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会場:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ7番シアター
これは、「MGS4」内でスネークの敵として登場するBB部隊の「スクリーミング・マンティス」や「ラフィング・オクトパス」の脅威を映像化した、PMCによるプロバガンダ映像であることが後に小島監督から明らかにされた。続いて、スネークの独白が続くオープニング映像と実機プレイを交えたトレーラー、「MGS4」のTVCM(4編)が紹介された。 ■ 「MGS4」は旧来の熱いゲーマーに楽しんでもらえるタイトルになった
また、昨今はカジュアルゲームが全盛となり新しい市場が開拓されたことは素晴らしいと述べた上で、「これまでのゲームを支えてきたコアなゲーマーがいることを忘れてはいけないと思う。(『MGS4』は)腰を据えて遊んでくれるような旧来の熱いゲーマーに楽しんでもらえるタイトルになったと思う」と語った。 また、PS3を「SCEの久多良木氏が作った宇宙船」と例え、「PS3という宇宙船なら月にも行ける。月に到達したら、火星、土星とどこまでも行ける」としてPS3というハードで「MGS4」を作成した感動を表現した。 小島監督は「『MGS4』はメタルギアシリーズファンのためのゲーム。そして、ゲーム復興の願いを込めて、“こういうゲームもありだな”と思っていただければ幸いです。ありがとうございました」とあいさつを締めくくった。
■ さらに新たな事実が判明した「MGS4」ゲームプレゼンテーション ここでは実機のプレイ画面をスクリーンに映し、その模様を小島監督が解説するというプレゼンが行なわれた(残念ながら撮影禁止)。まず小島監督は、「MGS4」が複数のチャプターで構成されていることを紹介。今回のプレゼンでは第1チャプターの「Liquid Sun(液体の太陽)」をプレイ。各チャプターの冒頭には必ず、サニーという少女が目玉焼きを料理しているシーンが挿入されるという。この目玉焼きの数、黄身の崩れ方、焼け具合がそのチャプターを暗示しているという。「Liquid Sun」ではサニーが歌と数字を口ずさみながら2つの目玉焼きを焼いていると、一つが少しずつ崩れてくる。各チャプターを振り返ったとき、目玉焼きに込められた意味が判明すると思われる。 実機プレイは、中東でB国の民兵とPMC(民間軍事請負企業)が戦闘をしているおなじみのシーンからスタート。「Liquid Sun」はチュートリアルステージのようなもので、味方であるオタコンが逐一通信で武器やアイテムの使い方を説明してくれる。この通信は早送りやSKIPをすることが可能。戦闘モード選択の画面こそなかったものの、難易度はハードモードであることが説明された。ハードモードは、巡回兵が1人から2マンセルになっている、気絶させた敵が目覚めるのが早いなどの特徴があるという。 今作は一方の勢力を攻撃すると、その敵対勢力と協力することができる。だが、実機プレイではあくまで「『MGS4』の基本はスニーキング」ということで、序盤は民兵にもPMC兵にも見つからないように床や地面のテクスチャと同化できるオクトカムなどを活用。オクトカムのパターンは登録・保存可能で自分の好みの柄に体表を変えることができる。機能性を重視するかファッション性を重視するかはプレーヤー次第とのことだ。自分がどのくらいカムフラージュできているかはパーセンテージで表記される。 小島監督はここで、ストレス値について説明。中東の暑い日なたや臭いゴミ箱の中にいると、ライフゲージと気力ゲージの下にストレス値が出現。状態を放置しておくと、ストレス値が増加していく。ストレス値が増加すると、気力ゲージが減ってしまい、気力ゲージの減少はスネークの行動を制限するという説明があった。 続いて小島監督は、スネークの周囲を漂う円状の「スレットリング」についても紹介。スレットリングはしゃがむことで発生し、気配の察知を視覚化したシステム。敵の居る方向はスレットリングが波打ち、敵が近づくとその波は大きく盛り上がる。その方向に誰かいる、という気のようなものをゲームに盛り込んでいる。TGS2007の時点では、敵が接近すると赤くなっていたが、現バージョンで色が変わっているのは見えなかった。 ゲームは基本的に、マップ画面の◎で表示されるポイントへ進むことで進行する。「MGS4」ではマップ画面も改良され、2D表示からシームレスに3D表示ができるようになった。障害物の高さや地下ルートなどを判断し、ベストの探索ルートが探せるようになったといえるだろう。実機プレイでは小島監督が「やり直しはできないから慎重に!」とアドバイスし、ひたすら物音を立てないように進んだ。階上の穴から階下に降りるときも、縁にエルードしてから落ちることで物音を立てることなく降りて進んでいった。 民兵やPMCをCQC(近接格闘)で倒しながら進み、ゲームはオタコンの操作する味方キャラ「メタルギアMk.II」と遭遇するデモシーケンスに突入。メタルギアMk.IIは操作可能で、進行ルートの索敵、敵の気絶させることなどができる。このイベントでは麻酔銃と一緒に眼帯状の装備アイテム「ソリッドアイ」を入手。小島監督によると、ソリッドアイは暗視・望遠ゴーグルという機能だけではなく、人の足跡が明るく表示される(追跡に使用)、人間の感情をも読み取れる機能が付加されているという(デモ中では恐怖におののく民兵の感情がアイコンで表示されていた)。ここでの説明では同時に「サニーカメラ」についても触れられた。サニーカメラはメニュー画面の左端に映るライブカメラのようなもので、少女サニーが何をしているかを24時間保護者として観察することができるという。また、イベント中に過去作品に登場した事象に触れた場合、フラッシュバックボタンを押すことで関連した画像が映し出される機能も紹介された。 イベント後は、民兵のアジトをルートに選択。民兵のアジトでは、スネークが民兵の服を着て進むシーンも紹介された。民兵の服を着ると、カムフラージュ率に関わらず民兵からは味方と認識されるようだ。アジトでは体力と気力を回復させる「リゲイン」、スネークの携行アイテムでBGMを任意に変更できる「iPod(30GB)」などのコラボレーションアイテムが紹介された。「iPod」はクリックホイールの操作や楽曲情報の表示を忠実に再現、音源もゲーム内で拾うなどして収集するなどの要素が紹介された。会場ではMSX版メタルギアの「Theme of TARA」やHIDECHAN! ラジオで使用された「おいしいツーハン生活(歌:井上喜久子/菊池由美)」などに切り替えていた。明るい曲に切り替えるとサニーカメラのサニーが踊りだすという細かい演出も。 民兵のアジトを抜けると、猿を連れた「ドレビン」という男とのデモシーケンスがスタート。ドレビンは兵器の卸売販売業、使用不可能な武器のIDロックを解除する武器洗浄を行なう。今回のデモでは、ドレビンとは総称のことで、ゲームに登場したドレビンは「893号」と名乗っていた。ドレビンのデモでは、声優とともにモーションアクターも表示されることが判明。 ドレビンからM4ライフルについて語り合うスネークだが、スネークにはM4 ライフルのトリガーが引けなかった。ドレビンは引き金が引けない原因を「スネークの体内のナノマシン情報が旧型」であると指摘。スネークの素性に興味を持ったドレビンはスネークとビジネスをスタートする。 ここで、「ドレビンショップ」がオープンになる。ドレビンショップはオンラインショップということでメニューから入ることが可能。戦闘中でも弾薬などを補充することができる。ドレビンショップの通貨は、不要な武器を入手した際に発生するDP(ドレビンポイント)。新兵器の購入だけではなく、レーザーサイトやサイレンサーといった武装のカスタマイズの際にドレビンショップを利用できる。実機プレイではカスタマイズで「グリップを装着して、手ブレを補正する」という具合に武器を強化していた。 『MGS』シリーズの定番かくれんぼアイテムであるドラム缶(ローリングで敵を倒すことも可能)や段ボールなどの説明が終わると、今度はスニーキングではなくPMCを攻撃するさまざまな方法が紹介された。ドレビンショップで買ったランチャーのRPG-7やマップに設置してある迫撃砲で装甲車を破壊し、カメラのズームレンズのように着弾地点を調節できるXM25という兵器でヘリを撃ち落とすなどのプレイが披露された。こうして周囲のPMCを一通り倒すと周辺を制圧したことになる。小島監督からは、スネークの活躍の度合によっては民兵の頭にハートマークが出現して、民兵から英雄視される場合もあるという説明があった。
最後に「種子島」という銃が紹介された。これは100万ドレビンポイントが必要で、普通にプレイすると3周目か4周目でないと手に入らない武器とのこと。1発撃つごとに弾込めを行ない、そのリロード時間は長い。だが、何発に1度は巨大な竜巻(神風)を引き起こすことが可能で、周囲の敵を巻き込んで全滅させていた。しかも、その後には大量のアイテムが周囲に転がり、会場からも苦笑が漏れる。小島監督によれば、「ここまでのプレイで全体の15分の1」という。ちなみに、ロードは短いときは2~3秒で、長いときはローディング画面が入って10数秒といったところだった。
■ 「リゲイン」をはじめ多数のコラボレーションが発表! 「メタルギア ソリッド4」ビジネスプレゼンテーション その後、「ビジネスプレゼンテーション」コーナーでは、「MGS4」に関する各種コラボレーションアイテムが公開された。 ・「METAL GEAR SOLID 4」×「アサシンクリード」
・「METAL GEAR SOLID 4」×「Regain」
・「METAL GEAR SOLID 4」×「ソニー・エリクソン」 ソニー・エリクソン製のauの人気機種「W62S」が「MGS4」内に登場。会場では、「W62S」でどこかに通話するナオミ、スネークに額を撃ち抜かれながらも「W62S」を手放さずに通話を続けるヴァンプが放映された。 ソニー・エリクソン直営モバイルサイト「PlayNowキセカエ」の人気コンテンツ「頑張れサラリーマン」とのコラボレーションも実現。スネークや雷電がガーコを仕分けする(?)といったユニークなコンテンツが楽しめる。配信開始日は5月13日。価格は525円。
・「METAL GEAR SOLID 4」×「TRIUMPH」 イギリスの名門バイクメーカー・TRIUMPH(トライアンフ)とのコラボが前作「MGS3」に引き続き実現。会場では女性キャラクタのEVAがスネークと共にトライアンフの「Bonneville T100」に乗り、迫力のチェイスシーンを繰り広げているムービーが放映された。また同社の「Speed Triple」もゲーム内で登場することがアナウンスされた。
・「METAL GEAR SOLID 4」×「UT」 ユニクロが世界で展開するTシャツブランド「UT」と「MGS4」のコラボTシャツ。「メタルギア」シリーズの作品をモチーフに、新進気鋭のアーティストがデザインしたオリジナルデザインのTシャツ6種×2色が販売される。発売日は6月12日を予定。価格は1,500円。
・GA-KO ALARM CLOCK
■ ゲーム中に登場する南明奈さんも激励に登壇
南明奈さんは「昔から『メタルギア』シリーズは大ファンで、東京ゲームショーで小島監督にお会いできた機会からついにゲームに登場することができました。いろんなアクションゲームをやってきましたが、スネークはずば抜けてかっこいい。いろんな人に個人的におすすめしたいシリーズですよね」とメタルギアへの愛情を語った。また、小島監督から「MGOで僕と一緒にチームを組んで参戦する?」と聞かれると「ぜひ参加したいですね!」とMGO参戦への意欲を示していた。
■ 最後までドッキリさせられた謎のメッセージ 完成披露会のエンディングで小島監督は、「MGS4」のワールドツアーを行なうことを発表。ツアーの内容は定かではないが、欧州から米国の主要都市を回る壮大なツアーとなることが明らかとなった。最後に小島監督は「メタルギアソリッドシリーズにおいて、次世代に伝えたいことをテーマにしてきました。『1』ではGENE(遺伝子)、『2』ではMEME(文化的遺伝子)、『3』ではSCENE(時代)。そして、『4』では最も伝えにくい「SENSE」を伝えたい。『MGS4』は21年間の開発人生の集大成。我々のSENSEと皆様のSENSEが溶け合っていくような感覚を、『MGS4』を通じて知ってほしいです。ありがとうございました」と締めくくり、マスターアップの様子などの映像とともに、スタッフクレジットが上映され、披露会は無事終わりを迎えるはずだった。
ところが、真っ暗の劇場にテロップと音声だけが響く。「発売日当日のサプライズ、実行しますか?」、「秋葉原、ニューヨーク、LA……」、「全世界同時生中継……」などなど。そして「続編の件です……」といったこれまた思わせぶりなセリフ。このままおとなしく発売日を迎えるわけにはいかない、そんな雰囲気を醸し出しつつ、来場者は会場を後にすることになった。これからも小島プロダクションからは目が離せそうもない。
□コナミデジタルエンタテインメントのホームページ (2008年5月13日) [Reported by 福田柵太郎 /Photo by 佐伯憲司]
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