カプコン、『鬼武者2』完成プレス発表会を開催 |
勢揃いしたクリエイターチーム。左から、CGムービープロデューサーの倉澤幹隆氏、CGムービーディレクターの金田龍氏、プロデューサーの稲船敬二氏、音楽を担当する岩代太郎氏、キャラクターデザインの雨宮慶太氏、シナリオの杉村升氏 |
3月7日に発売を控えるプレイステーション 2用戦国サバイバルアクション「鬼武者2」がいよいよ完成。発売元のカプコンは、都内でプレス発表会を開催した。発表会は前半が制作クリエーターチームによるトーク、後半がテレビCMの概要説明という形で進行した。
■サブキャラごとにストーリーが分岐。やり込み派にも十分な手応え
東京国際ファンタスティック映画祭に続いて、「探偵物語」での松田優作氏を公開した稲船氏。今度は(クリア後ながら)ゲームでの登場を確約 |
実際にディレクションを行ったCGムービーディレクターの金田龍氏は、すでに故人となっている主役、松田優作氏をムービーパートでどう見せるかにこだわったという。CGムービーというゲームのなかでは極めて限られた部分で、優作氏らしさを印象づけるため、特に走っているシーンをクローズアップしたということだ。実際の作業現場では、優作氏の写真をスタジオに置くことで、スタッフや役者を追い込んでいったという。
キャラクタデザインを担当したのは、「ゼイラム」や「鉄甲機ミカヅキ」など独特の世界観の特撮作品で多くのファンを持つ映画監督の雨宮慶太氏。同氏によれば「安土桃山時代は言うなれば極彩色のイメージ。主人公やサブキャラの衣装に今まで自分の作品でやれなかった色彩を使ってみた。衣装の素材については、その時代になかったような素材は使っていない。ただ、鎧などの着方については、本来は鎧の下に身につける物を鎧の上に出したりするなど、その使い方に工夫をして個性を出した」という。プロデューサーの稲船氏によれば、やはり雨宮氏らしさがもっとも出たのは幻魔のデザイン。前作ではカプコン内部のデザインチームが担当したが、どこか遠慮したというか思い切りのない部分が残った。そうした部分を、今作では雨宮氏のデザインが払拭したという。
音楽は、岩代太郎氏が担当。まず、各キャラクタごとにテーマ曲を作り、そこからイメージを広げて、全体的にドラマ性のある作品へと仕上げていったという。司会者からの、「全世界で発売される『鬼武者』という作品ということで、舞台である『和』を意識したか」という質問では、「特に『和』という部分を強調しなくても、おのずとそういった感覚が出てくるような距離感。それが世界でも通用する音楽」と持論を披露した。
シナリオは前作に引き続いて、フラッグシップの杉村升氏が執筆している。同氏によれば「今回はドラマを意識した。前作は切ったり倒したりが中心だったが、今回はサブキャラを中心に入り組んだドラマ仕立てになっている。このサブキャラクタたちの個性が実に良く出ている。歴史上に実在する人物であっても好き勝手に作り替えさせてもらった。こうしたサブキャラを仲間にするために、いろいろなアイテムを与えてみたり、怒らせてみたり、相手のリアクションを見ながら進めてそれで「絆値」を高める。こうしてストーリーが分岐していくわけだが、分岐するサブキャラのシナリオを全部体験しようと思ったら、何度も何度もやりなおさないと楽しめない」とのことだ。
そして稲船氏は発売前にもかかわらず、クリア後のお楽しみ要素まで披露して見せた。前作の「鬼武者」では、クリア後、主役の金城武氏演じる「明智左馬之介」がパンダの着ぐるみで幻魔をうち倒していくことを選択できたわけだが、実は「鬼武者2」にも用意されていた。東京国際ファンタスティック映画祭での催し「蘇るもっとも危険な男 松田優作十三回忌」で披露されたので予測していた人もいるかも知れないが、クリア後は、松田優作氏が「探偵物語」の“工藤ちゃん”になって登場する。黒いスーツにサングラス、目深にかぶった帽子と、ファンにはたまらない姿。この姿のままで、角棒を手に幻魔をうち倒していく。何が何でも一度はクリアして、懐かしいこの姿を目にして欲しい。
【オープニング】 | ||
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【スクリーンショット】 | ||
【試遊エリアのようす】 | ||
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発表会の終了後、試遊エリアがオープン。来場者は思い思いに完成した「鬼武者2」のプレイ感を確認した | 発表会には、「メタルギア ソリッド2 サンズ・オブ・リバティ」の小島秀夫監督も姿を見せていた。ロビーで稲船氏と談笑 | ロビーに展示されていた関連商品のひとつ「特撰國盛 純米吟醸 幻魔 鬼武者」。中埜酒造から、限定陶器ボトルで発売とのこと |
間もなくオンエアが始まる「鬼武者2」のテレビCM。その主役を務めるのが、松田優作氏の長男で俳優の松田龍平氏。CMを監督した豊田利晃氏とともにステージへと登場した。 こうした場でのお約束的な質問だが、司会者の「ゲームはやっていますか?」という問いに、監督の豊田氏は「ゲームはしません。PS2も持っていないんです」とちょっと寂しいコメント。しかし、松田龍平氏は「ゲーマーというわけではないですが、ヒマがあればゲームはやっています。(前作の)鬼武者は、ちゃんとクリアしました。パンダ姿もちゃんとゲットしています」と力強いコメントを返した。
稲船氏によれば、この話(松田優作氏を「鬼武者2」の主役として、柳生十兵衛役に起用する)を持っていったときも、すでに龍平氏が鬼武者をプレイしていたので、前作の主役、金城武氏の顔がリアルに表現されていることを母親の松田美由紀さんが理解していたなど、非常にスムーズに話が進んだという。また、龍平氏は松田優作氏の映像表現に対して「いろんなとこにこだわって作ってくれているので任せています。やっぱり似てるんじゃないですか」ともコメント。
CMは、ビルの屋上を埋め尽くす甲冑を着た武者というミスマッチな情景と、それを見下ろす松田龍平氏というふたつの存在感がぶつかり合ったクールな映像になっている。コンセプトはゲームのキャッチコピーでもある「愛と哀しみのバッサリ感」だ。
このCMは、2月15日(金)からオンエアされる。
【CMメイキング】 | ||
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松田龍平氏(中央)とCMの監督を務めた豊田利晃氏(右)。先日クランクアップした松本大洋原作の映画「青い春」に続く顔合わせ | CMの映像でもクールな表情と独特な存在感を表現しているが、プレス向けの撮影でも終始クールな表情を崩さない松田龍平氏 | 会場ではCMのメイキング映像を流しながら、撮影の際の裏話などを披露。こんな人も画面を横切るらしいので要チェック |
□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□「鬼武者2」のページ
http://www.oni-musha.com/
□関連情報
【2月13日】カプコン、PS2「鬼武者2」発売記念イベントを
銀座ソニービルで開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20020213/capcom.htm
(2002年2月13日)
[Reported by 矢作 晃 (akira@yahagi.net)]
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