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ヒットメーカー、AC「WCCF 2002-2003」
第2回全国決勝大会を開催~優勝は「ベガルタシンキチU5」~

1月11日 開催

会場:セガ本社1号館

入場料:無料

 株式会社セガと株式会社ヒットメーカーは、アーケード用サッカーゲーム「ワールドクラブ チャンピオンフットボール セリエA 2002-2003(WCCF)」の第2回全国大会「Japan Championship THE 2nd 『WCCF CUP WINNER'S CUP』」決勝大会を開催した。

 「WCCF CUP WINNER'S CUP」は、「WCCF」最強プレーヤーを決めるユーザー参加型の対戦イベント。予選大会は、全国9エリア、のべ1,743店舗で開催された。当日参加枠はなく、前回大会の優勝者を含め代表選手24名によるトーナメント形式で優勝が争われる。ゲストは「CALCIO 2002」編集長の岩本氏、「週刊ファミ通」のカミカゼ長田氏、マグナマ吟氏。


 「WCCF 2002-2003」第2回全国決勝大会に進出してきたのは、地区大会を勝ち抜いた猛者22人……といいたいところだが、1名が仕事の都合により来場できず、第1回大会を制したクイーン・レオーネ監督を加えた総勢23名(+CPU)で優勝が争われた。決勝大会は、23名をA~Cブロックにわけて3回リーグ戦を行ない、決勝トーナメントに進出する8人を選抜。同率2位の場合は、チーム内の選手カードの能力値を合計して、値の少ないほうが優先される。

 予選トーナメントは、予定時刻を若干過ぎた13時30分頃にスタート。4試合が同時に行なわれるなか、中央の巨大スクリーンに注目の試合が映し出される。「WCCF」公式サイトおよび「セガ アミューズメント情報サイト」に、決勝大会進出チームのフォーメーションと選手リストが掲載されていたため、それと照らし合わせて同時に行なわれる4試合をチェック。ざっと見、選手カードを動かしてボール運びを調整する人は少なめで、半数以上は基本フォーメーションに手を加えることなく戦術ボタンで選手をコントロール。そんななか、一部の参加者は「シュートキャンセル」と呼ばれるテクニックを駆使して、観客や解説陣から注目を集めていた。

 「シュートキャンセル」とは、シュートボタンを押してシュート動作に入るところを、キーパーボタンで動作をキャンセルするというもの。シュートやクロスを出すタイミングをずらすといったフェイントはもとより、パスを出してしまうところを強引に前にいかせたいときなどにも有効だが、近くに敵がいるとキャンセルのモーション中にボールを奪われてしまいがち。

 使いどころを間違えると単なる自爆技だが、そこは決勝大会進出者。敵陣深くに切り込んでから、シュートキャンセルでセンタリングのタイミングを遅らせて相手キーパーの飛び出しを誘う駆け引きが披露された。たいていは早めのキーパー飛び出しでキャッチされてしまうところを、タイミングをずらしてパンチングさせ、こぼれ玉を押し込むのが狙い。何度か成功しているシーンを見かけたが、その成功率から、必ずしも効率がいいとはいえない様子。だが、サイド攻撃の選択肢として有力な一手であることは間違いないようだ。


 予選トーナメントを観戦した記者の感想は「ちょっと参加者のレベルに振幅がありすぎるかなぁ」というのが本音。カードを動かさないのは、そのフォーメーションならではの利点を失いたくないのだろうが、前線へのボール供給さえままならない状況を試合終了まで放置している人を見かけるに至っては、さすがに「?」となってしまった。上手くいっていればいいが、まったく機能していない状況をベンチから(この場合はサテライトから)座視するのでは、あまりにも無策。ボールは確実に前線に供給できるよう、監督が「戦術」や「技術」で常に手を加えていかねばならないと思うのだが、どうだろうか。

 記者は、完璧なフォーメーションなどというものは存在せず、だからこそ流動的な状況をタイミングよく捉えてカード位置を調節しないと「ただの運試しゲーム」になってしまうと考えている。完璧なフォーメーションがないとすれば、対応してくる相手に戦術ボタンだけで有利な状況を作り出すのは至難の業。一見成立しているように見える展開でも、実は選手が個々の能力で克服しているだけ、ということも往々にしてある。

 そんなことを考えていると、一緒に観戦していたライターの石井ぜんじ氏が「あのチーム、ちゃんと観たいなぁ」と記者の横でポツリとつぶやいた。その視線の先には「ベガルタシンキチU5(ベガルタ)」監督の姿があった。フォーメーションは、ウイングバックを低めに置いた5バックに近い3-6-1。一瞬だけ3トップだったが、すぐに両ウイングを下げて3-6-1に変更したらしい。これが高めに設定された相手ディフェンス陣への対応だとしたら、かなり期待できる。記者は「3バックはサドンデスが怖いなぁ。両脇かためても通るときは通るし」と思っていたが、そんな杞憂をものともせず「ベガルタ」は決勝戦へと進出した。

 決勝戦は、東北地区代表「ベガルタシンキチU5」監督と、東海地区代表「国分タイチ」監督の対決。「ベガルタ」のフォーメーションは前述の通りで、1トップにクライフェルト、トップ下にアッピア、左右MF位置にアンリとラヴァネッリを配置。中盤は、左右SHが快足のヴィヴァスとマルティネスで、中央にトゥドールが鎮座。DFはマテラッツィ、アジャラ、レグロッターリエ。一方の「国分タイチ」は、中央にジダン、左右にラヴァネッリとヴィエリを配置した3トップ。中盤はダボ、トゥドール、ペロッタと迫力のある布陣で、4バックの最終ラインをDFゾーンぎりぎりまで上げた奪取重視のフォーメーションを展開。最終ラインを支えるのは、ユリアーノ、レグロッターリエ、ネスタ、ネグロ。

 前半のゲームを支配したのは、やはり「国分タイチ」。リスクを省みない最終ラインの押し上げにより、相手陣内で徹底的にプレッシャーをかけていく。「ベガルタ」もトゥドールを中心に懸命な押し返しを試みるが、密度の差から次第に圧迫され、シュート攻勢からのこぼれ玉をダボに押し込まれ「国分タイチ」が先制。そのままの流れで後半戦に移行する。

 前半で完全にイニシアティブを握られた「ベガルタ」。あまりの圧力に、このまま押しつぶされてしまうのか? と思ったところ、後半戦でクライフェルトが底力を発揮。スルーパスに対する絶妙な飛び出しと迫力あるドリブルで、あれよあれよという間に2点をゲット。これまで最終ラインの高さを利してきた「国分タイチ」だが、後半戦では完全に裏目に出てしまったようだ。カードを動かしてDF陣をケアするも、動揺したのか前半戦のキレがなく、そのまま試合終了。栄冠は「ベガルタシンキチU5」監督の頭上に輝いた。

 優勝した「ベガルタシンキチU5」監督には、「CALCIO 2002」編集長の岩本氏からデル・ピエロ選手の直筆サイン入り代表ユニフォームが、週刊ファミ通編集部からは「WCCF 2002-2003」特製バインダー、ICカード、選手カード全種類がそれぞれ進呈された。

 決勝大会に残った全チームは、いずれ劣らぬ野性味にあふれるというか、文字どおり「修羅のゲーセンを生き抜いてきた」ギラギラした生命力の強さを感じさせるチームが多く見受けられた。そんななかでも、決勝戦に残った2チームは、生命力に加えてさらに勝負強さを発揮した“WCCF界の猛者たち”といえるだろう。


頂点に立った「ベガルタシンキチU5」監督は、ネーミングのとおり「ベガルタ仙台」のサポーター。チームは残念ながらJ2に降格してしまったが……って、ちょっとまてよ? 前回優勝した「クイーン・レオーネ」監督は広島……あれれれ!? などと妙な連想などしてみたり。何はともあれ、参加した皆様はお疲れさまでした。そして、優勝した「ベガルタシンキチU5」監督、おめでとうございました!


(C) Hitmaker/SEGA, 2002,2003

□セガのホームページ
http://sega.jp/
□ヒットメーカーのホームページ
http://www.hitmaker.co.jp/
□セガ アミューズメント情報のホームページ
http://am.sega.jp/
□「WCCF」公式サイト
http://www.wccf.jp/
□ニュースリリース(ルール、大会スケジュールなど)
http://www.wccf.jp/topics.html
□関連情報
【1月5日】ヒットメーカー、AC「WCCF 2002-2003」第2回全国決勝大会を1月11日に開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040105/wccf.htm
【2003年10月21日】ヒットメーカー、AC「WCCF 2002-2003」第2回全国大会の店舗予選を11月15日から開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20031021/wccf.htm
【2003年4月5日】「WCCF CUP WINNER'S CUP」~豪華賞品に会場中から羨望の眼差しが~
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20030405/sega3.htm

(2004年1月11日)

[Reported by 北村孝和]


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