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【連載第33回】ゲームライフに役立つグッズをレポート

PSPのサウンド環境を強化!
充電スタンドの機能も備えた「PSP-MSSHS」&「PSP-MSSH」


当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。



 今回ご紹介するゲームグッズは、プリンストンより発売されたPSP対応の持ち運び可能なコンパクトスピーカー「PSP-MSSHS」と、サブウーファを搭載したスピーカーシステム「PSP-MSSH」の2製品だ。

 これまでにも何度かPSP用のクレードルやスタンドといった製品は皆様にご紹介してきたが、単独で拡張スピーカーを搭載した製品はこれらが初めて。プリンストンは以前からデジタルオーディオ用のスピーカードックを発売していた会社で、今回はPSPに対応する製品をリリースしたということだ。

 なお、この2製品は、スピーカーを単独で持っていることもあり、店頭ではPSP専用のゲームグッズとしての扱いではなく、PSPでも使用できるオーディオ機器としての扱いになっている可能性もある。問い合わせの際にはご注意を。



● 装着した状態でゲームプレイが問題なく可能なAll-in-one Compact Speaker「PSP-MSSHS」

All-in-one Compact Speaker「PSP-MSSHS」

    メーカー:プリンストン
    価格:オープン価格 (実勢価格:3,980円程度)
    ドライバユニット:18mmネオジムアルミニウムフルレンジ型(防磁設計)
    実用最大出力:0.6W (0.3W×2)
    再生周波数帯域:800Hz~20kHz (@10%THD)
    インピーダンス:6Ω
    歪み率:0.5%以下
    S/N比:50dB以上
    入力端子:3.5mmステレオミニジャック
    電源:DC5V 200mA
    本体サイズ(mm):W168.3×H104.5×D51.4
    本体重量:約98g

 All-in-one Copact Speaker「PSP-MSSHS」はその名のとおり単体でアンプを内蔵したコンパクトスピーカーシステムだ。UMDメディアに収録された高品質なサウンドが魅力のひとつであるPSPの性能を引き出してくれるという代物である。これまでにも、PSPと接続して外部スピーカーへの接続をアシストしてくれる製品というものはいくつか登場していたものの、アンプとスピーカーが内蔵されている製品は、海外製品を除くとこちらが初めてとなる。

装着時のフォルムは半円状になる。全体のデザインもPSPにマッチしており違和感なく収まっている
 PSP-MSSHSに搭載されているアンプとスピーカーは全体の下側に配置されており、PSPを装着したときにも横幅が広がってしまうようなことがない。また、全体のデザインはPSPのブラックカラーにマッチするようになっていて、アンプ部の電源スイッチなど、細かな部位にもPSP本体のスイッチ類に近いものが使われている。PSP装着時の一体感はなかなか高く、ユーザー心理として素直に嬉しいところだ。

 アンプが内蔵されているため、アンプを動作させるための電源が必要となっているのだが、電源にはPSPの充電用のものを接続するか、乾電池を使用するかという2Way方式がとられている。PSPをあまり外には持ち運ばないという方ならばACアダプターだけの動作でも問題はないだろう。なお、PSP用のACアダプターを接続した状態ではPSP本体の充電もそのまま行なわれるようになっている。

左から、前面、背面、下面の写真となる。UMDスロットにあたる部位が大きく空けられており、背面にはホールド感が向上するグリップが存在する。アンプとスピーカーがある下部にはON/OFFのスイッチとボリューム用のツマミが設けられている

 PSPを装着する部分にはグリップが存在するのだが、この右側のグリップ内部にアンプ動作用の単3乾電池を2本収容するボックスが設けられている。UMDスロットが位置することになる背面はガバッとスペースが空けられており、このためUMDの取り出しもそのままスムーズに行なえる。上部には透明のパーツがあるが、これはバネ機構によるPSP固定用のもの。この透明のパーツにも穴が設けられており、UMDスロットの取り出しスイッチやUSB接続端子も装着したまま使用可能だ。また、PSPにはUSB端子の隣には赤外線の受光部があるのだが、この赤外線を遮断しないように透明のパーツが用いられているのではないかと推測できる。

グリップは結構な高さがあり、そのまま置いたときには少しの角度が付くようになる。右の写真はグリップ内にある乾電池ボックス部分。ACアダプターを接続するのであれば電池は必要ない
UMDスロットへのアクセスはそのまま。透明な固定用パーツには穴が設けられているので、各部位も問題なく使用できる こちらはアンプ、スピーカー部の背面のもの。ACアダプター接続用の端子とヘッドホン用の端子が設けられている

 さて、気になるのは使用感だろう。まず、肝心のアンプ、スピーカーによるサウンドがとても好感触。音質のアップからくる迫力の向上はこの価格にしてはなかなかのもの。PSP内蔵のスピーカーでは物足りないという人が望んでいた製品ではないかとすら思える。最大ボリュームもPSPの最大時と比較して約1.5倍から2倍ほどはあるだろう。なにより大きいのは装着したまま気軽にゲームプレイが可能な点。携帯ゲーム機の魅力であるリラックスした姿勢でのプレイはそのままにPSPの魅力は向上するのだからなんとも嬉しい製品だ。

 もうひとつ嬉しいのが背面に位置するグリップの存在。これによりホールド感は大きく向上しており、操作感も向上している。特にスポーツ系のタイトルなどのアクション性が高いタイトルでは真価が発揮されそうだ。また、本製品には同梱品として専用のスタンドが付属している。こちらを使用して据え置き的な動画鑑賞用途のスタイルを取る事も可能である。操作感という点では重量も気になるところだが、本製品の重量は約98gとメリットのわりに軽量だ。ホールド感の向上によって体感でもそれほど重量の増加は感じないように思う。

 多少、残念な点としては、アナログパッド付近が窮屈になってしまっているというものがある。PSPを固定するためにPSP本体に覆いかぶさるような部分があるのだが、その部分が若干アナログパッドを快適に使用するのに必要なスペースに入っている。そのため、未装着時よりも少し窮屈に感じるはずだ。ただ、操作自体は問題なくできるので、慣れの問題と言っても良さそうだ。

グリップによるホールド感の向上はかなり嬉しいところ。手に持ったときに遊んでしまっていた指がしっかりと本体を支えられるようになる 付属のスタンドに乗っければ動画鑑賞に適した据え置きスタイルになる。簡単な作りのものなため、角度調整などはないが、こだわりが無ければこれでも充分だろう こちらも付属のポーチ。PSPを装着したまま本体を収納できるほか、ネット状のポケットにはUMDを3~4枚ほど収納可能になっている


● PSPをポータブルシアター化! Active speaker with woofer「PSP-MSSH」

Active speaker with woofer「PSP-MSSH」

    メーカー:プリンストン
    価格:オープン価格 (実勢価格:7,980円程度)
    [スピーカー部]
    ドライバユニット:直径32mmネオジムアルミニウムフルレンジ型(防磁設計)
    再生周波数帯域:280Hz~20kHz (@10%THD)
    インピーダンス:4Ω
    [サブウーファ部]
    ドライバユニット:直径63mm (防磁設計)
    再生周波数帯域:80Hz~250Hz (@10%THD)
    インピーダンス:4Ω
    [本体]
    実用最大出力:10W (2.5W×2+5W) ※電池動作時は6W (1.5W×2+3W)
    歪み率:0.5%以下 ※電池動作時は1.0%以下
    S/N比:65dB以上 ※電池動作時は60dB以上
    入力端子:3.5mmステレオミニジャック
    電源:DC5V 250mA
    本体サイズ(mm):W280×H102×D38
    本体重量:約430g

 Active speaker with woofer「PSP-MSSH」はサブウーファを搭載した2.1chスピーカーシステム。前半で取り上げた「PSP-MSSHS」と同じくネオジムアルミニウムフルレンジ型のスピーカーを利用しているが、スピーカーの直径が2倍の32mmとなっており、より広い周波数帯を再現することができる。さらに、本体背面に搭載されたサブウーファによって低音もしっかりとサポート。小型ながらも本格的なスピーカーシステムである。

 それではまず、「PSP-MSSH」の外観から見ていこう。前面の左右に2つのスピーカー、中心に可動式のサブウーファを備え、PSPを設置するときにはサブウーファを後方へ倒してから利用する。そして、倒したサブウーファが支えとなり、PSP本体を斜めに固定した状態で設置することができる、というわけだ。

 前面下部には、電源ボタン、ボリューム調整ボタン、サラウンドボタンが配置されている。電源ボタンを押すと、スピーカーが起動するのと同時に中央のランプが点灯するため、電源の状態をひと目で確認できるようになっている。

スピーカーユニットを保護するプラスチック製のクリアカバーが用意されているので持ち運び時も安心
付属品となるキャリングケース、ACアダプター、3.5mmステレオミニジャックケーブル。キャリングケースは3つのポケットに分かれており、「PSP-MSSH」だけでなくPSP本体やACアダプター、UMDなども収納することができる

 電源は、付属のACアダプターか、単3電池を4本利用する2Way方式。ACアダプターのジャックはPSP用ACアダプターよりも径が小さいため、流用することはできなくなっている。ACアダプターを利用した場合は、PSPへの充電も同時に行なわれるので充電スタンドとして利用することも可能だ。乾電池利用した場合の動作時間は約10時間。PSPへの充電は行なわれない。

 また、音声が停止した状態が3分続くと、自動的に省電力モードとなる「オートスリープ機能」を備えている。電源をつけたままで放置してしまっても、乾電池の消費を最小限に抑えることができるのは嬉しい配慮だ。なお、再び音声が入力されると自動的に復帰する。また、ACアダプターを利用している場合も、5分でスリープ状態へ移行するようになっている。

乾電池は、本体背面の左右に2本ずつ収納する。ACアダプター端子の上部には、半月上の窪みが掘られているが、これはPSPの電源スイッチをスライドさせやすくするためのものだ
PSPは、イヤホンコネクタと電源コネクタに挿し込むかたちで設置する。クリアカバーは、背面にはめ込んでおくことが可能

前面右にあるサラウンドスイッチをONにしたところ、広がりのある音を体感することができた。特に映画を視聴するときには臨場感が格段に増す
 次に、「PSP-MSSH」を利用して実際にPSPのUMD Videoを視聴してみることにした。「PSP-MSSH」から聴こえきた音は、PSP内蔵のスピーカーはもとより、「PSP-MSSHS」とも比べ物にならないほど高音質で、迫力は桁違い! 一番わかりやすい変化は、やはりサブウーファが活躍する低音域だ。ルームシアター用のサブウーファのようにズンズンと体に感じる程ではないが、低音が強調されるため、高音から低音までバランスの良い音を楽しむことができる。

 例えば、PSP内蔵のスピーカーの場合、声の低い俳優の声と女性の声がかぶったときにセリフが聴き取りにくくなっていたが、「PSP-MSSH」では低音域と高音域がはっきり分かれるため、セリフが鮮明に聴こえるようになった。もちろん、乗り物のエンジン音や火薬の爆発音の迫力も格段に増している。

 また、最大出力10Wというパワーアンプにより、最大音量にした時には耳を覆いたくなるほどの大音量を出力することができる。乾電池使用時では最大出力が6Wになるが、それでも十分過ぎる音量だ。そしてこれほどの音量を出力しても、音割れは全く発生しない。小型ながらもパワフルな音を再現することができるネオジム磁石を採用したスピーカーの威力なのだろうか。これで、迫力と臨場感のあるサウンドを再現できるポータブルシアターのできあがりだ。

 ひとつ気になる点としては、ACアダプターで電力を供給しながらPSPを利用した場合、「PSP-MSSH」側の音量を上げていくと無音の状態でも「ジリジリ」という小さなノイズが聴こえてくること。そしてこのノイズは、PSPの画面の明るさを変更するたびに変化する。どうやら、充電中のPSPから発生するノイズを素直に増幅しているようだ。

 ただし、このノイズも「PSP-MSSH」側の音量が“中”程度であれば、ほとんど聴こえることはない。また、PSPの音量を上げてもノイズは変化しない。よって、PSPの音量をできる限り上げ、「PSP-MSSH」側の音量を若干押さえ気味にすることで、静かなシーンでもノイズを気にせず視聴できることだろう。ちなみに、乾電池のみで利用した場合は、「PSP-MSSH」側の音量を最大にしても「サー」という若干のノイズが聴こえる程度。全く気にならないレベルであった。

 スピーカーとしては決して大きくはないこのサイズで、低価格なミニコンポ並の音を楽しませてくれる「PSP-MSSH」。こうなると、ゲームもこの音でプレイしたくなってくるのだが、PSPを装着したままでは操作の面で無理が出てくる。いくら手の大きい人でもL/Rボタンを押すのは難しい。なにより、手で持つには重いのだ。

 そこで活躍するのが、背面に備えられた3.5mmステレオミニジャックの入力端子だ。付属のケーブルを使って「PSP-MSSH」とPSPを接続すれば、迫力のある音でゲームをプレイすることも可能となる。ただし、付属のケーブルは長さが約33cmと少々短いのでプレイスタイルは制限されてしまう。余裕を持ってプレイしたい場合は、長めのケーブルを入手した方が良いだろう。また、ポータブルオーディオプレイヤーを接続し、外部スピーカーとして利用するのもアリだ。

「PSP-MSSH」とPSPを付属のケーブルで接続すれば、迫力の音でゲームをプレイできる 小型で軽量なプレイヤーであれば、「PSP-MSSH」本体のオーディオプラグに直接挿し込んでしまうことも可能


● 異なるシーンで活躍する「PSP-MSSHS」と「PSP-MSSH」。利用目的にあわせてチョイスしよう

 All-in-one Copact Speaker「PSP-MSSHS」は、持ち運びが前提のサイズ、重量ながらサウンド面、ホールド感を大きく向上してくれているというものであった。外部スピーカーを接続した状態でどこでもPSPのゲームプレイが行なえるという製品を待ち望んでいたPSPユーザーの方は少なくないだろう。

 一方、Active speaker with woofer「PSP-MSSH」は、ゲームプレイは難しいものの、音作りにとことんこだわり、ビデオや音楽に迫力と臨場感を付け加えてくれた。なにより、サブウーファを備えながらも、可動式にすることによってコンパクトに持ち歩くことができるうえに、設置がカンタンというのが秀逸である。当連載の第28回で、PSPの車載に挑戦したのだが、サウンド周りの環境構築に少々手間取ってしまった。高音質、そして大音量を実現している「PSP-MSSH」をダッシュボードに固定すれば、サウンド周りの問題も解決、快適に車載PSPを楽しめるかも! と思った次第だ。本製品によって、PSPでビデオや音楽を楽しむシーンがグンと広がることだろう。


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□プリンストンのホームページ
http://www.princeton.co.jp/

(2005年9月13日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]



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