【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

東京ゲームショウ2008現地レポート

マイクロソフトブースレポート
サードパーティータイトルを中心に24タイトルをプレイアブル出展

10月9日~12日開催(9日、10日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ1~8ホール

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)
    小学生以下は無料


 マイクロソフト株式会社は、東京ゲームショウ恒例のステージイベントを廃し、100台以上の試遊台を配置して、試遊一色の展示を行なった。ラインナップは、サードパーティータイトルを中心に全24タイトル。ファーストパーティータイトルは、「Fable2」と「バンジョーとカズーイの大冒険:ガレージ大作戦」、そしてXbox LIVE Arcadeのみで、Games for Windowsタイトルはおろか、New Xbox Experienceすら出展しないというサードパーティーを全面に押し出した展開となっていた。

今回はハードの話題はなし。新作タイトルの試遊に特化したブースデザインだった
 これはファーストパーティーメインの出展構成だったソニー・コンピュータエンタテインメントとは対照的で、この施策のおかげで、ベゼスダ・ソフトワークスやユービーアイソフト、コードマスターズ、THQジャパン、Genterpriseなど、単独でブースを出展するほどのパワーはないものの良質なコンテンツを持つメーカーが、無事出展を果たすことができていた。

 出展タイトルのスクリーンショットについては煩雑になるのを避けるためにスクリーンショット集として別記事でまとめたのでそちらを参照いただきたい。サードパーティータイトルの内容については、各メーカーのブースレポートにて詳しく紹介しているので、本稿では同社のプラットフォーマーとしての取り組みと、Xbox LIVE Arcadeタイトルについてご紹介したい。


■ 過去最高レベルの粒ぞろいのラインナップを実現したマイクロソフトブース

ブースの約半分ほどのスペースを占めて大々的に出展されていたスクウェア・エニックスの2大RPG。手前が「スターオーシャン4 -THE LAST HOPE-」、奥が「ラストレムナント」の試遊コーナーだ
「ラストレムナント」は20分たっぷり試遊できた。Unreal Engine 3.0のハイクオリティグラフィックスに、河津秋敏氏らしい、幾重にもこだわりを入れた重厚なバトルシステム。フェイシャルモーションもクオリティが高く、顔の表情で心理状態を演出していた。河津ファン待望の大作RPGだ
「バイオハザード5」試遊コーナーは、レーティングがペンディングのためか、クローズドブース風だった
ブースではXbox 360の今冬のラインナップを収めた小冊子を配っている。必ずもらっておきたい
 9月の価格改定以降、Xbox 360の元気がいい。先日の基調講演で発表されたように、値下げ以降、ラインナップも充実してきたことから、売り上げが5倍に伸び、ハード、ソフトともに好調に推移しているためだ。昨夜行なわれた「XNAゲームクリエーターコンテスト2008」の発表会も盛況を博し、プログラマへの施策が順調に推移していることを伺わせた。

 マイクロソフトブースを訪れると「もうすべてのタイトルがおすすめです。ぜんぶ遊んでいってください」と担当者も元気いっぱいだった。上記の要素に加えて、9月1日に発表した強力なラインナップのほとんどすべてを、公約通り東京ゲームショウでプレイアブル出展を果たすことができたのだからそれも当然だろう。土日の一般公開日に、ユーザーを笑顔で迎える準備は万全といった印象だ。

 今年もっとも大きくスペースを割いていたのが「スターオーシャン4 -THE LAST HOPE-」(スクウェア・エニックス)の30台で、「ラストレムナント」(スクウェア・エニックス)の20台、「バイオハザード5」(カプコン)の14台、「ワールドサッカーウィニングイレブン2009」(コナミデジタルエンタテインメント)の8台がこれに続く。いずれも各メーカーの主役級のタイトルばかりであり、過去最高レベルの充実したラインナップだった。

 24タイトル中、実に半数の12タイトルが海外タイトルだが、非マスターバージョンながら、すべてローカライズされており、スタッフが必ず1名付いているため、まったくの初心者でも迷わず試遊できる。人気が高いのは、やはりスクウェア・エニックスの二大RPGを筆頭とした国内タイトルだったが、「プリンスオブペルシャ」(ユービーアイソフト)や「Fallout 3」といった、海外の大作タイトルにも長い行列ができていたのが印象的だった。海外タイトルの国内浸透度はなお一層増しつつあるという印象を強くした。

 気づいた点としては、「バイオハザード5」や「Fallout 3」など、先端のテクノロジーを駆使したゲームタイトルが続々投入される一方で、シューティングゲームや対戦格闘ゲームといった往年の人気ジャンルのラインナップがきわめて充実しているところだろう。Xbox LIVE Arcade向けにこれらのジャンルの名作が提供されるという流れは昨年からあったが、今年はフルパッケージ向けの新作が充実してきたところが大きな特徴と言える。

 シューティングゲームは、「オトメディウスG(ゴージャス!)」(コナミデジタルエンタテインメント)、「怒首領蜂 大往生 ブラックレーベル EXTRA」(5pb、Genterprise)、「ケツイ ~絆地獄たち~ EXTRA」(5pb、Genterprise)、そしてXbox LIVE Arcade向けとして「R-Type」のリメイクバージョン「R-Type Dimensions」も公開された。シューティングファンにはたまらないラインナップだ。

 一方、格闘ゲームも、初日から「鉄拳6(仮称)」のXbox 360への提供決定のニュースが話題を集めたが、このほかにも「ストリートファイター IV」(カプコン)がプレイアブル出展されて国内外の関係者の高い注目を集めていたほか、Xbox LIVE Arcade向けに、SNKの代表作「The King of Fighters '98 Ultimate Match」(SNK プレイモア)が、オリジナルのゲームモード「ドリームマッチ」をひっさげて登場する。シューティングファンと並んで、格闘ゲームファンにとっても要注目のプラットフォームになりつつあると言っていいだろう。

 なお、今年のCEROレーティングZ指定コーナーは、「Fallout 3」、「Fable2」、「Saints Row2」の3タイトル。これらはすべて12月の発売が予定されているが、これに今回は未出展だった「Grand Theft Auto IV」(カプコン)を加えた4タイトルが、人気を集める海外タイトルとなるのは間違いなさそうだ。

各メーカーから大作ばかりをかき集めてきたかのような、目移りしてしまう充実のラインナップが印象的だったマイクロソフトブース。しかもすべてプレイアブルというところを大きく評価したい

MSブース恒例のZコーナーは、3タイトルを出展。一番人気は「Fallout3」で、試遊した人全員に、核シェルターVaultのユニフォームを来たコンパニオンが携えている「Vault Boy」がプレゼントされる


■ Xbox LIVE Arcadeタイトルは「R-Type Dimensions」と「ロードランナー」に注目

Xbox LIVE Arcadeコーナー。わずか4台の出展だったが、ひっきりなしに試遊者が訪れる密かな人気コーナーだった
1番人気は「R-Type Dimensions」。やはり奥行きのある3D表示モードが斬新だ
「ロードランナー」は、プレスリリースでも触れられていない、お忍び公開。気づいた人はラッキーだ
 今年、Xbox LIVE Arcadeタイトルは、未発売の5タイトルをインストールした試遊台4台を配置して、来場者に自由に選ばせてプレイさせるという形式を取っていた。しかし、ほとんど全員が選択していたのは、先日のマイクロソフトの基調講演で初公開された「R-Type Dimensions」だった。

 「R-Type Dimensions」は、アイレムが1987年と1988年にリリースした「R-Type」、「R-Type II」にアレンジを施したシューティングゲーム。全14ステージを1人、もしくは2人で戦い抜いていく。2人プレイでは、ローカルプレイに加え、オンラインプレイにも対応。アーケードライクにボイスチャットで会話を楽しみながら、「R-Type」のネットワークプレイが堪能できる。開発元は、アイレムではなく米Tozai Gamesと米Southend Interactiveの共同開発となっており、パブリッシャーはマイクロソフト。

 「R-Type Dimensions」の最大の特徴はずばりアレンジ部分にあり、3種類のグラフィックスを搭載している。当時のものを原寸大で再現したオリジナルバージョンに加え、いわゆるHDクオリティに描画し直した3Dタイプ、そして3Dタイプのアングルを変えて奥行きを表現した3Dのカスタムバージョンの3種類だ。

 ポイントなのは、プレイ中にグラフィックスタイプをワンボタンで動的に切り替えられるところ。切り替えによるゲームプレイ上のメリットは絶無だが、「R-Type」を知る友人に切り替えシーンを見せることで「おおっ!!」と嘆声を漏らさせる、ただそれだけのために実装されており、その遊び心満点のこだわりぶりが素晴らしい。気になる配信時期、価格ともに未定だが、ゲームの完成度はすこぶる高いため、そう遠くない時期にリリースされることが期待できそうだ。

 もうひとつおすすめしたいのが、Xbox LIVE Arcade版「ロードランナー」である。これも「R-Type Dimensions」と同様に、米Tozai Gamesと米Southend Interactive、そしてマイクロソフトの3社のコラボレート作品となるが、同作が米国生まれであることを思い出させてくれるアメリカナイズされたオリジナルバージョンをベースに、幾多のリファインが施されている。

 実は2006年にニンテンドーDS向けに発売されたDS版「ロードランナー」の開発元もTozai Gamesであり、いわゆるハドソン版であるファミコン版に続いて、AppleII等のPC向けにリリースされたオリジナルバージョンのリメイクとなる。キャラクタの頭身のほか、ステージを構成する金塊や地面、ハシゴ、バーなどのビジュアルもリアルになっている。

 ゲームモードは、冒険モード、耐久モード、パズルモードなど、複数のゲームモードが用意され、Xbox LIVEを介したマルチプレイにも対応する。往年のファンとして嬉しいのは「歴史」メニューがあり、その伝説を知る貴重な資料が提供されるところだろうか。こちらもまた発売時期、価格ともに未定だが、発売が楽しみなタイトルだ。

【「R-Type Dimensions」】
実際にプレイしてみて高い満足感を得られた「R-Type Dimensions」。Xbox LIVE Arcadeは、日本でも5桁クラスのヒット作が生まれつつあるというが、大ヒットを予感させる佳作だ

□コンピュータエンタテインメント協会(CESA)のホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□「東京ゲームショウ2008」のページ
http://tgs.cesa.or.jp/
□マイクロソフトのページ
http://www.xbox.com/
□関連情報
【10月10日】マイクロソフト、東京ゲームショウ2008
Xbox 360スクリーンショット集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081010/msss.htm
【10月9日】マイクロソフト、「TOKYO GAME SHOW 2008 Microsoft Keynote」レポート
E3に続き「Halo 3:Recon」、「鉄拳6(仮称)」等、大量の新作を披露、“NXE”は11月19日導入決定!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081009/tgs_mskey.htm
【10月9日】バンダイナムコ、舞台は次世代機へ
PS3/Xbox 360「鉄拳6(仮称)」2009秋発売!!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20081009/t6.htm
【7月15日】米Microsoft、「E3 2008 Media Briefing」を開催
「FF XIII」、「Fallout 3」、「Rockband 2」など大量の新作を発表
Newダッシュボードとアバターを軸にした“New Xbox Experience”とは!?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080715/e3_ms.htm

(2008年10月10日)

[Reported by 中村聖司]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.