コーエー、決算発表会とテクモとの合併に関する説明会を開催 松原氏、「より充実した経営基盤と、大きな成長機会の獲得を実現」
11月18日 開催
株式会社コーエーは、「2008年度第2四半期決算説明会」と、「テクモ株式会社との経営統合に関する合同説明会」を、東証アローズにて開催した。コーエー側からは、代表取締役執行役員会長CEOの伊従 勝氏(決算説明会のみ)と、代表取締役執行役員社長COOの松原健二氏、常務執行役員CFOの浅野 健二郎氏が出席し、テクモ側からは、代表取締役会長兼社長の柿原康晴氏、常務執行役員兼テクモウェーブ取締役会長の阪口一芳氏が出席した。
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右写真左より、コーエー常務執行役員CFOの浅野 健二郎氏、代表取締役執行役員社長の松原健二氏、テクモの代表取締役会長兼社長・柿原康晴氏、常務執行役員兼テクモウェーブ株式会社代表取締役社長・阪口一芳氏 |
■ 「両社の強みを増幅させ、お互いを補完」する経営統合
この一連の説明会において、コーエーとテクモは、9月に「経営統合委員会」を設置し、経営統合へ向けた協議を進めてきたが、本日開催された両社の取締役会の承認のもと、本株式移転に関する「株式移転計画書」を作成し、両社の経営統合に関する「統合契約書」を締結した。これによれば、2009年4月1日に共同持株会社であるコーエーテクモホールディングスの設立によって、経営が開始される。株式移転比率は、コーエー「1」に対し、テクモは「0.9」となる。コーエーテクモホールディングスの傘下には、コーエーとテクモが完全子会社として併設される(上場は廃止)が、現在のコーエーとテクモの子会社に関しては、直接ホールディングスの傘下には属さず、あくまでコーエーとテクモの傘下に配される関係に変わりはないという。
コーエーテクモホールディングス株式会社 【代表者及び役員の就任予定】 |
役職 |
氏名 |
現職 |
代表取締役会長 |
柿原 康晴 |
現テクモ 代表取締役会長兼社長 |
代表取締役社長 |
松原 健二 |
現コーエー 代表取締役執行役員社長 |
取締役 |
襟川 陽一 |
現コーエーファウンダー取締役最高顧問 |
取締役 |
襟川 恵子 |
現コーエーファウンダー取締役名誉会長 |
取締役 |
阪口 一芳 |
現テクモ常務執行役員兼テクモウェーブ株式会社代表取締役社長 |
常勤監査役(常任) |
長田 延孝 |
現テクモ取締役兼テクモウェーブ株式会社取締役会長 |
常勤監査役(常任) |
森島 悟 |
現コーエー常勤監査役 |
監査役(社外) |
山本 千臣 |
現テクモウェーブ株式会社常勤監査役 |
監査役(社外) |
大内 卓 |
現コーエー非常勤監査役 |
松原社長は、「今回の経営統合の目的は、グローバルベースでより充実した経営基盤と、大きな成長機会の獲得を実現することにある」と合併について切り出し、
・テクモは40年、コーエーは30年間といった、長い時間の中で培ってきたさまざまな知的所有権、開発のノウハウといった強み。これをさらに増幅させること
・両社の事業を相互補完できるところを活かした事業戦略、成長
・エンターテインメントを取り巻く環境の多様化と、最新技術を導入しなければならない開発における効率化、管理部門全般の構造改革に伴う経営効率の収益性の拡大
・両社の多くの優れたエンジニア、ゲーム開発者、それをサポートするスタッフの個々の創造性の発揮と、成長に向けた融和性を通じ、より一層の飛躍を実現できる
以上を“確信”し、今回の取締役会の決議、本日の発表にいたったと経緯を語った。
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新持ち株会社は現コーエーの所在地に設立される。コーエーとテクモはその傘下に入ることになり、両社の規模を単純に合算すると、売上高411億円、総資産901億円という規模になる。新会社はシンプルな組織で、経営企画、財務、総務といった管理部門機能をシンプルにまとめた組織として体制を始めたいという風に考えているという |
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新持ち株会社は、「世界NO.1のエンターテインメント・コンテンツを創発する」というビジョンを掲げる。「今一番成長している市場は海外。この市場成長に対応するため、グローバル化を一層進めていく(松原氏)」 |
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新会社は、2011年度(新会社は決算期を3月に予定)、売上高700億以上、営業利益160億以上、経常利益は210億円以上を目標とする。ゲームソフト事業は新たなタイトルの創出、海外での顧客の増加、新しい技術の積極導入による開発力の強化などを狙う。オンライン事業ではタイトルラインナップの拡大、新規顧客の開拓、グローバル化の加速、サービスレベルの向上と事業展開を進めるとしている |
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モバイル事業では、ノウハウやインフラを共有し、サービスの強化と効率化を目指しつつ、タイトル開発の強化も狙う。メディアミックス事業、他社とのアライアンスも強化する。テクモが得意としてきたSP事業も、コーエーのタイトルとの連携も取り入れる |
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AM事業では、テクモの店舗での両社のコンテンツを利用したAM機器、景品の開発や、プロモーション活動などに利用を考えているという。両社のシナジー効果に関しては、まだまだこれからの部分も多いため、結果が出てくるのは翌年度以降に結実する可能性もある |
今後のスケジュールは、2009年1月26日に「株主移転計画承認臨時株主総会」を両社で開催、3月26日に両社の東京証券取引所上場が廃止され、4月1日より共同持ち株会社が設立、登記され、同日上場を予定している。今回の一連の話し合いに関して、松原氏は、「この2カ月、私が関わっている限り、紛糾するといったことはなかった」と振り返り、当初、テクモにアプローチしていた株式会社スクウェア・エニックス側とテクモサイドの話し合いに関しては、特に言及はなかった。
また、来場者からの質疑応答では「(元テクモの)板垣伴信氏とのコラボレーションの可能性はありますか?」といったものが飛び出したが、松原氏は「現時点ではまったくありません」と応えた。
■ 同時期四半期過去最高額を記録するも、金融市況の変動の影響次第で通期は大きく変動?
コーエーの2009年3月期第2四半期の決算に関しては、「売上高、営業利益において当期間における過去最高額(売上高126億2,700万円、営業利益32億2,200万円)を更新」するなどトピックがあったものの、連結業績予想に関しては、「発売予定タイトルの開発は予定通り進捗しているが、金融市況が大きく変動しており、当社グループが保有する有価証券について評価損が発生する可能性があり、現時点で見極めることは困難」とした。しかし、「エンターテイメント事業は不況に強いという意味でチャンスでもある」と代表取締役執行役員会長CEOの伊従氏は今後の事業に前向きな観測を述べており、今冬~来年発売のタイトルには注目していきたいところだ。
質疑応答では、先日の任天堂プレスカンファレンスにおいて発表された「戦国無双3」がWiiをプラットフォームに選択した理由、そして「無双シリーズはマルチプラットフォームを基本に展開するのか?」といった質問が出された。松原氏は、「多様化するニーズと、それにあったタイトルとプラットフォームを選択していく」と延べ、現状「戦国無双3」はWiiでの展開が予定されているのみと言及していた。
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PS3「真・三國無双5 Empires」(今冬発売予定) |
PSP「真・三國無双 マルチレイド」(今冬発売予定) |
PSP「Zill O'll ~infinite plus~」(12月25日発売) |
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DS「モンスター☆レーサー」(2009年1月22日発売) |
PS3/PS2/Xbox 360でコーエーが開発中の「ガンダム無双2」 |
「大航海時代」はPS3で開発が決定した |
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□コーエーのホームページ
http://www.koei.co.jp/
□テクモのホームページ
http://www.tecmo.co.jp/
□ニュースリリース(PDF形式)
http://www.koei.co.jp/html/press/pdfs/20081118keieitougou.pdf(コーエー)
http://www.tecmo.co.jp/company/pdf/20081118.pdf(テクモ)
□関連情報
【11月18日】コーエーとテクモ、経営統合に関する契約を締結
2009年4月に共同持株会社コーエーテクモホールディングスを設立
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081118/koei1.htm
【9月5日】コーエー、持株会社の設立へ
スクウェア・エニックスはテクモへのTOB提案を撤回
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080905/koei.htm
【9月4日】コーエーとテクモ、経営統合の協議を開始
テクモはスクエニからのTOBには賛同せず
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080904/kt.htm
【8月29日】スクウェア・エニックス、テクモに対し株式の友好的公開買付けを提案
和田氏「TOBはこれから。目的はグループとして一緒にやっていくこと」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080829/sqex.htm
【8月29日】スクウェア・エニックス、テクモにTOBを提案
テクモが同意すれば子会社に
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080829/sqex1.htm
(2008年11月18日)
[Reported by 佐伯憲司]
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