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【連載第195回】 あの、おもちゃを徹底レポート




待望の家庭用プラネタリウム登場!
セガトイズ「ホームスター」

「ホームスター」
発売 セガトイズ
価格 20,790円
電源 専用ACアダプタ(同梱)
単2アルカリ電池×4 (別売)
発売日 発売中



 発売前から予約が殺到し、今なお品切れ状態が続く人気アイテムだ。本格的なプラネタリウムが自宅にやって来るのだから、その過熱ぶりもわかるというもの。

 約2万円という価格を高く感じる人も多いだろうが、性能の高さを知れば、考えが変わるだろう。

 この「ホームスター」は、家庭用プラネタリウムでは世界初となる、レンズを使った光学式投影を採用。人間の肉眼で見られる星は約8,600個といわれているが、「ホームスター」は業務用のプラネタリウムに匹敵する約1万個の星を投影する。「トイ」の枠をはるかに超えた商品、ということだ。


交換用ソフトから2方式の電源まで、充実した内容

 現在は本体のカラーが異なる「スターシルバー」と「コスモブラック」の2種類が発売中だ。筆者は「コスモブラック」を手に入れた。箱の中を開けると、さまざまなアイテムが収められていた。以下、内容物を列挙してみよう。

    ・「ホームスター」本体
    ・「恒星原板ソフト」×2枚
    ・星空解説CD「天文部の夏休み」×1枚
    ・星座解説ハンドブック
    ・専用ACアダプタ
    ・専用電池ボックス

 「ホームスター」本体は、星空を投影するプラネタリウム。「恒星原板ソフト」は、星の映像を記録したソフトだ。透明のプラスチックの板の上に微細な星がプリントされており、これに光を当てて星を投影する。今回のパッケージには、「日本の星空」、「日本の星空<星座ライン入り>」の2枚が同梱されている。今後、「恒星原板ソフト」が別売されれば、異なるエリアや環境の星空を投影できるようになるわけだ。

 星空解説CD「天文部の夏休み」は、音声によって星座の見方を紹介するCDだ。天文部に所属するふたりの大学生が星空を眺めながら、日本から見られる代表的な星座を解説する内容。実際のプラネタリウムでも、このような音声解説が流れることが多いので、「本格的な気分」を味わうためにも必需品といえる。

 「星座解説ハンドブック」は、元サンシャインプラネタリウム館長・藤井常義氏による星座の見方を紹介した解説書。春夏秋冬それぞれで異なる星座や、星座の見つけ方などが丁寧に記載されている。

 「ホームスター」本体に電源を供給する手段としては、専用ACアダプタと専用電池ボックスの2種類が用意されている。基本的には専用ACアダプタを使用するのだが、「ホームスター」本体の設置場所の付近にコンセントがない場合などは、専用電池ボックスを利用できるようになっている。専用電池ボックスを使用する場合は、単2アルカリ電池を4本用意する必要がある。

 「ホームスター」本体をくわしく見てみよう。球形をした本体の上部には、丸いパーツが突起している。これはレンズキャップで、外すと星空を投影するレンズが現れる。本体の下部には、複数のスイッチ類が並んでいる。もっとも大きなものは、原板ソフトトレイ。つまみをつかんでトレイを引き出して、中に「恒星原板ソフト」をセットする。「SS」と書かれたスイッチは、流星機能だ。これをオンにすると、約30秒間に1回の割合で、星空のどこかに流星が流れる。「MOVE」というスイッチは、星空の運動を司る。スイッチを一度押すと投影された星空が、北半球の夜空と同様に半時計回りに回転。もう一度押すと南半球と同様に時計回りに回転する。

 「タイマー」は、電源を自動に切る機能。15分、30分、60分と3段階から選べる。これを使用すれば星空を眺めながら、安心して眠ることができる。

「ホームスター」パッケージ。英文字で「21世紀の家庭用プラネタリウム」とある パッケージの全内容物を広げてみた。ユーザーの使い方や環境が配慮されている
「ホームスター」本体。外観は、まさに小型のプラネタリウムだ 全高は、約16センチ。重量は約1キロなので持ち運びも簡単
同梱されている「恒星原板ソフト」。どちらも「日本の星空」だが、左のものには星座のラインが収録されている 「恒星原板ソフト」。表面に星や天の川がプリントされている
トレイを引き出し、本体に「恒星原板ソフト」をセットする 星空解説CD「天文部の夏休み」。「ホームスター」にはCD再生機能はないので、ラジカセやPCで再生する
ACアダプタと電池ボックス。「ホームスター」を使用する環境によって使い分ける



天井いっぱいに星が瞬き、流れ星が横切る

 「ホームスター」本体を自宅に持ち帰ると、妻と娘がいまかいまかと待ちわびていた。自宅で本格的なプラネタリウムを投影できるのだから、そのワクワク感も頷ける。

 「ホームスター」本体は、天井から2メートル~2メートル30センチ程度離れた位置がベストポジション。星空解説CD「天文部の夏休み」を再生するCDラジカセといっしょに、リビングルームのテーブルの上に置く。本体には「日本の星空」をセットする。星座がひと目でわかる「日本の星空<星座ライン入り>」も気になるが、まずは星空を堪能したい。

 本体の横にあるレバーを使って、本体を傾ける。天井の中心に星空が投影されるであろう角度に調整する。レンズの周囲には、星空映像を調整するピント調整ダイヤルがある。星空を投影をしてみて、不具合があれば使用しよう。

 家中のカーテンというカーテンを閉め、できうる限り室内が暗くなるようにする。さあ、投影開始だ。電源スイッチをオンにする。はじめは驚き、やがて落胆した。確かに星空は投影されているが、星のひと粒ひと粒が大きすぎる。しかも焦点が定まらず、ぼやけている。ライトセラピーのグッズならこれでもいいだろうが、これはプラネタリウムだ。しかし2万円程度ならこんなものなのだろう……と結論付けようとすると、ピント調整ダイヤルの存在を思い出した。そうだ、ピントがずれているに違いない。急いでダイヤルを回転させる。

 この瞬間の美しさは、今だ忘れることができない。天井に映し出されたぼんやりとした光の塊が、突如として鮮烈な星空に切り替わったのだ! 無数の星で構成された天の川が星空を貫き、その周囲に大小の星が輝いている。妻も娘も「うわ~」とか「キレイ!」と感嘆するのみ。

 実際のプラネタリウムの精度と比較すると、それは比べようがない。天井の電灯の上にも星空が投影されるので、無粋を感じる部分もある。しかし、「2万円の家庭用」と考えると、想像以上の美しさだ。投影した部屋は14畳なのだが、十分な光量によって天井の隅々にまで星空が投影されている。星は大小交えて無数に瞬き、田舎の澄み切った夜空を思わせる。一等星は力強く輝き、北斗七星や夏の大三角形が見てとれる。

 「MOVE」スイッチを押して日周運動機能をオンにすると、星空がわずかに動き出した。星空が1周する時間は、約12分。これなら遠くに投影されている星もしっかり鑑賞できる。

 そのとき、ひときわ大きな星が流れ星となって、光の尾を描いて、消えていった。「流れ星だっ!」と歓声が上がる。ソファに身を沈めて星空をボッーと眺めていると、体の力が抜け、心がおだやかになってくる。リラクゼーションのアイテムとしても、抜群の効果を発揮するようだ。

中央にあるのが、レンズキャップ。その周囲をピント調整ダイヤルが囲んでいる 電灯の下でライトをオンにしたところ。高輝度白色LEDによって、まぶしい光が放たれる 操作スイッチは1カ所にコンパクトにまとめられている。慣れれば暗闇の中でも操作可能
本体のレンズにカメラを向けて撮影。星の数や光の美しさが少しでも伝わるだろうか
※天井に投影した映像ではありません
同様の方法で、「日本の星空<星座ライン入り>」を撮影。様々な星座が表示されているのがわかる
※天井に投影した映像ではありません


 ひと通りの発光を楽しんだので、今度は本体にレンズやドームを使用してみた。レンズを乗せると、投影される光が波紋のようになり、通常の発光モードとは違った光を楽しめた。

 星空をずっと眺めていたい誘惑を断ち切って、「日本の星空<星座ライン入り>」をセットする。星空に重さなるように、星座を示すラインが表示される。同時にCDラジカセで星空解説CD「天文部の夏休み」を再生すると、これがドンピシャリだった。ソフトとCDは同調して再生されるものではないのだが、どちらも「日本の星空」がテーマなので、内容はリンクしている。CDの再生時間は約7分間。解説を耳にしながら、投影されている星座を眺めていると、「ほほっ~、あれがおおぐま座か」、「おっ、カシオペア座発見!」などと、楽しく星座を鑑賞できる。

 残念ながら、光量の関係のために天井に星空が投影された様子を撮影することはできなかったのだが、筆者は高いレベルの満足を得た。トロトロとした心地よい眠気を誘われながらリラクゼーションアイテムとしての効能を体感できたし、娘と一緒に星座を目で追いながら学習アイテムとしてもっともっと活用したい、とも感じた。

 約2万円という価格が購入のネックになるだろうが、長く使えるアイテムなので、十分に元は取れるはずだ。


□セガトイズのホームページ
http://www.segatoys.co.jp/
□「ホームスター」のページ
http://www.segatoys.co.jp/homestar/


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(2005年9月15日)

[Reported by 元宮秀介]


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