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セガ、AC「WCCF 2002-2003 Ver2.0」
第3回全国決勝大会を開催~優勝は関西「リアル@サーチ」~

10月10日 開催

会場:セガ本社1号館

入場料:無料

 株式会社セガと株式会社ヒットメーカーは、アーケード用サッカーゲーム「ワールドクラブ チャンピオンフットボール セリエA 2002-2003 Ver2.0(WCCF)」の第3回全国大会「WCCF CUP WINNER'S CUP THE 3rd」決勝大会を開催した。

 「WCCF CUP WINNER'S CUP」は、「WCCF」最強プレーヤーを決めるユーザー参加型の対戦イベント。予選大会は、全国9エリア、のべ183店舗で開催された。各エリア決勝大会を勝ち抜いた23名と、前回大会の優勝者「ベガルタシンキチU5」氏をあわせた代表選手24名にて優勝が争われる。ゲストは「CALCIO 2002」編集長の岩本氏、「週刊ファミ通」のカミカゼ長田氏、マグナマ吟氏。


 決勝大会は、まず24名をA、B、Cといった8名3グループにわけてリーグ戦を開催。各リーグの1位(計6名)と、2位のなかから成績上位者2名をあわせた8人が決勝トーナメントに進出できる。同率の場合は、チーム内の選手カードの能力値を合計して、値の少ないほうを優先。決勝トーナメントは、すべて1マッチ形式となっている。

 24名の監督が採用した各フォーメーションについて、選手の配置や役割などをふまえ筆者なりにカテゴライズしてみたところ、以下のような傾向が見受けられた。

  • 攻撃重視 … 12チーム
  • カウンター型 … 7チーム
  • バランス … 3チーム
  • サイド特化型 … 2チーム
 もっとも多かったのは、FWに3人以上を配置した攻撃重視のフォーメーション。「WCCF 2002-2003 Ver.2」では突出した攻撃力を誇る選手カードが増えたため、自然と導き出されたスタイルかと推測される。3トップ(以上)採用チームの多くは、中央にウェア、カジラギ、ラヴァネッリ、ヴィエリなど攻撃の核となる選手を置き、サイド攻撃を視野にいれて突破力の高い選手で両脇を固めるフォーメーションを採用。その一方で、ボールの流れや奪い合いを意識した変則3トップ、OMFを含めた実質4トップ、サイド攻撃を徹底させるべくウィンガー含めFW全体がタッチライン側に偏って配置されているチームなど、各監督が狙っている「得点スタイル」がハッキリと打ち出されていたのが印象的。

 次に多かったカウンター型は、FWと中盤以下の選手が大きく離れているのが特徴。実質2~3トップのチームでも、MFと大きく距離があいているチームはカウンター型と判断した結果、この数字となった。カウンター型は、守備に人数をかけて奪ったボールを素早く前線にフィード。突破力のあるFWで瞬時にゴールを陥れるのが狙い。攻撃に裂く人数が少ないため、監督自身がフォーメーションの仕組みを理解していなかったり、カウンター対策でカード位置を変更されると苦戦を強いられるが、東海1位の「SC-ガッ津ーゾ」氏などは、TPOに応じた素早いカード移動を披露。準決勝で破れはしたものの、そのオペレーションは大会全体を通じてレベルの高いものだった。気になる人は、後日セガ アミューズメント情報のホームページで配信されるであろう動画に目を通しておくことをおすすめしたい。

 U5枠の選手使用率に関しては、以下のとおりとなった。俗に「前バージョンよりも弱くなった」といわれるラヴァネッリだが、実際そこまで能力が落ちた感はなく、豊富なスタミナで後半戦も安定したパフォーマンスを発揮することから、相変わらず高い人気を誇っている。

    11枚 … ブッフォン
    10枚 … ネドヴェド、ラヴァネッリ
    7枚 … ウェア、トッティ
    5枚 … カンナヴァロ、カジラギ、ロナウド、テュラム、デサイー
    4枚 … アジャラ、シェフチェンコ、ダヴィッツ、ベルゴミ
    3枚 … アンリ、ヴィエリ、クライフェルト、ネスタ、バレージ
    2枚 … ヴィアッリ、サネッティ、サムエル、ジダン、マルディーニ、メンディエタ
    1枚 … オリセー、スタム、トレゼゲ、ドニ、ボバン、ルイ・コスタ、レオナルド
 レギュラーカード枠でスタメンを張っていたのは、トゥドール、レグロッターリエ、ミハイロビッチ、ユリアーノ、ビリカ、ヴィヴァス、クリバーリ、ココ、マテラッツィ、ジェトゥー、ジャンニケッダ、アッピア、ダボ、ペロッタ、キエーザ、デルベッキオなどが大半を占めた。レアカード選手と正面からやりあい、なおかつ“(テレ朝風にいえば)絶対に負けられない”決勝大会ともなれば、こうしたトップクラスのメンバーから起用されるのは、ある意味必然といえる。

 そんななかで異彩を放っていたのは、東海ベスト4の「ボンジョルノミスタタイガ」氏。スタメンに、他の出場チームでは見かけないトリージ、ネグロ、イラネク、ウォメ、アンブロジーニを起用。いずれも優秀な選手ではあるが、安定感や汎用性という面では、前述のトップクラス選手を選ぶのが一般的には無難。そのあたりは、ロナウドのサイド突破を軸に、ラヴァネッリ、ヴィアッリといった重量級FW、アンブロジーニ、ペロッタ、サムエル、ブッフォンでチームの骨格を形成することで、ややトリッキーではあるが“厚み”を作り出すことに成功。見事決勝戦進出を果たした。

 なお、起用選手をざっと眺めていて個人的に興味深かったのは、関西勢の大半がアントニオーリやパヴァンなど能力値が低い選手を控え枠に置いていたこと。これは戦績が同率となった場合の対策なのだが、なぜか“京阪”地区に限られていることに「これって土地柄なのかなぁ」と思わずにはいられなかった。「WCCF」に限らず、対戦メインのゲームでは地域のユーザーグループ独特のスタイルが存在するものだが、これもそうしたエピソードのひとつに数えられそうだ。


 筆者は、「WCCF」連載を一緒に担当している石井ぜんじ氏と決勝大会を観戦。展開やオペレーションについて話しながら思ったことは「前回の大会よりも、はるかにレベルがあがったなぁ」ということだ(偉そうでスイマセン……)。

 前回大会のレポートでも少し触れたが、「WCCF」は相手の狙いに対して“カード移動”という手段で対策を打たないと、ゲーム展開が安定しない。諸条件が一定ではないうえにAI任せということもあり、狙ったところでこちらの思い通りになるとは限らないのだが、手を打つのと打たないのとでは雲泥の差がある。うまくいかなかったら「どこがダメだったのか」を分析すれば、同じ相手と当たったときに“新しい発見”があったりする。ミスや失点に激昂したところで、何もいいことはない。

 その点、前回は極めて少なかった「カード移動派」が増えたことは、個人的に凄く喜ばしい。「トコトン考え抜いた結果、カードを動かさないほうがいい」という結論に達したのなら話は別だが、日常はもとより、さまざまなスタイルを試してみた結果、筆者と石井氏は“動かしたほうが有利”という結論に落ち着いている。ただし、それが一番かといえば、実は微妙だったりする。というもの、要は「相手のフォーメーションを見ながら後だしジャンケン」みたいになるので「相手がこうしたから、俺はこう動かす」、「じゃぁ俺はこうしよう」、「ならば俺はこうだ!」などと、延々と“終わりの無いループ状態”に陥りがちだからだ。

 挙句の果てはキリのないやり合いになることもあるが“絶対に負けられない”試合であれば、状況に応じて相手フォーメーションの長所を殺し、弱点を突くべき。こうしたプレイスタイルを研究したい人にとっては、第3回大会は“見所のある”大会だったといえる。すでに触れたとおり、気になる人はセガ アミューズメント情報の大会告知ページをこまめにチェックしたほうがいいだろう。


 強豪たちを打ち破り、決勝戦に進出したのは関西エリア大会準優勝の「リアル@サーチ」氏と、東海ベスト4の「ボンジョルノミスタタイガ」氏。各チームの選手構成は、以下のとおり。

【リアル@サーチ】

    《U5》
    ブッフォン(IT)、カンナヴァロ(IT)、テュラム(BE)、ダヴィッツ(SP:121)、ラヴァネッリ(LE)

    《レギュラー》
    デルヴェッキオ、アッピア、トゥドール、ヴィヴァス、ユリアーノ、レグロッターリエ、ムッツィ、ダボ、トリージ、パヴァン、アントニオーリ
【ボンジョルノミスタタイガ】
    《U5》
    ブッフォン(IT)、サムエル(IS)、ロナウド(BS)、ラヴァネッリ(LE)、ヴィアッリ(LE)

    《レギュラー》
    トリージ、ネグロ、イラネク、ウォメ、ペロッタ、アンブロジーニ、ジラルディーノ、ディ・フランチェスコ、ジャンピエレッティ、セーザル、M・カステッリーニ
 フォーメーションに関しては、どちらも実に個性的なスタイルを採用。「リアル@サーチ」は、3トップの右側を2列目まで下げた変則2トップに、これまた右側だけ少し下がったV字型にMFを配置。FWは、左からデルヴェッキオ、ラヴァネッリ、2列目のMFゾーンにアッピア。MFは、左からセンターライン上にダヴィッツ、DHにトゥドール、センターラインより下、かなり右目にテュラムを配置。要は、4-3-1-1-2のダイヤモンド型の中盤が、トップ下が右側に向かって大きく歪んでいるようなスタイルといえばわかりやすいだろうか。ピンとこない人は、セガ アミューズメント情報ページに掲載されているフォーメーションを参照していただきたい。

 「ボンジョルノミスタタイガ」は、前述のとおり左サイド攻撃に特化したフォーメーションを採用。トップ下のアンブロジーニ含め、実質4人で高い位置からプレッシングをかけていくのが基本になっているようだ。逆に、それが成功しないと色々な意味で怖いフォーメーションのようにも見えるのだが……。「ボンジョルノミスタタイガ」のフォーメーションはセガ アミューズメント情報ページに未掲載のため、詳しくは本文右の写真を参照していただきたい。

 実に個性的な両チームだけに、果たしてどんな試合になるのか。注目が集まるなか、先制点を奪ったのは「リアル@サーチ」のラヴァネッリ。トゥドールから大きく出されたボールに超絶ダッシュで合わせる……というか「ほとんどオフサイドじゃないのか!?」といった状況でゴールマウスをこじあける。会場全体から「え~!!」というブーイングにも似た声があがり、会場内には微妙な空気が流れ始める。ボールに対してラヴァネッリが強引にあわせちゃいましたという感じで、これには「リアル@サーチ」氏も素直に喜べない状況。司会進行氏が「なんでしょう、この帰り道を気にしなければならない雰囲気は!」と笑いをとって、会場の雰囲気がすこしなごむ。

 対する「ボンジョルノミスタタイガ」もロナウドにボールを供給してサイド突破を試みるが、なんとか突破をはかるも、左からでは“山なり”のゆるやかなクロスになってしまい、GKの飛び出しで簡単にキャッチされてしまう。石井氏いわく「今のバージョンだと、サイド突破ってわりに合わないことが多いよねぇ」とのこと。これには筆者も同感で、深い位置、もしくはアーリーにせよ、サイドを突破する選手は、とにかく“早いクロス”をあげてくれるタイプを選んだほうがいいように感じられる。

 「リアル@サーチ」は、変則的なフォーメーションに目を奪われがちだが、実は中盤におけるボール奪取力が肝になっているようだ。右SHを担当するテュラムの活躍は特に凄まじく、素早く寄せてボールを奪い、すぐさま精度の高いボールを前線に供給するといった動作を繰り返す。中央突破もラヴァネッリ頼みではなく、左右のデルベッキオとアッピアの連携して崩していく。デルベッキオ、アッピアともにレギュラーカードのなかでもトップクラスの決定力を誇るだけに、安定感のある攻撃で相手DFラインを圧迫していく。

 後半9分、勝利の天秤はさらに「リアル@サーチ」へと傾く。ゴール前の混戦をアッピアがキッチリ制して2点目をゲットすると、直後にペナルティエリア目前で「リアル@サーチ」のデルベッキオが負傷退場。トゥドールがフリーキックを決めて、勝利をほぼ確定。ほぼ優勢を保ったまま「リアル@サーチ」が第3回優勝者となった。

 優勝した「リアル@サーチ」監督には、優勝トロフィー、「WCCF 2002-2003」、「同Ver.2」全選手カード、「CALCIO 2002」編集長の岩本氏いわく「一番いいのを持ってきました」という「デル・ピエロ選手のサイン入り“足型”+2連覇した際の写真」セットが、それぞれ進呈された。

 大会の最後に、プロデューサーの土屋氏からは「もの凄くいい試合を見せていただきました。大勢のサポーターにも駆けつけていただいて、ありがとうございました。年々、こんなに人が集まって熱気がある。最初にボクらが『WCCF』を世の中に出そうとしたときに“友だちとか、横のつながりが大事になったらいいなぁ。ローカルコミュニティでみんなに楽しく遊んでほしい”といった想いが結実しているのかな、と。非常に感慨深い。今、スタッフは3回目のフルモデルチェンジに向けて頑張ってますので、この熱気をもらって厳しい日々をがんばりたいと思います」といったコメントが飛び出した。将来的に開かれるであろう第4回大会も、今回に負けない白熱したものになるだろう。


「リアル@サーチ」は「1点目がちょっとね(苦笑) アレで1-0で勝ってたら、何かと問題あったんで点を取りにいきました」と試合を振り返るとともに「関西カップ等では(自分が)負けたほうが盛り上がったりするんですが(笑) 今回は凄く応援していただいて、感謝してます。ありがとうございました」と勝利のコメント。なにはともあれ、おめでとうございました!


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□セガのホームページ
http://sega.jp/
□セガ アミューズメント情報のページ
http://am.sega.jp/
□「WCCF」公式サイト
http://www.wccf.jp/
□関連情報
【9月10日】ワールドクラブ チャンピオンフットボール セリエA 2002-2003 Ver.2.0 連載【SIDE-B:第5回】
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040910/wccf.htm
【7月23日】セガ、AC「WCCF」第3回全国大会を開催。店舗予選を8月7日より実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040723/wccf1.htm
【1月11日】ヒットメーカー、AC「WCCF 2002-2003」第2回全国決勝大会を開催 ~優勝は「ベガルタシンキチU5」~
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040111/wccf.htm

(2004年10月10日)

[Reported by 北村孝和]


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