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DEA、第14期生入学式で特別講演会を開催
PS2用新作「グランディアIII」のデモプレイを実施

4月9日 開催

 株式会社デジタルエンタテインメントアカデミー(DEA)は、第14期生の入学式を4月7日に挙行した。

 DEAは、株式会社エニックス(現スクウェア・エニックス)が、ゲーム開発者を育成するために立ち上げた学校。現在は、ゲーム会社を中心としたエンターテイメント関連企業22社が出資している。最新の設備を用意するだけでなく、出資企業から現役クリエイターを講師として招くなど、業界との太いつながりが魅力となっている。

 入学式では、学長の平野雅一郎氏に続き、社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)専務理事の渡邊和也氏、社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)専務理事の久保田裕氏が挨拶。また株主代表として、株式会社スクウェア・エニックス代表取締役社長CEOの和田洋一氏と、株式会社メディアワークス代表取締役会長の佐藤辰男氏が、新入生にエールを送った。

DEA学長の平野雅一郎氏。「入学してから夏休みまでの4カ月が一番重要。基礎的な力をつけるために自分から貪欲に勉強してほしい」 CESA専務理事の渡邊和也氏。「専門知識を持つだけではいけない。知識を活用して新しい商品やサービスを開発してほしい」 ACCS専務理事の久保田裕氏。「自分が何を表現したいかを意識して学ぶことが大切。著作権のことで困ったらいつでも聞いてほしい」
スクウェア・エニックスの和田洋一社長。「次世代機の発売などで大変な時期に入学されたが、学んだ分だけ活躍の場が広がるチャンスでもあると思う」 メディアワークスの佐藤辰男会長。「ゲームもエンターテイメントのひとつ。小説や映画、絵画などにも触れて教養を身に付ければ、ゲーム制作にも役立つと思う」



左から、齋藤氏、樋口氏、高橋氏
 入学式に続いて、先日発表されたばかりのプレイステーション 2用新作RPG「グランディアIII」についての特別講演会が開かれた。「グランディア」シリーズは、株式会社ゲームアーツの看板タイトルだが、今作はゲームアーツが開発し、スクウェア・エニックスが販売するという形態をとる。

 講演者は、スクウェア・エニックスでエグゼクティブプロデューサーを務める齋藤陽介氏、同プロデューサーの樋口亘氏、ゲームアーツで「グランディアIII」の監督を務める高橋秀信氏の3氏。講演では主に、開発現場のトップである高橋氏から、開発の経緯や作品の魅力が語られた。

 「グランディアIII」の企画が始まったのは、PS2本体が出回り始めた頃だったという。「必然的に『III』の発売時期は、PS2の成熟期に当たる。その時期にどう一石を投じていくかを考えた」と高橋氏は語る。

 本作で最も力を入れているのが、3Dグラフィックス。樋口氏は企画段階で、「綺麗なグラフィックスのゲームは多いが、自然の中を冒険する、という感覚を表現できているものはないと思う。『グランディアIII』では、本当に美しい自然を表現してほしい、と高橋さんに話した」という。これについては高橋氏も、一番苦労した点として「完全新作の3Dエンジンを制作した」ということを挙げている。

 映像面以外では、ストーリーや演出のクオリティを高めるために、実写映画の監督を起用しているそうだ。「楽しませる人を選んでいては、真のエンターテイメントとはいえない。言葉が通じない人にも楽しませるものでなければならない。これが『グランディア』、そして私の思想だ」と高橋氏は言う。映像を美しくするという技術も大切だが、人を楽しませるという気持ちを忘れてはいけない、ということを強調したいようだ。



 このような話の後、『グランディアIII』のデモプレイが行なわれた。動いている映像が公開されるのは今回が初めてで、「動かなかったらどうしよう」という冗談も聞かれたが、かなり完成度の高いゲームシーンが見られた。

 まず映像面では、「このクオリティをPS2で実現するのは相当難しい」という高橋氏の言葉どおり、フル3Dグラフィックスの映像としては非常にクオリティが高い。リアルさを追求してはいないが、透明感がとても高く、自然の清々しさが感じられる。高橋氏は講演の中で、本作の持つ自然な美しさのことを「空気感」という言葉を使って表現していたが、映像を見ると、なるほどと納得してしまう。

 このあたりは3Dエンジンよりも演出によるところが大きく、静止画で見ても感触は掴んでいただけると思う。だが本当に驚かされたのは、このクオリティの映像が、非常に滑らかに動くということ。主に風景のみが映されるシーンが多く、キャラクタが多数登場する場合にどうなるかはうかがい知れないが、それでも非常に高性能な3Dエンジンであることは疑いない。

 続けて戦闘シーンが公開されたが、こちらは読み込み時間の短さが特徴的。戦闘画面にへの切り替えや戦闘開始のタイムラグはほとんど感じられず、データを読み込んでいることを忘れてしまいそうなほど。高橋氏は自ら「ゲームアーツは職人集団という色が強い」と話していたが、先程の3Dエンジンといい、同社の技術力の高さには驚かされる。

 戦闘のテンポは、読み込みの早さもあってかなり軽快。敵を空中に跳ね上げたところを連続して攻撃する「空中コンボ」というシステムも用意されており、「コマンド選択式とは思えない、格闘ゲームのような爽快感が味わえる(樋口氏)」という。エフェクトもかなり派手で、カメラワークも凝っているので、かなり迫力のある戦闘が楽しめそうだ。

【グランディアIII】
会場で公開されたデモプレイの映像。プロジェクタに写されたものを撮影しているのであまり画質はよくないが、「この映像が非常に滑らかに動く」と言えば、その凄さは感じていただけるだろう


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□デジタルエンタテインメントアカデミーのホームページ
http://www.d-e-a.co.jp/
□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.co.jp/
□ゲームアーツのホームページ
http://www.gamearts.co.jp/
□関連情報
【1月11日】DEA、特別講演「ドラゴンクエストVIIIへの道」開催
堀井雄二氏「次回作はもう一度3Dでやりたい」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050111/dea.htm
【2004年4月8日】デジタルエンタテインメントアカデミーの入学式で日野晃博氏が講演
堀井雄二氏らとともに未来のゲームクリエーターにエール
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040408/dea.htm

(2005年4月7日)

[Reported by 石田賀津男]


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