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会場:ヨドバシカメラ マルチメディア横浜
6月2日から開催された「MGS4ワールドツアー」は、「メタルギア」シリーズの生みの親である小島秀夫監督と新川洋司アートディレクター、ビューティ&ビースト部隊のモデルで登場している菊地由美さんのメンバーでヨーロッパ、北米など世界各都市でトークショーやサイン会を行なうという内容。今回は「MGS4ワールドツアー in JAPAN」の初日、「ヨドバシカメラ マルチメディア横浜」会場の模様を取材した。
小島監督は15分遅れで現場に登場。会場からは「コッジマ、コッジマ!」と「小島コール」が飛び、筆者も通行人から「芸能人でも来ているんですか?」と訪ねられるほどの熱狂に包まれた。
ワールドツアーのコメントを求められた小島監督は「ただいま海外から帰りました! 6月の頭からずっとワールドツアーをやっていて、再来週は香港、台湾、韓国とアジアに行ってきます。いつもは発売後に反響を受けるのですが、今回は発売前の反響も大きくて嬉しい。生きていてよかったと思うと同時に、世界のファンのあまりのパワーに生命の危機を感じました(笑)」とツアーの感想を語った。
■ MGS4 talkコーナー ワールドツアー報告の後は、テーマに沿ってトークを行なう「MGS4 talkコーナー」。ゲームの武器が手に入るパスワードの公開など、ネタバレな部分も多いネタが満載な小島監督たちのトークにファンは耳を傾けていた。
● テーマ「泣けた話」 小島監督「今回のお話は、どんなに強情な人でも3、4カ所は泣けると思う。菊池由美さんも会社でプレイをチェックしたとき、ずっと泣いていた(笑)」 菊池さん「サニーに弱くて、母親の話でジワッときた。ヴァンプとライデンの対決シーン(縦2分割画面になり、片面でゲームプレイ、もう片面でデモ映像が同時進行するシーン)は見ていられないので別の意味で泣けました」 小島監督「ヴァンプとライデンのシーンはカップルのために作りました。プレイしている人は見ていられないので、隣にいる人が見てください」 新川氏「僕はライデンが輸送機の機内で、スネークにすがりついて男泣きをするというシーンが泣けます。『MGS2』でライデンが登場してユーザーの皆さんに様々な反響をいただきましたが、今回は“ライデンも頑張ってほしいな”と思って泣いてしまう」 小島監督「ライデンは『MGS2』ではボロクソに言われて、『MGS4』でも主役を張れなかったので、あそこでかましてやろうと思いました。ただ、お話が悲しいから泣くというのではない部分もあると思う。 10年間「メタルギア」をやってきた人には、シャドー・モセス島のシーンやジジイ同士が戦うというシーンがグッとくると思った。自分の10年間とスネークの10年間がオーバーラップして感極まるという設計がうまい具合にハマり、「メタルギア」のファンに対してのプレゼントになったのではないでしょうか。小島プロダクションからコナミの別プロダクションへ行った人を呼んでやらせたら、新入社員の頃に来たときの事を走馬灯のように思い出して泣いていた(笑)」 ● テーマ「菊池由美さんに質問」 菊池さん「ビューティ&ビースト部隊のレイジング・レイブン役ということで当然“怒り”がテーマ。アフレコで怒りながら笑ったり、泣いたりするのが大変だった。モーションキャプチャーやフェイシャルキャプチャーも初めてだったので面白かった」 小島監督「菊池由美さんのテーマは“エロ怒り”。美しさの一線を越えてしまったところにある怖さというか……本当にキレイな人ってそういうとこあるじゃないですか。そこをうまくやってもらいました。アフレコでは過激にやりすぎたかも(笑)。まだテープは取ってありますので、完全版とか出るんだったら収録したいくらい」 新川氏「いつもはメタルギアの敵を紙の上でデザインするんですけど、今回は実際の女優さんをキャラクタとして作りあげていきました。メイクアップやヘアスタイルなどを設計できて楽しかった」 ● テーマ「意外な場面に監督が出演!?」 小島監督「『MGS4』のオープニングは、海外のクイズ番組や料理番組から始まります。あれは何かというと、ゲームを買ってきて何でTVが始まるんだ? という苦情をKONAMIに寄せてほしかったからです。反応はありませんでしたけど(笑)。そのうちの料理番組の中で1カットだけ、右端の方にこっそり僕がいます。モニターによっては切れて見えないかもしれないくらいギリギリです。 また、今回は僕もモーションキャプチャーをやりました。某シーンで、登場人物のメイ・リンと話している人が僕です。声も僕で、最初は顔も僕だったんですけど、それだけはやめてくれ! と変えてもらいました。 最後に、ある超能力を使うボス敵のシーンで天の声というのがあるんです。そこであるボタンを押すと僕の声で「久夛良木さーん!」という天の声が流れます。また『MGS1』でフォーカスという雑誌に『ある場所を撮影すると霊が映る』という記事が載ったことがありまして、今回は10年間小島プロで頑張ってくれた人を生霊として某場所に配置してあります。皆さん探してみてください」
■ 「MGO」単体版発売と世界大会開催が決定!
現在は「MGS4」に同梱されている「MGO」だが、7月17日に「MGO」の単体起動版が1,800円で発売される。サービス利用料金は無料。
松花氏によれば、今後「MGO」は拡張パックという形でステージや仕様、ユニークキャラクタの追加を展開していく形になるという。ユニークキャラクタは「MGS4」本編のキャラクタが拡張パックで遊べるようになる予定で、「1度だけではなく継続して拡張パックをリリースしていきたい」と松花氏は今後のビジョンを語っていた。拡張パックの発売時期に関しては、「数週間以内にお知らせできる」と述べるに留まった。
続いて、松花氏は「MGO」の世界規模のイベントである「METAL GEAR ONLINE WORLD CHAMPIONSHIP 2008」の開催を発表。詳細な予選スケジュールやレギュレーションは発表されなかったが、日本代表、アメリカ代表のように国単位で代表決定戦を行ない、その代表同士で頂上決戦が行なわれる形になるようだ。 松花氏は「誰でも参加できますが、まず仲間を見つけてほしい。コミュニティサポートのページも用意してありますので有効活用してください」と強調していたことから、個人戦ではなくチーム戦で行なわれることが濃厚と思われる。 また、「MGO」の世界大会はオフィシャルサポーターとして芸能人が参加している。会場では芸人のインパルス「板倉俊之さん」、さらにアメリカザリガニの「柳原哲也さん」と「平井善之さん」からのビデオレターが放映された。インパルスの板倉さんは会場の笑いを誘っていたが、アメリカザリガニのビデオレターはスベりまくりで会場の気力ゲージが一気に静まっていった。
最後に出演者からファンに向けてのメッセージが送られ、イベントは無事終了した。 松花氏「多くのユーザーが参加して成り立つ『MGO』。ユーザーの皆様に感謝。これからもたくさんの方を待っております。よろしくお願いします」 新川氏「『MGS1』から10年、最初は自分たちの好きな世界観で自分たちの好きなゲームを作れたらいいと始まって、こんなに多くの方に売れるゲームというイメージはなかった。回を重ねるごとに支持を得られるようになって本当に嬉しい。ありがとうございました」 菊池さん「横浜にこんなに人が集まってくれて嬉しいです。ビューティ&ビーストになれて本当によかった。『MGS4』と『MGO』をもっともっと遊んでみてください。私も『MGO』で参加できるように頑張ります。今日は長い間ありがとう!」 小島監督「『MGS4』はソリッドスネークの完結編なんですけど、皆さんの中ではスネークは永遠の物だと思います。1年、3年、5年と遊んでもらい、10年後にまた引き出しを開けてたまに遊んでいただけたらこんなに嬉しいことはないと思う。本当にありがとうございました!」
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□KONAMIのホームページ (2008年6月30日) [Reported by 福田柵太郎]
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