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「ファイナルファンタジー」コンサートを米国で開催
THE BLACK MAGES、白鳥英美子さん、RIKKIさんなど豪華ゲストが出演!

5月16日(現地時間) 開催

会場:Gibson Amphitheatre

 株式会社スクウェア・エニックスは、「ファイナルファンタジー」のフルオーケストラコンサート、“More Friends music from FINAL FANTASY”を、5月16日(現地時間)に米ロサンゼルスにあるGibson Amphitheatreにて開催した。

 このコンサートでは、「ファイナルファンタジー」シリーズの楽曲をフルオーケストラで演奏された。2004年5月に初めて米国で開催されたコンサート「Dear Friends ‐music from FINAL FANTASY-」に続き、植松伸夫氏が自ら制作総指揮を行なう。オーケストラの演奏はWorld Festival Symphony Orchestra、指揮はArnie Roth氏。

 会場のGibson Amphitheatreは、3,000人は収容できようかという広いホールだったが、開幕時にはほぼ満席の状態。会場の外ではCDやTシャツ、ポスターなどのグッズを販売するコーナーが複数設けられていたが、どこも長い行列ができていた。日本でもなかなか見られないような熱狂的な盛り上がり方だ。

 プログラムは2部構成で、第1部はオーケストラのみの演奏、第2部はゲストを交えた演奏となった。

 まず第1部は、VIIのオープニングからスタート。演奏の開始とともに、ホールに備え付けられた複数の巨大スクリーンに、VIIのゲーム映像が流された。演出としては実にストレートな発想ではあるが、ゲームの内容を思い起こさせるという意味ではこれ以上のものはない。会場からも驚き混じりの歓声が上がっていた。

 楽曲はVIIやVIII、Xといったシリーズ後期のものが多かった。北米ではVIIの発売で「ファイナルファンタジー」人気が高まった経緯があることから、このような曲目になったのかもしれない。

 そんな中、雰囲気を一変させた曲が、おなじみのチョコボのテーマ“Swing de Chocobo”。この音楽に合わせて、スクリーンにはIIからXIまでに登場したチョコボが次々と映し出された。次のタイトルのチョコボが表示されるたびに、会場からは大歓声と拍手が飛ぶ。オーケストラは演奏中に歓声が飛び交うという、ある種奇妙な状況ではあったが、ゲームサウンドならではの楽しみ方だったとはいえるかもしれない。

 そして第1部の最後は、Iの“FINAL FANTASY”。ゲーム中では最初の橋を渡ったときに流れるプロローグで使われたもので、まさに「ファイナルファンタジー」の始まりとなった一曲である。“Swing de Chocobo”で懐かしさを煽っておいて、続けて“FINAL FANTASY”を流すという曲目は絶妙の一言。20年近いシリーズの歴史が一気に思い起こされて、涙が止まらなくなるほど感動してしまった。

THE BLACK MAGES
 休憩を挟んでの第2部は、ゲストコーナーともいうべき豪華な内容になった。まずはTHE BLACK MAGESによるIIIの戦闘シーン“Battle 1 -The Rocking Grounds-”が演奏された。ここでようやく、バンドメンバーの一員として植松伸夫氏が登場。オーケストラとは全く方向性の異なるロックサウンドとあいまって、会場には怒号のような歓声が響きわたった。

 THE BLACK MAGESの米国でのコンサートは今回が初めて。THE BLACK MAGESの体の芯に響いてくるロックサウンドは、やはり米国の人の肌に合うようで、ステージでギターパフォーマンスを見せるたびに大歓声が上がった。オーケストラを静かに聴いていた人たちとは思えないノリのよさで、演奏していたTHE BLACK MAGESの方々もかなり気持ちよく演奏できたのではないかと思う。

 続いては、RIKKIさんの“SUTEKI DA NE(Isn't It Wonderful?)”、白鳥英美子さんの“A Place to Call Home - Melodies of Life”の2曲が続けて演奏された。おふたりとも、オーケストラの生演奏に合わせて歌うという、これまた貴重な内容。

 そして第2部最後の曲は、VIで人気のオペラシーン“Maria & Draco”。3人の歌手の競演により、「オー、マリアー」というあのオペラを見事に再現していた。楽曲自体はかなりアレンジが加えられていたが、ファンならば誰もが一度は聴いてみたいという望みを実現してくれたのは素直に嬉しい。

THE BLACK MAGESで演奏中の植松伸夫氏
 プログラムが終了したところで、ステージに植松氏が登場。「一年ぶりにロスに帰ってきました。前はオーケストラだけでしたが、今回はたくさんのゲストを呼んでみました」と挨拶した。「More Friends」というタイトルには、そういった意味も込められているということだろう。また来場者に向けて、「音楽は音楽だけでは何の意味もないんです。聴く人がいてこそ、初めて価値のあるものになるんです」と感謝の気持ちを述べた。

 そして続けて、「もう1曲やりましょうか。オーケストラとロック、どっちがいいですか?」と会場に質問。もちろん会場からは「Both!(両方!)」という声があちこちから上がった。それではとアンコールに答えた楽曲は、なんとオーケストラとTHE BLACK MAGES、さらに合唱団の競演という、とんでもないものだった。

 楽器の調子が悪かったのか、演奏開始がオーケストラと合わず、3度続けて失敗するというハプニングもあったが、演奏が始まると意外なサウンドのミックス加減に驚かされた。オーケストラとギター、ドラムの音が交じり合う混沌とした音が、個別に演奏したときよりもゲームらしさを引き出すという、何とも不思議なサウンドだった。もしかすると二度と聴く機会がないものかもしれないが、機会があればファンの方にはぜひとも一度聴いてもらいたい。

【演奏曲目】
・第1部
Opening - Bombing Mission (VII)
Aerith's Theme (VII)
Zanarkand (X)
Don't be Afraid (VIII)
Terra's Theme (VI)
Swing de Chocobo (II)
FINAL FANTASY (I)

・第2部
Battle 1 -The Rocking Grounds- (III) ~THE BLACK MAGES
Maybe I'm a Lion (VIII) ~THE BLACK MAGES
SUTEKI DA NE(Isn't It Wonderful?) (X) ~RIKKIさん
A Place to Call Home - Melodies of Life (IX) ~白鳥英美子さん
-OPERA “Maria & Draco”- (VI)

・アンコール
One-Winged Angel (VII) ~THE BLACK MAGESほか

THE BLACK MAGESは曲もさることながら、ギターパフォーマンスが大人気 Xのテーマソング「素敵だね」を歌ったRIKKIさん。会場にはユウナを意識したような和服姿で登場 IXのテーマソング「Melodies of Life」を歌った白鳥英美子さん。一部歌詞を英語で歌うサービス


□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.com/jp/
□「SQUARE ENIX MUSIC」のページ
http://www.square-enix.co.jp/music/sem/
□関連情報
【3月10日】【GDC 2005】マエストロ植松伸夫氏への公開インタビューを開催
「ザナルカンドにて」作曲秘話、将来のゲーム音楽についてなど
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050310/gdc_nobu.htm
【1月24日】THE BLACK MAGES、2ndライブ“above the sky”を開催
「ロマサガ」のイトケン、テクノポップユニットmuZikなど隠し球続々
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050124/tbm2.htm
【2004年3月15日】ファイナルファンタジーオーケストラコンサートツアー
「TOUR de JAPON(ツール・ド・ジャポン)」東京公演開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040315/ff.htm
【2004年2月20日】スクウェア・エニックス、「ファイナルファンタジー」
米国で初コンサートが決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040220/square.htm

(2005年5月17日)

[Reported by 石田賀津男]


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