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★PS2ゲームレビュー★
三国志の英傑となって迫り来る多くの敵を一掃することで、至高とも言える爽快感を味わうことができる「真・三國無双」シリーズの最新作が、前作「真・三國無双3」の発売から約2年ぶりに発売された。 毎年数多くのシリーズ(続編)ものが発売されるが、その大半が無意味な味付けとシステムの“マンネリ”という壁に押しつぶされてしまう。そんな中、確実にヒットするタイトルもいくつか登場している。それらの作品に共通して言えるのは、マンネリという壁を見事なまでに打ち破り、常に新しい面白さをプレーヤーに与えてくれるということだ。
ヒット街道を爆走してきた「真・三國無双」シリーズであるが、この2年間は「真・三國無双3 猛将伝」、「真・三國無双3 Empires」、PSP版「真・三國無双」といった新たな無双ワールドを展開してきた。そして、これらの無双ワールドで得たノウハウを元に「真・三國無双4」は、多数の新要素を取り入れ、新たなる境地を迎える。
■ 英雄の数だけ物語がある!! 新しくなった「無双モード」 本作のメインとも言える「無双モード」は、「蜀」、「魏」、「呉」の勢力から好きな武将を選び、その武将にまつわるエピソードを交えながら「三国志」を体感するというもの。物語の随所にはCGによるムービーが挿入され、演出面での盛り上げ方も非常に効果的で楽しませてくれる。 ゲーム開始直後に選択できる武将数は18人。これだけでも普通の格闘ゲームあたりなら隠しキャラクタも入れて総人数といった感じであるが、「真・三國無双」シリーズでは序の口程度の人数。特定の条件を満たすことで使用可能となる武将が多く存在することはシリーズのお約束であるが、今回は40人以上の武将が登場する。この人数は、学校などに例えると1クラス分の人数である。クラスに好きな子がいるのと同様に、プレーヤーの好みとなる武将は1人ぐらいは存在するのではないだろうか。 各武将は、ステージ中に登場する能力アップのアイテムを取得することで、徐々に強くなっていく。また、ステージクリア後に得ることができる武勲ポイントによっても成長する。ステージ数は選んだ武将によっても異なるが、共通して言えることは後半になればなるほど難易度が高くなるので、クリアが難しいと感じたら「フリーモード」で武将の育成を行なうといいだろう。 「無双モード」と「フリーモード」には、ステージの随所に配置されている木箱や壺に隠されている皮袋を取ることで、ステージクリア後に得ることができる装備アイテムがある。この装備アイテムにはランダムで数字が付いており、その数字の数だけステータスが上昇するというものだ。中には特定の条件を満たさないと手に入れることができないレアアイテムなども存在する。これらのアイテムを集めるだけでも相当のやりこみが必要で、特に装備アイテムは最高値の数字が付いたものを手に入れるまでのことを考えるとそれなりの時間がかかる(運次第ではあっさり手に入るが……全ての装備アイテムとなるとそれすらも難しい)。
また、武器にもステータスアップの能力がランダムで付いているが、武器には重さという概念が新たに追加された。これは、「軽い」、「標準」、「重い」の3タイプに分けられていて、軽い武器は威力は落ちるが攻撃の速度は素早い。反対に重い武器は、威力はデカイが攻撃速度は遅いといった感じだ。単純に攻撃威力のデカイものを選べばいいと言うわけではなく、重い武器ではコンボが繋がらない場合が多いというデメリットがある。武器は4つまでがストック可能となっているので、一長一短ではあるがプレーヤーの好みに合わせて使い分けるといいだろう。
ステージを攻略する上で重要なのことのひとつが新要素である「拠点」の制圧・陥落。所属勢力の兵士が次々と出現する「進入拠点」はシリーズのおなじみであり、今作でも登場するが、それ以外に「攻撃拠点」、「防御拠点」、「補給拠点」という3つの拠点が新たに登場する。
拠点の制圧・陥落は士気にもかかわるほか、クリア後の武勲ポイントにも繋がる。他にも、拠点内にいる兵長を倒すとスタータスアップのアイテムが出現するというメリットがある。「攻撃拠点」は攻撃力が上昇する剣アイテム、「防御拠点」は防御力が上昇する盾アイテム、「補給拠点」は体力と無双ゲージを全回復させる「華佗膏」が手に入るので武将が成長していないときは、遠回りをしても確実に制圧・陥落をするべきだ。
プレーヤーと共に戦ってくれる護衛武将には、周囲の敵兵士と戦う「通常」、ガードを多用する「防御」、その場に待機して周囲の敵兵士と戦う「待機」と3つの行動が可能。行動の切り替えはセレクトボタンを押すことで選択できるので、状況に合わせて的確な指示を与えると戦闘が楽になるが、難しいことは気にせず、常に「通常」にしておいても問題はない。 また、敵兵士・武将の攻撃パターンも多彩となった。従来のシリーズでは、敵兵士はただ斬りつけてくるだけの存在であったが、一斉に攻撃を仕掛ける突進やジャンプなどを使って攻撃してくることがある。特殊攻撃ではあるがダメージ的にはそんなに痛くはないと思うが、こちらの戦いのリズムが崩されてしまうことが多々あり、精神的にダメージをくらうという感じだ。 名のある武将クラスになると、奥義である「無双乱舞」を使った攻撃を仕掛けてくることもある。武将の体が赤く光りだしたら、それは無双乱舞発動の合図。ガードをするかその場から逃げるといいだろう。もしくは、こちらの無双乱舞で返り討ちを狙ってもいいが、発動が遅れると鍔迫り合いになりやすい。
倒すとステージクリアとなる総大将に多いのが、オーラを発した状態となって光輝いた状態となる武将。この状態となった武将は攻撃力・防御力が数段にパワーアップしているので、やみくもに攻めるだけでは危険なので、相手の動きをよく見てから攻撃を仕掛けるといいだろう。 ■ シリーズを通しての共通点である、シンプルな操作性から生まれる爽快感は健在 操作方法であるが、シリーズを重なるごとに新動作が追加され、今作では全てのボタンを使うと言ってもいいぐらい複雑になりつつある。基本的な動作となる移動は、方向キーか左のアナログスティックで行なう。通常攻撃は□ボタン、特殊技であるチャージ攻撃が△ボタン、無双乱舞が○ボタン、ジャンプと馬の乗り降りは×ボタン。R1ボタンは弓による攻撃、R2ボタンはマップの切り替え、L1ボタンはガード、弾き返し、シフト移動、R3ボタンは無双覚醒といった感じで、覚えるのも一苦労という印象を受ける。 だが、実際にプレイして感じることは、武将の育成がきちんとできていれば、通常攻撃とチャージ攻撃の組み合わせ(要は攻撃の基本形)のみでもステージをクリアすることはさほど難しくはない。単純にボタン連打でクリアできるの? と思うかもしれないが、突き詰めるとそういうことになる。アクションゲームとしての敷居はかなり低いので、誰もが気軽に楽しめるのではないだろうか? 「それでは物足りないな」というユーザーは難易度を上げてプレイするといいだろう。難易度が高くなると、ボタン連打の力押しではクリアするのは難しい。新規で本作をプレイするユーザーや、アクションは苦手というユーザーは、まず、「易しい」か「普通」でプレイするといいだろう。そして、徐々に操作に慣れ、武将が成長してきたら「難しい」にチャレンジしてもらいたい。なぜなら、本作にはシリーズを通してのお約束であるユニーク武器の存在がある。これを手にするためには「難しい」以上の難易度でプレイしないとダメだからだ。 各武将には、それぞれモーションが異なるチャージ攻撃(1~6まで)が用意されているほか、今作では新たに、「エボリューション」、「ジャンプチャージ攻撃」、「無双覚醒」の新要素が追加された。これらの追加要素を使いこなせば戦闘がグッと楽になる。 「エボリューション」は、通常攻撃の6発目以降に攻撃を繰り出すことができる。□ボタンの連打で最大で9発までの連続攻撃を行なえるので、手軽にコンボ数を稼ぐことができる。ただし、発動には専用の武器が必要となる。 「ジャンプチャージ攻撃」は、各武将ごとに性能が大幅に異なる。例えば趙雲や夏侯惇などは空中でジャンプチャージ攻撃をヒットさせた後、△ボタンの連打で上昇しながら連続攻撃を繰り出すことができる。
「無双覚醒」は、発動すると武将の攻撃力や攻撃スピードなどの能力が上昇する。発動には「覚醒印」が必要となる。覚醒印はステージ内に配置されている木箱や壺、敵兵士を倒すことで手に入れることができるが、ストックすることはできない。多用はできないので、使い所を考えて使うこと。 ■ 用意されているモードは少なめ? だが、その密度は限りなく濃い 「無双モード」と「フリーモード」以外に用意されているモードは、「チャレンジモード」、「幕舎」、「辞典」、「オプション」の4つ。メインとなる「無双モード」が濃いだけに、他のモードは不要なのでは? と思うが、「自分のプレイってどれぐらいのレベルなの?」と気になる人には、「チャレンジモード」を試してみることをオススメしたい。このモードには、100人斬りまでのタイムを競う「神速」、制限時間内にどれだけ多くの敵を橋の上から落とせるかを競う「流星」、敵も自分も一撃をくらうと死んでしまうという極限状態でどれだけの敵を倒せるか競う「生還」、制限時間内に敵を何人倒せるかを競う「暴風」の4つが用意されている。
「チャレンジモード」内に用意された4つのモードには、武将の能力は初期状態、装備アイテムはなし、武器は6連続までが可能なものという制限がついている。そんな制限がついた状態で叩き出した結果にはパスワードが付いてくるので、それをこちらのHPで登録することにより、全国の猛者たちとプレーヤーの腕前を競い合うことができるので、一度はチャレンジしてもらいたい。
しかし、だからといってゲームがぬるいのか、というとそうではない。武将の育成、武器やアイテムのコンプリートといった類のことは、本作の購入者ならば誰もが1度は考え、実行してみようと心がけるが、それに費やす時間は膨大な時間となるだろう(筆者は途中で諦めますが……)。 完璧に極めるまでプレイするのもよし、あいた時間で気楽にプレイしてストレスを発散するのもいい。そう本作は新規ユーザーとコアな「真・三國無双」ユーザーのどちらがプレイしたとしても、プレイスタイルに応じた遊びを楽しめるという良作といって差し支えないだろう。
それゆえに多くのユーザーから支持されてきたのだと思う。特に本作は数多くの仕様が変更されており、個人的に新生「真・三國無双」といったイメージで捉えている。「三國無双」シリーズは未体験というユーザーにも是非オススメしたい。
□コーエーのホームページ (2005年3月9日) [Reported by 志賀康紀]
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