★ DCゲームレビュー ★

カードゲームとボードゲームの
おもしろさをひとつにしたネット対戦ゲーム

カルドセプト セカンド


 先週の金曜、「これ、おもしろいですから遊んでみてください。熱血レビューもよろしく」と、弊誌DC番の佐伯から「カルドセプト セカンド」を手渡された。カルドセプトシリーズに関しては、そのタイトル名とハマリ度の高いゲーム性ぐらいの情報しか持っておらず、うかつなことに実際には一度もプレイしたことがなかった。果たして初プレイでレビューがキチンと書けるかどうかちょっと心配だったが、とりあえず引き受け、さっそくプレイしてみた。
 結果から先に書くと、砲弾が炸裂するような勢いでハマってしまった。仕事を終えた金曜の深夜から今まで、勤務時間と移動時間を除いては睡眠すら忘れてほぼ連続してプレイしてしまったぐらいで、うわさ以上のハマリ度の高さを実感した。この“やめられないとまらないおもしろさ”はいったいどういうことなのか、そのあたりの事情を含めて入門者ならではの視点から、異例の初心者レビューをお届けしたい。


■ カードバトルとボードゲームのおもしろさをミックス

これが最初のステージ「出会いの地 デュナン」。このマップが一番小さい
 「カルドセプト セカンド」がベースにしているのは、「モノポリー」を始めとした土地転がし型のボードゲーム。ぐるりと一周できる輪環型のマップを舞台に、交代にサイコロを振りつつ進んでいき、行く先々の空き地の権利を買いあさり、うっかり止まった敵から通行料をせしめる。最終的に一定以上の資産を獲得した状態でスタート地点に戻れば勝ちだ。

 カルドセプトの場合、こういったボードゲームの要素に加えて、「MAGIC:The Gathering」に代表されるカードゲームの要素も丸ごと盛り込んでおり、それが本作の指数関数的なおもしろさに繋がっている。ゲーム内の基本通貨は「魔力」で、空き地はお金を払って土地の権利を買うのではなく、魔力を使って召還したクリーチャーに占領させるという形式を取る。

 最大の特徴は、敵クリーチャーの支配する土地を、カードバトルで勝利することによってそっくり奪うことが可能なところで、「モノポリー」などと比べてゲーム後半における1位の盤石さは驚くほど希薄になっている。手持ちのカードによっては一気にビリから1位まで駆け上がることも可能で、このスパイスの利いた絶妙のゲームバランスが特に対戦プレイのおもしろさに一層の拍車を掛けている。

重要なチェックポイントである城と砦。カルドセプトでは、城を起点にすべての砦を回っていく

 ところで「カルドセプト セカンド」は、カードゲームの要素を丸ごと盛り込んでいるため、ゲーム開始前にMTGのデッキに相当する「ブック」を編集する。ブックは50枚1組で構成され、1枚の加減も許されない。カードの種別には、クリーチャーのほかに、アイテム(いわゆるエンチャント/アーティファクト)、スペル(いわゆるソーサリー/インスタント)があり、これらのバランス配分は自由となっている。MTGは、クリーチャーの召還に同じ属性の土地を必要とするため、デッキの組み方のバリエーションには自ずと限界があるが、カルドセプトのブックにはそういった制限がまったくないため、無制限で好きなカードを50枚の中に含めることができる。

 クリーチャーには、火、水、風、地の4つの属性があり、同じ属性の空き地に置くと、防戦の際に地形効果が受けられる特典が付く。これに加え、無属性のクリーチャーも存在し、さらにクリーチャーそれぞれに特殊能力があり、クリーチャーカードを選び抜く際の悩ましさはMTGと変わらない。ただ、カルドセプトの場合、手札カードはすべての対戦相手に見られるため、戦略の立て方は根本から異なっている。つまり、敵に見られた上で裏をかく戦略ということだが、慣れないうちは強力なアイテムカードを引いた直後に対戦相手から破壊されて、「えー、そんなー!」と思わず憤慨してしまったりするが、それを見越したカード使用のタイミング、あるいはブック編集をしなければならないということに気づいてくると、そのシステムの奥深さに恍惚としてしまう。

【オープニングムービー】
雰囲気をグッと盛り上げてくれるハイクオリティのオープニングムービー


■ 戦いの勝敗を分けるカードバトルが最高!

カードバトルに入ると、双方のクリーチャーのグラフィックが拡大表示され、互いに1回ずつ攻撃し合う
 カルドセプト未プレイ者は、ここまで読むと「それでカードバトルが成立するのか?」と、つまり結果が明らかなバトルにおもしろみがあるのか、と思ったのではないだろうか。カルドセプトのカードバトルは、MTGの戦闘フェイズにおけるスタックの重ね合いのような竜虎乱舞的な激しさはなく、最終目的を目指す上での一過程といったほどの扱いになっている。それでもアイテムカードによるパラメータ修正はかなり強力で、双方の手持ちカードの出し具合によっては意外な結果が生まれることもある。その結果、順位が入れ替わったりトップが転落したりすると、みんな大喝采で、そういった意味でのおもしろさがある。

 防御側のクリーチャーは戦闘でHPが減らされると、戦闘が終了しても減ったまま(周回ごとに20%ずつ回復する)なので、「とりあえずダメージを与えとく」というのも立派な戦術のひとつ。ほかにも直接敵クリーチャーにダメージを与えるスペルや、弱体化などの呪いの効果があるスペルなどがあり、占領された土地を奪い返す方法は豊富に用意されている。もちろん、戦闘で敵クリーチャーを倒せなかった場合は、土地のレベルに応じた通行料を払わなければならないが、上記戦術を駆使すれば、倒せないクリーチャーというのは存在せず、こういった不安定さが実におもしろい。

【クリーチャー】
召還できるクリーチャーたち。グラフィックはもちろん、召還コストや性能、特殊効果もそれぞれ違っている

 また、クリーチャーは横の土地へ「移動」することもでき、カードバトルで倒せば土地をぶんどることができる。さらに弱いクリーチャーはあとで「交換」することも可能など、柔軟性の高いクリーチャーシステムも魅力のひとつといえる。正直言って、慣れないうちは覚えることが多すぎて、ある程度広いマップになるとすべての土地に目が行き届かず、うっかりミスを時々やる。

 余談だが、超初心者の分際で、大胆にも日本中の強豪がひしめくランキング用のロビーにいきなり踏み込み、2度ほど対戦させてもらった。言うまでもなく2度ともコテンパンにやられ、次元の違いを見せつけられたが、強い人というのは、無駄な戦闘を一切せず、画面内から入手できるすべての情報を押さえ、あらゆる可能性の配慮があらかじめ出来ているプレーヤー、という印象を持った。私を含め「えー、そんなの無理だよー」と思う人は、素直にビギナールームで精進した方がいい。ゲーム中、「しまった」「間違った」「どひゃー」とか、初心者丸出しのチャットてんこ盛りで、みんなで凡ミスしながらプレイできる。ランキングロビーが剣術家同士の真剣勝負だとすると、ビギナーロビーは子供同士のチャンバラごっこのようで、いい加減なぶん楽しみも多いといった印象だ。

【アーチャー】
中には「アーチャー」のように召還後に能力を使用できるクリーチャーも存在する

【スペル】
上段がスペルカードの内容、下段がその効果。豊富な3Dエフェクトがプレーヤーを楽しませてくれる


■ 多彩なゲームモード。まずはストーリーモード、次いでネット対戦を楽しもう

彼がゴリガン。杖の枝の部分に顔がついている
 さて、「カルドセプト セカンド」のゲームモードは、大きく分けてストーリーモード、対戦モード(ローカル)、リプレイ再生、そしてネット対戦の4つ。そのほかブック編集のための「メンテナンス」や紙のマニュアルより詳しいオンラインマニュアルなどが用意されている。

 ストーリーモードは、すべての根幹となる重要なモードで、対戦モードではこのモードで育てたキャラクタを使って対戦を行なうことになる。内容は、抑制神ゴリガンの導きに従って世界を救っていくというもので、各マップごとにムービーが用意され、次いでストーリーが展開し、そしてバトルが開始される、という展開の繰り返しで進んでいく。戦いが終了すると新たなカードが貰え、勝つと次のマップに、負けるとやり直しとなる。

 最初の数ステージは、マップの形状も単純で、敵のブックも比較的弱いが、ステージを進めるごとにマップはどんどん複雑に、敵も強力なカードを所持して戦いに挑んでくる。戦いに敗れたら、新たに入手したカードをブックに組み込んですぐ再戦してもかまわないが、それ以外の選択肢としてローカル対戦もしくはネット対戦を行なうことも可能。特にローカル対戦は1人でコンピュータを相手に対戦することができ、勝つと負けた際の倍近くのカードが貰えるため、負けを繰り返すよりよっぽど有効な方法だ。

ストーリーモードの様子。右上の女の子と戦うことになる
 ローカル対戦は最大4人対戦が可能で、各人が別のコントローラで対戦することもできるし、ひとつのコントローラを持ち回りで対戦することもできる。このあたり実によく考えられている。一方のネット対戦は、対戦サーバーにアクセスする前に、公式サイトに接続して「セプターズライセンス」を購入する必要がある。7月31日までは無料で購入できるので、手軽に試してみるといいだろう。

 ちなみに対戦サーバーは、複数のサーバで構成されており、まずはプレイするサーバー(塔)を選ぶ。中に入ると、さらに複数のフロアに区切られ、それぞれ「ビギナー」「スタンダード」「ランキング」といった名前が付けられている。そのひとつに入ると、現在待機中のプレーヤー名がずらりと並ぶチャットロビーに接続される。ここでAボタンを押すとメニューが表示されるので、「ルーム」を選ぶと、そのロビー内で作られたゲームのルームの一覧が表示されるので、「ゲーム参加可能」のアイコンを押すと参加できる。このように、サーバーへのアクセスからゲームプレイまでの階層が深すぎるのが弱点で、ルームの入り方もややわかりにくい。とはいえ、テレホタイム前後は、少なく見積もっても1サーバー内に1,000人近くのプレーヤーがひしめいているため、ある程度の階層化はしょうがないところか。

 話を戻すが、ルーム入室後に参加プレーヤー全員が使用するブックを選んで「準備OK」を選択すると、マップの読み込みが開始され、対戦スタートとなる。あとはチャットが出来るという楽しみを除いては、シングルプレイとまったく同じ要領でゲームが進んでいく。今回はDC標準装備の56Kモデムで接続したが、プレイ中、格段の遅延は感じなかった。マップの状態を見ようとカーソルモードにしたときに、ときおりデータ転送を待つ待機状態になったが、時間にして2~3秒ほどでプレイに支障が出るほどではなかった。

 全部で10回近く対戦したが、すべて安定してプレイできた。1度だけユーザーが落ちる症状が見られたものの、落ちたユーザーはカードの引きが極端に悪く、さらに対戦相手に大きく引き離された状態だったため、あるいは故意だったかと思われる。プレイ中に対戦相手が落ちた場合は、自動的にコンピュータ処理となり、対戦終了後のカードのご褒美はなくなる。ともかく、初体験のネット対戦は、予想以上にスムーズで好印象を持った。うっかりしていたが「カルドセプト セカンド」は、メモリーカードを直接接続し合うことにより、カードの交換が行なえる。これはこれで大変便利な機能だが、さらにネット上でも手軽に交換できれば良かったと思う。次回作もしくは拡張キットでは、ぜひとも実現していただきたいところだ。

【ネット対戦】
ルームに入った直後から対戦中の様子まで。とにかく頻繁にチャットをかわし合うことになるので、快適なネット対戦を行なうためのキーボードは必須のアイテムだ

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□大宮ソフトのホームページ
http://www.omiyasoft.com/
□カルドセプトオフィシャルサイト
http://www.culdcept.com
□関連情報
【6月15日】DC「カルドセプト セカンド」ブロードバンドアダプタ使用時におけるルータ設定情報を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010615/culdbba.htm
【6月8日】メディアファクトリー、DC「カルドセプト セカンド」ネットワーク対戦の料金体系が決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010608/mfac.htm
【5月30日】メディアファクトリー、DC「カルドセプト セカンド」カードデータがもらえる予約キャンペーンを実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010530/mfac.htm
【3月5日】通信対戦やVM経由のカード交換が可能 DC「カルドセプト セカンド」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010305/oomiya.htm

(2001年7月18日)

[Reported by 中村聖司]

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ウォッチ編集部内GAME Watch担当 game-watch@impress.co.jp

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