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【連載第14回】 進化し続けるヴァナ・ディールの魅力を徹底解剖


ファイナルファンタジー XI連載
~ヴァナ・ディール定点観測~

もはやその完成度に隙無し!
FF XIを代表するコンテンツへと成長した「ENMクエスト」

 2月末のFF XIアップデートで新規導入された「ENMクエスト」は、金策やレベル上げにも対応した、優れたイベント戦である。まだ導入後2カ月余りの段階だが、プレーヤー間の人気度はBCNMやミッションをも追い越し、現在ゲーム中でもっとも活気があると言ってよいだろう。

 そのENMクエストが、4月21日のアップデートにおいて早くも大きな進化を遂げた。今回は、いまやFF XIを代表するコンテンツへと成長したENMクエストの新要素を中心に紹介していこう。

1人から18人まで様々なバリエーションのENMクエストを追加

 ENMクエストの基本システムについては、本連載の第12回分にて詳しく説明している。記事中での重複を避けるため、まだENMクエストが未経験という読者は、とりあえずこちらに目を通してほしい。

・定点観測第12回:ENMクエスト
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050401/ff11_12.htm

 本稿では上記の基本面を前提知識として話を進めよう。では早速本題へと移ると、4月末のアップデートがENMクエストにもたらした変更は、大別すると2種類ある。ひとつは、BF戦の対象人数は従来では6人用のみだったが、様々な人数のバリエーションが追加されたこと。もうひとつは、BF侵入時の人数制限が取り払われたことである。ただし想定人数を超える規模で挑戦した場合は、一人あたりの取得経験値は減る。

 現在のENMクエストにおける対象人数は「1・3・6・12・18」の5種類があり、集まったメンバーの規模に応じて自由にチョイスできる。また最大で18人まで同時参加が可能であるため、仮にメンバーがあふれても仲間はずれになる心配はない。そして難易度が高いと感じたら、人数を増やすことで勝率アップに結びつけることも可能だ。

 これらの変更点をまとめると、目標とするENMクエストに対して必要な人数を集めるというよりも、現状のメンバー構成で行けるENMクエストを探す、といったプレイスタイルを促進している。もっとわかりやすく言うと、リンクシェル内のイベント用として行ないやすくするための環境が整備されたというわけだ。

・追加分ENMクエスト一覧
【NPCとの会話のみで挑戦権を得られるタイプ】
リヴェーヌ岩塊群サイトA01(レベル40制限・3人推奨)
リヴェーヌ岩塊群サイトB01(レベル50制限・3人推奨)
リヴェーヌ岩塊群サイトB01(レベル50制限・6人推奨)

【挑戦権の入手時にクエストを必要とするタイプ】
ムバルポロス新市街(レベル60制限・1人専用)
ムバルポロス新市街(レベル60制限・3人推奨・同種族のみ)
アットワ地溝(レベル75制限・3人推奨)
アットワ地溝(レベル75制限・12人推奨)
アットワ地溝(レベル75制限・18人推奨)

※本稿ではBFの前のエリア名で表記
例:「ムバルポロス新市街」→実際には「2716号採石場」

8種類のENMクエストが追加
新たなENMクエストは6人以外の様々な人数で挑戦できる。リスクが少ないため気軽に参加しやすく、レベル上げ等も兼ねた沢山の魅力がある
BCNMとの棲み分け
ENMクエストと似たイベントにBCNMがあるが、こちらはハイリスク・ハイリターンさが際立っている。棲み分けはきっちりできている
人数制限が撤廃
もし推奨人数よりも多い仲間が集まっても、ENMクエストを一緒に行なえる(最大18人)。これはリンクシェルの主催者にとってとてもありがたい

HNM戦の気分を満喫
18人ENMの緊張感は、まさに対HNM戦そのもの。ENMクエストであれば、ストレスの貯まる沸き待ちや取り合いを行なうことなく気軽に大規模戦を楽しめる
挑戦権の入手は2種類
新たにENMクエストに挑戦する際は、第12回分の本連載を参考にしながら、挑戦権を即座に得られるタイプに挑戦してるのがおすすめ
挑戦権を得るためのクエスト
これらのクエスト内容は場所によって様々。エリアの地形構造を活かしたものが多く、ルーチンワークにならない気配りが感じられる

勝敗の行方はダイス任せ?! 自分のコピーと1対1で戦うENMクエスト「奈落の傀儡師」に挑戦

 追加分のENMクエストの中で特に目を引くのは、ムバルポロス新市街を対象とした1人用のタイプである。これは他ENMクエストとはプレイ感覚が大きく異なっている。どのような流れなのかを紹介していこう。

 「奈落の傀儡師」と呼ばれるこのENMクエストのBFでは、名前から想像できるように、操り人形のモンスターと1対1で戦う。そして操られているモンスターは、挑戦時のキャラクタと同じジョブ種別である。挑戦する際は一時的にサポートジョブが無効となる点も含め、大まかなイメージとしては、レベル70キャップを越えるためのクエスト(対Maat戦)に比較的近い。

 しかしこのENMクエストには、厄介な第三者とでもいうべき存在がいる。それは人形を後ろから操っているモブリンで、基本的には直接戦闘に加わってこないものの、ユニークなアビリティを持ち合わせている。モブリンは定期的に魔法のダイスを振り、その目に応じて敵味方にランダムで特殊効果を与えてしまうのだ。

 特殊効果の種類は、「HP・MPの回復、攻撃力・防御力の増加、TPの増加、アビリティの再使用が可能」といったように、戦局を大きく左右するものばかり。これらの効果が10数秒という短い周期で、しかも敵味方のどちらに及ぼすのかまったくわからないのである。例えば、ウェポンスキルの使用直後に300%のTPを獲得したり、瀕死だったはずのHPが全快といった事態が敵味方に関係なく発生するため、かなり運に左右されやすいBF戦といえよう。

「奈落の傀儡師」
サポートジョブが無効化される点を踏まえ、あらかじめ戦術を考えておこう。中でもHP回復をどうやって行うかは大きなポイントのひとつ
やっかいな黒幕モブリン
後ろにいるモブリンは、終止ダイスを振っているだけなので無視して構わない。マネキンタイプの敵への攻撃に専念しよう
勝敗の行方はダイス任せ
一発で勝敗を決めかねない効果が、敵味方関係なく頻繁に発生する。写真のような接戦だと、悔しさを通り越し唖然としてしまう

このモブリンはムバルポロス旧市街の入口に居る。一度エスケプで脱出し、再び旧市街へ入ったすぐの場所なので覚えておこう
このENMクエストは大金を払っても結局は運に左右されるので、過度の期待は禁物。比較的お金に余裕のある人向きといえる
 ちなみにこの「奈落の傀儡師」は、挑戦権の入手方法もユニークな仕組みとなっている。ムバルポロス旧市街にいるNPCのモブリンとのダイス勝負に勝てば、その場で挑戦権を得られるのだ。ダイスを振る際は1~10,000ギルの掛け金が必要となり、掛け金はユーザー側で任意に設定できるが、掛け金が高いほど勝率もアップするという仕組みだ。目安としては最大額の場合は勝率が約5割で、運が悪いと挑戦権を得るだけで数万ギルを使ってしまうことも珍しくない。

 このように「奈落の傀儡師」は、何から何までダイス任せというかなり独特なENMクエストである。従来のENMクエストは、どちらかというと難易度は低めだが、ささやかな報酬を手堅く得られるというイメージであった。そのため仮に、ソロプレイでの経験値やアイテムの入手を期待してこれに挑戦すると、肩すかしを受けるかもしれないので注意してほしい。

 というのは、挑戦時にかなりの額のギルを必要としながらも、戦闘内容が運任せの部分が強いのである。極端な例では、ダイスによってTPが300%貯まった直後に片手剣WS「スピリッツウィズイン」や、忍者のアビリティ「微塵がくれ」を受けると事実上即死となるため、まったく手の出しようがない。数万ギルを消費して挑戦した結果これでは、納得がいかないという人もいるだろう。この運が介入する割合としては、たとえ装備やテクニックの面が万全でも、半分近くはダイスの目が勝敗を握っていると筆者は感じた。

 この「奈落の傀儡師」は、1人で手軽に参加できるNM戦という特殊な位置づけにあるENMクエストだけに、“必勝”されては困るという思惑もあるのだろう。一方、5日縛りでもかまわないから経験値稼ぎのためにソロENMを利用したいというユーザーもいるはずだ。いずれにしても1人用のENMクエストは大きな可能性を秘めているため、今後のバランス調整ならびに仕様充実には是非とも期待したいところだ。

2,000ギルでBFへ直行
一人での新市街エリアの往来はほとんど不可能。しかしモブリンに2,000ギルを支払うことによって、BFまで送り届けてくれる
ワープ方法は何種類かある
例えばバストゥークの「暗き地の底より」から始まる長編クエストを進めると、「アーリマンの涙」をトレードすることで何度でも利用できるようになる
新ENMと6人ENMは別計算
「奈落の傀儡師」と「オートマトン」の2種類は、同エリアの「幻の右」と再挑戦可能かどうかが別々に計算されているので注意

ENMクエストを満喫するにはリンクシェルへの加入がおすすめ

「オートマトン」
同じ種族のキャラクタを3人集めて挑戦するというユニークなENMクエスト。自分以外の4種族のマネキンと連続して戦う内容だ
「トーテンタンツ」
こちらは現在かなり難易度の高い18人用のENMクエスト。コースが詠唱する呪文は中断不可能で、かなりのチームワークを要求される
リスクが少ない
たとえ敗退しても、経験値を失わないのがENMクエストの良い所のひとつ。リンクシェルの定例行事として、失敗を恐れずにチャレンジしてほしい
 今回は「奈落の傀儡師」を重点的に紹介したが、それ以外に新導入されたENMクエストも新鮮な気持ちでプレイできる。例えば3人用のENMクエストに関しては、人数が少ないから簡単だろうと思うのは大きな勘違いである。各プレーヤーの役割が特化しづらいため、より臨機応変さが求められるのだ。これについては詳しく説明せずとも、3人用BCNMの経験者であれば、なんとなく雰囲気を掴めてもらえるだろう。

 また18人用のアットワ地溝の「トーテンタンツ」では、コースを初めとしたアンデッドモンスターが多数出現し、まるでデュナミスさながらの大規模戦が繰り広げられる。フルアライアンスを対象としたイベント戦は、これまで「神威」クエストや獣神印章を99枚消費するBCNM等が存在したが、それらとはまた違った面白さである。

 既にご存じの通り、ENMクエストにはレベル制限があるため、対応した装備品の準備に手間が掛かる。例えば、倉庫キャラ間とのアイテムの出し入れに30分以上も掛かるのでは、一般公募の編成で挑戦するのを面倒くさく感じてしまうかもしれない。その反面、リンクシェルに参加している人にとっては、予めイベントの告知を行なえる点を含め格段に参加しやすい。現在でも既に、毎週決まった時間に集まって複数のENMクエストを巡回し、経験値とアイテムをたんまり入手している人はかなりの量いると思われる。

 リンクシェルに参加している人にとってENMクエストは、柔軟性が高く、参加条件が低く設定されているため、定例イベント用として極めて優秀なコンテンツとして映っている人が多いだろう。一方で、特定のリンクシェルには参加せず、一般公募で遊ぶような人にとっては、逆にENMクエストのシステムの縛りによってなかなか挑戦する機会が少ないだろう。

 システムの縛りというのは、報酬が頭数確保されていない、戦利品の分配方法で競売売りに頼らざるを得ない、プロマシアミッションの進行が条件になっているなどのことを指すが、これらもリンクシェルを介することで円滑に進行できるようになるケースが多い。ENMクエストは、必ずしもリンクシェル単位を推奨したコンテンツではないが、現状もっとも適したコンテンツのひとつであることは間違いない。

 ENMクエストやプロマシアミッションは、リンクシェルに参加しているか否かで、接するチャンスの量はがらりと変わってくる。これに限らず全体的な傾向として、リンクシェル単位で遊びやすいように調整されていることは、ここ最近のFF XIの目立った傾向のひとつといっていい。「ENMに参加してみたいけどなかなか機会が訪れない」という人は、リンクシェルを通じて参加を呼びかけてみてはいかがだろうか。

下層ジュノの十字路にて
装備品をセットで保管してくれるNPCを活用すると、アイテム管理が幾分か楽になる。制約が有るものの、中でもEx属性付きのアーティファクトは有り難い
レベル上げの方向性
レベル上げや金策等を身内同士で行なえるENMクエストは、バランスの取れた優良コンテンツ。通常のレベル上げとの棲み分けもできている
イベント戦はアツい
長期間FF XIをプレイしていると、極稀にとんでもなく凄まじい接戦に遭遇する。これだからイベント戦はやめられない

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□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.co.jp/
□「ファイナルファンタジー XI」のホームページ
http://www.playonline.com/ff11/

(2005年5月13日)

[Reported by 川崎政一郎]


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