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3月13日 発売 価格:5,040円 CEROレーティング:A (全年齢対象)
【映画「魔法にかけられて]】
映画「魔法にかけられて」は、魔法の存在する“おとぎの世界”と“現実世界”のニューヨークを舞台にした物語。魔法の国「アンダレーシア」では、まさにエドワード王子とジゼルの結婚式の直前。幸せなムードが溢れていたが、それをよく思わない者がいた。それは女王でありエドワード王子の継母のナリッサ女王だった。エドワード王子の結婚により王位を追われると考えたナリッサ女王は、ジゼルを「“永遠の幸せ”などかけらもないところ」に突き落としてしまう。 ジゼルが降り立った「“永遠の幸せ”などかけらもないところ」とは、なんと現実の世界……現代のニューヨーク。ジゼルが行き交う人に尋ねても冷たくあしらわれ落胆していたところを助けたのは離婚訴訟専門の弁護士ロバート・フィリップだった。夢の世界に住むジゼルとのギャップを感じながらも徐々に心を開いていくロバート。しかしそんな中、ジゼルを救うためアンダレーシアからエドワード王子も現実の世界にやってくる。さらにナリッサ女王も2人を追ってニューヨークにやってきた。 現実の世界で様々なものを見、感じたジゼルは徐々に今まで感じたことのない感情を抱くようになる……。 「魔法にかけられて」では、“おとぎの世界”をアニメーションで描き、“現実世界”は実写で描くという手法でメリハリのある作品に仕上げている。ファンタジー世界を舞台にした映画をたくさん撮り続けてきたディズニーならではの作りで、セルフパロディともいえる展開も用意されており、ディズニーを知れば知るほど楽しめる内容だ。夢が溢れる作品ではあるがただそれだけに終わらず、最後にジゼルの下す決断が身近に感じられる選択であることがこの作品の魅力となっている。 そして、映画の公開にあわせニンテンドーDS用ソフトが発売となる。ゲームは映画同様魔法の国“アンダレーシア”と現代のニューヨークを舞台に、ジゼル、エドワード王子、ピップによる冒険物語が描かれる。
今回は、「魔法にかけられて」の監督を務めたケヴィン・リマ氏への映画とゲームに関しての共同インタビューが行なわれたのでお伝えしたい。ケヴィン・リマ氏は子供の頃にアニメーションに興味を覚え、大学ではアニメーションを学び独立系のアニメーション制作に携わった後、ディズニーに入社。「リトル・マーメイド」、「美女と野獣」のキャラクタデザインを手がけ、「ターザン」で監督を務めた。その後、「102」で実写監督も経験。演劇の演出も手がけるようになった。
ケヴィン・リマ氏(以下:ケヴィン) ディズニーとしてゲームの開発側にお願いすることは、まずキャラクタが忠実に描かれていることですね。映画の世界観よりゲームの世界観の方が大きい場合もあると思います。その点については理解しているのですが、ゲームの開発者側のキャラクタへの理解がきちんとなされているようにということはお願いしています。なぜならば、映画の中でキャラクタが反応するリアクションについて、ゲームの方でも同じように反応して欲しいと思うからです。それさえ守っていただければ、私としては満足することができます。映画の中の世界観と同じ世界観を捉えながら、拡大・拡張していくことはかまわないのですが、世界観が一致していると言うことが重要なのです。 ―― 完成したゲームをプレイした感想をお聞かせ下さい。 ケヴィン氏 そうですね……正直に申し上げますと、シマリスのピップのレベルまでは非常に単純な操作なので進むことができたのですが、ゲーム全体と言うところでは、私はそこまでゲームが上手くないので先に進めませんでした(笑)。このゲームでは映画の世界が非常に単純化され展開されていますね。 私はアニメーター出身であるためビジュアルを重要視する傾向があるので、ゲームということでグラフィックスなどを見てみるとニンテンドーDSの小さな画面で描かれているという点が少し残念ですね。ただ、私の8歳の娘はこのゲームを大変気に入って遊びつくして楽しんでいました。そういった意味ではこのゲームは非常に成功していると思います。 ―― あまりゲームをプレイされないと言うことですが、監督の今までのゲーム経験と、「魔法にかけられて」のゲーム制作にどれほど関わられたのかをお聞かせ下さい? ケヴィン氏 私が映画「ターザン」を手がけたときに音楽の作業で少し時間が空き、その時に「スパイロ・ザ・ドラゴン」をプレイしましたね。子供向けならプレイできるんですよ(笑)。 ゲームの開発側との打合せは合計3回ほど行ないました。私は元々アニメーターでアニメの監督もしているということで、ゲームの制作が時間のかかるものであると言うことを十分理解していました。ですから私としては極力早く会って、(制作を) 早く始めた方が良いということはわかっていました。そういった経緯もあったので早い段階で会議に出席しました。 「魔法にかけられて」のゲーム制作にあたっての会議では、元々はゲームの中の世界観が映画と異なっていたところがあったので、ゲームは映画の延長と言うことで映画にあわせて欲しいと注文を出しました。 ―― 映画ではピップの声を監督があてていらっしゃると言うことですが、ゲームにも監督の声が入っているのでしょうか? ケヴィン氏 いいえ、私の声はゲームでは使われていません。それを私としては非常に良く思っていません (笑)。私のエージェントからゲーム会社に問い合わせが行くかと思います (爆笑)。
初めてゲームの話を聞いたとき、ゲームの内容としてはピップ (が主役) のゲームであるべきだと思ったんですね。私の声の入ったピップがアンダレーシアで冒険を繰り広げるゲームであるべきだと。そうはなりませんでしたね (笑)。
ケヴィン氏 まず映画についてですが、この映画の素晴らしいところのひとつは、家族みんなで楽しんでいただけるという点です。5歳の観客でも80歳の観客でも楽しめる作品であり、子供を劇場に連れてきた大人でもなにか得ることができる映画なのです。 ゲームに関して私の立場から言わせてもらえれば、映画の世界を発展させたものであると考えています。映画での体験、映画で楽しかった世界を継続して体験していきたいというところでゲームがあるのだと思います。ゲームを通じて映画の新たな要素を体験できるようになり、映画がそういう形でゲームに影響を及ぼしていると思います。 ―― 米国では昨年のホリデーシーズンに公開されゲームは映画の公開に先駆けて発売されています。日本でも映画公開の前日に発売されます。映画を見た後に遊ぶべきなのか、それとも映画を見る前に遊んでも楽しめるものなのか。遊ぶタイミングについて教えてください。 ケヴィン氏 もちろん私は映画の監督なので、まず映画を体験していただいてからゲームをプレイして欲しいですね(笑)。映画の中のキャラクタを劇場で見て知ってもらってからゲームを体験して欲しいです。ゲームはあくまでも映画の延長と言うことですから。より楽しくゲームを遊んでもらうためにもまず映画をご覧になっていただいて、そのキャラクタについての理解や知識を深めてもらった方が、より楽しくゲームを遊んでもらえると思います。先にゲームというよりは後でゲームという方が、映画の場面なども思いだしながらプレイできると思います。 ―― 映画ではアニメーションと実写、夢の世界と現実という両極端の世界を描きながら物語が進んでいきますが、両方の世界を組み合わせる手法を採用するにあたって面白いなと感じた点と苦労したなという点をそれぞれ教えてください。 ケヴィン氏 一番楽しかったのは、いわゆるディズニーを象徴するような夢の世界のキャラクタを、現実の世界にマッチするように“翻訳”して伝えていくという点ですね。生身の人間という状態でディズニーを象徴するようなキャラクタをどう伝えていくのか。その点が楽しかったですね。それを上手く伝えるためにはどうすればいいかという点についても俳優と色々と話し合いを重ねて決めていきました。 逆に難しかった点というのは、この作品のトーンを決めるというところです。映画の制作を進めていく中で、パロディをどの程度までやればいいのかと言うことですね。元々、“愛のあるパロディ”ということで考えていまして、ディズニーに対するラブレターという想いがあっがあり、それを感覚としてはわかっていましたが、実際問題としてどのように具体的に達成することができるのだろうかという点が難しかったですね。 結果的にはパロディとオマージュという両方の要素を織り込むということになりました。その典型的な例としては「Happy Working Song」という曲に現われていると思います。これは古典的なディズニー作品に対してのオマージュでありながらも、ひねりを加えた笑いも取っているという部分もあります。 ―― 映画の中で弁護士のロバートは娘に現実的な教育をするために、ゲームは登場しませんが、小説や物語は与えず偉人伝のような本ばかりを与えています。監督自身は娘さんにゲームを買い与えるという点について、どのようにお考えでしょうか? ケヴィン氏 私としては娘に対してある程度制限を設けてますが、その中で自由に様々なことを経験して欲しいと思って許可しています。たとえば、娘があまりにもDSに夢中になってしまい夕食も食べないでゲームをプレイするようであれば、非常に厳しい制限を課することになるとは思いますが、なんでも適度にやっているのであれば問題ないと親としては考えています。 私自身ゲームについては何度も何度も挑戦してやってみたりもしたのですが、どうも上手くプレイできないということで、不満に思うと言うことはありましたが(笑)。娘に関して言えば、ゲームと上手く付き合いながら楽しむことができるということなので、それが不健全なことでなければ良いのではないかと思います。 ―― 映画とゲーム共通の質問なのですが、お気に入りのキャラクタはどのキャラクタですか?
ケヴィン氏 お気に入りのキャラクタと言うことですが……まるで「自分の子供の中で誰が一番好きか?」と聞かれているようで難しいのですが(笑)、強いて言えば自分に一番近いと感じるのはジゼルでしょうか。男性の私が女性のジゼルというのもおかしいと思われるかもしれませんが、彼女の純真さであったり新しい世界に対して学ぼうと思う姿勢や人間として丸みを帯びてくる点など、非常に魅力的な人間に思えて好きですね。
魔法の世界“アンダレーシア”に住むジゼルは歌の大好きな女の子。今日も森の動物たちとドレスを作っている。ジゼルは、颯爽と現われトロールから助けてくれたエドワード王子との結婚を楽しみにしていた。しかしジゼルは、エドワード王子の継母、魔女のメリッサの手により遠い世界である現代のニューヨークにとばされてしまう。ジゼルはエドワード王子やシマリスのピップに助けられ様々なミッションをクリアしていくこととなる。 ゲームでは全て3Dで描かれているが、アンダレーシアとニューヨークでは雰囲気の異なったグラフィックスとなっており、映画を上手く再現している。ストーリーを進めていくモードのほか、「ハムスターボールレース」などのワイヤレス対戦も収録されている。ジゼルはドレスを作ることができるが、ドレスをカスタマイズし他のユーザーとワイヤレスで交換することも可能となっている。 プレーヤーはジゼルとエドワード王子、ピップをそれぞれのシーン毎に操作することができ、それぞれ違ったことが可能となっている。ジゼルはアイテムを集めて特別なドレスを作ることができる。ドレスを作るにはアイテムが必要だが、動物たちの助けを借りながら森の中から集め、かきまぜることで完成となる。新しいドレスを作ると歌のレパートリーが増える。ジゼルは歌うことによって様々な魔法の効果を得ることができる。ただ、上手く歌えるかどうかはユーザー次第で、下画面に表示されるシンボルを上手くなぞれれば成功となり魔法の力を発揮できる。 エドワード王子は乗馬、剣術を駆使して敵を倒していくことになる。乗馬の時は、タッチペンでタイミングよくタッチして馬をジャンプさせたり、スピード調整もタッチペンで行なう。剣捌きもタッチペンで行なうこととなる。
ピップは小柄な体を駆使して迷路を抜けていくこととなる。ただ進んでいくだけでなく、ジゼルのためにアイテムをゲットしていかなければならない。 (C)Disney
□ディズニー・インタラクティブ・スタジオのホームページ (2008年3月11日) [Reported by 船津稔]
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