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会場:Necca秋葉原店
今回、WebzenのMU開発チーム プロデューサー キム・ウンヒョン氏による今後のアップデート計画も併せて発表された。「MU WORLD WAR」以降に行なわれるアップデートは、日本のユーザーの強い要望で実装される「初心者向けの内容」が中心になるという。 よりゲームをわかりやすくし、モンスターを倒したときに入手できるアイテムの内容や、アイテムを使った回復スピードなどが改善されるなど、ゲームバランスの改善が多岐にわたって行なわれる。他にも、新しいワールドやモンスターも今後追加されていく。キム氏は、今後半年に1度くらいのペースでどんどん新しい要素を追加する予定があるという。 ゲームオンはこの他にもMUをアピールするためのイベントを積極的に開催していく。今回と同じ内容の、ユーザーを招待した「MU WORLD WAR」先行体験会を7月9日に大阪にあるネットカフェ「コミックカフェYou」で開催、さらに7月20日~9月30日まで豪華賞品が当たるキャンペーンなども開催する。
質疑応答では、ハッキングやRMTに関しての質問があがった。井上氏は「セキュリティーシステムに関しては設備投資をして、コンサルタント会社と話し合うなどして対策を行なっている。盗難されたアイテムに関しては、ほぼ目処がついたので、今後はインゲームで対策を実施していきたいと語った。 ■ MUにかつてない戦いをもたらす「MU WORLD WAR」 「MU WORLD WAR」はMUの世界に攻城戦をもたらすゲームシステムである。プレーヤーは守備側と攻撃側に分かれ、城を巡って激しく争うこととなる。 攻城戦はギルド単位で参加できる。城を巡る戦いに参加するためにはギルドマスターレベルが200以上、メンバーが20以上のギルドでなくてはならない。それらのギルドが最大5ギルド集まることで「連合」となる、攻城戦では守備側が1連合、攻撃側が最低3連合必要になる。非常に多くの人数が戦いに参加することになるのだ。
玉座では敵の攻撃から身を守りつつ、ギルド連合のギルドマスターが「ギルドマスターの刻印」を登録するために、30秒間玉座の近くにいるスイッチにふれ続けなくてはならない。スイッチは2つあり、片方はギルドマスター、もう片方はギルドメンバーがその場所を維持する必要がある。玉座の前までは攻撃側のギルドは協力プレイができるのだが、玉座ではすべてが敵となるのだ。 もしうまく玉座を取ることができれば、その登録ギルドが一時的に城を所有できるが、まだ制限時間が残っている場合は戦いが続行される。用意されている時間は2時間、終了時点で城を所有している連合が勝者となる。防御側は最大100体の防御型NPCを雇うなどして攻撃側に備えることも可能。もし戦争中にキャラクタが倒されてしまうと、城の外での復活になる。資金が許す限り回復アイテムを持ち、戦いを挑むというのが一般的なプレイスタイルになるだろう。 攻撃側のギルドマスターはライフストーンというアイテムを使うことで、死亡した攻撃側プレーヤーをライフストーンの場所から再出撃させられる。ライフストーンを守備側に破壊されないように注意が必要だ。この他にも敵を遠距離から攻撃できる投石機や、攻城戦時にしか使用できない特別スキルといった要素が絡んでいく。 城主となったギルド連合は、「試練の地」というダンジョンを所有できる。特別なアイテムや多くの経験値をもたらすモンスターがいるダンジョンで、城主はギルドでこれを独占したり、一般ユーザーから入場料を取ることも可能だ。 「MU WORLD WAR」のシステムは、通常、開始宣言から1週間仲間を集め、次週の月~火曜日に攻撃側に所属を希望するギルド連合を選抜、もし連合が3以上の場合は水~金曜日の間、モンスターからドロップされる「城主のエンブレム」の数を競うことになる。そして土曜に結果発表、日曜日が決戦となる。 最初の決戦は8月7日、最初は城を所有するギルド連合が存在しないため、攻城戦に先駆けて「初代城主決定戦」が行なわれる。まず7月25日に対象ギルドが決定し、27日に初代城主決定戦である「カオスアタック」というイベントが実施される。28日にシステムが実装され、8月1日からいよいよ「MU WORLD WAR」の競争システムが発動するのだ。最初の戦いには1週間の仲間集めの期間はない。城主決定のイベントからプレーヤー達は大きな戦いの渦に巻き込まれていくのである。 この攻城戦では運営側は「低レベルのキャラクタも観客として参加できる」とアナウンスしているが、攻撃をされてもダメージを受けないというような観客としての特別なシステムが用意されているわけではないようで、、範囲魔法がばんばん飛び交う戦場なだけに「安全に観戦」というわけではないようだ。かなりの回復アイテムと、何度も倒される覚悟が必要となるだろう。
■ よりプレイアビリティーを高める今後のアップデート プロデューサーのキム氏によって明らかになった今後のアップデート、攻城戦の次のアップデートは「初心者へのフォロー」を中心に行なわれるという。まずゲームをよりプレイしやすくするために、まず、「Shadow phantom」というエルフのNPCが初心者の街の入口に登場し、100レベル以下のキャラクタに攻撃と防御力をUPさせる魔法をかけてくれる。その魔法は30分間効果を発揮してくれる。 アイテムのドロップが見直され、低いレベルのモンスターでも、今までより高いレベルの効果を持つアイテムをトラップするようになり、アイテムを使って回復するスピードの向上、さらにフィールドでも休憩をしていれば体力が回復するようになった。以前のMUに比べてバランスを見直すことで、より間口を広くしていく。 この他に、追加される新しい要素も発表された。「Cry woolfの要塞」と、「AIDAワールド」という新マップで、「Cry woolfの要塞」では、攻城戦のような戦いをモンスター相手に楽しめるようになる。「AIDAワールド」は、巨大な森で、滝や洞窟、お墓といった要素が入ったマップになる。 また水没した廃墟である「カルリマ」というマップに深い関係があると思われる、「Hiddenカルリマ(隠されたカルリマ)」というマップも発表された。このマップには入るのに特別な条件が必要になるという。これらのマップの追加に合わせて、モンスターやアイテムも新しいものが追加される。今回は「Cry woolfの要塞」のモンスターのイラストのみが公開となった。弓や剣をもち、動く甲冑のような外見をしたモンスターは、かつて行なわれ大きな戦いに駆り出された兵士達だという。 キム氏によると今回紹介した要素の他に、現在考えている追加要素はあと7つあるとのこと。まずは「MU WORLD WAR」の要素を実装し、それから半年に一度ずつ、様々な要素を盛り込んでいく予定だ。
■ 会場組対オンラインユーザーの攻城戦体験会。戦力差10倍の激しい戦いの結果は? 発表会の後に行なわれた攻城戦イベント。会場には抽選によって選ばれた30名が防御側ギルドとして参加、これに対抗するために、800名のオンラインユーザーが募集された。ゲームの戦場となるのはテストサーバー。プレーヤー達は専用のキャラクタを作って戦いに挑んだ。イベントが開催される前からユーザー達は準備万端。会場に訪れたプレーヤーの中には早朝からNecca秋葉原店を訪れた人もいたという。
筆者達はプレス用のキャラクタでこの戦いに参戦、攻撃側と同じ視点でゲームに参加した。ユニークなのが会場のユーザー達は城の中ですでに準備を整え、敵を待ち受けているところ。ちょうど筆者達と状況が逆なのだ。防御側のユーザーは全員が会場にいるにもかかわらず、チャットで細かい打ち合わせをしているのが少し面白かった。 開始直前、城壁の向こうに防御側ユーザーが固まっている姿はまるで大量にモンスターのいるダンジョンの入り口で敵にロックオンされているようで、ちょっとした緊張感があった。いよいよ攻城戦開始。合図と共にマップの端にワープさせられたのは少し面食らったが、他のプレーヤーと共にずんずん進軍していくのはワクワクさせられた。 戦闘は、光の奔流である。光の翼や炎の鎧、輝く剣などキャラクタ達は装備の時点できらきらしているのに、さらに光のエフェクトばりばりの魔法が炸裂するのだ。筆者は回復ポーションをがぶ飲みしながら戦場を突き進んでいったのだが、その派手な戦いは端から見ていても面白かった。観客としてのプレイも是非おすすめしたいところだが、回復アイテムだけで膨大な資金がかかりそうだ。 攻城戦の流れは全部で3層になっている城壁を、城門を破壊することで突破。その間にも防御側はNPCを配置して行く手を阻んでくる。攻撃側はこれをうち破り、さらに4つある守護石像、周辺にいる敵に光の雨を降り注がせるガードタワーを破壊しなくてはならない。それらを破壊してようやく深奥部につながるドラゴンタワーの城壁に到達できるのだ。 筆者は回復だけに専念して戦場を右往左往していたが、攻撃側の城壁をうち破る速度に驚かされた。通常の攻城戦の実施時間は2時間とのことだが、今回は40分の特別ルール。それだけでも防御側が有利なはずだったのだが、攻撃側はものの15分程度で最終城壁をうち破り、ドラゴンタワーに侵入したのである。 ここからは攻撃側も簡単にはいかない。攻撃側の連合ギルドは3つの勢力がある。玉座を支配するためには、1つのギルドが刻印登録の機器を30秒間支配しなくてはならない。玉座の間では他のギルドも敵となるのだ。防御側も躍起になって攻撃してくるし、あたりは炎と光の氾濫、その中で先を争って刻印登録機にプレーヤーが殺到するという大混乱になった。 筆者も何度も倒された。ゲスト用の特別キャラクタで回復アイテムも持っているのに回復アイテム連打ですら間に合わずに倒されてしまうこともしばしば。すぐに復活できるのだが、城の外に出されてしまうので、ふたたび走って城の中に戻るという動きを繰り返した。 面白いのが、攻撃も防御側も同じように倒されると城の外に出されてしまうところ。城の中央で激しい戦いが行なわれているのに、相手に追いすがられ、そのまま団子状態で争っているプレーヤーや、勝手がわからず出現場所でレスキルを繰り返すプレーヤーもいた。 攻撃側の圧倒的な数の差、さらに最終的な城壁がかなり早い時間で破壊されたこともあって、城はすぐ落ちるかな、と思っていたのだが、結局は40分防御側が守りきってしまった。攻撃側のギルドが仮に城をとっても、そのまま時間まで攻守入れ替わって争うシステムが用意されているのだが、そのシステムが動く機会もなかった。10倍の戦力差を持っても、城は落ちることはなかったのである。かなり防御側に有利かな、という印象を持った。 防御側の勝利で終わった今回のイベントだが、筆者は、「今回の戦いはあくまでお祭りで、真剣な戦いはこうならないだろう」、という感想を持った。平日の昼間のイベントということで、参加者達の熱意は伝わってきたのだが、やはり組織だった「作戦」というものを本番だったらもっともっとプレーヤーは練ってくると思うのだ。 城の制御装置を奪うシーンで特にその傾向を感じた。今回防御側が勝利をおさめたのは、すべてのプレーヤーがこのシステムに不慣れだったからにすぎないだろう。いかに前情報として城のシステムを調べているプレーヤーがいたとしても、実際のゲーム画面は違う。防御側のプレーヤーに関しては、事前に城の中を歩き回り、内容を把握できていた、というのも大きいかもしれない。 愛着のある自分のキャラクタを使用した場合、作戦はまったく違ってくるはずだ。今回、その戦いの派手さと、戦闘のスピーディーさに筆者はこのシステムに魅力を感じたが、実際の戦いはもっともっと激しい者に成るであろう事が予想された。練習を積み、組織だって動いていくプレーヤー達の戦い、その戦いを早く見てみたいと思った。
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□ゲームオンのホームページ (2005年6月21日) [Reported by 勝田哲也]
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