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★オンラインゲームレビュー★

脅威のレベルアップで、初心者も戦争参加可能
運営移管を経て、さらに熟成するMMORPG

「ナイトオンライン クロス
(KNIGHT ONLINE Xross)」

  • ジャンル:MMORPG
  • 開発元:MGAME/NOAH SYSTEM
  • 運営:エムゲームジャパン
  • 利用料金:無料(アイテム課金)
  • 対応OS:Windows 2000/XP/Vista
  • サービス開始日:正式サービス中



 エムゲームジャパンは、MMORPG「ナイトオンライン クロス(KNIGHT ONLINE Xross)」の大型アップデートを5月29日に実施した。このアップデートによりサーバー間戦争「ヘリウス戦争」が可能になった。

 本作は韓国MGAMEと韓国NOAH SYSTEMが共同開発したMMORPGで、日本では「ナイトオンライン」という名称で2003年の秋からサービスしていた。最初にテラ・コーポレーション、次にゴンゾロッソオンラインが運営を行なっていたが、4月9日にエムゲームジャパンに運営が移管され、今回のアップデートにより名称も「ナイトオンライン クロス」に改められた。

 「ナイトオンライン クロス」は運営移管をきっかけに、エムゲームジャパン内に開発スタジオを設けた。今後様々なオリジナルコンテンツを追加していくという。本稿ではレベル1から、戦争に参加できるようになるレベル45までの「ナイトオンライン クロス」を体験してみた。グラフィックスやシステムなどは最新のゲームとは違い、一時代前の印象を受けるが、早いレベルアップによる独特の“リズム”があり、韓国MMORPGの1つのトレンドを感じさせる作品となっている。


■ 基幹システムはベーシック。長期の運営期間、改善されたバランスで韓国産MMORPGの本質を問う作品

人間族のエルモラドと、魔族のカルス。プレーヤーはふたつの勢力に分かれて争う
デフォルトで空を見上げられなかったり、敵の挙動の不自然さなどプログラム面での洗練度の足りないところは感じるが、戦闘スピードは早く、軽快だ
ゲームスタート時にモンスターの腹の中から出てくる従者(食べられるところだったとのこと)、クエストなどをガイドしてくれる
 「ナイトオンライン クロス」は国家間の戦争をテーマにしたMMORPGである。プレーヤーは人間達が作る国家「エルモラド」か、魔族達が作る「カルス」に所属し、国家間の戦いを繰り広げることになる。

 プレーヤーキャラクタに用意されている職業は4種類。強靱な肉体で接近戦武器をふるう「ウォーリア」、弓とダガーを使う素早い攻撃が得意の「ログ」、強力な攻撃力魔法を使う「ウィザード」、そして回復呪文に秀でた「プリースト」である。どちらの陣営にも数種類の種族があるが、職業の制限があり、外見の選択肢はあまり多くない。

 職業に関しては、スキルタイプで方向性を追求できる。ウォーリアーは攻撃力を高めるか、防御力を高めるかを選択できる。ログはダガーを中心に戦うか、弓を使うか、ウィザードは「ファイアー」、「アイス」、「ライトニング」のどの魔法を伸ばすか、選択の幅は大きくはないが、成長すると独特の戦い方を身につけることができる。特にログは、接近戦重視と、弓を使って戦うキャラクタの動きは全く違ったものになる。

 本作の基本的な要素は、韓国産MMORPGの要素を踏襲している。フィールドに固まって存在しているモンスターを倒して経験値を稼ぎ、倒してレベルアップしたら次の場所に移動するという展開だ。レベルアップはポイントを割り振りながら成長していく。といっても装備には能力値の条件があるため、割り振りの自由度はあまりない。ソロ要素が強く、大量の回復ポーションを飲みながら狩りを続ける。狩りでより性能の高いアイテムをゲットするか、レベルアップスクロールで武器を強化、強化は失敗すると武器が壊れる等々、本作のルールは韓国産MMORPGをプレイしていればすんなりと理解できるものだ。

 システムはオーソドックスだが、実際プレイすると基礎的な部分での仕様に最初はとまどった。ダブルクリックしても攻撃が当たりにくかったり、NPCとの会話がダブルクリックでなく右クリックだったり、敵がこちらを攻撃するときにどういうわけか通り過ぎてから戻ってきたり……。これは本作の基幹システムが2003年以前に制作されたからかもしれない。最新の韓国産MMORPGと比べると、手法が洗練されていない、プログラム的な“古さ”が感じられるのだ。空を見上げられない所なども、数年前のゲームの仕様だ。

 しかし、こういった違和感を感じたのは最初だけで、プレイを続けていくうちにこれらの点は気にならなくなった。レベルアップのテンポ、キャラクタの成長の楽しさが小さな違和感を消してくれるのだ。どんどん成長し、ゲームとしての選択肢が増え、そして戦争参加の目標が近付いてくる。ゲームが追求すべき面白さは何なのか、プレーヤーを魅了する要素は何かを改めて考えさせられた。韓国産MMORPGが提供する楽しさは、プログラム的な古さは大きな問題ではないことを確認できたような気がする。

 レベルアップだけでなく、プレーヤー社会の“厚さ”も注目したい。本作は日本では6つのサーバーで運営されている。6つのサーバーにはそれぞれ覇者となっているクラン(ギルド)があり、フィールドでは彼等自身が作った旗がはためいている。強いクランのプレーヤーはマントを羽織っており、初心者プレーヤーの羨望を浴びている。長い運営期間を持ち、戦争を中心にした作品だからこそ体験できる風景だ。今後は、クラン戦なども予定されており、さらにサーバーを背負っての戦い「ヘリウス戦争」も大いに注目されそうだ。

 基幹システムが古くても、バランスや要素の追加でそれを補い、レベルアップを早くさせ、ゲームの目標である戦争へとユーザーを駆り立てる。プレイしてみて、「ナイトオンライン クロス」はこれまでの運営経験を活かした、“初心者が熱中できる作品”になっていると感じられた。

 2003年からスタートし、古参のプレーヤーも多い作品だが、ハードルを下げることで彼等と肩を並べて戦うことも可能になっている。戦場で活躍する高レベルのプレーヤーの姿は、初心者プレーヤーのあこがれとなるだろう。エムゲームジャパンは日本に開発スタジオを設け、今後も日本ユーザーに向けたコンテンツを追加していくことをアナウンスしている。「ナイトオンライン クロス」がどのような進化を遂げていくかに注目したい。

人間族のエルモド。外見の選択はあまり多くない
魔族は、はっきりと外見の違う種族が用意されているが、種族による職業の選択肢は多くない
ログのスキル、弓と短剣どちらかを育てていくことになる パーティープレイではウォーリアーは頼りになる壁役となってくれる ウィザードの攻撃魔法の威力は、他の職業とは比べものにならないほど高い


■ 1日でレベル30への到達も可能。ハードルを下げたパーティープレイとクエストで戦争参加のレベル45を目指す

パーティープレイ。その地点の出現モンスターを殲滅してしまうほどの攻撃スピードで狩りができる
パーティーシステム。既に組んでいるプレーヤーの名前がわかる。声をかけてまぜてもらうことも可能だ
 「ナイトオンライン クロス」はそのレベルアップの速さでユーザーを強く惹き付けるMMORPGだ。「このモンスターを10匹倒してこい」といったクエストが序盤から用意されているが、それを受けに街に帰るよりも、モンスターを倒し続けた方が効率が良いくらいレベルアップの速度が速いのだ。

 休日など集中してプレイできる時間を長くとれる人にとっては、1日でレベル30に達することすら可能だろう。戦争に参加できるレベルは45、コアプレーヤーならば1週間かからず到達することができる。レベルが40を超えると次のレベルへの必要経験値が跳ね上がり、レベルアップのスピードが鈍るが、大量の経験値を稼げるクエストも用意されており、なおいっそうレベルアップに励める。なによりも「戦争参加までもう少し」という気持ちがプレーヤーの熱意を後押ししてくれる。

 序盤はクエストを受けるために街に戻ることさえもどかしかったが、キャラクタが育ってくるとポーションを買ったり、装備を修理するために街に戻る必要が出てくる。そのときにクエストを進めればいい。クエストでは強力なアイテムも手に入り、また、武器強化などチュートリアルを兼ねたものも用意されていて、徐々にバランスがとれていくのを感じた。このクエストとゲーム進行のバランスは長い運営の間で丁寧に調整されているのを感じた。

 どこまでもソロで進められるのも、このゲームの特徴だ。しかし、本作はパーティープレイでは、さらにレベルアップ速度が増すのである。今回、筆者はカルスのログとしてプレイし、あるクランに入隊させてもらった。初心者を対象にした小さなクランだったが、そのおかげで他のプレーヤー達と楽しく成長することができた。

 この、クラン員パーティーでの狩りのスピードは、驚くべきものだった。本作はキャラクタの攻撃力が高めで、適性レベルモンスターでも倒すのにそれほど時間がかからないのだが、数人で攻撃した場合、一瞬で倒すことができる。次から次へとモンスターを倒し、その場所にいるモンスターを全て倒し次を待つ、というスピードになった。この狩りは非常に目まぐるしく、筆者は視点をぐるぐる回し、次に狙うモンスターを捜すというプレイになった。

 「ナイトオンライン クロス」のパーティーでの狩りは、経験値分配に大きな特徴がある。モンスターを1人で倒しても、パーティーで倒してもほとんど経験値が変わらないのだ。パーティーの平均レベルでこの数値が上下する。低いレベルのモンスターでも、パーティーの平均レベルが低い場合は習得経験値がアップする。また、クランでのパーティーの場合、レベル制限はないようで、10レベル以上違っても組むことができた。

 レベル40の成長速度が鈍ったプレーヤーにとって、パーティープレイは早いスピードで経験値習得ができる狩り方法だ。一方、低レベルプレーヤーにとっては驚異的にレベルアップできるチャンスになる。パーティープレイは万人にとって魅力的だ。

 一方で、このスピードの速い狩りは非常に効率が良い反面、1パーティーで狩り場を占有してしまう問題を発生させている。「ナイトオンライン クロス」は、狩り場が比較的狭く、狩り場不足を解消するためのチャンネルやインスタンスといった概念もないため狩り場の占有がおこりやすい設計になっている。また、パーティーだけでなく、高レベル冒険者がまとめて次々とモンスターを狩り続ける場合もあって、ゲームシステムだけでなく、ユーザー意識での問題も感じた。

 他のプレーヤーの狩りを一切許さないような、横柄な狩りをずっと続けている人もいて、嫌な思いをしているプレーヤーも少なくないのが現状だ。“RMT業者”なのではないかと疑う声も挙がっている。これらの誤解を解くためにも運営側の行動に期待したい。それと共に、パーティーで参加できるインスタンスの狩りゾーンがあればこの問題はある程度改善されるのではないだろうか。

 長期間サービスが続くオンラインゲームでは、上級者と初心者の間に大きな隔たりが生じてしまう。せっかくクランに入っても、レベル差が大きいため狩りを共にできず顔を合わせないメンバーも出てくる。しかし本作は、早いレベルアップと、パーティーシステムのハードルをかなり下げたことで、比較的広いレンジのメンバーが出会うことを可能にしている。戦争が目的のゲームで同じクランに入った以上、できれば肩を並べて戦いたいと思う人は多いだろう。本作は他のタイトルと比べると一緒に戦える可能性が大きい点を高く評価したい。

圧倒的な攻撃力がやみつきになるパーティープレイ。強大な敵を倒していける。各職業がバランス良く配置されると、狩りの安定度は跳ね上がる
レベル45までの冒険の地となるモラドン。一部の上級プレーヤーが狩り場を占有する問題も 戦争を待つエルモドのプレーヤー。光り輝くアイテムが彼等の強さを現わしている モラドンの街には上位クランの旗が。多くのプレーヤーの目標となる光景だ
モラドンの街周辺。多彩なモンスターが待ち受けているが、1種類ごとの棲息地域は小さい
モラドンも奥には強力な敵が登場する。右はレベル45から行けるカルス本国


■ 有料アイテムは経験値UPアイテムに加え、強力な武器・防具も。上級者は戦争で勝つために必須か?

見た目も独特のサイレントキラー。強力な武器で、序盤の筆者を支えてくれたのだが……
装備のアップデートは、モンスターから入手できるスクロールが必要となる。+3までは確率が高いが、失敗すると武器ごとなくなってしまう
 「ナイトオンライン クロス」の有料アイテムは「パワーアップショップ」で購入できる。パワーアップショップでの通貨はKP(ナイトポイント)を使う。このポイントを購入するためには、あらかじめエムゲーム内の通貨、Mintを購入する必要がある。

 Mintは1ポイント1円換算だが、MintからKPを購入する際、一度に多く交換するとボーナスがつく。KPは基本的に、1Mint=10KPだが、1,000Mintで11,000KP、10,000Mintで130,000KPという感じだ。どのくらいのボーナスが付くかは公式ページで確認できる。

 販売アイテムは大別すると、様々な機能を持つ「一般アイテム」と、「武器・防具」にわかれる。一般アイテムは一時的に能力を増すもの、外見を変えることができるもの、モンスターに姿を変えることができるもの、能力値の再分配ができるものなど、定番のアイテムが揃っている。

 中でも特徴的な有料アイテムが「プレミアム」だ。一定期間獲得経験値を上昇させ、敵のアイテムドロップの確率を上昇、修理費を安くするなど、冒険者にとって便利な効果がセットになっている。このプレミアムアイテムは非常に種類が多く、基本セットとなる15,000KPの「プレミアム」は30日間有効で、経験値20パーセント増、死亡ロスト時の減少経験値が3%、修理費50%下げといった効果がある。その“大盛り”バージョンである「ダブルプレミアム」は、効果はそのままで60日有効となり、価格は25,000KP。お試し用として「快適レギュラープレミアム」(15日有効、10,000KP)も用意されている。さらに「グレートプレミアム」(30日で25,000KP)は経験値が50%上昇し、アイテムドロップ率なども上昇。「ハイパープレミアム」(30日で32,000KP)は、獲得経験値が100%増(2倍)となる。

 このプレミアムは、プレイスタイルに応じて自由に選ぶことができる。もちろん一切使わずにプレイすることも可能だ。本作ではレベル40からレベルアップに必要な経験値が跳ね上がる。レベル60になると更にレベルアップが大変になるという。現在のレベルキャップは80だが、戦争で強さを発揮するためにはレベルが絶対的な指針となる。上級者に追いつきたいプレーヤーにとって、プレミアムサービスは魅力的だろう。

 武器、防具アイテムは課金型としては珍しく、完全に一般アイテムと同じ扱いの武器や防具を“購入”できるのが面白い。強力なだけでなく、ラーメン屋の暖簾のようなツーハンドソード「受け継ぎし伝統」や、串に刺したオデンそのままのスタッフ「ディス・イズ・オデン」といったユニークなアイテムも販売されている。

 これらのアイテムは、通常アイテムよりも入手が容易で使いやすいのが特徴だ。筆者はマシンガンにしか見えない射撃武器「サイレントキラー(15,000KP)」を購入したが、通常の武器より攻撃力が高めで、さらに炎の属性がついており、レベル40近くまで頼りになった。

 しかし、有料アイテムは強力だが、使い続けるためには一般アイテム同様、パワーアップをさせなければ、いずれ力不足になる。アップデートの成功率は一般アイテム同様、+3までは100%成功するのだが、+4以上は失敗する可能性がある。本作の場合、アップグレードに失敗するとその武器は壊れてしまい、消滅してしまうのだ。このルールは有料アイテムも同様なのである。

 筆者はサイレントキラーを+5にしようとして失敗した。その瞬間、サイレントキラーは消えてしまった。有料アイテムが壊れてなくなってしまうのは、一般アイテム以上の喪失感があった。有料アイテムはアップグレードがなくなるだけで現物は残っていてもらいたい、というのはゲームバランスを考えるとわがままなのだろうか。15,000KPが一瞬でなくなってしまったのは精神的ダメージが大きかった。

 アップグレードを高い確率で成功させる「トライナの切れ端」というアイテムも有料アイテムとしてあるのだが、1回で15,000KPも消費するため、さすがに使えなかった。上級者の貴重なアイテムならば投入できる金額だと思うが……。強さに合わせて複数の値段のアップグレードアイテムを用意して欲しいところだ。

 「ナイトオンライン クロス」では7月3日まで「エムゲームではじめナイト」というキャンペーンを行なっており、能力値を一時的に上げる有料アイテムをレベルアップに合わせてプレゼントしてくれる。有料アイテムの効果は、やはり強力だ。ヒットポイントが倍以上になったり、防御力が大きく増したり……戦争の時、活躍したければ非常に魅力的だろう。

 「戦争に勝つためにはお金が絶対に必要なのか」という疑問はわくが、けっして湯水のようにお金を使いパワーアップをしたプレーヤーだけが幅をきかすゲームでないと思っている。やはりRvRで大事なのは、リーダーがいかに的確に軍団に指示を出せるか、構成員が自覚を持って戦場で活躍できるかが大きいはずだ。有料アイテムはより上を目指すプレーヤーにこそ必要なのだという印象を受けた。

有料アイテム。定番から、ユニークなものまで揃っている。本作では有料アイテムをそのまま露店に出すことができる。有料アイテムをゲーム内通貨で売ることが可能なところは賛否がわかれるところだ
冒険を大きく助けてくれるクエスト。運営の長さでバランスの良さを感じさせる 本作は武器で冒険が大きく楽になる。ゲーム内通貨で武器をレンタルすることもできる 値段が高いが、ステータスリセットもゲーム内通貨で可能だ。こういった機能を課金のみにするタイトルが多いが、選択肢があるのはうれしい


■ 中間地帯と国の防衛(侵攻)戦、2つの舞台のある戦争と、1週間単位で行なわれる様々なイベント

時間と共に戦争が開始される。プレーヤー達が次々と戦場へのゲートをくぐっていく
今回何度も入れられた監獄。じりじりと解放の時を待つ
ルナ谷のマップ。数パターンの中から、前回の敗戦国が投票で選ぶ
 「ナイトオンライン クロス」の最大のセールスポイントは「戦争」である。本作では、レベル45になると戦場への参加が可能になる。戦争にはレベル45から上限無しで参加できる「ルナ戦争」と、レベル45~59までのプレーヤーが参加できる「ダークルナ戦争」がある。ルナ戦争は水曜と土曜の21:00~23:00、ダークルナ戦争は日曜の21:00~22:00までだ。

 残念なのは、「ナイトオンライン クロス」ではこのように、戦争やイベントを積極的に行なっているものの、公式ページでほとんど紹介されていない。今後、公式ページの充実に期待したい。今回、参加できたのはルナ戦争だ。毎週水曜日に行なわれる戦争で、レベルの上限のない、高レベルユーザーが参加できる戦争だ。筆者のレベルは45、戦争に参加できる最低レベルだ。何の貢献もできなくても、とにかく戦いを見てみたい、という気持ちで参加してみた。

 戦争は21時より始まる。「ルナ谷」という専用マップで行なわれ、各所に配置されている第1守備大将、第2守備大将、守門大将というNPCを倒すことで勝敗が決まる。戦争時にはラグの軽減のために専用の姿に変わる。筆者は魔族側に所属していたのだが、周りのプレーヤーが人間にしか見えなくなったり、最初はとまどった。さらに戦闘が始まるといきなりプレーヤー達が走り始めたことにびっくりした。

 全員がログの加速スキルか、加速アイテムを使っているようで、みんな速い速い。古参プレーヤーばかりのようで、ぴかぴか光る武器は頼もしいのだが、何が起きているかわからない。引き返すプレーヤーもいて前にいるプレーヤーの数が少なくなったかと思ったら、いきなり戦闘のまっただ中に飛び込んでしまい、範囲攻撃を食らって倒されてしまった。

 復活すると、「監獄」に閉じこめられていた。出口はなく、次々と倒されたプレーヤーがテレポートしてくる。まさかこれで戦争は終わりでは……と思ったが、一定時間で監獄の扉が開き、解放された。監獄にいたプレーヤーはまた一目散に走り出していく。どうやら、スタート地点から、いくつかのルートで侵攻し、同じように突っ込んでくる敵とぶつかる、というのがルナ谷での戦闘のようだ。

 筆者のキャラクタは弓使いのログ、遠距離キャラクタである。Zキーを押すと自動的に近くの敵にロックオンする。戦場の外側でZキーを連打、敵が見つかったらスキルで攻撃する。敵にほとんどダメージは与えられないのが歯がゆかったが、味方の攻勢に一緒に走ったり、敵の集団に飲み込まれたりと、多人数戦ならではの戦いを体験できた。

 何度も倒され、監獄に戻っているうちに、いきなりカルス本国に送還されてしまった。どうやらルナ谷の戦いでは我が国は敗れてしまったようだ。戦争はこれで終わりではない。ここから始まるのが「防衛戦」である。カルス側のプレーヤーは各所にあるゲートを使ってテレポートして、侵攻してくるエルモラドを迎え撃つことになる。

 やはり劣勢なのか、拠点である城以外は追いつめられる戦いが多かった。いくつかの拠点には「モニュメント」というポイントがあり、これを破壊されるとエルモラドのものになってしまう。エルモラド側のモニュメントを破壊すると再びカルス側のものになり、「貢献度」が入手できる。この貢献度は戦争のためのポイントで、使うことで戦争で有利になるアイテムなどが購入できる。また、クランの等級を上げるのに大事なポイントだ。貢献度は敵を倒すことで入手でき、倒されると失う。参戦条件ギリギリのレベル45で参加した筆者は、モニュメント奪還で得たポイントもすぐに失ってしまった。

 カルス国の防衛戦では、防衛ポイントが限られているだけに、ルナ谷よりも戦闘に参加できた。面白いのが、突然本国に攻め入られる場合だ。どんなルートで突っ込んでくるのだろうか。何度か参加することで戦闘のリズムを覚えられると思った。敵のルートを予測できれば戦いはもっと面白くなりそうだ。一時は本拠地のモニュメントも奪われてしまうほど追いつめられたが、監獄のように待たずにすぐ戦闘に参加でき、押したり引いたりがよりダイナミックで、楽しかった。

 今回は右往左往するだけでまったく役に立てなかったが、やはり戦争はプレーヤーのモチベーションを大きく上げると感じた。実際戦闘に参加してみると有料アイテムの重要さも思い知らされた。HPを増す効果のあるアイテムは、なければ一瞬で倒されてしまうところだった。日曜日に行なわれるダークルナ戦争は上限がレベル59に設定されている。レベル差が大きくないだけに、今回とどのように展開が変わるかも楽しみだ。

 「ナイトオンライン クロス」は戦争がやはり楽しい。上限がレベル59までというダークルナ戦争はまた違った展開になるとのことで、プレーヤー達は様々な戦いと戦術を楽しめそうである。戦争でもクランリーダーにずいぶん色々なことを教えてもらった。カルスの上級プレーヤー達もとまどう筆者の質問に親切に答えてくれた。クラン以外ではレベル差があるとパーティーが組めない仕様なため、上級プレーヤーの“連携”を直接体験できないのは残念だったが、初心者を暖かく迎えてくれたのはうれしかった。

ルナ谷での戦闘。敵に遭遇するためにはお互いが長い距離を移動し、ぶつかることになる。時には本拠地近くまで攻め込まれることも
ルナ谷の敗北でカルス本土が戦場に。谷以上にプレーヤーが集中しやすく、迫力のある戦いを体験できた

 今回体験できた戦争以外にも、4等以上のクランが参加できる「テロス攻城戦」が日曜の22:00~23:00に、限られたギルドが参加できる「忘れ去られた神殿」、レベル35から参加できる「国境守備戦」、レベル45から参加できる「ビフロスト」が毎日行なわれている。

 ビフロストは特別なフィールドで狩りが可能になるイベントだ。規定時間に“ビフロスト守護塔”への攻撃が可能になり、破壊した国家に所属しているユーザーは1時間早くビフロストに進入可能になる。ビフロストではレアアイテムを出す「切れ端」という特別なドロップアイテムが出る。1時間後にもう一方の国家も進入可能になり、ここで戦いが繰り広げられる。

 デロス攻城戦は、クラン達が城主を決めるべく争う戦い。「攻城兵器」を使った激しい戦いが繰り広げられるという。忘れられた神殿は高レベル冒険者向けの先着32名まで参加可能な特別ダンジョン。時間内に全てのモンスターを殲滅し、生き残れば報酬を得ることができる。

 また、レベル70から参加できるタイムアタック「イスルラント」というコンテンツもある。こちらは各国家8人までの参加で、敵国を妨害しつつ、最奥部で待ち受ける“デバ・バード”の撃破を目指す。というものだ。上級はこういったイベントを積極的に楽しんでいるようだ。

 「ナイトオンライン クロス」はやはり“戦場までのハードルが低い”というところに大きな特徴があると感じた。戦争は参加プレーヤーが多くなるほど楽しくなる。コアプレーヤーの多くは新しい参加プレーヤーを待っている。本作は、初心者プレーヤーに対してユニークなアプローチをしている作品だと感じた。6つのサーバーによるプレーヤー層の厚さも魅力だ。オンラインの戦争世界に、参加してみてはいかがだろうか。

(C)2008 MGAME JAPAN Corp.


【「ナイトオンライン クロス (KNIGHT ONLINE Xross)」】
  • CPU:Pentium III 800MHz以上(Pentium 4 1.4GHz以上推奨)
  • HDD:5GB以上推奨
  • メモリ:512MB以上(1GB以上推奨)
  • ビデオカード:GeForce/RADEON 64MB以上(GeForce/RADEON 128MB以上 推奨)

□エムゲームジャパンのホームページ
http://www.mgame.jp/
□「KNIGHT ONLINE Xross」のページ
http://knight.mgame.jp/
□関連情報
【5月29日】エムゲームジャパン、WIN「KNIGHT ONLINE」
アップデートで新戦争システムを実装。タイトルも変更
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080529/knight.htm
【5月15日】エムゲームジャパン、WIN「KNIGHT ONLINE」
正式サービス開始。大型アップデートを5月29日に実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080515/knight.htm
【4月23日】エムゲームジャパン、MMORPG「KNIGHT ONLINE」
プレオープンテスト用クライアントを先行公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080423/kol.htm
【4月16日】エムゲームジャパン、WIN「KNIGHT ONLINE」
負荷テストなどを目的としたプレオープンテストを実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080416/knight.htm
【4月9日】エムゲームジャパン、「KNIGHT ONLINE」の運営移管を発表
日韓共同開発体制で再出発する「KNIGHT ONLINE Xross(クロス)」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080409/knight.htm

(2008年6月12日)

[Reported by 勝田哲也]



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