるようになっていくといった具合だ。

 基本的に適性レベルの狩り場でソロプレイをして経験値を稼ぐ、というプレイスタイルが主流となっている。面白いのは、「ソロパーティー募集」という声が頻繁に上がっているところ。このソロパーティーというのは、経験値やお金の分配も、狩り場の共有も一切なく、パーティーに参加していることで入手できるボーナス経験値を求めて結成されるパーティーである。街で顔を合わせてパーティーを組んでからは、バラバラに散って好きなところで狩りをする。少しでも多くの経験値を得るための、ユニークなプレイスタイルだといえるだろう。

 ただ、レベル15を超えたあたりから、1レベルを上げるのに膨大な数の敵を倒す必要が出てくる。発生するクエストも「モンスターを200匹倒してこい」とか、ドロップ率の低いクエストアイテムを100個集めるなど、ひたすら同じ種類の敵と闘うという展開が多くなる。

 この戦いにアクセントを加えてくれるのが「闘神モード」と、チャンピオン、ジャイアントといったモンスターの存在だ。闘神モードは一定の敵を倒すと溜まるゲージを消費して発動する。闘神モードのキャラクタは赤く輝き、角のようなものが生え、攻撃力が跳ね上がり、通常の数倍のペースで敵を倒せるようになる。発動時間は数十秒という短い時間ではあるが、キャラクタが瞬間的にパワーアップするのはかなり爽快である。

 チャンピオンはその狩り場に現われるモンスターとは少し異なる専用グラフィックスで描かれた特別なモンスター。強さは通常の倍くらいあり、強敵だ。その分経験値やアイテムをドロップする確率も高くなる。ジャイアントはまさに巨大な、画面に収まりきらないほどのボスモンスターとも言える存在だ。攻撃力は大したことないが、膨大な体力を持っている強敵で、その分報酬も大きくなる。本作にはこういった特別なモンスターが狩り場に比較的頻繁に登場する。単調になりがちの狩りにメリハリを与えてくれるアイデアである。

 現在、「シルクロードオンライン」は多くのプレーヤーを獲得しており、スタート地点である長安からは頻繁に荷物を積んだ商人達が出発し、街には露店が建ち並び、活気を感じさせる。その一方で、いくつか不満に感じる部分もある。筆者が一番不便に感じた部分は、チャットシステムだ。初心者が普通にプレイすると、おそらくひらがなを打つ事すらとまどい、漢字の変換もできないだろう。

 日本語入力に関しては、オープンβテスト中のゲームとは思えないほどに未整備で、公式サイトの告知にも「現在、チャットの基本設定が正しく行なわれていない不具合により、日本語での入力が大変困難な状況となっております。」とある。しかも、現状対応が行なわれているMSIMEユーザーのみで、ATOKユーザーに対しては一切未サポートなのだ。MMORPGにとって会話は基本中の基本であり、オープンβテストを行なっているMMORPGとして、論外といっていい。一刻も早く対応すべきだろう。

 フィールドを移動していて、突然キャラクタが動かなくなるのもかなり致命的である。本作では長い距離を移動することが多い。そこで突然前に進めなくなり、移動できるポイントを探してクリックを繰り返す、といことが頻繁にあった。敵に囲まれてどうにもならなくなってしまったり、闘神モードの時の極めて限られた時間にこの不具合に会うとかなりストレスがたまる。このあたりの未整備ぶりを目の当たりにすると、オープンβテストはまだまだ当分続きそうだという印象が強い。

武器と気功にわかれたスキル。基本的レベルを上げていかなくては特色のあるスキルはとれない 氷河訣を使って攻撃すればモンスターの動きを鈍らせ、さらに凍結させることが可能だ クエストをくれるNPCの頭上には金の巻物が現われる。クエストをこなすことで多くの経験値を獲得できる
白虎のチャンピオンは禍々しい赤い傷跡がある 馬に乗ると高速で移動できるが、スキルの仕様や馬上からの攻撃はできない 敦煌で玄奘を発見。三蔵法師のモデルとなった僧である


■ 壮大な旅を実感させてくれる各地域の風景

 システム的には発展途上にある「シルクロードオンライン」だが、旅に欠かせない風景を生み出す美しいグラフィックスは、実に素晴らしいでき映えだ。長安の古代中国風の街並みや、敦煌の巨大な仏像、和田の壮麗な宮殿、竹林や砂漠、朽ちた遺跡に、大きな崖、オアシスは巨大な湖がありモンスターを寄せ付けない避難場所になっている。危険を賭して馬に乗り、とにかく観光をしてみる、というプレイもオススメしたい。

 モンスターもまた魅力的だ。長安の周りの畑には動くワラ人形がいて、竹林には虎、水辺には半魚人のような水妖が闊歩し、盗賊は砦を構えている。敦煌、和田と進むと死霊のようなモンスターが出てきたり、巨大なサソリがいたりと、どんどん怪物の姿も凶悪になってくる。レベル的に危険なモンスターが集う場所の場合は、ジャイアントが特に恐い。あわてて少し針路をずらして避けたりと、危険な場所を旅する気分が体験できた。

 大きなアレンジが加えられているが、現実のシルクロードが透けて見えるというのが本作の人気の秘密だと思う。中国から西洋に続く道の出発点にいるという感慨を確かに感じることができるし、現実の街は今はどうなっているのか興味もわいてくる。ゲーム内で本当にヨーロッパまで行けるようになったとき、本作の魅力はさらに増すに違いない。一刻も早い実装が待ち望まれる。

 NHKが放映している「シルクロード」という番組のおかげで、日本人にとってシルクロードは特別な思い入れも生む題材となっていると思う。その番組では壮大な自然と共に、その過酷な自環境や、交易の街で生活する人々の生活も描かれる。自然だけではなく、その地域の文化と人がシルクロードを構成していることを実感させられるのだ。

 本作においては、確かに風景で異国を感じることができるが、そこに人がいないのはやはり寂しい。旅をしてNPCと会話をすることで、現実のシルクロードにも興味を持つような要素をもう少し多くして欲しい。街と街の間に、小さな村落なども追加してもらいたいところだ。過酷な自然に立ち向かう人々や、交易商人達が必要としている物を高値で売ることで儲けている人々など、その地域での一瞬のふれあいなども体験してみたい。

レベル25くらいまではホームタウンとなる長安。現在、プレーヤーの数の一番多い、にぎやかな街である
長安周辺には動くわら人形のいる畑や虎のいる竹林などが広がっている。始皇帝稜は駆け出しの初心者の良い狩り場であり、盗賊のいる砦はとにかくモンスターが多く出るため、レベル20までの狩り場として人気が高い
巨大な仏像が特徴的な敦煌。街のすぐそばにレベル25程度のモンスターがいるので、レベル20のキャラクタでここに来てしまうと帰るが大変である。プレーヤー達の平均的なレベルの上昇と共ににぎわいは長安からこちらに移りつつある
敦煌周辺は過酷な砂漠地帯である。和田方面に行くにはレベル40程度の力が必須となる。オアシスは泉はあるのだが周辺の建物は廃墟となっており、全く人がいない
和田はこれから旅人の数が増えて来るであろう街である。筆者は敦煌から有料のゲートを使ってここを訪れた。建物は荘厳なのだが、NPCもPCもほとんどいないため、とても冷たい雰囲気である。街を散策しているときに、長安から来たという商人とハンターのパーティーと遭遇した。冒険を終えた彼らは、とてもうれしそうに体験談を語ってくれた
和田の西には凍った湖に沈む古代遺跡が広がっている。モンスターに触られるとあっと言う間に倒されてしまうため、ほとんど探索を行なうことができなかった


■ 盗賊稼業を体験、レベル制のバランスを痛感

 さて、本作をプレイする前に是非やってみたいと考えていたのは、盗賊プレイである。しかし、レベル20の筆者ではハンター達になでられただけで倒されてしまう。頼れる「先輩(もしくは兄貴、親分)」が必要であった。筆者は街で盗賊の姿をしているプレーヤーに声をかけ、盗賊の仲間に入れてもらった。

盗賊の先輩に弟子入り、一生懸命後ろをついていき、獲物を狙う
☆1つのため、狙うことができない。頻繁に商人は往来しているのだが、滅多に襲える獲物はいなかった
ハンターとの闘い。ハンターも盗賊もここぞとばかり闘神モードを使いはげしい攻防を繰り広げる。ちなみにこの写真では筆者はすでに斬り捨てられ、死体となって先輩を応援をしている
 商人やハンターはそれぞれの装備を身につけても背中に職業を示す印がつくだけだが、盗賊装備は全身に黒装束をまとう。女性キャラクタは体の線もくっきり出てなかなかセクシーだし、男性キャラクタはかっこいい。筆者を仲間にしてくれた先輩は長安からいきなり盗賊姿のまま街道をひたすら敦煌方面に移動し、とにかく獲物が出たら襲う、という作戦を採った。しかし、待てども獲物がやってこない。頻繁に商人は通りかかる。しかし、これがすべて☆1つなのだ。筆者達は街道の真ん中に立ち、ただ通り過ぎる商人を見ているだけだった。

 この2人の盗賊団が襲えたのはハンターだけ。他の盗賊も結局ハンターを狙っていて、商人の護衛するハンターはいわば盗賊の「憂さ晴らし」の相手として倒されてしまっていた。本来襲うべき商人の荷物には手が出ず、護衛を倒して溜飲を下げるというのは、本末転倒な感じがする。街道にハンターの姿が少ないのも納得できる状況である。しかし、自分がいざ商人になってみればやはり☆1つの荷物を運ぶ事を選択すると思う。とても低い確率だったがこの日☆2つの商人にも遭遇したが、とても高いレベルでこちらからは手が出せなかった。

 筆者達盗賊団は途中で仲間が加わり3人になった。しかし目の前を通り過ぎるのは☆1つばかり。結局道の真ん中でぼーっと立っているということが多くなり、あげくに時々高レベルのハンターにあっと言う間に全滅させられ、そのハンターに蘇生してもらうという間の抜けた展開になってしまった。レベル30程度のハンターでも、3人相手で挑んでも倒せず、重要なのは人数よりキャラクタのレベルであることを痛感した。「やっぱりレベルを上げないとどうにもならないね」というのが、我々盗賊団が得た結論だった。

 初めて盗賊をして感じたことは、☆1つの商人は襲われないというルールが生む、極めてまったりとした雰囲気だった。正直30レベル以下の駆け出しの盗賊は、うっかり荷物を積みすぎてしまった初心者しか獲物として狙えない。レベルが高いプレーヤーのとても少数の人達が、盗賊とのバトルを楽しむために☆2つ以上のキャラバンを組む場合もあるが、それはまさにイベントとして楽しむのみである。

 レベル25以上のプレーヤーにとっては長安から敦煌までの旅路は商人1人のソロプレイで楽々達成できるのだ。☆を上げれば利益は増加するが、☆1つでも何度も往復すればそれ以上の儲けは簡単に出せる。レベルが一定以上の商人は☆1つにできないというルールが導入されれば面白くなるかとも思うが、本作はレベルが上ならばとにかく強いというバランスのゲームである。プレイ時間がふんだんにあって、レベルと装備を充実させた一部のプレーヤーが盗賊として富を独占し、誰も商人をやらなくなってしまうだろう。

 韓国産MMORPGはPvPに主眼を置いたものが多いが、どの作品でもプレーヤー達の議論となるのがこのレベル制のバランスである。本作のような小規模の戦闘がメインの作品では、プレーヤースキルよりもとにかくレベルが重要となるこのバランスの問題が如実に出てしまっていると感じた。

 しかし、その一方で、このレベルによる強さのバランスが先輩プレーヤーに自信を与えてくれるのも見逃せないところだろう。レベルが高いプレーヤーが余裕を持って後輩プレーヤーを援助してくれるという空気が本作にはある。強い商人やハンターに守られて、不安に満ちた旅路を進み、安全地帯までたどり着けた時、初心者は誰でもいつかはこうやって後輩を導きたいと思うだろう。キャラクタの強さを実感し、先輩としてのロールプレイが手軽に楽しめるのは本作のバランスあってのことだ。

 このレベル制の思想はフィールドの構成にも反映されている。本作は長安から始まり、敦煌、そして和田(ホタン)へとフィールドが続いていくが、キャラクタが和田にたどり着くためにはレベル40以上の強さを持っていることが必須となる。街道のど真ん中に強力なモンスターが居座り、安全な道は存在しないのだ。和田はタクラマカン砂漠のオアシスとして栄えた街だが、本作では極めて過酷な場所にいきなり荘厳な宮殿が建っている。現在はまだ訪れる人も極めて少なく、街がどうやってここまで繁栄できたのか、またどのようにして維持されているのか、まったくリアリティが感じられない。

 「エバークエスト」を例に取ると、大陸に渡された道は中央が危険地帯となっており、低レベルのキャラクタは自由に行き来ができなかった。レベル20を超えたあたりから、様々な出身地を持つキャラクタ達が大陸を行き来できるようになり、狩り場で出会ったり、冒険の途中でそれぞれの出身地の街を訪れたりと、世界の広さを様々な場面で感じることができた。低レベルの時には、街を訪れる異国から訪れた違う種族の姿が特別に見えたりもした。

 現在の「シルクロードオンライン」はスタートの街が長安だけで、異国から旅をしてくるプレーヤーキャラクタというのは存在しない。筆者が以前参加した制作発表会では今後追加されるヨーロッパ地域は専用のキャラクタを作ることが可能で、中国地域と同じくらいのボリュームで追加されるという。

 このままのレベルデザインでヨーロッパまでフィールドが追加されるとすれば、キャラクタを何レベルまで上げなくては大陸を横断できないか不安になったが、ヨーロッパから新キャラクタをプレイできるのならば、中央を超えるくらいのレベルまでキャラクタを育てれば、東西を行き来できそうである。ヨーロッパ地域が実装されれば、東西のキャラクタが出会う、本当の「シルクロードオンライン」が始まると思っている。

3人で獲物を待ち受け、時にはヒヨッコハンターを倒し、時にはベテランハンターに全滅させられた。商人を餌食にし、ハンターを撃退するにはレベルが足りなすぎたようだ

 最後に、本作の魅力として「ロールプレイ」が大きな楽しさを持っているということをもう一度強調しておきたい。商人、盗賊、ハンターと、役割を演じることができることが本作ならではの特色を持たせている。ちょっと制約が多い気もするがだからこそ、「ちょっと体験してみようか」という手軽でまったりとした空気を生んでいると思う。武器をぎらつかせ商人達の隙をうかがったりする場面がありながらも、盗賊やハンターが倒した相手を蘇生し、「いやー、やっぱりかなわないです」なんて会話もしょっちゅうである。負けたらすべてを失うようなきつい駆け引きは、現状、生まれていない。

 レベルの高いプレーヤーが援助を求める後輩プレーヤーに手をさしのべ、自分の強さを実感できるのも本作の旅のルールならではだろう。商人の交易品は移動距離が大きくなるほど利益が増える。長安の品を敦煌で売る場合は儲けが3倍になるが、和田では6倍の価格で売れるのだ。熱心なプレーヤー達がイベントとして大キャラバンを形成し、盗賊プレーヤー達と大決戦を繰り広げるという展開にも期待したい。今後どういった世界をプレーヤーが形成していくか、今後が楽しみな作品である。

 本作はアイテム課金制を予定されている作品である。今後、どういった課金アイテムが追加され、ゲームが変わっていくかは注目したいところだ。本作の現在のバランスだと、取得経験値を増加させるアイテムなどが予想されるが、それだと実質的な月額課金と変わらないという見方もできる。どういったアイテムが販売されるのだろうか。また、本作にはギルド戦や攻城戦の要素も入ってくる予定である。様々なポイントで、本作の魅力はこれから明らかになっていく。今後本作がどんな方向性を持った作品になるか、じっくり見守っていきたい。

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(C)2005 GAMEON CO., LTD


【シルクロードオンライン】
  • CPU:Pentium III 800MHz以上(Pentium 4 1.0Ghz以上)
  • メモリ:256MB以上(512MB以上推奨)
  • HDD:3GB以上
  • ビデオカード:GeForce2以上 (GeForce4 Ti以上推奨)


□ゲームオンのホームページ
http://www.gameon.co.jp/
□「シルクロードオンライン」のページ
http://www.silkonline.jp/
□関連情報
【9月30日】ゲームオン、「シルクロードオンライン」貿易の流れを紹介
クローズドβテスター枠を200名拡大して募集中!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050930/silk.htm
【9月23日】ゲームオン、「SiLKROAD ONLINE」プレスカンファレンスを開催
モンスターと戦いつつ西域へと歩を進める旅の醍醐味を体験
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050923/silk.htm
【9月22日】ゲームオン、新作MMORPG「シルクロードオンライン」発表
クローズドβテスター800名を弊誌枠で募集!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050922/silk.htm

(2005年11月24日)

[Reported by 勝田哲也]



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