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★ PCゲームレビュー ★
大きなシステム拡張と魅力的なお宝をどっさり搭載して、地獄のゲームがふたたび返ってきた。今回、このレビュー記事を書くために「DIABLO II」Hellモードクリア後、数カ月ぶりにプレイしたが、もうどうにも止まらない魔性のおもしろさは健在だった。読者の中には、すでにASIAサーバーで猛烈プレイ中の方も多いかと思われるが、「DIABLO II」の魅力とはなんなのか、そして今回発売された拡張キット「DIABLO II:LORD OF DESTRUCTION」(以下、LoD)のウリはどのあたりにあるのか。本稿ではそのあたりの話をLoDのインプレッションを交えつつたっぷりお伝えしていこう。
■ 「DIABLO II」のおもしろさとは
要するに「DIABLO」シリーズの醍醐味は、巨悪を滅ぼす快感を味わい、トレジャーハンティング魂をくすぐらせるアイテム獲得システム、そして無限の楽しみを秘めたパーティープレイにあるといえる。しかし、ときとしてプレイ中に、上記のいずれにも該当しないのに、ゲームからもはや自分では抑えがたい圧倒的な吸引力を感じることがある。これこそがDIABLOの魅力の核だと思うのだが、それとはいったいなんだろう。
後日談だが、「DIABLO II」の開発の遅れは、フィールドおよびダンジョンの徹底的な造り込みのためだったという。敵を倒す爽快感、アイテムコレクション、不特定多数とのマルチプレイを実現したアクションRPGはいまでは腐るほどあるが、リアリティの構築に関する造り込みの確かさについては、いまなお「DIABLO II」を超える作品はないのではないかという気がする。
■ 「DIABLO II:LORD OF DESTRUCTION」の拡張ポイント
・800×600ドット表示への対応 「DIABLO II」の唯一の弱点といえた640×480ドット固定表示の制限を取り払い、800×600ドット表示を可能にしている。ただし、予想以上にゲームが重くなるので、Pentium IIIクラス以上のCPUでないと快適プレイは難しいかも知れない。ちなみにPentium III 1GHz、GeForce2 GTS(32MB)、256MBという環境で、平均20フレーム、もっとも重い状態で10フレーム前後だった。ただし、これはシングルプレイでの結果なので、マルチプレイではもっと重くなると思っておいて間違いない。 ・2人の新しいキャラクタークラスの追加 Amazon、Barbarian、Necromancer、Paladin、Sorceressに加えて、AssassinとDruidが新たに追加された。 Assassinは、新しく追加されたClawクラスの武器を操り、Clawクラス武器両手持ちによる、敵に爆発的なダメージをたたき込むチャージアップスキル&フィニッシュアタックが魅力。その一方で、サイキックパワーにより、分身を召還したり、一時的に移動&攻撃速度を倍加させたりするスキルShadow Disciplines(シャドウ ディシプリン)を自在に操り、さらに精巧な機械装置による特殊攻撃スキルTraps(トラップ)をも使用できる。 Druidは、強力な攻撃魔法スキルElemental(エレメンタル)、WerewolfもしくはWerebearに変身して敵に対して強烈かつ特殊な攻撃を行なえる変身スキルShape Shifting(シェイプシフティング)、そして自らの代わりに戦ってくれる召還獣を呼び出せる召還スキルSummoning(サモニング)を操る。3系統とも魅力的なスキルだが、パッシブ系のスキル(割り振るだけで自動的に使用状態となる)がほとんどないため、スキルの割り振りが大変そうだ。
・新章Act5の追加 バーバリアン高地を舞台にしたAct5が追加された。Act5のボスはバール。新しいタイプのモンスターと6つのクエスト、並びによりハイクラスのアイテムが用意されている。Act5は、新しく作成したキャラで行けるほか、既存のキャラでもプレイできる。ただし、その場合はキャラデータのコンバートが必要となり、「DIABLO II」本編ユーザーとの対戦はできなくなるので注意が必要だ。 ・傭兵システムの改良 これまで街で雇える傭兵は、1回こっきりで使い捨てという印象が強かったが、LoDでは入手したアイテムを渡して装備させたり、ポーションを渡してHPを回復させたり、死後も復活させることが可能になっている。一番大きいのは、傭兵にも経験値システムを導入し、レベルアップが可能となったことだ。さらにAct間の持ち越しも可能となっているため、Act1の弓兵を対ディアブロ戦で使う、といった真似も可能となっている。実際、余ったアイテムを渡し、経験を積ませると、ビックリするぐらい強くなる。傭兵の育成もLoDの隠れた魅力のひとつといえる。 ・ウェポンスワッピングシステムの追加 要するに2種類の武器セットを用意でき、いつでもワンキーで切り替えて使用できる、というシステム。たとえばAmazonだったら、槍と弓の2系統、両手持ち槍と手槍&盾といった具合に状況に応じて使い分けられる。そのほか様々な利用法が考えられそうだが、セコく考えると、武器置き場にも使用できるわけで、特に序盤はかなり活用できる。
■ 傭兵システムがかなり楽しい! でも難易度はやや高めに!? それではお待ちかねのインプレッションをお伝えしよう。今回はAct1からAssassinでプレイしてみた。可能ならAct5まで進めたいところだが、時間切れでAct3の半ばまでしかプレイできなかった。またDruidでプレイする時間も取れなかったため、以下のインプレッションはすべてAssassinプレイによるものになっている。 Assasinは、序盤こそ槍Amazonのようなメレー攻撃重視のプレイスタイルだったが、レベルが上がってTrapsスキルにポイントを振り分けていくことで、次第に遠近両用の使い勝手に優れたキャラクタに成長していった。序盤有効なのは、Fire Blast。炸裂弾を放物線を描いて飛ばし、遠くの敵にぶち当てるというもので、群れて襲いかかってくる雑魚敵の一層に特効がある。中盤で大活躍するのはWake of Fireで、地面に設置すると敵の位置を自動的に感知して、炎の波で5回連続攻撃してくれる。この炎のトラップの最大の特徴は、視線が通る場所なら画面内のどこでも設置可能な点で、うまく使えば敵の群れを炎の海で一方的に殲滅できる。 といって、Trapsに頼りすぎたプレイスタイルでは、すぐMANA不足に悩まされることになるので、Shadow DisciplinesのClaw Mastery(Clawクラスのダメージを増加させる)とWepon Block(Claw両手持ちで敵の攻撃を一定の確率でブロックする)を上げておくと、近距離戦もラクにこなせるようになる。メレーで叩いていたときふと気づいたが、LoDは敵が堅い。LoDでは序盤からかなり強力かつ有効なアイテムがごろごろ出現するので、ベースレベルの引き上げが行なわれているのだろう。 AssassinはShadow Warrior(Master)を獲得すると、より一層楽しくなる。使い方としてはAmazonのValkyrieのように召還するだけで、あとはコンピュータ制御で自動的に戦ってくれる。ただ、Assassinのそれは、自分のスキルを操れるため(Warriorは2つまで、Masterはすべて)、かなり凶悪な強さを見せてくれる。AIもValkyrieとは多少異なるらしく、むやみに突っ込むようなことはせず、後衛に下がって、トラップばかり使っていることもある。もとよりプレーヤーのAssassinは、トラップを仕掛けては逃げまくるという戦法で戦うことが多いから、3人(Assassin2人+弓使いの傭兵)いながら誰も前線にいないというユニークな戦いとなった。 ただ、Act3まではこれで楽勝で進めたが、地獄のAct4、そして今回追加されたAct5、さらに2周目以降でも、この前線不在作戦が通用するかというと一抹の不安がある。また、傭兵はAct1~Act3の誰をラストまで育てるのかというのも悩みどころ。純粋にLoDの追加要素だけでも豊富なプレイスタイルが考えられるので、じっくりと楽しみたいところだ。
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□カプコンのホームページ http://www.capcom.co.jp/ □「DIABLO II:LORD OF DESTRUCTION」のページ http://www.capcom.co.jp/diablo2exp/index.html □関連情報 【6月29日】「DIABLO II:LORD OF DESTRUCTION」Ver.1.08 Patch http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010629/demo0629.htm 【6月4日】「DIABLO II:LORD OF DESTRUCTION」日本語版、英語版と同時発売 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010604/diabloII.htm 【5月18日】メディアカイト、「DIABLO II:LORD OF DESTRUCTION」英語版の発売日を決定 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010518/medialod.htm 【4月23日】メディアカイト、「DIABLO II:LORD OF DESTRUCTION」の予約受付開始 価格も決定 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010423/mdkite.htm 【4月1日】「DIABLO II:LORD OF DESTRUCTION」プロデューサーChris Millar特別インタビュー http://game.watch.impress.co.jp/docs/20010401/lod.htm (2001年6月29日)
[Reported by 中村聖司] I |
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