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★PS3 ゲームレビュー★

協力プレイにフォーカスしたシリーズ最新作
「WWE2009 SmackDown Vs Raw」

  • ジャンル:WWEアクション
  • 開発元:ユークス
  • 発売元:THQジャパン
  • プラットフォーム:PS3
  • レーティング:CERO:C (15歳以上のみ対象)
  • 価格:7,140円
  • 発売日:1月22日(発売中)




 「WWE2009 SmackDown vs Raw」は、米国のプロレス団体「WWE (World Wrestling Entertainment)」公認のWWEアクションシリーズ最新作。WWEが放映するテレビ番組「SmackDown」、「Raw」、「ECW」に所属するレスラーたちがリアルなグラフィックスで登場し、リング上で激しい戦いを繰り広げる。

 2000年以前は国内のプロレスファンでもコア向けといったイメージが強かったWWEだが、テレビの地上波での露出が増えるにつれ、スポーツ・エンターテインメントを知らなかった人たちにも少しずつ浸透。現在はCS放送またはケーブルテレビの「J Sports」のみと、一般層向けのアピールという点では若干後戻りした格好だが、2008年1月に日本法人WWE Japanが設立されるなど、日本国内向けの足場を再び固めつつある。

 ゲームは日本でもコンスタントに発売されてきたが、今年7月7日~8日に2年ぶりの日本公演「WWE SMACK DOWN LIVE」が武道館で行なわれることもあり、あらためて“WWEの最新事情”を反映した最新作に注目しないわけにはいかない。コアなファンはもちろん、WWEを知らなかった人、シリーズ作品を遊んだことがない人も、まずは本記事を参考に最新作をチェックしていただきたい。


■ 各ボタンに割り当てられた役割 ~スーパースターの動きを再現せよ!~

 本作は、コントローラーのボタンの大半を使用する。プロレスゲームが好きな人は無抵抗で受け入れられるだろうが、初心者や不慣れな人は、役割を確認しながら少しずつ身体に覚え込ませていくといい。

 基本操作は、左スティックでスーパースターの「移動」、□ボタンで「打撃技」、右スティック(上下左右)で「クイックグラップル」、R1ボタン長押し+□ボタン連打で最大3連続のコンボが繰り出せる。R1ボタン長押し+右スティック(上下)で「強グラップル」、R1ボタン長押し+右スティック(左右)で「アルティメットコントロールグラップル」。ダウンした相手の近くで×ボタン長押しで「グラウンド&パウンド」。

 相手ダウン中に右スティック下で「ピンフォール」、L1ボタン長押し+左スティックで「走る」、×ボタンで「凶器を拾う」、○ボタンで「ハンマースルー」、モメンタムゲージMAX時に△ボタンで「フィニッシャー」、得意技アイコン出現時に△ボタンで「得意技」。ロープからの跳ね返りや走っている最中に打撃やクイックグラップルを出すこともできる。

 ディフェンスは、L2ボタンで「打撃カウンター」、R2ボタンで「つかみカウンター」。リング上のアピールは方向キーを入力。起き上がり時にL2ボタン+R2ボタン同時押しで、打撃やつかみ技を回避する「ディフェンシブ・スタンス」。なお、デフォルトの操作タイプAは左スティックで移動するが、方向キーで移動する操作タイプBに変更することもできる。

 このほかに、特殊な操作がいくつかある。プロレスファンにはおなじみのターンバックルを外す「リムーブ・ターンバックルカバー」は、外したいターンバックルがあるコーナーに接近して×ボタンを押す。あとは、むき出しになった金具に対戦相手をハンマースローで投げつけるだけ。「ダイブ・セットアップ」は、ターンバックルに向かって相手をハンマースローし、そのままダイビング攻撃をする連続攻撃。ターンバックルに相手がもたれかかったら、接近して×ボタンを押すと発動。ただし、相手が背中をターンバックルに向けているときしか狙えない。

【打撃技】【グラウンド&パウンド】【凶器を拾う】
左アナログスティックまたは方向キーの上下左右で技が変化する ダウンしている相手の近くで×ボタンを長押し。受ける側は攻撃された瞬間にタイミングよくL1ボタンで返す 拾うときは近くで×ボタンを長押し。使うときは打撃ボタン。ラダーなどリーチがある凶器は頼りがいがある
【クイックグラップル】【強グラップル】【アルティメットコントロールグラップル】
右アナログスティックの上下左右で技が変化 R1を長押ししたまま右アナログスティック上または下 R1を長押ししたまま右アナログスティック左または右
【得意技】【フィニッシャー】
相手がふらついているときに狙いやすい 1発で勝負が決められる強力な技。ゲージMAXでストックをため、さらにゲージMAXと2ステップと準備に手間がかかる
【打撃カウンター】
打撃がヒットする直前に素早くL2ボタンを押すのがコツ。振りかぶるような打撃モーションは特に狙い目
【つかみカウンター】
こちらはつかみかかってくるモーション中にR2ボタンを押す。当然ながら、つかまれてからでは遅い


 ここまで目を通して「こんなにボタンを使いわけるなんて、難しくてできないよ!」という人もいるかもしれないが、実際にはそこまで難しいものではない。

 攻撃の基本は□ボタンと右スティックのクイックグラップルだし、相手が投げを狙ってくると思ったらR2ボタン、打撃ならL2ボタンでタイミングよくボタンを押してディフェンスすればいい。要領がつかめてきたら、○ボタンや走るでロープワーク、R1ボタンでより強い攻撃、起き上がりを攻められたときはR2+L2同時押しなど、すべての試合形式で共通する操作に慣れていく。試合形式によっては「ドアを開ける」など独自の操作方法が用意されているが、種類は多くないのでそれぞれ直前にチェックしておけばいい程度のものだ。

 カウンターや得意技(フィニッシャー)のタイミングは、画面左上のモメンタムゲージ下にインフォメーションが表示されている間にボタンを押せばいい。とはいえ、得意技(フィニッシャー)はともかく、R2やL2のカウンターは、インフォメーションを見ただけで反応するのはちょっと難しい……というか、慣れないうちは間に合わないことが多い。注意深く相手を観察していればモーションの初動で対応することは可能だが、それはある程度“予測”をともなうからこそ反応できるというもの。オンラインの対人戦では勝敗に大きく影響するし、プロレスは何より“受けの技術”こそ重要。相手の動きを見て反応できるよう、最初は少し離れた間合いから相手のアプローチを注意深く観察するところから始めてみよう。


 ゲームモードは、大別すると「EXIBITION」、「MY WWE」、「ROAD TO WRESTLEMANIA」、「GAME MODES」、「CREATE MODE」、「ONLINE」の7種類が用意されている。それぞれ内部にサブメニューがあり、試合形式のバリエーションは枚挙にいとまがないほど。ここでは、各モードの主だった特徴について触れていく。


■ EXIBITION ~好きなスーパースターを選んでプレイ!~

 自分やCPUが操作するスーパースターを自由に選んでマッチメイクできるモード。最大6人までのマルチプレイにも対応している。

 「ONE ON ONE(シングルマッチ)」、「TWO ON TWO(タッグマッチ)」、「TRIPLE THREAT(みつどもえ戦 )」、「FATAL-4-WAY(よつどもえ戦)」、「6-MAN(タッグやバトルロイヤルなど)」、「HANDICAP(1対他などのハンディキャップ戦)」、「ROYAL RUMBLE(10人、20人、30人でそれぞれ行なわれるバトルロイヤル)」といった7つの形式に、それぞれ「Inferno Match」、「Ladder」など、それぞれ細かい試合形式が選べるようになっている。

 細かい試合形式は約70種類で、アンロックしないと選択できないものもある。新設された「Inferno Match」のほか、従来シリーズから省かれたものも一部あるが、重箱の隅をつつくようなタイプでもなければ気になるほどではない。全試合形式をひととおりプレイするだけでも相当なボリュームがあるので、シリーズ初体験という人はまず「ONE ON ONE」の「Normal Match」で慣れておくことをオススメする。また、試合形式によっては決着がピンフォールとは限らない点にも注意。ルールによってフィニッシュまでのアプローチが大きく変化するのもWWEの魅力のひとつだ。

【ONE ON ONE】
ゲームを始めたばかりの人はコレで少しずつ慣れていくのがオススメ。新登場のInferno Matchなど計14種類
【TWO ON TWO】
一昔前と異なり、タッグ戦といってもさまざまなバリエーションが存在する。計10種類
【TRIPLE THREAT】
3つどもえ戦。勝利するには実力もさることながら“立ち回り”がとても重要になってくる。計8種類
【FATAL-4-WAY】
一瞬たりとも眼が離せない4人の攻防。混沌とした状況のなかから、ひとり抜け出して勝利をつかむのは相当難しい。計9種類
【6-MAN】
バトルロイヤル、タッグ、エリミネーションなど。6人という多彩な顔ぶれで行なえる試合形式。計6種類
【HANDICAP】
ひとりでふたり以上を相手にするハンデ戦。どれだけ実力差があっても、同時に複数相手はキツイの一言。計6種類
【ROYAL RUMBLE】
一定時間ごとに花道を通ってスーパースターが順次参戦。総参加者数が10人、20人、30人の3通りから選べる



■ MY WWE ~自分だけのWWEを作り、その映像を保存しよう!~

 メニューは「ROASTER EDITOR」と「WWE HIGHLIGHT REEL」、「OPTIONS」の3つ。「ROASTER EDITOR」は、ゲーム内のWWE構成を自由にエディットできるモード。スーパースター個人やタッグ別に、「SmackDown」、「Raw」、「ECW」といった各ブランドや所属チーム、ファンのリアクション(クリーンかダーティか)、タイトル保持といった項目が自由に変更できる。

 「WWE HIGHLIGHT REEL」は、ゲーム中に収録したプレイムービーを自由に編集できるモード。ムービーの保存は、試合中に気に入ったシーンがあったらポーズをかけてポーズメニュー内の「HIGHLIGHT REEL」を呼び出す。△ボタンでターゲットの変更(両もしくは各スーパースター、レフリー、リング、実況アナウンサー、解説者、客席)、□ボタンでカメラアングル(テレビ1or2、クレーンカメラ1~4、フロント1or2、フリー)を選択。それぞれカメラ位置と視点が変更可能だが、パンなど細かい操作は不可能。納得がいったところで×ボタンを押してセーブするスロットを決める。セーブスロット数は全部で20あり、セーブできるのはポーズ直後から15秒前まで。

 編集機能は、切り取り、コピー&ペースト、スローモーション、一時停止、アンドゥといった基本的なものから、グラフィック、サウンド、フィルタ、トラジションの追加、スクリーンショットの切り取りまで、必要とされるであろうものは一通り用意されている。サウンドは、メニュー内で□ボタンを押せばその場で再生しトーンを確認することが可能。テキストやロゴ、色調の変更やインアウトにフェード、実況、効果音、テーマ曲(カスタムサウンドトラック機能にも対応)など、ホームビデオよろしく自由に編集できるのがいい。ただし、ひとつのムービーに編集できるのは同一試合のセーブスロットデータのみ(再試合のものは可)で、異なる試合をひとつにまとめることはできない。

 最大編集時間は90秒。やや短いように思えなくもないが、ハイライトシーンを編集するには十分といったところ。作成した映像を後述する「ONLINE」モードで世界中のユーザーに公開することが可能で、90秒という制限はそうした環境を考慮したものと推察される。自分の編集にイマイチ納得できない人は、他ユーザーが作ったハイライトムービーを参考にしてみるのもいいだろう。

 「OPTIONS」は、ルール、ゲームの難易度、コントローラーのボタン配置などゲーム中の設定が細かく変更できるモード。後述するボーナスマッチの収録映像もここから閲覧できる。

【ROASTER EDITOR】
ひらたく言えば“俺団体”が作れるモード。ブランド、チーム単位の人員配置はもちろんベルトやタッグなど自在に設定できる
【WWE HIGHLIGHT REEL】
試合中にポーズをかけてメニューを呼び出す。アングルなどを決めたらセーブ。ポーズをかけた時点から15秒前までの映像が記録される
編集機能は必要十分。ホームビデオの編集に慣れている人なら楽勝かも。ただし、ひとつのムービーに編纂できるのは1試合のみで、トータル90秒まで。ハイライトシーンをジックリと編集しよう



■ ROAD TO WRESTLEMANIA ~レッスルマニア出場を目指すストーリーモード~

 TRIPLE H、CM PUNK、UNDERTAKER、JOHN CENA、CHRIS JERICHOといった5人のスーパースターからひとりを選んでプレイするストーリーモード。シリーズ初となる“ストーリーモードにおけるふたり協力プレイ”も可能で、使えるスーパースターはMYSTERIOとBATISTAになる。

 本モードは、各スーパースターが1年でもっとも重要なイベント「WRESTLEMANIA」に出場するまでの過程をプレイする。試合形式は、ONE ON ONE、TWO ON TWO、HANDICAPとさまざま。基本的にはワンマッチごとにイベントが挿入され、WWEらしい演出とともにストーリーが展開していく。スーパースター同士のかけあいなど、他のモードにはないエンターテインメント要素がふんだんにちりばめられており、WWEをよく知る人ほど楽しめること間違いなし。予備知識がない人は、頭をカラッポにして「コレはこういうものだ」と“あるがまま”を受け止めつつプレイしていただきたい(ファンタジーから愛憎劇まで、なんでもアリがWWEのリング!)。

 プレイ中に一定の条件を満たすと、他モードで使えなかったスーパースターなどがアンロックされる。単にクリアを目指すなら、エンディングまでそれほど時間を要さない。テンポがいいこともあり、もし5人のなかに好きなスーパースターがいたなら、このモードからゲームを始めてみるのもいいだろう。

WWE年間最大のイベント「WRESTLEMANIA」出場を目指す。実際の番組同様、バックステージで事件が起こったりとさまざまなイベントで楽しませてくれる。途中「○×を何秒で倒せ!」など設定された条件を満たすとロックアイテムが解除される



■ GAME MODES ~じっくり遊べるCAREER、TOURNAMENT~

 本モードは「CAREER MODE」と「TOURNAMENT MODES」といったふたつのサブメニューが用意されている。

 「CAREER MODE」は、好きなスーパースターを選んで試合を行ない、少しずつキャリアアップをはかるRPG的な要素を含んだモード。「MY WWE」同様にスタート時のメンバー構成などを変更するか、デフォルトのままゲームを始めるかが選択可能。試合終了後は、リング上の展開に応じてポイントやパラメータが加算されていく。一応はすべてのチャンピオンシップ獲得が最終目的といえるが、それにこだわらず好きなようにプレイできるのがいい。

 「TOURNAMENT MODES」は、好きなようにトーナメントを組んで遊べるモード。デフォルトのトーナメントで遊んでもいいし、タイトル、タイプ、参加人数、試合ごとのダメージ回復などを自由に設定できるエディット機能で自分たちだけのトーナメントを作成してもいい。エディットした自作トーナメントの設定は、ハードディスクに保存しておくことが可能だ。

【CAREER MODE】
試合をこなして少しずつキャリアアップをはかるモード。先に進むごとにAIの反応がシビアになるなど、アクションRPGふうに楽しめる。本モードもクリアするごとに一定条件でロック項目が解除されていく
【TOURNAMENT MODES】
トーナメントを自由に設定できる。モニターの前で友だち同士ワイワイやりたいときに最適。すぐ遊びたい人向けに「Quick Play Tournament」も用意されている



■ CREATE MODE ~創造力を刺激されるマニア向けの機能が満載!~

 開発元であるユークスの「エキサイトプロレス」シリーズから現在に至るまで、国内のファンで「エキプロやWWEといえばコレ!」という人も少なくない人気モード。「CREATE A FINISHER」、「CREATE A SUPERSTAR」、「CREATE AN ENTRANCE」、「CREATE A MOVE-SET」をそれぞれ好きなようにエディットできる。

 「CREATE A FINISHER」は、オリジナルの必殺技が作れるモード。通常、こうしたエディット機能は複雑になりがちだが、本作では各パーツの動きを1ステップずつ組み合わせるという簡単な方法で、多種多彩なオリジナルのフィニッシャーが作り出せる。ステップは最大10段階までの組み合わせが可能。古今東西のレスラーが駆使したフィニッシュホールドを再現するもよし、今までにない動きの組み合わせで、文字どおり“唯一無二の必殺技”を作るもよし。こうして作ったフィニッシャーは、後述の「CREATE A MOVE-SET」で既存もしくはオリジナルスーパースターに装備させることが可能だ。

 「CREATE A SUPERSTAR」は、オリジナルのスーパースターもしくはディーバが作れるモード。頭部(顔、ひげ、メイク、タトゥー、フェイスペイト、ピアス、レイヤー編集)、体(高さ、体型、ボディスキン、体毛、傷/ピアス、タトゥー、レイヤー編集)、コスチューム(ヘッドウェア、上半身、下半身、レイヤー編集)、その他(入場コスチューム編集、サインボード)に大別されており、それぞれサブメニューが用意されている。パーツやモーフィングの変化がその場で確認できるため、深入りすると本モードだけで余裕で1日が潰れてしまうほど。極端な話、このモードを使いこなせば、人間はもちろんアニメキャラや人外(!)さえも表現できてしまう凄まじい代物。

 これは筆者だけかもしれないが、本モードがあまりにも多機能なため、細かい部分までエディットしているうちに自分でワケがわからなくなってしまい、結局エディットの途中で放り出してしまうことがよくある。そんな人向けに、テンプレート設定が男女20人分ずつ用意されている。慣れないうちは、これらのテンプレートを使い少しずつコツをつかんでいくといいだろう。

 「CREATE AN ENTRANCE」は、イベントの華ともいうべき入場シーンをエディットする機能。スーパースター個人もしくはチームごとにエディットでき、手軽に変更したい人向けに「Easy Creation」、色調からパイロなど細部までトコトン作りこみたい人向けに「Advanced Creation」といったサブメニューがそれぞれ用意されている。スーパースターのエディットに比べると項目は少ないが、既存の入場シーンで飽き足りない人は、モーションから音楽まで徹底的にいじり倒せる。

 「CREATE A MOVE-SET」は、スーパースターごとに基本動作から打撃、つかみなどの各種攻撃、ロープアクションなどすべての動きをエディットできるモード。項目が英語表記でズラリと表示されるが、内容がわからないときは□ボタンを押すと画面上で実際の動きをサンプルモデルが再現してくれる。それぞれ好きな動きや技を選んでいくだけなので、他のクリエイト機能よろしく誰でも簡単に作れるのがいい。編集項目が多すぎて大変という人は、お気に入りのスーパースターを一部いじるくらいから始めてみるといいだろう。

【CREATE A FINISHER】
【CREATE A SUPERSTAR】
【CREATE AN ENTRANCE】
【CREATE A MOVE-SET】



■ ONLINE ~最大4人のマルチプレイに対応!~

 シリーズ最新作の売りは、なんといってもこのオンラインマルチプレイだろう。対戦には「Ranking Match」と「Player Match」があり、前者は勝ったプレーヤーやチームにポイントが加算される、いわゆるガチンコ勝負。後者はポイントとは無関係に楽しく遊びたい人向け。前項で触れたとおり、他プレーヤーが作成したHIGHLIGHT REELをダウンロードして閲覧することもできる。

 マッチ形式を決めたら、何でもいいからすぐに対戦可能な試合を見つける「クイックマッチ」、条件を設定して人数に空きがある試合をリストアップする「カスタムマッチ」、自分でセッションを作成する「セッション作成」から好きなものを選択。ここでゲームを始めたばかりの人に注意して欲しいのは、クイックマッチだと1対2or3で罠を張っている悪質なプレーヤーにひっかかってしまう可能性があること。ロクに確認もせずボタンを連打していると、ついそうした部屋に入ってしまうことがある。そもそもRanking Matchでセッション作成側がハンディキャップマッチを選択できることがどうかと思うのだが、それを悪用して楽にポイントを稼ごうと鴨を待ち構えて袋叩きにする卑劣な輩が少なくないので気をつけてほしい。

 試合形式は「ONE ON ONE」、「TWO ON TWO」、「3-Man」、「4-Man」から選択可能。それぞれ細かい試合形式が選択できるサブメニューが多数用意されており、ダイナミックなマルチプレイが堪能できる。試合のルール、使用アリーナ、自作スーパースターや入場シーンのON・OFFもセッション作成時に決めておける。個人的に入場シーンは省きたくないが、ゲームのテンポが遅れてしまうためか、OFFにしているセッションのほうが早めに人が集るようだ。

 タッグマッチの華といえば、やはりツープラトン攻撃。ボイスチャットに対応しているため、パートナー同士がONになっているなら声で合図もできる……のだが、いかんせん本作のプレーヤーは海外が大半を占めており、筆者の英語力では「Hey、Hey! Two Platoon!!」と叫ぶのが精一杯。パートナーが日本人ならもっと円滑にいくのだろうが、〆切寸前の現時点まで、筆者がオンラインで日本人プレーヤーと遭遇することは一度もなかった。ボイスチャットがないときは、こちらが有利なときを見計らい自軍コーナーでグロッキーにさせたり、グラップルのままアシストにきてくれるのを待ったりしたのだが、逆にライバルのカットを誘うことになったりと、なかなかうまくいかない。

 その一方で、たとえ偶然でもツープラトンが決まったときのカタルシスは相当なもの。パートナーともどもリング上で入り乱れる「Tornado Tag」形式だと特に狙いやすく、相手の片割れをリング外にハンマースローで放り出し、その隙に一気に狙うといったやり方で結構スパッと……いくはずなのだが、パートナーにその気がないと“片思い”状態で結構ションボリ。一方通行で成立しない点は恋愛にも通じるものがあり「なんでゲーム内でまでフラれまくりなんじゃい俺は!!」と血涙を流すこともしばしば。逆に連係がシッカリしたタッグと対戦すると、プレイ中にも関わらず「やるもんだなぁ」と敵ながら感心させられてしまう。

 本来であればオンラインプレイのレスポンスについても触れておきたいのだが、いかんせんプレーヤーの大半が海外ということもあって、まずオンラインステータスでアンテナ2本以上のプレーヤーを見つけること自体が非常に難しい。ただ、アンテナ1本の相手でも決してプレイできないわけではなく、多少のラグを感じつつもPlayer Match程度ならなんとかなる。ただ、Ranking Matchのようなガチプレイの場だと、シングルなら単純に不利だし、タッグだとパートナーに迷惑をかけることもあり、正直オススメしづらい。それでもTornade Tagやバトルロイヤルなど、リング上が混沌とする試合形式なら互角に立ち回ることもでき、あえて狙いにいくとすればそのあたりが無難だろう。

 ただし、本稿を執筆している時点で、オンラインランキング・トータル部門の上位200人以上が既にカンスト(カウントストップ=スコアが上限まで振り切れてしまっている)状態。それゆえ、個人的にはランキングやポイント云々にこだわらず遊ぶほうが、本作のオンラインプレイをより楽しめるのではないかと思う。

たいした手間の違いはないので、基本的にはカスタムマッチ→「セッションを検索」を推奨したい。1画面に4つしか表示されないが、左アナログスティックや方向キー下を押せば(他にセッションがあれば)順次スクロールしていく
アンテナ1本でもTornade Tagなどを選択すればそれなりにプレイできる。発売直後ということもあり、セッションを立てているのはほとんど海外の人だが臆せず飛び込むべし!



■ いわゆる「プロレスゲーム」が好きなら迷わずオススメ!

「レッスルマニア24」世界ヘビー級王座戦をフルHDクオリティで収録!
 WWEでは“プロレス”や“プロレスラー(レスラー)”といった呼称を意図的に避けているが、ここはあえて「プロレスゲーム」という言葉を使わせていただきたい。

 ここ数年、プロレスゲームいえば「WWE」シリーズの独占状態が続いている。かつては複数社から発売されていたプロレスゲームだが、国内ではプロレスというジャンルそのものが低迷しており、当面の新作は「WWE」シリーズ以外ほとんど期待できない状況だ。ジャンルにパワーがなければ、当然ゲームも「そんなの出しても売れないよ」となり先細りしていく。仕方ないことだが、ファンにとっては寂しい限りだ。

 スーパーファミコン時代には「よくもまぁ、こんなクオリティで世に出せたな……」といった最低最悪な代物まで存在したプロレスゲームだが、WWEシリーズはその“真逆”とでもいうべきハイクオリティで「この現状で、よくぞ日本語版を出してくれた!!」と感謝したい気持ちで一杯になる。スーパースターのモデリングやモーションは前作よりもクオリティが向上しており、動かしているだけで楽しくなる。試合形式や技の取捨選択にはコアなマニアから一過言あるかもしれないが、それは重箱の隅をつつくようなもの。贅沢なんてものは天井知らずで、言い出したらキリがないことにはあえて言及しないし、触れたくもない。

 それよりも何よりも、ファンにはこうした良質の作品を、点や一過性のもので終わらせず、みんなできちんと「サポート」してあげて欲しいと思う。ゲームに限らず、プロレスというスポーツ・エンターテインメントは、もはや放っておいても勝手に右肩上がりになるようなジャンルではない。「好き好きだし、そんなの知ったこっちゃねーよ」というのもわかるし、もしモノが悪ければ衰退するのは自然の摂理だが 本作のクオリティの高さはすでに言及したとおり。

 細かいところまで作られているし、日本語版発売と同時に配信が開始されたダウンロードコンテンツの内容も、価格相応のシッカリした代物。「レッスルマニア24」世界ヘビー級王座戦がフルHDクオリティで収録されているなど、充実した特典映像もついてくる。ゆえに多くのファンに存在を知って欲しいし、もし気に入れば手に取っていただきたいと思う。WWEが好きな人はもちろん、プロレスゲームが好きな人なら、チェックしておいて絶対に損はないはずだ。


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□THQジャパンのホームページ
http://www.thqgame.jp/
□ユークスのホームページ
http://www.yukes.co.jp/
□WWE Japanのホームページ
http://wwe.co.jp/
□「WWE2009 SmackDown vs Raw」のページ
http://www.smackdownvsraw.jp/2009/
□関連情報
【2008年12月8日】THQジャパン、WWEファンイベントで華麗なタッグマッチを披露
PS3「WWE2009 SmackDown vs Raw」
スーパースター「MR. KENNEDY」ミニインビュー付!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081208/wwe.htm
【2008年10月8日】THQジャパン、PS3「WWE2009 SmackDown vs Raw」
公式リングサイドチェアが当たるキャンペーンを実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081008/wwe.htm
【2008年9月25日】THQジャパン、PS3「WWE2009 SmackDown vs Raw」
オリジナル必殺技を作る「Create A Finisher」モードを紹介
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080925/wwe.htm
【2008年9月10日】THQジャパン、PS3「WWE2009 SmackDown vs Raw」
日本版トレイラームービーを公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080910/wwe.htm
【2008年9月8日】THQジャパン、WWEファンイベントに試遊台を出展
PS3「WWE2009 SmackDown vs Raw」
DIVA「マリア」、「ビクトリア」のミニインビュー付!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080908/thq.htm
【2008年8月27日】THQジャパン、PS3「WWE2009 SmackDown vs Raw」
新ゲームモードなどを追加して今冬発売決定
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080827/wwe.htm

(2009年1月26日)

[Reported by 豊臣和孝]



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