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会場:品川インターシティーホール
今年の6月より開催され、福岡、広島、名古屋、大阪、札幌と日本各地を回って開催されたオフラインイベント「エヌ・シー・ジャパンが行く!」が、今回の東京会場でついにファイナルを迎えた。会場の品川インターシティーホールには、6会場で最多となる622人ものユーザーが集まった。 イベントでは次期大型アップデート「セカンドスローンアルティメット 天空の覇者」の概要と実装予定日が2009年4月7日になったことをはじめ、今後のアップデートプランが発表された。また関東・東京地区のネットカフェ代表者がバトルロイヤルを繰り広げる「ネットカフェ最強決定戦」、90人のプレーヤーが参加する攻城戦「エヌ・シー・ジャパンからの挑戦状!」など様々なイベントも開催され、会場は大きく盛り上がった。
イベントの最後には韓国で正式サービスがスタートした「AION」を日本で2009年夏から展開することが発表された。全国イベントを締めくくる見応えのあるイベントとなった。
■ 天空の戦場へと続くアップデート。空中戦もついに実装
イベントでは各要素を詰め込んだムービーの公開の後、いくつかのイメージイラストを元にアップデートの内容を紹介するという展開になった。紹介は「リネージュ II」サービスチーム の長瀬健裕氏と、開発コーディネーターのシン・ミンス氏、そしてレポーター役のユン・スンミ氏の3人で行なわれた。 1枚目のイラストは雲の間を飛ぶ飛空挺。シン氏は「このイラストがアップデートの概要を示している」と語った。炎に包まれて落下しているような飛行型モンスターや、巨大な翼を持った人物の姿も見える。グレシア大陸へは飛空挺を使ってしか到達できないこと、描かれているモンスターはレイドボスなどで登場するということが紹介された。 2枚目のイラストはとげの生えた不気味な物体。植物にも、芋虫のような生き物のようにも見える。これはグレシア大陸に存在する「不滅の種」というものだという。この種の中はダンジョンになっており、プレーヤーは内部で戦いを繰り広げる。3枚目は不滅の種の内部のイラスト。生物の内臓のようにも見える不気味な部屋だ。このダンジョンはインスタンス形式になっていて、まずは内部の敵を殲滅し、その後はこの場を支配し続けるために襲いかかってくる敵から場所を守る展開になるという。 4枚目、5枚目は「破滅の種」というインスタンスダンジョンの外部と内部のイメージイラスト。炎に包まれた飛空挺と、鎌首を持ち上げた蛇のように直立する物体が見える。この物体が種だという。内部のイラストではトカゲ人間のような生き物と戦うパーティーが描かれており、彼らは竜族と呼ばれる種族で彼らと戦っていくことになるという。また、ここは一定周期で攻撃と防御が切り替わるインスタンスダンジョンになるという。 実装直後のグレシア大陸は封印されており、プレーヤーはまずこの2つの種に降り立つことしかできないという。この戦いの結果が、グレシア大陸全体に影響を及ぼす。大陸の形やレイドボスなども変わっていくという。 6枚目は空に浮かぶ大地のイラスト。「古の空中戦場」と名付けられた場所で、レイドボスとの戦いが繰り広げられるという。今までと違うところは、ここではプレーヤーは「オーラバード」という姿に変身することができ、レイドボスとは空中戦を繰り広げることになるという。
7枚目は「風竜リンドビオル」のイメージ。まだ公開できない秘密がたくさんあるそうだ。8枚目は「セカンドスローンアルティメット 天空の覇者」のメインビジュアル。手前のキャラクタのマントや、大きな翼を広げたキャラクタ、空に浮かぶフィールドと飛空挺の戦いなど様々な情報が込められているという。
■ 新ペットや結婚式などの今後の実装プランも明らかに
シン氏はこれまでのイベントで寄せられた意見について、70%が開発に関することで、狩場への要求や、バランス、ゲームシステムの仕様に関しての意見が多かったという。狩場に関しては「今までも少ないとは思わない」と語るものの、単調な狩りにならない仕掛けやバランスに関しては考えていくという。 22%がサービスに関すること。「リネージュ II」は追加課金による付加サービスを開始したが、これに関する質問や意見が多かったという。その他は「アデナを下さい」、「お金を下さい」など、さすがに開発に言うべきものでもない意見もあったそうだ。シン氏はこれらの意見をまとめて韓国へ行き、開発と打ち合わせを重ねたという。全国イベントの次の日はそのまま韓国に向かっていたそうだ。 その上で考えていくのが、日本のユーザーの意見を合わせていったコンテンツの開発方針である。それを象徴するイラストとして、着物や侍をイメージしたものを公開。その後はスタッフを交え、ユーザーの期待に応える今後のコンテンツを紹介していった。ユーザーの要求で多かったのが、パーティーや血盟で楽しめるインスタンスフィールドで、これらは次のアップデートで強化される。 攻城戦では、さらに範囲を広げた「領地戦」が次のアップデートから開始される。城を中心とした領地での戦いとなり、レベル40以上のキャラクタが戦いに参加できるという。領地戦は希望したプレーヤーのみが参加でき、参加したプレーヤーの名前は伏せられた状態での戦いが展開するという。今後の企画としては、この領地戦をさらに広げたサーバー間戦争も考えているという。 この他、キャラクタの髪型などを増やす場合は既存のプレーヤーも変えられるようにすることや、アバターアイテムやペットの追加が予定されていることなどが紹介された。また既存のキャラクタのグラフィックスのリニューアルは開発者も強く望んでいるが、まだ実現の流れはないものの、今後も実現に向けて要望は出していくとしている。
コミュニティの場としては、「酒場」を企画しているという。また、結婚システムを実現するための結婚式会場を開発していること、オークションシステムの希望が多いことも紹介された。シン氏は最後に「プレーヤーすべてが歴史の主人公になっているような感動を与えられるように、コンテンツを作っていきたいと思っています。ゲームを始めたばかりの時の感動をもう一度体験してもらいたいと思います」と語った。
■ バトルロイヤルの勝者はエアーズカフェ 大宮店。90人の戦いは結束力でアデン軍の勝利
「ネットカフェ最強決定戦 関東エリア 決勝戦」は、関東地区の予選を勝ち抜いたネットカフェの代表選手5人10チームが一堂に会し、バトルロイヤルを繰り広げるというもの。「エヌ・シー・ジャパンからの挑戦状! 拡大版」は会場で参加ユーザーを募って30人で1つの血盟を結成し、3血盟の90人が城の支配権を巡って戦うというイベントだ。 先に行なわれた「ネットカフェ最強決定戦」のルールは、復活なしのバトルロイヤルで、10分、15分、20分と時間経過ごとに試合会場がどんどん狭くなっていく。各タイムリミットで会場の外にいれば自動的に負けてしまうというルールだ。参加プレーヤー達は、蛙やウサギなどユニークな帽子をかぶり、蛙チーム、ウサギチームといった感じでアナウンスされた。 すべてのチームが敵というバトルロイヤル形式だが、試合開始と同時に動いたのはほんの数チームだった。多くのチームはじっと機会をうかがい、他のチームが攻撃していたチームを一緒に攻撃するという戦法を取っていた。逃げに徹するチームもあったが逃げるのを優先するあまり仲間へのフォローができず、少しずつメンバーを減らすというチームも多かった。 積極的に攻撃を行なっていたのが、魚チーム。他のチームはその目標に合わせて一緒に攻撃する、という戦法を取っていたために結果として後半まで活発な動きを見せていた。それでも多くのチームが静観を決め込む中、10分、15分と時間が経過していく。試合が激しく動いたのが20分。会場は極限まで狭くなり、プレーヤーが攻撃をすれば誰かに必ず当たるという狭さになって、範囲攻撃など今まで温存した力を一気に開放するという展開になった。 勝ち残ったのはウサギチームこと、「エアーズカフェ 大宮店」チーム。ほとんどのメンバーが生き残り、メンバー1人1人の結束力とプレーヤースキルの高さを見せつける結果となった。チームリーダーは「ここまでやれるとは思いませんでした、ありがとうございました」と語った。 「エヌ・シー・ジャパンからの挑戦状! 拡大版」は会場で募った90名のユーザーが3つの血盟にわかれ、立ちはだかるエヌ・シー・ジャパン軍と戦いながら城の支配権を争うというものだ。参加者は先着順だったが辞退者も多く出て、希望者からじゃんけんで勝ち抜きで補充されることになった。アナウンスが出た瞬間ユーザーが動き、スタッフが慌てて制止しなくてはいけないほどユーザーのイベント参加への情熱は熱かった。 3つの血盟は「アデン」、「エルモア」、「グレシア」という3つの大陸の名前を冠した血盟となった。立ちはだかるエヌ・シー・ジャパン軍はサーバーの名前を冠した12人の強力なキャラクタと、ボスモンスター、多数のNPCで待ち受ける。今回使用するキャラクタはレベル85で、「リネージュ II」プレーヤーが夢見る最強装備で戦う。 最初に城内に切り込んだのはエルモアの血盟プレーヤー達。しかし巨大ボス「ハリシャ」と「バイウム」、そして無数のNPCの弓兵に倒されてしまった。続くグレシア、アデン軍も倒され、血盟の陣地で力を蓄え集結するという展開になった。アデン軍はとにかく密集を重要視し、その勢いに他の血盟も協力して巨大ボスを倒し、さらに歩を進めていった。 目指すは城の奥にある「刻印の間」。ここでエヌ・シー・ジャパン軍はなだれ込むプレーヤーを必死に防ぎ、3つのプレーヤーの血盟を何度か撃退したが、ここでも固まって動いたアデン軍が血路を開き、刻印を成功させた。 ここから先はアデン軍が守る城を、他の血盟が刻印を狙うという展開となった。エルモア軍が波状攻撃でアデン軍を狙い、エヌ・シー・ジャパン軍が時には攻め、時には守って戦場をかき回していく中で、一時はエルモア軍が刻印の儀式を始めたものの、激しい妨害にあってなかなか成功できないという展開になった。
このままアデン軍が勝利かというときに、試合が10分延長された。刻印の間の周辺には、グレシア軍が少数到達するも各個撃破されるという動きが続いた。エルモア軍も粘り、エヌ・シー・ジャパン軍も刻印の間を占拠しようとするが、固まって行動したアデン軍が刻印の間を占拠。時間切れとなりアデン軍が勝利した。
■ スタッフの成長も楽しめた全国イベント。今後の展開にも期待
特に人気を集めていたのが、関連グッズやゲーム内アイテムが当たる「ガチャマシーンDX」だ。ランダムでアイテムがもらえるガチャもオフラインだと友人とその場で結果を見せ合うということで感触が違うようで、ガチャマシーンの周りで談笑するユーザーが多かった。 会場にはイラストなどのコンテスト作品の展示や、ゲームヤロウの「サドンアタック」やアラリオの「ドリフトシティ」といった「plaync」のチャネリングサービスでプレイできるタイトルの試遊台の出展、ELSAやZalman Techなどの協賛メーカーの商品出展も行なわれた。また小規模だが物販も行なわれており、フィギュアなどを買うユーザーもいた。30個限定の福袋は1時間足らずで完売してしまったという。 全体的にスタッフ達のチームワークと、イベントに慣れた手際のよさが印象的だった。クイズなどでユーザーが自然に注目したり、掛け合いに笑ったりイベント全体がスムースに進行したのも、6月から続けたイベントの成果だと感じた。イメージイラストの日本の意匠を取り入れた服装も興味深い。日本独自要素として期待したい。 次のアップデートは2009年4月7日ということで3カ月以上も先というのは、アップデートのタイミングとしては少し時間がかかっている印象を受ける。しかしローカライズだけでなく、日本ならではのバランスや、日本独自のイベントに力を入れているという昨今の実装状況から見ればスケジュール的にはこのくらいかと思う部分もある。 実際に全国の会場を回ってユーザーの意見を聞き、それを実装に活かしていくというエヌ・シー・ジャパンの方針は評価したい。今回公開されたアップデート要素は開発者のセンスを発揮した、興味を惹かれるものだった。領地戦にも期待したいし、企画中といわれるサーバー間戦争も是非実装して欲しい。
最後に、このイベントを進行させたスタッフには1プレーヤーの立場として感謝したい。会場を去る際にスタッフが一列に並びユーザーを見送ってくれたのだが、イベントを終えたスタッフ達の笑顔は充実感に満ちあふれているようにも感じた。来年も同社のイベントには期待していきたい。
□エヌ・シー・ジャパンのホームページ http://www.ncjapan.co.jp/ □「リネージュ II」のページ http://lineage2.plaync.jp/ □「エヌ・シー・ジャパンが行く!」のページ http://lineage2.plaync.jp/event/ncj2008/index.aspx □関連情報 【11月25日】「エヌ・シー・ジャパンが行く! in 札幌」開催 運営とファンの交流会、「サドンアタック」のチャネリングも発表 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081125/ncevent.htm 【10月27日】「エヌ・シー・ジャパンが行く! in 名古屋」開催 「リネージュ II」日本縦断イベントで最多の330人が来場 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081027/line.htm 【9月29日】NCジャパン、「エヌ・シー・ジャパンが行く! in大阪」開催 有料の付加サービス「トッピングサービス」を10月21日に実装 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080929/ncj.htm 【9月1日】「リネージュ II」イベント「エヌ・シー・ジャパンが行く!」広島会場開催 「サーバー引越しサービス」を有料で提供決定 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080901/line.htm 【7月28日】オフラインイベント「エヌ・シー・ジャパンが行く! 福岡」開催 「リネージュ II」の日本独自進化を強調。最強S武器など裏話も披露 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080728/ncj.htm (2008年12月24日) [Reported by 勝田哲也]
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