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スギヤマ工房、「金管五重奏によるドラゴンクエストコンサート」開催
会場：第一生命ホール
「東京都交響楽団の金管セクションのオールスターメンバー（すぎやま氏）」という高橋敦氏（トランペット）、中山隆崇氏（トランペット）、西條貴人氏（ホルン）、小田桐寛之氏（トロンボーン）、佐藤潔（テューバ）の5人で構成される東京メトロポリタン・ブラス・クインテットは、今回のコンサートに当たって、作曲者であるすぎやまこういち氏にメンバー自ら金管五重奏による演奏を申し出、選曲、編曲を手がけたという。 11日がまさにこの「金管五重奏によるドラゴンクエスト」の初演。この後、このメンバーでレコーディングを行ない、来年2月22日に「金管五重奏による『ドラゴンクエスト』」のCDが発売される予定だ。 すぎやま氏は、「このコンサートはブラスバンドをやっている学生にもいいお手本になると思います。金管楽器の音は基本的に明るいでしょ? メンバーの皆さんは金管楽器特有の明るいサウンドを聴かせてくれる。しかし、『レクイエム』などの曲では、“金管楽器ってこんなしっとりしたやわらかな音も聴かせてくれるんだ”と新たな発見もあるんではないかと思います。金管楽器奏者は性格も明るい人が多いですね。今日は舞台の上から明るい、楽しい雰囲気が出てくると思っています」とコンサート前のインタビューで語ってくれた。 「普通のオーケストラでは弦楽器や木管楽器が演奏している間に休むことができるんですが、今回は金管楽器を吹きっぱなし。相当大変だ。ブラスバンドで演奏しているときも交代で休んだりするんですが、今回はみなさんのタフなところも見所ですね。それから、5人のうち4人まで『ドラクエ』を遊んだことがあるということ（笑）。『ドラクエ』のよき理解者でもあるわけです。彼ら自身の発案で始まったことなんで、気合の入り方も違うし、皆さんが演奏したくてやっているコンサートです」と続けた。 「『ドラクエ』の曲は最初3トラックでスタートし、スーパーファミコン、プレイステーション、プレイステーション 2とハードが進化しても、トラックが多くなりすぎないように書いています。コンパクトにまとめた音楽なので、室内楽の少ない編成にもある種向いている音楽ではないか」と最後に締めくくった。 今回のコンサートでは、すぎやま氏は司会を務め、東京メトロポリタン・ブラス・クインテットのメンバーによる演奏というスタイルが採られた。曲間にはメンバーの紹介はもちろん、金管楽器の解説が次に演奏される曲にうまく合わせて取り入れられており、楽器そのものにも親しみがわくような構成になっていた。例えばトランペットの音色を変えるカップの種類や、ホルンの管は3m70cm以上あるだとか、それぞれの楽器の音色の特徴などをメンバーが実際に演奏してくれるなど、非常にわかりやすく、また駄洒落をまじえた軽妙なすぎやま氏のトークに会場は爆笑、という具合。 【演奏プログラム】 --第1部--
序曲「I」より --第2部--
序曲のマーチ「V」より アンコールでは、「恋のフーガ」、行進曲「士官候補生」（スーガ）のすぎやま氏アレンジ、そして「V」の「序曲のマーチ」が再演された。すぎやま氏によるウッドブロックの演奏があったりと盛りだくさんの2時間あまり。最後は割れんばかりの拍手で会場が包まれた。
12月7日には、マティアス・ムジクム・カルテットの演奏による「弦楽四重奏による『ドラゴンクエスト』」のCDがいよいよ発売される。来年1月28日には、「交響組曲『ドラゴンクエストVIII』」の新春公演も行なわれる。8月に行なわれた同コンサートを見に来られなかった人たちのための追加公演的内容になるとのことなので、ぜひ足を運んでみてほしい。 (2005年10月11日) [Reported by 佐伯憲司]
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