「エンパイア・アース」リードデザイナー特別インタビュー |
インタビューに応じていただいたSSSIの開発スタッフ。左がリードデザイナーJon Alenson氏、右がテスティング担当のRyan Geiler氏 |
今回プロモーションのために来日したのは、開発元Stainless Steel Studiosで同作のリードデザイナーを務めるJon Alenson氏と、マルチプレイ部分のテスティング担当のRyan Geiler氏の2名。Stainless Steel Studiosは、「Age of Empires」「Age of Empires:Rise of Rome」のリードデザイナーを担当したRick Goodman氏が、Ensemble Studiosを退社後に設立したゲーム会社で、EEが1作目となる。
以下、両名の担当分野を簡単に紹介しておくと、Jon Alenson氏は、Rick Goodman氏が全幅の信頼を寄せる懐刀で、プロジェクトの途中から同作のリードデザイナーを担当。Rick Goodman氏の全構想を受け継ぎ、ゲームプレイのチューンナップに力を注いだ。Ryan Geiler氏は、知る人ぞ知るリアルタイムストラテジー界の世界的プレーヤーで、米国のゲーム誌やゲームサイトに攻略記事を数多く執筆していることでも知られ、その技量を買われてEEのマルチプレイ部分のテスティングチームを率いた。Stainless Steel Studiosの社員ではなく、本業はレストランのマネージャーということだ。
■ EEのマルチプレイは2~3つの時代を30分程度で楽しむ
EEには14もの時代(Epochs)が用意されていますが、いずれの時代も中身が充実していて、Stone AgeからNano Ageまでプレイすると2時間やそこらでは終わらない気がします。実際のマルチプレイではどのようなゲームプレイになるのでしょうか?
Alenson氏:ゲーム開始前に開始時の時代と終了時の時代を決めて、だいたい2~3つの時代を舞台に戦うことになります。EEのマルチプレイは、通常モードとトーナメントモードの2種類があり、通常モードだと1プレイだいたい2時間、トーナメントモードだとだいたい30分ぐらいになります。メインとなるのはトーナメントモードで、このモードは資源の採取スピードが2.5倍、ユニットの生産スピードを1/4程度に縮めるなど、内政部分を簡略化して、速やかに戦闘に移行できるようにしています。
なるほど。では、たとえば時代に差がついてしまった場合、古い時代の軍隊が、新しい時代の軍隊を打ち負かすことは可能でしょうか? Alenson氏:難しいですが可能です。時代が進化するごとに1ユニットに必要な人口数は増加していくので(編注、古代兵士は1ユニット1人、戦車やロボットは1ユニット2人の計算になる)、時代が進化すると軍隊の規模は小さくなります。数で攻めれば勝つことができるかもしれません。
どの時代に人気が集まると思いますか?
Alenson氏:どの時代から始めても楽しめるように開発しています。ちなみにβテストで一番人気があったのはImperial Ageでした。
Geiler氏:私が一番好きなのはAtomic Age(World War II)です。陸海空の三軍がバランス良く組み込まれていて、一気に戦場が広がり多くの場所に目を配らなくてはいけないので非常におもしろいです。プレイするたびに異なるゲーム展開になるのもいいですね。
World War IIで好きなユニットはありますか? Geiler氏:ヘリコプターです。戦闘機などと比べて移動がラクで、歩兵の歩調に合わせて上空を飛ばせて援護したり、攻撃時は、地上をバババ……(手で地上をなぎ払う真似をする)と、とにかく使い勝手が良く、格好いいんです。
ホイールを回すことでズームイン/アウトができますが、マルチプレイで使用することはあるのでしょうか? Alenson氏:95%は通常視点でプレイすることになると思います。残る5%は戦闘中に視点をズームインして、「このユニットであのユニットを攻撃する」といった細かい操作をすることになるでしょう。
人口の最大が1,200ということになっていますが、これはたとえば8人でプレイすると最大9,600ものユニットが登場するということになるのですか? Alenson氏:違います。最大人口はあくまで全ユーザーの総計値です。ですので、1,200の設定で6人プレイすれば、ひとりあたり200ユニット、2人でプレイすれば600ユニットということになります。人口は基本的に最大値を超えられませんが、Wonder(部族の象徴)のひとつ「Coliseum」を建てることでこちらの人口を上げ、敵の人口を下げることができます。
本日のデモで、ProphetのCalamity(厄災、天変地異)を大きく取り上げていましたが、これは時代が進んでも有用なユニットとして使えるものなのでしょうか? Alenson氏:時代を経るごとに効果は下がっていくので使いにくくなるでしょう。ただし、序盤は使い方を誤らなければ間違いなく最強のユニットです。
Geilerさんにお伺いします。マルチプレイの調整で一番時間が掛かったのはどの辺でしょうか? Geiler氏:非常にユニットの種類が多い(マルチプレイで211種類のユニットが登場する)ゲームなので、戦闘のバランス調整に一番時間がかかりました。あと、時代を進化した際に、どの程度進化させるのかも苦労しました。あまりに進化しすぎては単なるスピードゲームになってしまうし、反対に変わらなさ過ぎるのもおもしろみに欠けますので。それからゲーム全体のペース配分にも気を遣いました。最終的に15分~20分程度で次の時代に進化できるぐらいの調整にしています。
単刀直入にお伺いしますが、拡張キットは発売しますか? Alenson氏:Yes
どういった内容になるのでしょうか。大変興味がありますが。 Alenson氏:No(笑)
わかりました(笑)。では最後の質問になりますが、Alensonさんのプロフィールの中に「新タイトルに関する初期開発に携わる」という一文があります。これはどういったゲームになるのでしょうか。 Alenson氏:まだ発表できる段階ではありません。Rick Goodmanが手がけた3DRTSになります。
ありがとうございました。
■ ゲームを彩る14の時代
以下では、インタビューに出てきた各時代のゲーム画面を紹介。これを眺めていくだけで、EEがいかに幅広いゲームプレイを包含しているかがよくわかるはずだ。
【Prehistoric(先史時代)】 | ||
---|---|---|
【Stone(石器時代)】 | ||
---|---|---|
【Copper(銅器時代)】 | ||
---|---|---|
【Bronze(青銅器時代)】 | ||
---|---|---|
【Dark(暗黒時代)】 | ||
---|---|---|
【Middle(中世)】 | ||
---|---|---|
【Renaissance(ルネサンス時代)】 | ||
---|---|---|
【Imperial(帝政時代)】 | ||
---|---|---|
【Industrial(産業革命時代)】 | ||
---|---|---|
【Atomic:World War(原子力時代:第一次世界大戦)】 | ||
---|---|---|
【Atomic:World War II(原子力時代:第二次世界大戦)】 | ||
---|---|---|
【Atomic:Modern(原子力時代:現代)】 | ||
---|---|---|
【Digital(デジタル時代)】 | ||
---|---|---|
【Nano(ナノテク時代)】 | ||
---|---|---|
(C) 2000 Sierra On-Line, Inc. All rights reserved. Empire Earth is a registered trademark and Sierra is a trademark of Sierra On-Line, Inc. Site Design by FirstWeb.
□カプコンのホームページ
http://www.capcom.co.jp/
□Stainless Steel Studiosのホームページ
http://www.stainlesssteelstudios.com
□「エンパイア・アース」の公式ページ
http://www.capcom.co.jp/empireearth/index.html
□関連情報
【10月24日】カプコン、PC事業本格参入を発表 海外、自社、他社、オリジナルの4本柱でPC市場の拡大を
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011107/capcompc.htm
【10月20日】カプコン、「エンパイア・アース」「スローン・オブ・ダークネス」の発売日を延期
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011024/capcom.htm
【10月20日】「エンパイア・アース」Demo版
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20011020/demo1020.htm
(2001年11月8日)
[Reported by 中村聖司]
|
GAME Watchホームページ |