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【連載第198回】 あの、おもちゃを徹底レポート




'80年代のLSIゲームがここに復活!
ハナヤマ「ゲームロボット21」

'80年代のLSIゲームがここに復活!
「ゲームロボット21」
発売 ハナヤマ
価格 3,675円
電源 アルカリ単3電池×3 (別売)
発売日 発売中



 パッケージを手に取った瞬間、「なつかし~い!」と思わず声が出た。2005年に、まさかこのアイテムと出会えるとは! 「ゲームロボット21」は、ハナヤマが'81年に発売した「ゲームロボット九」のリメイク版。LEDライトを使って遊ぶ、いわゆるLSIゲームだ。  任天堂がファミリーコンピュータを発売したのは、'83年。そこから少年たちの娯楽は一気にテレビゲームに塗り替えられるのだが、それ以前はこうしたチープなLSIゲームを楽しんでいたのだった。

 しかし、なぜ今「ゲームロボット」が復活したのだろうか。パッケージをじっくり眺めてみると、その理由が少しわかった。「ゲームロボット」本体は変わっていない。特徴的な大きなボタンもそのままだ。ただし、ゲームの内容は刷新されている。収録数は9種類から21種類に増え、それぞれのゲームタイトルの横には「集中力」、「判断力」、「記憶力」などと効能が添えられている。なるほど、大人も遊べる知育トイとして復活させたわけか。ニンテンドーDS向けのソフト「東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング (脳トレ)」」が幅広い層に受け、100万本を超える売り上げを記録している現象とも無縁ではあるまい。

 それでは、生まれ変わった「ゲームロボット21」の真価を、しかと受け止めてみよう。


'80年代初頭のテイストがそのまま残された本体

 リメイク作とはいうものの、本体のデザインに大きな変化はない。むしろ、'80年代初頭そのもののデザインに、いっさい手を加えていないのがすがすがしい。本体上部の「ロボットの目」風のカラーリングはまさに'80年代初頭のそれだし、ドッド絵風に描かれた数字も同様だ。「ゲームロボット21」本体が、「懐かしいでしょ?」と語りかけてくるようで、ひたすら頷くしかない。

 「大きな計算機みたいな外観なのに、どうしてこれがロボットなのさ?」と若者の疑問が聞こえてくるようであるが、この外観はこれでよし。筆者のような当時の少年たちは、点灯するLEDライトの美しさに「未来の世界」を夢想して、「ゲームロボット」があたかもスーパーコンピュータ、あるいはロボットの心臓部であるかのような妄想を膨らませていたのだ。

パッケージには「脳力アップ」が大きく謳われている レトロ感がほとばしるキャラクタデザイン。懐かしさを感じる


 操作系統は、大きく3つに分けられる。「0」から「9」まで10種類あるLEDボタンは、ゲームプレイの大部分を担う。「A」、「B」、「C」と書かれた3種類の赤いボタンは、サブボタン。LEDでは足りないときに活躍する。STARTボタンとRESETボタンは、ゲームの開始時と終了時に使用する。本体の左上にあるLED画面は、ゲームのナンバーやヒントなどを表示する。

 背面のふたを外して、電池ボックスにアルカリ単3電池を3本投入すると、準備は完了。電源スイッチをオンにすると、ゲームを開始することができる。豊富に用意されたゲームの選択は、本体のLEDボタンを使用する。例えば、10番目の「ピコピコモグラをやっつけろ」を遊びたかったら、「1」と「0」のLEDボタンを押してゲームを選択したのち、STARTボタンを押す。

「ゲームロボット21」本体。ボタンの多さが特徴だ プレイ中はLEDライトが点灯し、電子音が鳴り響くので、にぎやかな印象だ



音感や記憶力、判断力などを刺激しながら遊ぶ

ゲームは21種類あり、バリエーションも豊富だ。

    01 演奏にトライ!
    02 作曲にトライ!
    03 音感トレーニング
    04 サウンド神経衰弱
    05 集中力トレーニング
    06 メモリー間違い探し
    07 光と音を追え!
    08 3つの宝さがし
    09 潜水艦を見つけろ
    10 ピコピコモグラをやっつけろ
    11 帰ってきたピコピコモグラ
    12 がんばれゴールキーパー
    13 連射にチャレンジ
    14 がんばれ消防士
    15 判断力トレーニング
    16 たし算にチャレンジ
    17 ひき算にチャレンジ
    18 かけ算にチャレンジ
    19 一触即発バクダン
    20 スロットにトライ!
    21 ロボットビンゴ

取扱説明書に掲載された楽譜。この通りにLEDボタンを押すと、曲を奏でられる
 「01 演奏にトライ!」、「02 作曲にトライ!」、「03 音感トレーニング」の3種類は、音感の育成に効果がある……という触れ込みのゲームだ。

 「01 演奏にトライ!」は、LEDボタンをキーボードに見立てて遊ぶ。「1」~「9」のボタンに、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド・レの音階が割り当てられている。音色も3種類用意されていて、「A」ボタンを押すとオルガン、「B」ボタンを押すとベル、「C」ボタンを押すとギターに切り替わる。筆者にはキーボードの心得がないのだが、LEDボタンが大きいため、指使いに迷うことがなく、演奏が簡単に感じられた。

 「02 作曲にトライ!」は、「01」と同様の操作方法で曲を奏でたあとで「C」ボタンを押すと、それが自動演奏される。「03 音感トレーニング」は、音を使ったクイズ。「ゲームロボット21」が奏でる数音が問題だ。この数音のうち、最後に音が鳴ったボタンを押すと正解となる。


 「04 サウンド神経衰弱」、「06 メモリー間違い探し」、「07 光と音を追え!」の3種類のゲームでは、記憶力が問われる。

 「04 サウンド神経衰弱」は、LEDボタンをトランプに見立てて遊ぶ。「0」~「9」のLEDボタンを押して、同じ音の鳴るLEDボタンを探し当てる。「06 メモリー間違い探し」は、LEDボタンの点灯する順番をよく見て、以前の順番とは違っているボタンを押す。「07 光と音を追え!」は、LEDボタンが光った順番を記憶して、その順番を再現する。正解するたびに光るボタンの数が増え、難易度が上昇する。


LEDボタンの光や音、あるいは下に描かれた数字を使って、各種ゲームを進める
 「05 集中力トレーニング」は、集中力を養うゲーム。LEDボタンの点灯する順番を暗記し、出題通りの順番でボタンを押す。前述した「07 光と音を追え!」と似ているが、こちらは問題となるLEDボタンが一瞬しか点灯しない。より研ぎ澄まされた集中力を求められるわけだ。


 「08 3つの宝さがし」、「09 潜水艦を見つけろ」は、推理力に関連している。「08 3つの宝さがし」は、9個のボタンに隠された3つの宝を探し当てる。「09 潜水艦を見つけろ」は、宝ではなく探すのは潜水艦。しかし、こちらは潜水艦が攻撃してくるといった設定なのだろうか? 回答のチャンスは3回しかない。


 「10 ピコピコモグラをやっつけろ」、「11 帰ってきたピコピコモグラ」、「12 がんばれゴールキーパー」、「13 連射にチャレンジ」、「14 がんばれ消防士」の5種類は、瞬発力を求められる。

 「10 ピコピコモグラをやっつけろ」は、ご存知モグラ叩きゲーム。ランダムに点灯するLEDボタンをモグラに見立て、点灯したそばからボタンを押す。「11 帰ってきたピコピコモグラ」は、その上級モード。ゲームを開始した直後から複数のモグラが登場し、終盤には大群となって出現する。「12 がんばれゴールキーパー」は、LEDボタンの点灯をサッカーボールに見立てて遊ぶ。次第に手前に迫ってくる光を眺めて、タイミングよく押す。ストレートに迫ってくるパターンもあれば、手前で左右に曲がるパターンもあり、飽きさせない。

 「13 連射にチャレンジ」は、LEDボタンを連射するゲーム。単に1つのLEDボタンを連射するだけでなく、「1」~「9」のLEDボタンをすべて連射しなくてはならない、というルールがミソ。一度連射して光を点灯させたLEDボタンでも、時間が経つと次第に光が弱くなり、再び連射をしなければならない。軽いパニック状態になれるのが楽しい。「14 がんばれ消防士」は、点灯するLEDボタンの光を炎に見立て、消火していくゲーム。LEDボタンを連射すると炎は鎮火するのだが、連射が遅れると周囲のLEDボタンに引火して、被害が拡大してしまう。


LEDボタンの感触は良好。力をいれずとも反応するので疲れない
 「15 判断力トレーニング」は、判断力がカギとなるゲーム。点灯する3種類のLEDボタンを、縦か横に1列に並ぶように入れ替える。


 「16 たし算にチャレンジ」、「17 ひき算にチャレンジ」、「18 かけ算にチャレンジ」の3種類は、計算力を鍛えられる。

 「16 たし算にチャレンジ」は、光ったLEDボタンの数字を足して、その結果を計算する。例えば、「2」と「3」のLEDボタンが光ったのなら、「5」のLEDボタンを押す、という具合だ。「17 ひき算にチャレンジ」は、100を基本としてひき算をする。例えば、LED画面に「32」と表示されたら、「100-32」を計算し、その答えとなる「6」と「8」のボタンを押す。「18 かけ算にチャレンジ」は、点灯した2種類のLEDボタンの数を掛け合わせて、その回答となるLEDボタンを押す。


 「19 一触即発バクダン」と「20 スロットにトライ!」の2つは、想像力を養える。

 「19 一触即発バクダン」は、「1」~「9」のLEDボタンの中に隠された爆弾を避けるゲーム。爆弾が隠されたLEDボタンを押してしまうと、ゲームオーバーになる。「黒ひげ危機一髪」の要領だ。「20 スロットにトライ!」は激しく点灯するLEDボタンをスロットマシンのドラムに見立てて遊ぶ。ドラムの回転を止めるのには、「A」、「B」、「C」ボタンを使用する。


 「21 ロボットビンゴ」は、ほかのゲームと比べると、その趣向が大きく異なる。「ゲームロボット21」をビンゴマシンとして使用するのだ。別売のビンゴシートを用意すれば、実際のビンゴ大会で使用できる。子供のころに「ゲームロボット九」があったという世代なら、懐かしさが募って、盛り上がるかもしれない。

取扱説明書のそこかしこに、各ゲームのイメージCGが掲載されている 取扱説明書の最終ページには、ぬりえも用意されている


 すべてのゲームを遊び終えてみると、「健闘している!」という感想が浮かんできた。21種類のゲームはすべて独自のルールを持ち、一見すると似ているゲームでも、それぞれ違った味付けがなされている。テレビゲームのようにモニター画面がないのに、ここまでのバリエーションを付けていることに感心した。

 「脳を鍛える」部分は、結果が出るまでには時間がかかるだろうが、頭を使うゲームが多いので相応の期待ができるかもしれない。懐かしさをたたえながら、新しさも感じさせる。復活の意味は、十分にあったといえるだろう。

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□ハナヤマのページ
http://www.hanayamatoys.co.jp/
□「ゲームロボット21」のページ
http://www.hanayamatoys.co.jp/gamerobo/


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(2005年10月20日)

[Reported by 元宮秀介]


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