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株式会社セガは、アミューズメント施設向け業務用新製品を一同に集めた「SEGA PRIVATE SHOW 2005 AUTUMN」を開催した。
出展内容は、9月に行なわれた「第43回アミューズメントマシンショー(AMショー)」で初公開されたタイトルが中心。映像出展タイトルをのぞけば、いずれも今冬~来春稼動予定となっている。まずは映像出展されたタイトルから順次ご紹介していこう。
■ アフターバーナー クライマックス(映像出展)
アメリカ海軍の空母艦載機「F14」で空を駆け抜ける爽快感、シンプルな操作でミサイルを避けつつ敵機をガンガン叩き落していくテンポの良さで、独特のカタルシスをプレーヤーに与えてくれた屈指の名作。キャッチーさをそなえた疾走感のあるBGMは、今なお多くのゲームミュージックフリークから愛されて止まない。 出展映像はAMショーのバージョンに若干手が加えられたもので、細部のディティールなどがより明瞭になったような印象。かつてのファンに、グラフィックだけを切り取って見せたら「これPCのコンバットフライトもの? 随分と綺麗だねぇ」などと言うかもしれない。だが、空母からの発艦シーン、バーナー全開の飛行姿勢、正面から飛来する敵機の群れ、迫り来るミサイル……グラフィックは完璧にリファインされているのに、画面内の動きすべてが「あぁ、コレはまさしく『アフターバーナー』以外の何者でもない!」と感じさせてくれる。これは、本当に凄いことだと思う。
映像にターゲットカーソル、計器などインフォメーション関係が含まれていなかったことが唯一気になるものの、その強烈な疾走感は、オールドゲーマーならずとも「確実にその気にさせてくれる」罪作りな仕上り。「アフターバーナー クライマックス」は、果たしてどのような姿(筐体)で我々の前に姿をあらわすのだろうか。今から待ち遠しくて仕方がない。稼動時期は未定。
(C)SEGA Corporation Produced under license from Boeing Management Company. Produced under license from Northrop Grumman Systems Corporation.
■ バーチャファイター5(映像出展)
エル・ブレイズは、鳥をイメージさせるマスクと褐色の肌が印象的なルチャ・ドール(メキシカンプロレスのレスラー)。映像でも、壁を使った立体的な動きや変則的なウラカン・ラナなど、軽快かつスピーディな動きで対戦相手を翻弄。バーチャファイターの世界には“ウルフ”というレスラーの先達がいるだけに、WWEばりの激しい抗争劇なども期待したいところだ。 新要素としては、これまでの1P、2Pといったキャラクタの基本コスチュームを一気に4パターンに拡大。指輪などアイテムの装着部位が増えたことで、より自由度の高いカスタマイズが楽しめるようになっているという。また、レベルの高かった試合を実況、解説つきで各アミューズメント施設のモニタに配信する「VF.TV」という新たな試みも実施される。配信コンテンツは、開発者インタビュー、ランキング、プレーヤーピックアップなど多岐にわたるという。
興味深いのは、こうした配信コンテンツが「店舗限定」、「エリア限定」で実施される予定があるという点。プレイスタイルなどで地域性が取り沙汰されるシリーズだけに、こうした地域(店舗?)限定コンテンツはさまざまな発展的要素を秘めているといえる。プラットフォームはリンドバーグ。稼動時期は未定。
(C)SEGA Corporation
■ サイファイ
基本的な仕様は、以前のAMショーレポートでお伝えしたとおり。能力が異なる複数のキャラクタから好きなひとりを選んでゲームスタート。画面四隅にある矢印マークにタッチすると、キャラクタが一定のポイントまで移動。敵を攻撃するときは、弾を撃ちたい場所を直接タッチ。連続してタッチすれば連射になる。長めにタッチするとタメ撃ちになり、画面に触れたまま指をスライドさせれば描いた軌跡にそって弾幕が張れる。 パワーゲージが最大になると、画面中央のポイントをタッチすれば必殺技が発動。周囲に表示される選択肢から実行したい必殺技を選び、続けて表示された図形をなぞり成功すれば必殺技が発動。このとき、素早く入力するほど発動後の弾速などが向上する。威力絶大の必殺技だが、さりとて“使ったもん勝ち”ではないのがミソ。防御側は、発動と同時に表示される“3種類の図形”のなかから、相手が使おうとしている必殺技の図形を当てれば無効にできる。 AMショー版は完成度が低く判断に悩まされるところもあったが、今回のバージョンはさまざまな部分に改良が施された、より製品版に近い内容。改良点としては、キャラクタの現在位置が四隅の矢印カーソルにハッキリと明示されるようになったのが大きい。AMショー版はキャラクタのポジショニングで混乱させられることがあったが、PBショー版は現在位置の矢印カーソル部分に“G”と表示される。Gは“ガード”の意で、矢印カーソルをタッチし続ければ敵の攻撃をガードできる。避けるなら他の矢印カーソルを、その場に止まってガードするならGと、直感的な操作が可能になったわけだ。 このほかにも、赤いサークルで一瞬表示される敵の未来位置を素早くタッチすると誘導弾が発射される“スナイプ”、敵キャラクタを一定時間タッチし続けると、より追尾性能の高い弾が発射される“誘導弾”、被弾直前にマイキャラの背中をタッチして敵に弾を跳ね返す“リフレクト”が入力しやすくなるなど、随所にユーザーフレンドリーな改良が施されている。
ICカードを使用すれば、戦績データの記録、キャラクタのカスタマイズなどが可能。基本能力に関しては不明だが、アンビエントな光に包まれたキャラクタの外観に関するカスタマイズは、かなり自由度が高いものになりそうだ。2006年4月稼動予定。
(C)SEGA Corporation
■ パワースマッシュ3
本作の特徴は“敷居の低さ”と“奥深さ”を両立している点に尽きる。本当にカンタンな操作で多彩なプレイが楽しめる一方で、コツを飲み込んでからの奥深さは特筆に値する。レバー入力によるコースの打ちわけはもちろん、相手の返しを予測して素早くポジションを移動し、早めにボタンを押して強烈なリターンを返すといった駆け引きを身体が覚え始めたら、もうやみつき。前作「2」の対戦はあまり盛り上がらなかった感があるが、今作はこの一点だけでもかなり盛り返すのではないだろうか。 シングルプレイも充実しており、新モード「チャレンジモード」が特に熱い。チャレンジモードは“MAXパワーのサーブを打て”、“フォアハンドを6本連続で打て”、“ロブを6回連続で打て”、“最後はスマッシュで決めろ”、“スライスのみでセットを取れ”など、さまざまな課題をクリアしていくというもの。仮題をクリアするごとに賞金が獲得できるほか、チュートリアル的な要素も加味されているため初心者から上級者までやりがいのある内容になっている。 キャラクタは、ロジャー・フェデラー(スイス)、アンディ・ロディック(アメリカ)、レイトン・ヒューイット(オーストラリア)、ティム・ヘンマン(イギリス)など、世界のトッププレーヤー12人が実名で登場。キャラクタのモデリングには、ビデオ映像から3Dモデルを生成する最新システムを使用。肌艶はもちろん、本当に毛穴の1本まで再現されているのではないか? とさえ思えてしまう驚異的なクオリティは、プレイしている本人はもちろん、周辺のギャラリーを釘付けにすること間違いなし。突然アップになったときなどは「こ、怖っ!」とのけぞってしまったほどだ。 専用ICカードに対応しており、戦績の記録、キャラクタのカスタマイズが可能。ただし、ひとくちにチューニングといっても「お金をかけるほどキャラクタが強くなる」といった内容ではなく、ベースにしたキャラクタのプレイスタイルなどを自分好みに変えられるといった方向性でまとめられていくようだ。これは、本作が対戦バランスを重要視しているためと推測される。やり込みで差をつけたいと考えるプレーヤーには不評を買うかもしれないが、実力がきっちり反映するぶんフェアに対戦したい人にはこちらのほうがベターだろう。
ひいた画面でもガットがきちんと見えるなど、そこいらのプリレンダムービーが素足で逃げ出す驚異の3Dグラフィック。グラフィック、モーション、バランス調整、すべての要素が高次元でまとめられているといった印象。テニスゲームが好きな人は当然として、スポーツゲームが好きなら必ず一度は体験して欲しい作品。そして、超アップで表示されるリアルな顔面の造作におののいて欲しい(ちなみに、アップのアングルで表示されるときも、ゲームのプレイ中もキャラクタモデルは同一のものを使用している)。稼動時期は未定。
(C)SEGA Corporation
■ アミ~漁(あみ~ぎょ)
近年、各社がしのぎを削る大型マスメダルゲームだが、本作はファンシーかつ清涼感のある筐体作りで一歩抜きん出ている感がある。なんといっても素晴らしいのは、四方のプレーヤー全員と同じ画面を囲める“開放感”のある筐体デザイン。四隅に支柱を配置しているため、一般的な大型マスメダルゲームのように「黙々と遊んでいる」感は皆無。語弊はあるかもしれないが“見知らぬ他人同志が同じ鍋を突っつきあう”といったところか。卓ならぬ画面を囲む相手にもよるのだろうが、えもいわれぬ共有感が、なんとも微妙に心地いい。 画面内を泳ぎ回る魚にあわせてダイヤルを回し、メダルを投入。入れるたびにマイキャラが網を投げ、魚に当たると種類に応じた「漁獲量(kg)」が獲得できる。小物は1kg、大物は10kgなど、その重さはまちまち。漁獲量のトータルが100kgに到達するたび、高確率でスロットイベントが発生。メダル獲得、ミニゲームなど、各ステップが10個たまるとジャックポット抽選に発展。さらなるメダル獲得が期待できる。
ジャックポット発生時はスクリーンが開いて下から大型スロットが出現するなど、メカニックな演出面でも抜かりがない。人によってはルールが理解しづらいこともあるマスメダルゲームだが、本作は“魚を網で捕まえる”というシンプルかつキャッチーな要素がベースになっており、そんな心配は無用といえるのではないだろうか。稼動時期は未定。
(C)SEGA
□セガのホームページ (2005年11月2日) [Reported by 豊臣和孝]
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