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「RF online」特別インタビュー
バランスやルールなどゲームの根幹を日本向けにカルチャライズ

6月収録

 今回のインタビューでは、セガのネットワーク戦略事業部オンラインマーケティング部染谷光廣氏と岩原景士氏のお二人に話を伺った。

 MMORPGという大きなプロジェクトで重要なのは、なんと言っても“人の動き”で、誰が関わっているかによってそのプロジェクトの成否は半ばまで確定したと言っていい。この場合、過去のオフラインゲームの開発経験はほとんど問題ではなく、オンラインゲームの運営経験が重要になってくる。

 染谷光廣氏は、エヌ・シー・ジャパンで「リネージュ」の運営を担当してきた人間で、オンラインゲームの運営経験に加え、韓国オンラインゲームメーカーとの豊富な実務経験も併せ持っている。といった意味では両氏は、セガが未知のプロジェクトを任せるには文句なしの人材で、βテストの時点から的を射た運営が期待される。


ネットワーク戦略事業部「RF online」総合プロデューサー染谷 光廣氏
同「RF online」オペレーティングプロデューサー岩原 景士氏
編: 染谷さんと岩原さんが「RF online」(以下、RF)を手がけることになった経緯をお知らせください。

染谷氏: セガとしてオンライン事業を本格的に行なうにあたり、様々なオンラインのサービスやゲームがあるなかで本格MMORPGを手がけたいと考えていました。またそれを自社開発以外で実現したいとも思い、絞り込んで選び抜いたのが「RF online」です。

 RFを開発したCCRという会社は「ポトリス」を作っていたところです。セガでやるからにはタイトルを慎重に選びたかった。RFに関してはゲームシステム、バランスなどはまだまだ成長段階です。ただ、もともとの考え方、たとえばグラフィックスエンジンなどで素晴らしいものがありました。

 Unrealエンジンなどは確かに綺麗ですけれども、ポリゴンの表示が多くなって重くなってしまう。いままでのコンシューマ機は限られたスペックでいかにしてみせるかというのを研究しています。RFはそういった意味で良くできている作品で、グラフィックスエンジンはオリジナルのものを使用しています。

 よく見てみるとポリゴンは少し荒いですし、比べてみればUnrealエンジンの方が綺麗かもしれませんが、ゲームをプレイする上では遜色がない。ポリゴン数を減らし、動作を軽くさせているために低スペックのPCでも動かせるんです。

編: 韓国ではRFはどのくらいの人気でしょうか?

染谷氏: 現在12台のサーバーが起動していて、一時期は同時接続で8万5,000人と人気を集めました。しかし、少し運営上の問題もあって現在ちょっと人気を落としてしまい、ランキングは10位以下になっています。マクロツールを走らせて攻撃などのスキルを限界まで上げたプレーヤーがいて、ゲームのバランスがおかしくなってしまったんです。これを防ぐために運営側がレベルによるスキル制限をかけました。そうなると今度は新規プレーヤーが古参プレーヤーに絶対敵わなくなってしまった。他にも種族ごとのバランス調整が難しくて、ユーザーが離れてしまったという経緯もあります。韓国ではそういった問題に対応しながら半年の間に大規模なアップデートを3回行ない、現在は正式サービス中です。


■ コラ、ベラート、アクレシア、機械と魔法の要素にわかれた3つの種族

Q: ゲームに登場するキャラクタを教えてください。

A: RFには3つの種族が存在します。小柄のベラート、美しい外見をしたコラ、機械の体を持つアクレシアです。本作ではプレーヤーは各種族にわかれて戦いを繰り広げていきます。

 今までの多くのゲームでは、チームを組んだりギルドを組んで冒険をする際、いろいろな種族が混じっているのが常識でしたが、RFでは種族そのものがチームとなって、他種族と戦い、惑星内の資源を争うというのがメインになります。

 種族にはそれぞれ特性を持っています。ベラートは機械を操るのが得意で、コラは魔法を使いこなす、アクレシアは体力があって接近戦が得意です。

機械の体を持つアクレシア。生身は脳のみで、さまざまなパーツを身体につけて強化する
機械と魔法の両方を使いこなす人間型のベラート。両方の利点を兼ね備えているが、強さに劣るため、機甲装備というロボットでそれを補う
エルフのような外見をしたコラ、魔法を使いこなす種族。ベラートとよく似た外見を持つが、実は背丈が大きく異なる
Q: スタートする街は3種族それぞれ別々なのですか?

A: スタートする街、およびその周辺は他種族は入って来られません。初心者はこのマップでキャラクタを鍛えることになります。ゲームにはさまざまなマップが用意され、各マップはテレポーターで繋がっていて、他のマップではすべて3種族が入り乱れることになります。初心者でもテレポーターに入って他のマップに行けば、他種族に攻撃される可能性があるのです。テレポーターがあるおかげで、狩り場まですぐ行けるようになっています。

 ベラートの初期の街はヨーロッパ調の町並みにボルトなどが埋め込まれていたり、SF的な建造物のあるユニークな場所になっています。ベラートのキャラクタはちょっと耳が尖っていて、我々の世界の人間とは違う存在です。エルフに見えるかもしれませんが、コラと並んで立つと身長と頭身がはっきり違います。ベラートの方が小さくてかわいらしい感じですね。

 キャラクタのタイプは「近接型」、「遠隔型」、「フォース(魔法)型」、「特殊型」の4つに分けられ、装備できるアイテムも違ってきます。キャラクタにはレベルの他にスキルの概念があって、例えばこの世界の魔法にあたる「フォース」のレベルが足りなければ装備できないアイテムなどもあります。フォースを使えばフォースのレベルが上がり、敵の攻撃を防御すれば防御のレベルが上がっていきます。育てたスキルにより戦い方や装備も異なっていきます。

 ベラートは機甲装備というロボットを使用できます。このロボットはレベル30で転職できる「ドライバー」だけが搭乗できるようになります。機甲装備はそのキーを持っていれば瞬時に呼び出すことができますが、維持するのにもすごくお金がかかる存在です。クローズドβテスト時には近接専用と遠距離専用の2種類が用意されます。

 ベラートは、コラとアクレシアの特性を持つニュートラルな存在となっています。その分どちらの能力も2種族と比べると弱い。機甲装備はそれを補う存在なのです。機甲装備そのものは非常に高い体力が設定されています。通常のキャラクタは相当なレベルに達してもHPは3,000ほどですが、機甲装備は11万くらいのHPを持つこともできるのです。また、パーツを組み替えることでさまざまな武器を装備することが可能になっています。

 機甲装備は経験値稼ぎには使えません、ドライバーは他のキャラクタと共に普段は冒険をして経験値を稼ぎます。ベラートであれば最初はどんなタイプを選んでも1次転職時にドライバーを選択することができます。

Q: 他の種族はどうやってこの強力なロボットに立ち向かうのでしょうか? また、ベラートの他の職業の人たちはRvRではバックアップになってしまうのですか?

A: コラはベラートに比べ魔法が強く、アクレシアは武器を使った攻撃が強くなっています。機甲装備に対応する存在として、コラには“アニムス”という精霊がいます。これはサモナーという職業でないと召還できません。アクレシアはランチャーを使いこなします。ランチャーに関してはどの職業でも使えますが、特に強力な攻撃を行なえるのは遠距離型の職業をとったプレーヤーですね。

 サモナーが呼び出す精霊は、接近攻撃を行なうものは機甲装備と同じくらい体が大きく、回復型は人型よりも小さくなっており、中間型に遠距離攻撃用の精霊がいます。回復型は自分の体力を減らして術者の体力を回復し、体力がなくなってしまった場合、一度元の世界に返してやる必要があります。

 アニムスは元の世界で体力を回復させることでまたこちらで使えるようになっています。精霊は“自分が狙った敵を攻撃する”といった比較的簡単なコマンドで制御します。精霊は個別の経験値を持ち、行動することでレベルが上がっていきます。

 アクレシアは脳だけが生身のサイボーグです。鎧を着ていくというより、強化パーツをつけてパワーアップをしていくようなイメージです。接近戦装備も強力ですが、ランチャーを構えると武器と一体化し固定砲台になります。向きは変えられますが移動はできなくなり、その代わり強力な射撃を行なえるようになります。

 アクレシアには男女の違いがなく、魔法を使うことはできません。ちなみに他のプレーヤーを治療できる魔法というのはベラートしかありません。私たちも少し驚いたのですが、RFではパーティープレイでもあまり回復役という役割はないのです。アクレシアに関しては、体が機械なんだから、足をキャタピラにしたり、手にそのまま武器をつけたりできないか、ということも提案していきたいですね。

Q: 日本ではどうしてもロボットという要素が絡んでくるベラートに人気が集まるのではないですか?

A: いえ、そうでもないと思いますよ。アクレシアは体そのものがロボットのようなものですし、コラは見た目がスマートで、日本のユーザーがどんな反応を示し、どの種族が人気を集めるか全然予想できないですね。

ロボットや甲冑のような外見をしたアクレシア。キャノンと合体し、強力な攻撃を行なう
コラのサモナーが使いこなす精霊アニムス。近接戦闘に最適化されたパイモン、遠距離戦型のヘカテ、回復型のイナンナという3種類がある
ベラートが使うロボット兵器、機甲装備。近接攻撃用のゴリアテと、遠距離型のカタパルトという2種類のメインフレームにさまざまな武器を取り付けていく


■ パーティとソロプレイの両方が推奨されるゲームの基本システム

Q: RFの世界観というのは完全にオリジナルなんでしょうか? 何か原作になるものはありますか?

A: 完全にオリジナルです。200ページを越えるような緻密な世界観の設定資料があります。このゲームにはビームシールドのようなものや宇宙船などもあり、SF的な要素が入っていて、中世ヨーロッパ風の他のゲームよりもはるかに自由度が高くなっていると思います。

Q: レベルアップに必要な経験値はRvRでも得られるのですか?

A: 経験値は主にフィールドでモンスターを倒すことで得ることができます。RFではキャラクタのスキルとレベルの両方を上げて行かなくてはなりませんが、パーティープレイでは経験値が入りやすく、ソロプレイではスキルが成長しやすいように補正が入ります。

 レベル30までは現状では一生懸命プレイしないと到達できないですね。しかし、韓国のプレーヤーと日本のプレーヤーのプレイ時間を比較すると、韓国のプレーヤーの多くは1日に4時間以上プレイする人も多いのですが、日本では1日2時間くらいの人が多い。このあたりのゲームバランスについてはβテストの際に考えていこうと思っています。様々な角度からエンターテインメントとして楽しめるように良い部分は伸ばし、改善すべき部分は大きく変えていきたいと思います。

Q: 回復魔法がないなど、あまりこのゲームはパーティープレイを推奨していないように感じます。このゲームにおけるパーティープレイのメリットはどこでしょうか。

A: 1人のキャラクタでは倒せないような強い敵が存在しています。回復手段は自分でポーションを使うなりして確保し、みんなで攻撃というイメージですね。パーティーは最大8人で組むことができます。プレーヤーはソロとパーティー両方で遊ばないとバランスよく育てられません。

 ソロでもパーティープレイでも楽しめる要素として「バトルダンジョン」というものもあります。プライベートダンジョンで、他のユーザーに邪魔されることなく狩りを行なえます。このダンジョンは3分であるモンスターを全滅させろ、といった条件を提示される高レベル向けのものですね。このダンジョンにはいるためにはお金が必要となります。

Q: 少しキャラクタが「リネージュII」っぽいところもありますね。グラフィックは「萌え系」というよりスタイリッシュな感じを受けます。

A: まったく意識していないと言うことはないでしょうね。スタイリッシュさは韓国でのトレンドになっていると思います。どちらかといえば「萌え系」はベラートですね。コラはセクシーな感じでどの衣装も露出度が高いです。

Q: タイミングで敵の攻撃をガードするといったアクション要素はありますか? ユーザーのプレーヤースキルで工夫することで強い敵を倒せたりするのでしょうか。

A: ガードは自動です。操作方法そのものは韓国産MMORPGを踏襲したものになっていて、アクション要素はありません。キャラクタのレベルが重要になるゲームです。プレーヤースキルに関しては前衛を前に出すとか、有効なスキル構成を考えるといった部分ででてきますね。

ゲームの最初にはチュートリアルがあり、操作の基本を教えてくれる


■ 初期マップ以外、すべてが戦場となるRvRが中心となるゲーム展開

Q: ゲームではRvR(種族 対 種族)、PvPが中心となるのでしょうか。

A: RvRはこのゲームでは高いウエイトを占めます。特に重要なのは世界の中心にある鉱山で、3つの種族はこれを取り合っています。この場所を得るには「制御装置」というものがあり、この制御装置を持っている種族だけが鉱山の中心にいるプレーヤーでは絶対に倒せない「ホーリーストーンキーパー」に攻撃されなくなるんです。つまり、制御装置を確保した種族だけがこの採掘場で鉱石を掘ることができるわけです。

Q: 制御装置というのはどれくらいの期間で所有権が移るのでしょうか?

A: 韓国では現在、8時間に一度制御装置が出現します。夜中や朝方に戦争が起こる場合もあるわけです。これは短すぎるのではないかという問題にもなっていて、日本で展開する場合にはテストを通じてバランスをとっていこうと思っています。

 日本と韓国ではプレイする層も違います。韓国ではコアプレーヤーは学生さんなんです。時間もたっぷりある場合が多い。日本では25くらいの、お金には少し余裕ができてきたけど時間のないプレーヤーも多い。バランスなどは日本ならではのものを考えなくてはいけないと思っています。

Q: 採掘場でのメリットというのは何でしょうか?

A: RFには武器などをアップグレードする際に石が必要となります。この元となる原石は他のフィールドでも採掘できるのですが、他のフィールドでは発掘できる確率も少なく、等級も低いものが多いのです。このフィールドでは高い効果の石が多くでます。

 武器のアップグレードには特殊型のキャラクタの役割が重要になります。特殊型のキャラクタが作った武器には1~8までのスロットの開いた武器を作ることができ、プレーヤーはここにさまざまな性能のアップグレードパーツをつけていくことができます。アップグレードは4つ以上のパーツをつけると武器そのものが壊れてしまう場合もあります。強化要素は相手の体力を奪うものなどさまざまな性能があります。強化した武器は光を放ち外からでも強力なのがわかります。

 韓国では初心者の人を引き連れて強い人が先導するツアーを組むことがあります。韓国ではこれらのプレーヤーが一丸となって採掘をしにきますね。また、ストーンキーパーがいない時間も設定されており、そこで激しい戦いが起きることもあります。

Q: 強い人が弱い人たちを助けるというメリットは何でしょうか?

A: RFではギルドよりも種族単位で堅い結束が必要となるデザインになっています。種族全体が強くなければ他種族に勝つことはできません。RFでは武器の強さがかなり重要な意味を持っており、高レベルで高いスキルのキャラクタでもいい武器を持っていなければ強くなれないのです。自分たちの種族が多くの性能のいい武器を装備していることが重要になるのです。

Q: 戦場となるのはこの鉱山マップだけでしょうか?

A: RFはテレポーターでいくつものマップがつながっているマップ構成になっているのですが、スタート地点である街のマップ以外すべては3種族がテレポートできるようになっています。最初のマップ以外はすべて戦場になるのです。

 テレポーターの近くでは種族を守ってくれるガードを設置することができ、キャラクタを採掘させてずっと放置するという人も多いのですが、その人達を専門で倒しにくる敵対種族のプレーヤーもいます。

Q: どのマップでも安心できないのですか、非常にアグレッシブなゲームになりそうですね。

A: 韓国では常に争いあっているゲーム展開ですが、日本では制御装置が現れる戦争時間以外はまったりした時間を過ごすプレーヤーが多いのではないかと考えています。日本のユーザーがどういった感想を持つかは楽しみなところですね。

 RFでは他種族のキャラクタとはアイテムの交換もできないですし、何よりもメッセージのやりとりもできません。また、たとえキャラクタがやられてもアイテムも経験値の減少もないです。必然的にRvRは激しくなります。RvRで倒された場合は種族貢献度を失います。ただし、モンスターにやられた場合はランダムで経験値を失ってしまいます。

 貢献度が高く、レベルが一番高いプレーヤーは種族のリーダーとなり、全体チャットが可能になって自分の種族に号令が下せます。また他種族の言葉もわかるので、トップ同士が話し合い、連合を組むことも可能になります。

Q: 種族の本国そのものを陥落させることはできないのですか?

A: スタート地点となるマップには他種族は入ってこれません。ですから全滅させられるようなことはないですね。運営側として種族間のバランスには気を使っていかなくてはならないと思っています。

 韓国ではCCRにユーザーからさまざまな意見が寄せられていますが、一番多いのが種族間のバランスですね。例えばアクレシアが強すぎて他の種族がまったく太刀打ちできない時期があったんです。それでプレーヤーが減り、今度は他の2種族を強くしたらアクレシアからの不満が大きくなってしまった。

 また、レベルが5違うと攻撃が全く当たらなくなってしまうこともありました。現在ではこのポイントを改善するルールが入っていて、敵から連続して攻撃されるとゲージが下がり、そのゲージが0になると装備につけている強化効果がなくなってしまうんです。こうなるとたとえレベル差が15あっても、弱いキャラクタで押し包めば強いキャラクタに勝てる。日本では韓国でバランスが調整されたものをサービスしていきます。

Q: しかし、経験値稼ぎのためにモンスターを倒しているときに、常にPKに会う恐れがあるMMOというのは久々ですね。

A: そうですね、他種族のプレーヤーには常に警戒しなくてはならない、PvPの要素が強めにでているゲームです。他の種族が入ってこない最初の街でがんばればレベル20までは上げられますが、その頃には他のマップに行った方が効率はいいですね。

 ただ、私が韓国でテストサーバーでプレイをしていたのですが、あまり攻撃されなかったんです。低レベルの貢献度の低いプレーヤーを倒しても高レベルのキャラクタにとってはあまりメリットがないんですよ。

 キャラクタの強弱は名前の横に表示されるマークで確認できます。貢献度が上がるとこのマークが豪華になっていく。一見して相手の強さがわかるようになる。狙われやすいですけど、その分その人は強いので注意が必要です。

Q: 日本ではPKを容認しているゲームの場合、低レベルのキャラクタをひたすら倒して、メリットがなくてもその行為を楽しむという愉快犯的なプレーヤーが存在して問題になることが多いです。これを嫌う人たちも多いのですが、韓国ではどうでしょうか。

A: 異種族間ならば弱い敵のみを相手にして倒しまくると言う行為も充分許される、というのがRFですね。ただ、レベル差があっても多くのプレーヤーに囲まれれば返り討ちに合うこともあるでしょうね。相手が何を言っているかもわからないので、他の種族はNPC扱い、という意識もあると思います。また、同種族間ではPvPやギルド戦争もできません。

Q: ただ、ゲーム内で言葉は通じなくても、掲示板で「あの種族のAはひどいことをしている」という話が出るでしょうし、結局は変わらないのではないですか?

A: SEGA linkとの連動などでそうなる可能性もありますね。韓国でもチートツールを使っていたユーザーが全種族のプレーヤーから突き上げられるといったこともありました。

 プレーヤーは必ずしも種族だけで固まるわけではないし、今後のアップデート計画ではもっと大規模なものが予定されています。今争っている人たちはひとつの国家として手を取り合うことになるかもしれないのです。RFの世界には他にも大陸があり、大陸内の国家同士での戦争も予定されています。さらに惑星単位の戦いも構想として存在しています。


■ 「RF online」の日本サービスにおいて、セガが目指すカルチャライズとは何か?

Q: 日本でサービスする際に、どのようなカルチャライズを行なう予定ですか?

A: キャラクタのレベルの上がるスピードや、制御装置出現のタイミングといったバランス調整を中心に行なっていきます。韓国と日本のユーザーの違いをきちんと受け止めて行なっていきたいですね。他には街の中にほとんどNPCがいない問題に対応したいと思っています。

 現在のRFは街の中はがらんとしていて売買を行なうNPCしかいないのです。ゲームのストーリーもチュートリアルで簡単に説明されるだけでほとんどわからない。後は狩り場があるだけなのです。プレイをしながら世界観が感じられない。この部分を何とかしたいと思っています。日本の市場というものを考えていきたいですね。

Q: 種族間のバランスは調整されたものを日本で導入するということですが、韓国ではアップデートは3種族公平に行なわれたのでしょうか。

A: 韓国ではそうではなかったのです。種族すべてにアップデートは適用されたけど、近接型だけが改良されて特殊型は置いてきぼりだった、というような問題で掲示板がにぎわうこともありました。

 ゲームシステムに関しても、他のゲームならもっと面白いぞ、という“甘い”部分がたくさんあると思っているんです。優先度はありますが、日本での市場で成功するために、さまざまな改良要求を出しています。

A: 優先順位が高いものにはどういったものがあるのでしょうか。

Q: やはりNPCですね。とにかく街にNPCがひとりもいないのはどうにかしたいです。一応、クエスト要素はあるのですが、一定のレベルに達すると電波のようにプレーヤーに直接指令がくるんです。クエストの多くは「ここにモンスターが出現したから倒してくれ」といったもので、それを倒すとお金と貢献度が得られる。だからNPCと会話をするというクエストもないんです。

Q: セガの予定ではプレーヤー数をどのくらいと考えているのですか?

A: オープンβテスト時に10万人位を集めたいですね。10万人がMMORPGの壁だと考えています。クローズドβテストでは8,000人を予定しています。

Q: 今回デモプレイを見せていただいたのですが、まだまだ荒削りな印象を受けました。磨けばいいゲームになりそうだなとも感じたのですが。

A: 確かにそうです。だけどRFは、これからを考えた時にベースがしっかりしているのでいくらでも変化できるコンテンツです。作り込まれていてどうにもできないという作品にはない部分があると思います。

 我々も経験者なのでユーザーから厳しい意見がくることを予想しています。むしろ積極的に叩いてもらいたいと思っているんです。ユーザーの意見を反映させて優先順位をつけてさまざまなポイントを直していきたいと思っています。

Q: RFの場合、パブリッシャーとデベロッパーが別々ですよね。過去の例だと、日本からの意見がなかなか反映されず、いつまでも修正点が直らずに、結果として運営側がユーザーの期待に応えられないといったことがありますが、この問題に関してはどうでしょうか?

A: 運営と開発の問題としてはひとつの会社の中でも起こる問題です。ただ、今回のセガとCCRは対等な関係となっています。スケジュールに関して日本最速というわけではないですが、こちらが必要だと提案したものは開発される約束になっています。

Q: 先ほどNPCを追加するということをおっしゃっていましたが、他にもセガがCCRに要望していることはどんなものでしょうか? オープンβ移行時などにちょっとしたサプライズがあったりするのでしょうか?

A: 要望は出していますが、今はシークレットですね。いろいろ考えていますし、開発可能かどうかを協議しているものがあります。βの段階ではまだそれらは見えてこないでしょうね。あくまでテストとして正式サービスまできちんと試していきたいです。ローンチの段階で1つ2つ要素が入れられればと思っています。それから徐々に他の要素も入れていければと。

Q: 方向性としてはどのようなものでしょうか?

A: 日本市場に合わせたカルチャライズです。レベルの推移、スキルの上がりにくさの修正など根幹部分のゲームバランスです。そしてゲーム自体の見栄えの要素といったものをプラスしていきます。

Q: RFにはロボットがでてきますが、日本ではこのロボットに対して非常に高い水準のものを要求すると思いますが、オリジナルデザインなどは考えているのでしょうか?

A: まだ秘密ですね(笑)。

Q: 1サーバーには何人キャラクタが作れるのでしょうか? 他種族のキャラクタを作ってスパイ行為を行なうことができるのですか?

A: 1サーバーに3人まで作成できます。スパイ行為は韓国では当たり前のように行なわれていますし、我々も禁止するつもりはありません。3種族それぞれでプレイをするのも面白いと思いますよ。種族が違うとアイテムの譲渡はできないですし、装備も異なるものが多いので受け渡しは不可能といっていいですね。

Q: 最後にメッセージをお願いします。

A: RFはゲームバランスという点も含めて、完成度が高いかというと現状では、けっしてそうは言えないゲームです。これから成長させていかなくてはなりません。ゲームに対して意見を持っているユーザーさんにどんどん入ってきていただいて、運営側としてはちょっとつらいことですが、“どんどん叩いてほしい”と思っているんです。

 MMORPGはプレーヤーを得て初めて“生き物”になるゲームだと思っています。プレーヤー達によってゲームはいかようにも変化していきます。変化する様を楽しんでいただきたいですし、一緒に育てるという気持ちでプレイしていただきたいと思います。

 もちろん、いただいた意見をすべてゲームに反映できるかというと、そうではありません。ただ、運営側としてちゃんと声を吸収した状態で開発側に意見を言っていきたいと思います。運営体制やゲームバランスもそうやって決めていきたいです。

 スタッフにはさまざまなゲーム経験者がいますが、今までできなかったことがすごくたくさんあったり、ユーザーとの距離感に不満を持っていました。MMORPGというのはどちらかというと商品ではなく、サービスであり生身のものであると思っています。

 セガというのはゲームセンターもやっている会社で、UFOキャッチャーが取れないというとぬいぐるみを取りやすい位置に動かしてくれるようなサービス精神を持っています。公平感を持ちながらもそういったサービス精神を持っていきたいと思っています。そのためにはユーザーさんがガンガン言ってくれないと、中の人間も育たないし、ゲームも育たない。ぜひガンガン言ってください。

□セガのホームページ
http://sega.jp/
□「RF online」のページ
http://rfonline.jp/
□「SEGA link」のページ
http://segalink.jp/
□関連情報
【2005年6月21日】セガ、MMORPG「RF online」クローズドβテスター募集開始
弊誌枠として400名分のアカウントをプレゼント
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050621/rfo.htm
【2004年9月22日】セガ、MMORPG「RF online」の国内ライセンス権を取得
2005年中に正式サービス開始予定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040922/rfo.htm

(2005年6月21日)

[Reported by 中村聖司 Photo by 勝田哲也]



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