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会場:エヌ・シー・ジャパン本社
「リネージュ」は、現在稼働している韓国産MMORPGの中ではもっとも長寿のタイトルであり、日本でも2001年9月スタートと古参の部類に属するタイトルだ。2003年10月からは、魔族につながるダークエルフの種族「ラスタバド」と戦うストーリーが始まり、タイトルも「リネージュ クロスランカー」になった。 エピソード4では、ラスタバドの本拠地であるディアド要塞へつながる地下空洞が発見され、ラスタバドに抵抗する人々の村に訪れることができるようになるほか、「海賊島」や「巨人の遺跡」といった7つの新しいエリアが追加される。他にもステータスUPといった効果を持つアイテム、新しい魔法やペットなど今までのプレイスタイルを変化させる要素が導入される。韓国ではエピソード4は日本に先がけて8月に実装されている。今回のインタビューでは、韓国のユーザーのエピソード4への感想と、今後のアップデートの方向についてお話を伺った。
■ 中級者向けダンジョンなど、幅広いユーザーに楽しみを提供するエピソード4 編: 「リネージュ クロスランカー」は現在韓国ではどのような評価を受けているでしょうか。 Kim氏: 前回までのアップデートであるエピソード3までは、追加した要素をユーザーに楽しんでもらえない部分もありました。「リネージュ」から、“パート2”になる「リネージュ クロスランカー」へとストーリーが展開したときに、地下世界より多くの魔物が現われ、その後のアップデートで世界は地下へ、地下へと広がっていったのですが、正直その入り口であるモンスターを倒してレベルを上げ続けることが可能で、多くのプレーヤーは広がった地下世界には行かなかったのです。地下は敵が強すぎたこともありますが、結果としてプレーヤー達はあまり新しいフィールドで冒険をしなかったのです。
編: 高レベルプレーヤー向け以外の要素としてはどのようなものがあるでしょうか。 Kim氏: まず初心者向けにチュートリアルを充実させ、セットアイテムなどが入手できるようにしました。チュートリアルはそのまま初心者用のクエストになっており、誰でもレベル10あたりまでは簡単にキャラクタを成長させられることができるようになりました。 レベル10から48くらいまでは、新たに追加された「海賊島」がおすすめです。クエストをクリアしていくことでレベルも上げやすくなっています。48以上のキャラクタでも「地下大空洞」や「巨人の遺跡」といった新ダンジョンは危険な場所です。パーティーでの狩りが必要となりますね。 編: 今回実装される新エリアの中で、特に人気のあるエリアはどこでしょうか。 Kim氏: 韓国では「エピソード4」は8月に導入されたのですが、導入直後は「海賊島」が大人気でした。ストーリー性の高いクエストと、防御力を上げてくれるネックレスが入手できるということもあって、このアイテムを求めてほとんどのプレーヤーがここを訪れました。 他には「地下大空洞」が比較的進入しやすい場所で、経験値が得られやすくなっていることもあって人気でした。また、難易度の高い「魔族の神殿」や「巨人の遺跡」は危険なかわりに多くの報酬を得ることができるため、高レベルプレーヤーは積極的に挑戦しています。 編: 今回、装備することでステータスが変化する「属性武器」が導入されて、アイテムがたくさん増えたようですが、ユーザー達のプレイスタイルはどう変化したのでしょうか。 Yue氏: 今回はステータスUPなどの追加アイテムよりも、武器のバランスやスキルとの見直し、というのがプレーヤーに大きな影響を与えたようです。今までナイトのプレーヤー達は片手用の短剣ばかりを使っていたのですが、斧や両手剣といったスタイルで戦う人も増えてきました。ナイトのショットスタンは両手剣でないと使えない、というようにそれぞれの武器でなくては発動しないスキルなどを導入したのです。 魔法もまた敵をしびれさせたりとステータスを変化させるものが追加され、それぞれのクラスごとに特徴を持たせ、プレーヤーはキャラクタによって異なるプレイスタイルを追求できるように調整しています。 今回の調整は、実験色の強いもので、魔法を積極的に使うクラス、スキルを積極的に使うクラスという感じで、魔法とスキルの関係をより明確に差別化していきました。今後も延長してスキルと魔法の違いをよりはっきりしていきたいと思っています。 編: ドラゴンのビジュアルがリニューアルされましたが、グラフィック以外に変化した部分を教えてください。 Yue氏: 今までのドラゴンはほとんど倒せないようなバランスになっていました。今回のリニューアルでプレーヤーが協力をして、努力をすれば倒せるバランスにしたのです。攻撃力などは以前より増していますが、倒せない敵ではなくなったことで、討伐イベントなども行われるようになるでしょう。もし倒すことができればレアアイテムを入手することもできます。
AIにより様々な魔法や攻撃パターンを使いこなすようになったのも見所ですね。以前のドラゴンと戦ったことのあるプレーヤーの皆さんは、その多彩な行動パターンに驚くと思いますよ。より戦うことが楽しくなったボスになりました。
■ エピソード6で次の段階へ進む「リネージュ」。クラスの個性をより明確に 編: プログラマーのShimさんにお聞きしたいと思います。不正利用者の対策をなさっているとのことですが、具体的にどのような対策をしているのでしょうか。 Shim氏: 私はプログラムからのアプローチなので、BOT(キャラクターを自動的に操作する不正ツール)やチートに対しての対策を行なっています。不正ツールの使用などは日本ではそれほど多くありませんが、韓国や台湾だと盛んです。BOTを制作するには「リネージュ」の構造を把握する必要があります。この把握を困難にするためにプログラムの実行ファイルを分析しづらいようにより複雑にしました。
編: では次に、これからの「リネージュ クロスランカー」はどうなっていくかをお聞かせください。 Kim氏: 「リネージュ クロスランカー」は「エピソード6」で完結します。その後は新しい“パート3”が始まることになります。エピソード6では魔族とつながるダークエルフ達の拠点ラスタバドの姿が明らかになる予定です。この場所ではダークエルフ達との終わりなき激しい戦いを体験できるでしょう。エピソード6は韓国では来年の終わりか、再来年のはじめに導入予定ですね。 編: システム的にはどのような要素が入るでしょうか。 Kim氏: これからも様々な要素を取り入れていきます。エピソード4で状態異常を引き起こす魔法などよりサポート的要素が強くなったクラスもあり、今後魔法を使うか、スキルを使うかではっきりとプレーヤー間で役割が変わっていくような方向性を強くしていきます。 今後は、職業と各プレーヤーのアイデンティティーが明確になる方向性でのアップデートを考えています。現在韓国では前衛1人、後衛1人といういわゆる「ペア狩り」が主流になっています。限られたクラスのプレーヤー達のみが狩りで活躍している。今後はさらにいろいろなクラスが協力してパーティーで冒険できるような場を作っていきたいですし、パーティーでなければ戦えないような状況を作って、協力プレイを推奨していきたいですね。 編: パート2になる「リネージュ クロスランカー」では、魔族とダークエルフの存在がキーワードとなっていましたが、パート3ではどんなキーワードが出てくるのでしょうか。 Kim氏: 現在まだ考えているところなので、お答えできないですね。 編: 日本のファンに向けてのメッセージをお願いします。 Yue氏: 「リネージュ」はかなり息の長いゲームですが、日本の皆さんに今まで以上に愛着を持ってプレイしていただければありがたいと思っています。今後もアップデートのたびに新しい楽しみが増えるようにしていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 Kim氏: 「リネージュ」をここまで続けてこれたのは皆さんのおかげです。そしてこれからも「リネージュ」は続いていきます。開発者として、アデンの世界を見守るものとして、今後も様々なストーリーを皆さんに提供していきたいと思っています。「リネージュ」のアップデートは今後ともずっと続いていきます。 Shim氏: 「リネージュ」に関心を持っていただいて、ありがとうございます。私たちはゲームのバグや不具合を最小限にするために日々努力しています。今後ともよろしくお願いします。 Lineage and Lineage the Cross Rancor are registered trademarks of NCsoft Corporation. 1998-2005 (C) Copyright NCsoft Corporation. NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute, and transmit Lineage the Cross Rancor in Japan. All Rights Reserved.
□エヌ・シー・ジャパンのホームページ (2005年11月22日) [Reported by 勝田哲也]
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