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ディズニー・インタラクティブ・スタジオ、映画「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」
プロデューサー、マーク・ジョンソン氏インタビュー
「ストーリーがよく描かれていて、1作目より断然良くなっている!」

【「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」】
Wii版 6月発売予定、DS版 5月22日発売

価格:Wii版 6,090円、DS版 5,040円

CEROレーティング:B (12歳以上対象)

【映画「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」】
5月21日 (水) 公開


映画のシーン。前作よりアクションが多く、ハードな作品に仕上がっているという
カスピアン王子役のベン・バーンズさん。記者会見に先駆け行なわれた日枝神社でのヒット祈願・出陣式では日本伝統の儀式にちょっと戸惑ったとか。初来日ということで、色々な意味で新鮮な経験となったようだ
 ディズニー・インタラクティブ・スタジオは、5月21日から全国超拡大ロードショー公開される映画「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」を題材としたゲームをWiiとニンテンドーDSでそれぞれ発売する。発売はWii版は6月を予定、ニンテンドーDS版は5月22日を予定している。価格はWii版が6,090円、DS版は5,040円。CEROレーティングはB (12歳以上対象)。

 映画「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」は、イギリスの作家C.S.ルイスの名を不動のものとした「ナルニア国物語」7部作の映画化プロジェクトの第2作目に当たる。スケールの大きな物語であるため映像化は不可能とされたが、ディズニーが映画化を実現。前作は2006年に公開され全世界で興行収入約800億円、日本では560万人を動員し興行収入は68億円を記録した。

 第2次世界大戦下のイギリス。ペベンシー家の子ども達……ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーの4兄妹は田舎の屋敷へと疎開する。その屋敷のある部屋に置かれた重厚な衣装だんすの扉をルーシーが開けるとそこは神秘の王国、ナルニアだった。しかしナルニアは、美しいが冷酷な“白い魔女”によって決して春の来ない永遠の冬に閉じこめられていた。ペベンシー兄弟はナルニアの王となる自らの運命を知り、民と協力し白い魔女をついには打ち倒す。4兄妹は偉大なる王と女王として迎えられ平和と幸福をもたらした。

 しかし、歳月が流れる中でペベンシー兄弟は見えない力により衣装だんすから元の世界へと戻されてしまう。ナルニアでは数十年を過ごしたはずだったが、元の世界ではなんと数分しか経過しておらず、成長していた姿は元の子供のままの姿に戻ってしまった。

 「カスピアン王子の角笛」はこの後の物語となる。

 今回の映画でナルニアは前作から1300年も時間が経過し、強大な戦力を持つ人間の王国テルマールの侵略にあえなく敗退し、滅亡してしまっていた。わずかに生き延びた民達は森の奥深くで身を潜めていた。ところが運命は、ナルニアの救世主の証であり「伝説の4人の王」を呼び戻すと言われる“魔法の角笛”をテルマール人の王子であるカスピアンに託してしまった。カスピアンは同胞のテルマール人と助けを求めるナルニアの民との間で思い悩む。

 そのころ元の世界になじめずにいたペベンシー家の四兄妹は、ナルニアに想いをはせていた。彼らはナルニアが1300年を経て滅亡したことも知らずに。しかし、魔法の角笛がまたも彼らをナルニアに導くこととなる……。

 今回の作品では人間に支配され魔法が失われたナルニアに、魔法を取り戻す物語となっている。プロモーションのために来日したプロデューサーのマーク・ジョンソン氏は「本作は非常にアクションも多く、魔法の部分も多いですが、迫り来る危機……危機感というものが非常に強いと思う。内容は第1章よりも複雑でありながら非常に洗礼されたものになっています」と今作を表現。前作に比べ“激しい”作品に仕上がりつつあるようだ。というのも3月頭の段階でCGなどの処理を行なわなければならない1,600カット中600シーンしか完成していないという、未だ制作途上であったため。しかし記者会見で公開された映像は美しく、また迫力に満ちたものだった。

 記者会見ではカスピアン王子を演じたベン・バーンズさんも出席。何千人もの候補者からオーディションで選ばれたというバーンズさんは、王子役に抜擢されたことについて「ニュージーランド、プラハ、ポーランド、スロベニアなどで7ヵ月間撮影に参加し、とても素晴らしい経験になりました。『ナルニア』の完成を心待ちしている方と同様に僕自身も非常に興奮しています。子供のころから原作本が大好きだったので、この作品の完成が非常に待ち遠しいです」とコメント。

 「カスピアン王子の角笛」では乗馬シーンや戦闘シーンなど激しいシーンが多く、馬術や剣術の訓練も大変だったと想像されるが、バーンズさんによると苦労は他にあったのだという。「乗馬や剣術のレッスンはとても楽しみながら受けましたが、一番大変だったのはCGで制作されているキャラクタ達と会話するシーンでした。俳優がグリーンのスーツを着て撮影する場合もありましたが、とても素晴らしいキャラクタであるリーピチープ (ネズミの族長で、CGで描かれている) と会話するシーンなどは、実際にワイヤーの先にオレンジの点が付いてる状態で、自分の想像力を豊かにしなければなりませんでした」と何もないものと演技しなければならない難しさを経験したようだ。

 そして映画の公開と同時期にWiiとニンテンドーDSでそれぞれゲームが発売される。Wiiでは美しいグラフィックスで映画を再現すると同時にWiiリモコンを使った直感的な操作でアクションを楽しめる。DSではタッチペンだけで戦闘からキャラクタの移動までこなせる気軽に楽しめる作品に仕上がっている。

 今回は映画のプロデュースを担当したマーク・ジョンソン氏の共同インタビューをお伝えする。


プロデューサーのマーク・ジョンソン氏。様々なヒット作を生み出してきたが、ゲーム化されるような映画は今回のシリーズが初めてなのだという
―― 完成したゲームをもうご覧になってますか?

マーク・ジョンソン氏(以下:マーク氏) まだ完成していない途中のものまでしか見てませんね。

―― 制作途中のものでもかまわないのですが、ゲームを見てみた感想を聞かせてください。

マーク氏 第1作目の映画「ナルニア国物語 -/第1章- :ライオンと魔女」をゲーム化したときよりも全然よくできているという感想を持ちました。それは、前作のゲームより今作の方が映画に近いストーリー性を持ったゲームに仕上がっていると感じたからです。また、ストーリー性があると言う風に感じました。ストーリーを色々な方法でクリアしていくことができるのも良いところだと思います。僕としては面をクリアしていくだけのものより、ストーリー性を持つものの方が好きなんです。

―― ゲーム化にあたってマークさんの方からなにか要望など出されるようなことがありましたか?

マーク氏 ゲーム化に関しては監督のアンドリュー・アダムソンがものすごく関わってて、色々なアドバイスやリクエストを出していました。アンドリュー自身はゲームファンではなく、それほどゲームをプレイしないようなのですが、ゲーム自体が独自に楽しめる作品となるようにとすごくこだわっていたようです。ただ映画に沿っただけの作品ではなく、ゲームとして成立するようにというこだわりはあったようです。

―― 今回タイトルに「カスピアン王子の角笛」とあるように主人公は王子で四兄妹はサブキャラクタの位置付けだと思うのですが、ゲームの中ではプレーヤーが16人のキャラクタを操作することができると聞いています。それに関してプロデューサーや監督としてどういった観点からアドバイスされたのか教えていただけますか。

マーク氏 メインのキャラクタが16人と言うわけではなく、常に16人でプレイできるわけではありません。部分でカスピアン王子以外のキャラクタを使用することもできるということです。16人が同じ比重でストーリーが進むわけではありません。

―― なるほど。ですが、映像を観た感想としてはカスピアン王子が中心だと思ったので、16人ものキャラクタが登場するとストーリーの描き方が散漫にならないかと感じたのです。

マーク氏 実は今回の映画の中でもそうなのですが、カスピアン王子ももちろん非常に重要なキャラクタなのですが、同時に王子と同じくらいペベンシー四兄妹が大事な役割となっています。1作目ではあの兄妹達が主人公だったわけで、彼らのファンも沢山います。僕から見ればカスピアン王子とペベンシー兄妹の5人が中心的なキャラクタと捉えています。

―― 「ナルニア国物語」は小説を原点として映画、ゲーム、フィギュアや様々な方向に広がりを見せていますが、そういった中でプロデューサーとしてゲームはどういった位置付けと考えていらっしゃいますか?

マーク氏 実は私は長い間プロデューサーをしているのですが、今まででゲーム化された映画というのは「ライオンと魔女」だけなんです!! 今まで「レインマン」ですとか「グッドモーニング,ベトナム」など非常に成功している映画はたくさんあるのですが、ゲームにはなってなかったのです。

 ですから「ライオンと魔女」の時は初体験で、ある意味どうやってゲーム化を進めて良いのかわからないところもあったのです。その経験があって、非常に多くのことを学びました。ですから、こういった非常に大きなスケールを持った映画を作る場合、原作もあってゲームもあってグッズがあり、色々なものがある中で、それぞれが……ゲームならゲームとして……楽しめるかということを、僕たちは一歩下がって客観的に判断することが非常に重要だと感じました。

―― 「カスピアン王子の角笛」の映像を拝見したのですが、非常に多くの新キャラクタが登場するとのことでした。特にリーピチープが活躍すると言うことですが、ゲームの中でも活躍するのでしょうか?

マーク氏 リーピチープは2章において活躍しますが、実は第3章の「朝びらき丸 東の海へ (仮題)」の方でもっと活躍するのです。彼はすごく出番がありますし、ゲームの中でも彼は非常に重要な役割を担っています。とにかく彼はナルニア人として最も高貴な最も勇敢な騎士であり、2フィート (約60cm) のネズミなのですが、ものすごくまじめで常に真剣なのです。しかし、その真剣で、高貴なところが逆に我々を笑わせてくれる所でもあるんですけどね。

 彼の声を担当しているのは英国では有名なEddie Izzardというコメディアンです。彼はコメディアンですが、今日のニューヨークタイムスには「シリアスな役も演じることができる」と論じられてましたね。

 ―― 最近のCGを多用した映画では、映画とゲームで共有できるデータがたくさんあると思いますが、そういった点については撮影時からゲーム開発会社とやり取りされていましたか?

マーク氏 実は今回の映画を3D (立体映画のこと) で作ろうかといった話もあったのですが、制作を断念しました。でも将来的にはそういったことも考えています。

 ―― なるほど、大変面白いお答えだったので、それはそれでアリなのですが (笑)、質問としてはCGのデータの共有があったかと言うことなのですが、いかがでしょうか?

マーク氏 なるほど、CGデータの共用ですね。失礼しました。共有した部分もあるのですが、実は難しかったのはCG作業を行なったのは3つの違った会社だったんです。同じシーンでも3つの異なった会社が関わっている場合、特許などの問題で共用したくないといった話があったんです。結構そういった点では複雑で難しかったです。

 ―― 映画とゲームとどちらを先に楽しむべきでしょうか?

マーク氏 本当にゲームが面白いものになれば、どちらを先に楽しんでもらってもぴいのですが、今はまだ判断できない部分もありますので、まずは映画を楽しんでもらえればと思います (笑)。

 ―― 最後にゲームファンへのメッセージをもらえますか?

マーク氏 1作目の「ライオンと魔女」に比べずっとエキサイティングになりドラマチックになりました。「ライオンと魔女」はどちらかと言えば女の子にウケる要素が多かったのですが、今回は男性にもウケる要素が増え、よりアクションも多くなっています。そして大人向けの要素も含まれていると思います。映画もゲームも楽しんでもらえればと思います。

ジョンソン氏はゲームに大きな関心を寄せ、ディズニー・インタラクティブ・スタジオのスタッフに多くの質問を浴びせかけていた



 Wii版の「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」は、映画をベースにしたアクション。映画のシーンを美しいグラフィックスで再現している。さらにゲームでは、1作目の映画と「カスピアン王子の角笛」のあいだを埋める、どうやってナルニアが滅びていったのかといったオリジナルストーリーも収録されている。

 映画に登場するカスピアン王子をはじめペベンシー兄弟や“もの言う獣”など総勢16人ものキャラクタ達でプレイすることが可能。またグリフォン、巨人といったサブキャラクタが登場し、これらのキャラとチームプレイを通じて各面をクリアしていくミッションも登場。ミッションは60以上も用意されている。

 Wii版で面白いところとしては、ゲーム中にいつでも2プレーヤーが参加できるという点。ゲームの途中からでも協力プレイを楽しむことができる。

 操作はWiiリモコンで敵をなぎ払っていく直感操作を採用。剣や斧、やり、弓といった様々な武器が登場するが、それぞれに見合った操作をWiiリモコンで実現している。またWiiリモコンの機能を活かした「アップル・アーチェリーゲーム」、「ジャイアント・ボーリングゲーム」といったミニゲームも収録している。

【Wii版】
Wii版では非常に美しい映像で映画の世界を再現している。Wiiリモコンを使用して各種武器に応じたアクションが用意され、直感的にゲームをプレイすることができる。また、カスピアン王子以外に前作で活躍したペベンシー兄弟など16人ものキャラクタを操作することができる

 ニンテンドーDS版はジャンルで言えばアクションRPG。映画をベースにしたストーリー展開をタッチペンを使った簡単な操作で楽しむことができる。ただ、映画そのままのストーリーではなく、オリジナルイベントも用意されている。プレイアブルキャラクタはカスピアン王子をはじめペベンシー兄妹など総勢16名にも及ぶ。複数キャラクタによるコンビネーション攻撃も可能となっており、組み合わせによって必殺技の内容も変わってくるという。

 操作方法は移動から攻撃まで全てタッチペンで行なうことができる。戦闘もタッチペンで行なうのだが、画面に表示される剣の動きをなぞったり、弓を使った攻撃ではタッチペンで弓を引き的を射抜くなど、武器の特長をタッチペンの特性に上手く落とし込んだ操作方法となっている。

 特定のイベントシーンでは上画面にストーリーが表示され絵本を読むようにゲームを進めるなど、印象的なシーンをDSの2画面を使用して上手く表現している。

【ニンテンドーDS版】
映画のストーリーをなぞるかたちでゲームが展開していくが、オリジナルイベントなども用意されている。複数キャラクタのコンビネーションプレイが可能となっており、組み合わせによって用意された必殺技を使用することもできる


THE CHRONICLES OF NARNIA, NARNIA, and all book titles, characters and locals original thereto are trademarks and are used with permission.
(C)DISNEY/WALDEN

□ディズニー・インタラクティブ・スタジオのホームページ
http://www.disney.co.jp/interactive/
□映画「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」のページ
http://www.disney.co.jp/narnia/
□ゲーム「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」のページ
http://www.disney.co.jp/interactive/narnia/narnia2.html
□関連情報
【3月11日】ディズニー・インタラクティブ・スタジオ、映画「魔法にかけられて」ケヴィン・リマ監督インタビュー
「娘が楽しんでプレイしているからこのゲームは成功なのさ」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080311/mahou.htm
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ドロシー・マッキム プロデューサーが語るゲームの魅力
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20071218/lewis.htm
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「C.S.ルイスが生きていたらゲームクリエイターになっていたでしょうね」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060303/narnia.htm

(2008年4月24日)

[Reported by 船津稔]



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