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★PCゲームファーストインプレッション★

RvRに機能を特化させたSFMMORPG
「RF online」

  • ジャンル:MMORPG
  • 開発元:CCR
  • 発売元:セガ
  • 利用料金:未定
  • 対応OS:Windows 2000/XP
  • 発売日:クローズドβテスト実施中



 韓国のCCRが開発し、日本ではセガが展開する「RF online」。ロボットが闊歩し、魔法が飛び交う、SFとファンタジーを融合させたMMORPGである。7月5日よりクローズドβテストが実施されている。

 本作は「種族間抗争(RvR)」にテーマを置いた作品である。テスト開始から1週間、既にプレーヤー達は激しい戦いに身を投じている。今回はファーストインプレッションとしてスタートしたばかりのこの世界の模様をお伝えしたい。


■ SF要素を取り入れた世界観とシンプルさにこだわったユニークなシステム

 「RF online」では、プレーヤーはベラート、コラ、アクレシア、という3つの種族にわかれ戦っていく。各種族はそれぞれスタート地点が異なり、各種族のホームポイントには他種族は入ってこれない仕組みになっている。プレーヤー達はまずこの最初のマップで経験を積み、他種族と戦うべく旅立つことになる。

アクレシアのキャラクタ作成画面。何種類かのロボットのパーツが用意されているが、アーマーパーツをつけると他のキャラクタと同じ形、色になってしまうのは賛否があるところだろう。できれば足にキャタピラをつけるなど、イメージをさらに広げてもらいたい
アクレシアの街のマップ。NPCや転送ゲートの位置はわかりやすいが、ちょっと出口が見つけにくい
 ベラートは、機械文明と魔法文明の融合したような世界に住む種族。ちょっと頭身の低いかわいい外見をしている。スタートする街は19世紀くらいのヨーロッパ風の意匠が取りいれられており、どことなく「スチームパンク」らしい雰囲気がある。

 コラは、緑豊かな世界に住むほっそりとした種族で、魔法を中心とした文明を築いている。外見はほっそりと美しく、特に女性キャラクタはセクシーだ。現在最も人気のある種族である。街もまた、滝が流れていたり、転送ゲートの作りも他の種族と比べて派手だったりと、他の街に比べてデザインが凝っている印象を受けた。

 アクレシアは脳以外をすべて機械化したロボットのような種族。ちょっとユニークに感じたのが、アクレシアでも他の種族と同じようにいくつかのパターンからキャラクタを選べるのだが、鎧をつけてしまうとほとんど他のキャラクタと違いがなくなってしまう点だ。最初に選んだ外見がほとんど活動中のキャラクタに反映されないと言うのは賛否の出るところではあるが、鎧によってまったく違う「ロボット」に見えるところや、集団戦でのいかにも「量産型のロボット」に見えるところなどを考えると、これはこれでアリかな、と思える。

 ただ、アクレシアに関しては街の作りに不満がある。無骨な軍事基地そのままのデザインは良いのだが、街の出口がかなりわかりにくい。転送ゲートばかりが目立つのでそこに入ってみたのだが、その場所のモンスターにはまったくかなわない。どうやってゲームを進めて良いかわからずまごついていたところ、どうやら同じような間違いをするプレーヤーも多いらしく、熟練プレーヤーが声をかけてくれ、出口の位置を教えてもらった。おかげでようやく街の外に出られるようになったのである。筆者は色々なMMORPGをプレイしたが、出口がわからないというのは初めての経験だった。街の出口は天井が低く設定されており、デザインは優れているのだが、マップを見ても出口がわからないのは論外だろう。

 また、街の機能のシンプルさにも驚かされた。街には武器屋と防具屋、ポーション屋などなど、アイテム売買をするNPCしかいないのだ。アクレシアの街はまさに「軍事基地」という雰囲気なのだが、実は他の種族の街も同様の機能しか備えておらず、街に生活感がまったくない。いまのところ街は実用一辺倒といったところだ。

 本作はさまざまな部分に「必要最低限のものがあればいい」という方向性を感じる。それが如実に出ているのが「インスタンス オーダー」というクエストで、レベルが上がると突然依頼がプレーヤーのもとに送られ、そのクエストをクリアすると報酬が振り込まれる。ベラート、コラ、アクレシアすべての種族が突然どこからともなく指令を受け、報酬もまた条件をクリアした直後に与えられるのである。クエストのためだけに街に戻ったりせず、NPCの間をたらい回しにされるようないわゆる「お使い」クエストは存在しないのだ。

 筆者はどうも韓国産MMORPGに関しては、この手のお使いクエストになじめない部分があった。欧米のMMORPGに比べると数や演出、世界観の掘り下げに「もうちょっと練りこんで欲しいな」と思うことが多かったからだ。だからこそ、このシンプルすぎるクエストシステムはスタッフの一種の「開き直り」感があって、好感を持った。プレーヤーは狩りの補給のためだけに街に戻り、後はひたすらレベル上げに集中できるのだ。

頭身の低さから、子供のような印象もあるベラート。プレーヤーレベルがあがってくれば、街の中を機甲装備で練り歩く人も出てきそうだ
ほっそりとした美しい外見を持つコラ。街の作りもどこか優美な雰囲気だ。女性の装備は妙に露出度が高い。現在、もっとも人気がある種族だ
筆者お気に入りのアクレシア。装備によってまったくタイプの違うロボットのように見える。街のNPCもすべて機械の体。ちなみに脳だけは生身ということなので、厳密な意味では彼らは「サイボーグ」である
突然通信によって与えられるクエスト。適正レベルの敵を提示してくれるので、対象モンスターの生息場所を調べるきっかけにもなってくれる この世界の魔法にあたる「フォース」スキル。他に近接用スキルや射撃用のスキルがあり、使い続けることでレベルアップする コラ特有の召還精霊、アニムス。コラの中でも一次転職でサモナーを選んだ者のみが使役できる


■ 既にはじまっている大規模抗争、種族を超えた共同戦線の展開も

 筆者はアクレシアの銃が得意なレンジャータイプを選択した。レベルは現在15、まだまだ初期フィールドでのレベル上げが必要である。キャラクタの歩行速度は割と遅めで、その分フィールドが広く感じる。それでいながら、街からほんのちょっと歩くとレベル上げに最適なモンスターがたくさんいて、それを撃って倒していく。街に戻るのは死んだ時か弾がなくなった時である。

パーティープレイ。後衛にとって壁になってくれるプレーヤーは非常に頼もしい。壁役は回復薬を大量に使うことになるので、戦利品の分配などには気を使いたい。ちなみに本作では弾薬にもお金がかかる。特にランチャーの弾体はちょっと高めだ
鉱山マップの入り口となる転送ポータル周辺。みんなが採掘をしている。これらのプレーヤーを狙って敵対勢力が襲いかかってくることもあるかもしれない
 序盤のレベル上げは快適で、「ひょっとしたらずっとソロでプレイできるのかな」とも思っていたのだが、パーティーを組んでいる人達に混ぜてもらったところ感覚は変わった。筆者は遠距離タイプなので、前衛をしてくれる人がいると非常に狩りが楽になる。さらに1人の前衛に複数の後衛という編成で的に集中砲火を浴びせるというその戦闘場面もかっこよく、なかなか面白かった。レベルが上の人と組んだので、ソロよりもはるかにかつ安全にレベル上げが行なえた。

 ちょっと気になったのは攻撃に関する「対象レベル」の厳しさである。17レベルのプレーヤーにとってちょっと強いモンスターと戦う時に、14レベルの筆者が攻撃をしてもほとんどがミスになるか、ダメージは極端に少なく、足を引っ張る結果になってしまったのである。本作は種族を超えたパーティープレイはできないため、他のゲームに比べて同レベルでパーティーを組める可能性のあるプレーヤーの数は少ない。このあたりの設定はもう少し緩やかでもいいのではないかと感じた。

 ゲームは全体的に敵から与えてくるダメージが大きく、レベル10を超えたあたりからふんだんに回復薬が必要になる。「Diablo」のように回復薬をがぶ飲みしながら敵と殴り合う展開になるのだが、射撃系の職業では特に敵に接近されるとそれでもきつくなる。アクレシアではレベル20くらいからのパーティーメンバーを募集している人達が多かったが、体感的にはレベル16くらいからはパーティープレイを積極的にやりたいな、と思った。

 熱心なプレーヤーは既にレベル30を超えているようだ。筆者が驚かされたのは、テスト開始から1週間ほどしかたっていないのに多くのプレーヤー達がRvRを楽しんでいるところである。「RF online」の世界の中心には「クレッグ鉱山」という場所があり、ここでは日夜激しい戦いが行なわれている。12日には、コラとアクレシアが協力して戦うという場面も見られた。

 この共同作戦は鉱山の深奥部にいるホーリーストーンキーパーというモンスターを制御するための装置を破壊し、鉱山深奥部の資源を確保するために行なわれた。敵対勢力となったベラートも大軍を繰り出してきてかなり激しい戦いが繰り広げられた。筆者は何とか制御装置の処までたどり着けたのだが、レベル15では何の役にも立てなかった。制御装置にダメージを与えるのすらレベル25が必要なのである。

 鉱山ではアイテム作成に使用される「鉱石」が掘れる。採掘には機械とともにバッテリーが必要になる。バッテリーの時間が許される限り採掘が行なえるというわけだ。筆者も実際やってみたのだが、掘っている時は一切他の操作は必要ない、はっきり言ってしまえば離席しても掘り続けることができるのである。バッテリーさえたくさん用意しておけば長時間の採掘が可能で、その間どんどん鉱石が採れるのだ、例えば夜、採掘器をしかけ寝ている間PCをつけっぱなしにしておけば、朝になれば一財産が築ける。いわゆる「寝マクロ」の状態に近く、かなり思い切ったシステムであると感じた。

 ただ、プレーヤーのレベルが上がり、RvRが激しくなってくればそう簡単にはいかないのかな、ということも感じた。動かない大量のキャラクタというのは敵対種族においてこれほど美味しい対象はない。こういったキャラクタを専門的に狙うプレーヤーも出てきそうだ。この採掘は、レベルが低いキャラクタでも実行可能である。あえてリスクを覚悟して離籍するプレーヤー、採掘中の人達を専門に狙うプレーヤー、それを撃退するために集まるプレーヤーの激しい争いというのは、ちょっと見てみたいシーンだ。

序盤のソロプレイはかなり快適だ。レベル20近くまで初期マップでレベル上げが必要となるのだが、洞窟や密林もあって単調すぎるということはない。敵は倒されると低確率でキャラクタ用装備を落とす。ドロップアイテムはパワーアップが可能なスロットがあり店で売っているものよりも強力なところがうれしいが、敵対種族用の装備アイテムも落とすところが少し疑問だ。種族間では意志の疎通もアイテムの受け渡しもできない。できることなら、ちゃんと種族向けのアイテムを落としてくれるようにしてほしい
ガンナー2人でのパーティープレイ。前衛をお願いしてしまった上に筆者の与えるダメージは小さく足を引っ張ってしまう結果に。適正レベルのパーティー希望者を簡単に検索できるシステムが欲しい 採掘を行なっていればバッテリーが続く限りどんどんバックパックに鉱石が入っていく コラの採掘風景。アクレシアとは機械がまったく違う。こういった種族ごとの違いは比べてみるとかなり面白い
制御装置を破壊するためにアクレシアとコラが行なった共同作戦。筆者のレベルではまったくダメージを与えられない


■ 日本のユーザーの視点を取り入れた新しい「RF online」とは?

 「RF online」はレベル30からキャラクタの個性が強く出てくる作品である。ベラートは巨大ロボットのような機甲装備を使い、コラは精霊であるアニムスを召喚、アクレシアはランチャーと合体、巨大砲台に変形する。レベル30には1次転職があり、さらにレベル40になると2次転職が用意されている。上級職にはそれぞれ専門のスキルがあり、RvRにおいて重要な駆け引きの要素になる。レベル30を超え、種族ならではの特長を活かして戦っているプレーヤーもすでに登場しているようだ。

レベル15になって、種族の特徴であるランチャーを装備することができるようになった。しかし、これに合体するためにはまだまだかなりの時間と鍛錬が必要となる
毎日行なわれている種族間抗争。筆者は見に行っただけであっという間に倒されてしまった。いつかこれに参加できるような力量を持てる日が来るだろうか?
 決して他のゲームに比べてレベル上げがつらいと感じた作品ではないが、わがままを言わせてもらえれば、もうちょっと早い段階から種族固有の特徴的な戦い方がしたいというのが本音だ。通常の戦闘はパーティーで戦ったり、さまざまなモンスターと出会える楽しさはあるが、鉱山でのプレーヤー同士の激しい戦いを目にした後では、一刻も早くあの戦いに参加したいと思ってしまう。「ダークエイジ オブ キャメロット」のようにキャラクタ育成の手間を少なくするとか、マップも各種族の初期マップと鉱山マップがあれば激しく熱い戦いが楽しめるのではないだろうか。

 本作には鉱山と初期マップ以外にもより高レベルになるためのモンスターが配置されたマップが存在する。そこでは同一のマップ上に他種族のポータルも存在し、狩り場を巡って、敵対種族を倒すための戦いが展開する。あえて自分より低いレベルのプレーヤーが集まるところに固まって進軍し、なぎはらう快感を味わうというプレイも可能だろう、そういった襲撃に対して援軍と共に迎え撃つ事ができれば狩り以上の興奮が生まれるに違いない。そういった「ドラマ」も体験してみたい。

 ゲーム性を非常にシンプルにし、RvRにテーマを置いた本作は、「わかりやすい」魅力を持ったタイトルである。戦いのためにレベル上げをし、コミュニティーを作り、自分の力量に応じたた働きをするために話し合う。プレーヤー同士の戦いを求めている人には是非ともオススメしたいタイトルである。

 本作の“可能性”にも注目してみたい。このクローズドβのバージョンは韓国で稼動している「RF online」をそのまま持ってきたものである。セガはこの作品に「カルチャライズ」を行なっていくことを発表している。クローズドβテストは7月24日に一端終了するが、その後徐々に日本ならではの要素を盛り込んで展開していくという。クローズドβテスト、オープンβテストでプレーヤーはどんな要望を出し、セガがそれに応えることで本作はどうなっていくのか? セガからはNPCの追加やバランス面での見直しといった意見が出ているが、ユーザー達がどんな意見を出すのかは、まだ見えない部分がある。実際にプレイしたユーザーならではの意見はどんなものになるだろうか?

 キャラクタのレベル上げ要素や、特徴的なジョブなど「RF online」は韓国で人気のあるさまざまな作品を参考に、韓国産MMORPGのエッセンスを抽出したようなシンプルな作品である。この作品が日本という韓国とは微妙に価値観の異なるユーザーの意見で、どのように変化するかは興味のあるところだ。

(C)1999-2005 CCR INC. ALL RIGHTS RESERVED. Published by SEGA


【RF online】
  • CPU:Pentium III 1.0GHz以上(Pentium 4 2.0GHz以上)
  • メモリ:256MB以上(512MB以上推奨)
  • HDD:3GB以上
  • ビデオカード:VRAM 32MB以上 (64MB以上推奨)


□セガのホームページ
http://sega.jp/
□「RF online」のページ
http://rfonline.jp/
□「SEGA link」のページ
http://segalink.jp/
□関連情報
【6月22日】セガ、「RF online」事業戦略発表会を開催
種族間抗争をテーマにしたRvR特化型SFMMORPG
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050621/rfonline.htm
【6月22日】「RF online」特別インタビュー
バランスやルールなどゲームの根幹を日本向けにカルチャライズ
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050621/rfint.htm
【6月21日】セガ、MMORPG「RF online」クローズドβテスター募集開始
弊誌枠として400名分のアカウントをプレゼント
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050621/rfo.htm

(2005年7月13日)

[Reported by 勝田哲也]


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