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ファイナルファンタジーオーケストラコンサートツアー |
会場:Bunkamura オーチャードホール
株式会社スクウェア・エニックスは、ファイアナルファンタジーの音楽をオーケストラ・アレンジしたコンサートツアー「TOUR de JAPON(ツール・ド・ジャポン)」を開催した。3月12日の横浜公演を皮切りに、14日には渋谷Bunkamuraのオーチャードホールで昼夜2回の東京公演が行なわれた。
「TOUR de JAPON」は、2002年2月に東京国際フォーラムで開催された「20020220 music from FINALFANTASY」以来となるオーケストラ演奏によるファイナルファンタジーのコンサート。前回は東京公演のみにもかかわらず全国から訪れたファンのために、今回は横浜、東京、札幌、名古屋、福岡、大阪の計6都市で7公演(東京のみ昼夜2回)が開催される運びとなった。制作総指揮はファイナルファンタジーミュージックのすべてを手がける植松伸夫氏。指揮は前回に引き続いて竹本泰蔵氏がつとめ、新日本フィルハーモニー交響楽団をはじめとして各都市それぞれの交響楽団が演奏を担当する。
コンサートで演奏された曲目は下記のとおり。
・第1部
01 : オープニング~爆破ミッション 【FINAL FANTASY VII】
02 : ザナルカンドにて 【FINAL FANTASY X】
03 : Ronfaure 【FINAL FANTASY XI】
04 : エアリスのテーマ 【FINAL FANTASY VII】
05 : The Oath 【FINAL FANTASY VIII】
06 : 独りじゃない 【FINAL FANTASY IX】
・第2部
01 : ファイナルファンタジーVメインテーマ 【FINAL FANTASY V】
02 : F.F.VIIメインテーマ 【FINAL FANTASY VII】
03 : 愛のテーマ 【FINAL FANTASY IV】
04 : FFI~FFIIIメドレー2004 【FINAL FANTASY I~III】
05 : オペラ“マリアとドラクゥ” 【FINAL FANTASY VI】
メドレーを含めてこれら全11曲を演奏したあとアンコールへと続くが、アンコールで演奏される曲は聞いてみてのお楽しみ。これからの公演を聞きに行く人は大いに期待してほしい。演奏の合間には植松伸夫氏とインターネットラジオでともにパーソナリティをつとめるスクウェア・エニックスの片山理恵子さんがMCとしてステージに登場し、曲の紹介をしたり、聴衆からの質問に即興で答えるといった演出もあって、終始なごやかで、ほのぼのとした公演となった。
植松氏によれば、オーケストラアレンジをするにあたっての選曲は「何よりも、自分がオーケストラ演奏で聞いてみたい曲」というのが優先だったとのこと。そのうえで、シリーズI~XIまで網羅できるような構成を考えたという。たとえば「ザナルカンドにて」のように元々がピアノソロの曲がオーケストラアレンジされていたり、いっぽうで「オペラ“マリアとドラクゥ”」のように、ゲーム音楽時からオーケストラ演奏を思い描いて制作されたような曲もあって、幅広く楽しむことができる。特に後者はゲームでのオペラシーンが、そのまま3人のオペラ歌手によって再現されるなど、ファイナルファンタジーファンにはたまらない演奏となっている。
そのほかVからは初めてのオーケストラアレンジとなるメインテーマや、XIのなかで最初に制作された曲という「Ronfaure」など、聞き所は満載といっていい。特に言及されてはいないが、いずれもある意味“泣ける曲、泣けるシーン”になっているのも今回の選曲の特徴だろう。
前回公演では、収容4,000名を超える大型ホールでの公演のため、オーケストラ演奏とはいえホール全体に音を届かせるためアンプとスピーカーによる増幅を行なっていたが、今回はいずれも2,000名規模のホールとすることで“生音”にこだわったとのこと。
また、公演ごとに異なるゲストも登場する。東京公演では先日発売されたCD「FINAL FANTASY SONG BOOK まほろば」のボーカリスト清田まなみさんと、ギター演奏の長谷川友二氏が駆けつけ「雨上がり、散歩道」を披露した。今後開催される各都市での公演では都市ごとに趣向を凝らしたゲストが出演するということなので、こちらも各公演での楽しみとなるはずだ。
東京公演は竹本泰蔵氏指揮による新日本フィルハーモニー交響楽団による演奏。演奏の合間のMCでは、各公演ごとに異なるクラシックの豆知識も披露される | MCとして登場する制作総指揮の植松伸夫氏。演奏された曲の解説やコンサートの概要などをユーモアたっぷりに紹介する | 後半では聴衆から植松氏へ質問コーナーもあって、その場でファンからの質問に答える |
既報のとおり5月10日には、米ロサンゼルスではじめての海外公演も行なわれる。ほかにもドイツをはじめとする海外各地からの公演オファーがあるそうで、これらは今後の検討課題となるとのことだ。現時点では今回の演奏のCD化は予定されていないとのことだが、録音は行なわれているのでファンの反響や要望によっては可能性はゼロではない模様だ。
今後のツアースケジュールは3月19日(金)札幌、4月2日(金)名古屋、4月11日(日)福岡、4月16日(金)大阪と続く。チケット残席の状況などは、同社のホームページを参照してほしい。
東京公演でのゲストは、CD「FINAL FANTASY SONG BOOK まほろば」のボーカリスト清田まなみさんと、ギター演奏の長谷川友二氏。各公演ごとに趣向を凝らしたゲストが登場予定だ | アンコールでは植松伸夫氏自らが指揮棒をふるうシーンもある | 子供用の玩具のバイオリンの弓を使って指揮をしたという植松伸夫氏。はじめての指揮には相当のプレッシャーがあったとのことだ |
(2004年3月15日)
[Reported by 矢作晃]
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