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PS2「鬼武者3」、帰ってきた金城武、そしてジャン・レノも出演!!
舞台は現代のパリへ……世界展開を見せる最新作

2004年3月 発売予定

価格:未定

 株式会社カプコンは都内で発表会を開催し、プレイステーション 2用戦国サバイバルアクション「鬼武者」シリーズの最新作、「鬼武者3」の制作発表を行なった。発売は2004年3月を予定している。価格は未定。

 「『鬼武者3』制作発表会-Return-」と題された今回の発表会は、大きく3つの“Return”があるという。ひとつは“「鬼武者」が三度帰ってきた”という意味、そしてふたつめは今回発表となった主演、金城武氏が帰ってきたという意味。そしてもうひとつは……実は明らかにされず、ゲームをするとわかるのだという。


■ 世界最先端のスタッフで描くイントロダクションCGムービー

 今回の発表会で感じたのは、とにかく気合いが入っていると言うこと。その全てが世界規模であると言っていい。まず最初に発表会で話題となったのがイントロダクションのCGについて。「鬼武者」のCGムービーは毎回話題を呼ぶと同時に、SIGGRAPHで賞を受賞するなど世界中で高い評価を得ているが、今回もかなり気合いが入っている。CGムービープロデューサーは1作目、2作目に続いての起用となった倉澤幹隆氏。そしてディレクターは2002年に公開された「リターナー」で注目を集めている山崎貴氏が手がけることとなった。さらに、CGムービーアクションディレクターとして、「Blade 2」などに出演するとともにアクションの監修も行なったドニー・イェン氏が参加している。まるで映画を制作するために一流のスタッフを集めたと言っても過言ではない。

 実際に山崎氏は「ゲームのオープニングだが、1本の短編映画となっている」という。稲船氏も「映像作品として完結しているが、それが同時にゲームに繋がっている」と加えた。また制作手法についても「ミニチュア……と言ってもかなり巨大なセットを作り上げ、それとCGキャラクタの合成を行なっている。ただ、ミニチュアの実写背景と言ってもテクスチャを使用したりしており、複雑な技を使っているので一筋縄ではいかないものになる」と世界の最先端のCGを駆使して制作されるようだ。「フォトリアリスティックなCGにこだわる」と言う山崎氏。今回イメージで公開された金城氏のグラフィックスを見てもわかるとおり、イントロダクションムービーにおいてもかなりリアルな出来が期待できる。

 また、倉澤CGプロデューサーは「1作目は6人同時にモーションキャプチャで収録し、2作目は馬までモーションキャプチャで記録した。3作目では何にチャレンジしようか……ということで作品の本質であるアクションに力を入れることにした」という。そういった意味もあって、世界的なドニー・イェン氏を起用。なんと日本にドニー・イェン氏とそのスタッフを丸ごと招聘し、モーションキャプチャを行なったという。さらにスゴイのは、世界最大規模のモーションキャプチャのスタジオを作ったこと。それでも「ドニー氏のアクションをモーションキャプチャするためには狭かった」ということで、かなり激しいアクションとなったようだ。山崎氏によれば「彼は思いつかないようなアクションを考えつくんだ」。ということで、『今の時代はこのアクションなんだよ』というドニー・イェン氏の言う最も新しいアクション映像を「鬼武者3」のCGムービーで堪能できるというわけだ。


 ここで登場した金城武氏は「やはり明智左馬介に思い入れがあるので (今回復活して) 嬉しい」とコメント。また、1作目に出演した時を振り返り「僕としてはゲームをもっと難しくして欲しかった。戦うことをコントロールできるように……でもワンボタンで簡単に操作できることで、より多くの人が楽しめてよかったと思う」と語った。実は稲船氏によれば「金城氏の意向にかなり応えたのがXbox版の『幻魔 鬼武者』」なのだとか。かなりのゲーム通で知られる金城氏だが、「幻魔 鬼武者」については「これは難しいよ」と舌を巻いたほど。金城ファンも含めて多くの人が楽しめるゲームとして、適切な難易度だったと言うことだろう。

【発表会の様子】
発表会に出席した倉澤幹隆氏、稲船敬二氏、金城武氏、山崎貴氏の4名 「世界に通用するゲームを制作していく」と意気込みを語る稲船氏。このあと、香港、ロサンゼルス、パリでそれぞれ発表会を開催するとか 帰ってきた金城武氏。稲船氏とガッシリ握手を交わした



■ ゲームの舞台はパリ? そしてもう一人の主人公とは?

 ゲームについてだが、「鬼武者」はこれまで当然の事ながら日本を舞台にしてきた。ところが今回公開されたムービーではいきなり2004年のパリが映し出された。そのパリに幻魔が現われ、人々を恐怖の渦にたたき込む……。詳しいストーリーについては明らかになっていないが、いずれにしろ驚かされる展開だ。ここで稲船氏が「今回、プレーヤーのみなさんを驚かそうと思い、想像もつかないストーリーをフラグシップと考えた。その結論がパリ。でもパリで左馬介が戦うのはおかしいので、実はもう一人主人公が登場する」と語り、いきなりもう一人の主人公が発表となった。その名はジャック・ブラン。そして演じるのはなんと世界的な名優ジャン・レノ氏。

 ジャン・レノ氏はメッセージレターとして「このほど世界的な人気を誇る『鬼武者』シリーズの主役を演じることができて大変嬉しく思う。私の姿形をした主人公がプレーヤーの意志でゲームを進行させていく。この申し入れに最初は正直少し困惑しました。でもさらなる進化を続けるゲームの中で新しい私が生き続ける。その喜びは何者にも代え難い経験ではないだろうかと考えた」とするコメントレターが公開された。

 いきなりジャン・レノ氏との共演となった金城氏だが、「なんだかこれまでにない新しい……映画でもなくゲームでもないという感じ」と戸惑い気味。一度も顔を合わせず共演として1本のストーリーを紡ぎ挙げる。ムービーやゲームいったジャンルを軽々と飛び越えたエンターテイメントの新しい形と言えるかもしれない。

 稲船氏は「日本だけのミリオンではなく、世界の人にアピールするゲームを作りたい。世界に通用するゲームをキッチリ作っていく」と語り締めくくった。また、世界展開という点では最後に、「鬼武者」のハリウッドでの映画化 (2005年予定) 、ラスベガスでのイリュージョンとして公演される予定などが明らかにされた。まさに世界に羽ばたくといえるだろう。

【鬼武者3】
言うまでもなくグラフィックが向上している。稲船氏が言うようにとくにエフェクト関連に力が入れられているようで、左上の写真の炎のリアルさがなかなか素晴らしい。また、今回大きいのはフルポリゴン画像になっているということ。「カメラ (視点) を動かせることで没入感が違ってくる」と山崎氏は語る

 会場では制作中のゲーム画面が公開されている。ここで公開されたのはまだ制作途中のもので、変わるかもしれないことを承知でご紹介すると、ジャン・レノ氏演ずるジャック・ブランは銃器を使用している映像があったが、基本的に使う武器はムチのようだ。光り輝くムチを自在に操っている姿を見ることができた。また、このムチは単に敵をやっつけるだけではなく、何かに引っかけて移動するときにも使用していた (現状ではこの時の視点が瞬間的に3Dになっていたのが面白い。もちろん今後変更されるかもしれないが)。このムチを使いどうやってゲームを進めていくのか、新アクションとして注目していきたいところ。

 いっぽう、左馬介は二刀流でバッサバサと幻魔を切り捨てていくのが気持ちよい。明智左馬介が凱旋門で幻魔相手に戦うシーンや、逆に天正10年の日本を舞台にジャック・ブランが戦うシーンなども公開された。その繋がりやストーリーに至っては想像も付かない。もちろんここに紹介したのはあくまでも完成1年前の映像であって、今後修正されることもあることをご了承願いたい。

 ちなみに前2作はプリレンダーで描かれた背景上でのアクションだったが、今回はフルポリゴンとなっている。これについて稲船氏は「プリレンダーで描かれた背景の利点は、美しい背景をマシンスペックをそれほど気にしないで使える点。今回は、フルポリゴンにするにあたってこの美しさが損なわれたらなんにもならないので、前作の開発終了時から研究を重ね、3Dエンジンを新しく作り上げることができた」という。このフルポリゴンになったことについて山崎氏は「フルポリゴンになればカメラを動かすことができる。このことでリアリティが増して没入感が違ってくる。これはより長くプレイすればするほどより効果的に現われるだろう」としている。

CGムービー部分のスクリーンショット。パリに幻魔が降り立つことで惨劇が繰り広げられる
ふたりの主役、金城武氏とジャン・レノ氏をCGで描いたグラフィックス。とにかくリアル



 さて、発表会ではもう1タイトル緊急に発表された。それは「鬼武者」シリーズのキャラクタを使ったマルチ対戦アクション「鬼武者 無頼伝」。4人対戦まで可能で、ひとつのフィールドで4人まで参加し、バトルロイヤルを繰り広げるというもの。フィールドはいくつか用意されているようで、ススキ野原で対戦するシーンなどもあった。

 「鬼武者 無頼伝」をプレイして金城氏は「いつの間にかジャン・レノ氏だけでなく松田優作氏とも共演している (笑)。面白いんじゃないですか」と答え、稲船氏は「まだ調整前なので、現段階では面白そうと思って貰えれば充分」と手応えをつかんだ様子だった。なお、発売は2003年11月を目指している。プラットフォームはプレイステーション 2。

【鬼武者 無頼伝】
みんなでワイワイ遊ぶアクションゲームとして楽しめそう。エフェクトもなかなか綺麗。しかしなんと言っても明智左馬介と柳生十兵衛などシリーズの人気キャラクタで戦えるところが魅力


【発表会の様子】
稲船氏いわく「左馬介は金城武でしかあり得ない」ということで、今回も金城武氏の登場と相成った CGムービープロデューサーの倉澤幹隆氏。「鬼武者」シリーズには全てかかわっている。「今回は『鬼武者』の本質ということでアクションに力を入れた」という CGムービーディレクターの山崎貴氏。映画「ジュブナイル」や「リターナー」で有名な監督。今回は「短編映画を制作する」という意気込みでCGの制作に携わっている
最後に2003年11月の発売を目指して制作中の「鬼武者 無頼伝」でゲームをプレイ。最後に残ったのは金城武氏と稲船敬二氏。ガチンコの戦いの末、稲船氏が勝利をものにした


(C)CAPCOM CO.,LTD.
※画面は開発中のものです

□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□「鬼武者.com」のページ
http://www.capcom.co.jp/onimusha/
□関連情報
【2001年1月17日】カプコン、「鬼武者」完成イベントを開催
金城武をはじめ、クリエイターがズラリと集合
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010117/capcom.htm
【2001年6月12日】カプコン、「鬼武者2」を発表、空前絶後のバッサリ感、再び!!
主演は松田優作に決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010612/capcom.htm
【2002年2月13日】カプコン、『鬼武者2』完成プレス発表会を開催 テレビCMには故松田優作氏の長男である松田龍平氏を起用
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020213/capcom2.htm

(2003年3月10日)

[Reported by 船津稔]


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