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★PCゲームレビュー★

「Civ4:BtS」を全方位から攻略しつくす!
空前のプレイレポート2編で贈る実践編

シヴィライゼーション4
ビヨンド ザ ソード

  • ジャンル:ターンベースストラテジー
  • 開発元:Firaxis Games
  • 発売元:サイバーフロント
  • 価格:6,090円(動作には別途本編が必要)
  • 対応OS:Windows 2000/XP/Vista
  • 発売日:2007年12月7日(発売中)



 先日の記事「PCゲームレビュー シヴィライゼーション4 ビヨンド ザ ソード」に引き続き、本稿では「シヴィライゼーション4 ビヨンド ザ ソード(BtS)」のレビュー後編として「実践編」をお届けする。

 御紹介した通り、「BtS」の登場で、「シヴィライゼーション4」は大きく様変わりした。数々の新要素、また、拡張パックとしては前作にあたる「ウォーロード」由来の機能など、その全てを理解するには、実際のプレイを重ねていくことが一番の近道だ。ということで、今回は、「BtS」で変化したゲームシステムを実際に試し、プレイレポートの形をとりたい。

 本稿で目指すところは、初級プレーヤーからの脱却。記事中には、筆者自身が「国王」レベルのプレイをベースに、細かく解説を加えたので、多少なりとも皆さんの参考になれば幸いである。なお、戦略上重要と思われる部分は太字で表記した。お伝えする内容が、本作のプレイを学ぶ一助となることを願いたい。

記事ガイド
■ その1:標準的なランダムマップで「BtS」のプレイを体験
  ・序盤の進めかた
  ・いきなり長期戦
  ・ゲーム中盤の成長期と外交
  ・現代戦の戦訓と、決着
  ・反省点と対策

■ その2: 入門者のためのOne City Challenge(OCC)ガイド
  ・「OCC」って何?
  ・古代から産業化時代までの戦略
  ・平和維持と宇宙勝利への道筋
  ・雑感とプレイのススメ



■ その1:標準的なランダムマップで「BtS」のプレイを体験
 「攻撃志向のAI」設定で臨む戦乱の文明史

今回のプレイ条件はこちら。「攻撃志向のAI」をONにし、難度は「国王」とした
 「BtS」では、無印の「Civ4」と同様に、新しいゲームを開始する際に2種類の方法を選択できる。ひとつは、タイトルメニューから「ゲームをプレイ」を選択する方法。この方法では、マップタイプ、大陸の大きさ、使用する指導者などを選択し、標準的な設定でゲームを開始できる。もうひとつの方法は、「ゲームをカスタマイズする」を選択する方法だ。こちらの方法では、勝利条件など沢山のオプションを調整してゲームをプレイできる。

 今回のプレイでは、こちらの「ゲームをカスタマイズする」を選択してプレイを開始する。こちらの方法で選択できるゲームオプション「攻撃志向のAI」を利用するためだ。このオプションをONにすると、ライバルであるAIプレーヤー達は通常よりも軍事を重視し、本来の性格は失われないながらも全体的には好戦的になる。「BtS」の開発者によれば、これが本来のAIの姿だということだ。しかし、軍事的に情け容赦のないゲームは初心者向けではなく、標準では敢えてOFFになっている。

 今回のプレイでは、この「攻撃志向のAI」オプションをONにし、マップは標準サイズの「大陸」、文明数は7(いずれもランダム)、難度は少し難しめの「国王」レベルで開始することにした。なお、プレーヤーの文明はランダム指定。何が当たるかはゲームを開始してからのお楽しみだ。その他、勝利条件やゲームスピードなどの設定は全て標準である。以上のゲーム設定は、「BtS」本来の強力なAIが楽しめるオーソドックスな設定と言えるだろう。

・指導者はケルトのブーディカ。ゲーム初期には何をするべきか?

指導者はケルトのブーディカを引いた。ユニークユニットの「ガリア戦士」を活用する場面は来るだろうか
 いよいよゲーム開始。マップが生成され、画面が切り替わる。ランダムで選ばれたプレーヤー文明はケルト、指導者はブーディカだ。「BtS」で初登場のこの人物、史実では、ブリタニアのケルト人部族の女王として、当時の支配者であったローマに一泡吹かせたという女傑。その歴史を反映して、この指導者の志向は「攻撃的」、「カリスマ的」だ。極めて軍事的な志向である。

 まず、「攻撃的」志向により、「兵舎」の生産が50%高速化、そして生産したユニットに「戦闘術I」(戦闘力+20%)の昇進が自動的に付加される。そして「カリスマ的」志向は、全都市に無償で幸福+1、さらにモニュメント/放送塔から幸福+1。そして特筆すべきは、ユニットの昇進に必要な経験値が25%削減される、という効果だ。これにより、「カリスマ的」指導者の軍事ユニットは、戦争を重ねる毎に強力になっていく。これらの志向を備えるブーディカは、まさに戦争をするために生まれた指導者だ。

初期立地は上々。「金」が3タイルあり、初期の科学研究は十分な出力が望めそうだ
 各国の国力が少ないゲーム初期の戦略は、指導者の志向を優先すると効率が良い。しかし、それを実現するための立地や、隣国との距離などの情勢も重要なファクターだ。まずは周辺の土地探索が優先される。

 今回、首都の立地はかなり恵まれており、初期地点は都市に「きれいな水」を供給する川沿い、そして視界内には「金」を産出する丘陵が3タイルも見えている。この金山を全て利用するために、最初のターンで都市を作らず、開拓者を1歩だけ動かした。そして2ターン目、紀元前3960年にケルトの首都ビブラクテを建設。

 上級者も行なう定石としては、首都建設後すぐに「労働者」を作るというスタイルが一般的。効率よく国力を高めるためには、改善済みの地形で市民を働かせることが重要であるためだ。技術開発は、周辺の戦略資源を活用するための技術を優先する。今回は、首都の隣に「とうもろこし」を産するタイルがあるので、これを利用するため「農業」(灌漑が可能になる)を研究。完成した「労働者」は、まずこのタイルを灌漑して食料産出を高め、次は「採鉱」技術を研究。「金」を利用するための鉱山を掘る。

・ゲーム序盤。まずは最低限の防衛体制を整えよう

幸福限界に達した時点での都市画面。「金」により商業出力は18、首都の金銭ボーナス8を加えて研究力は26と、なかなか理想的
 首都に食料資源がひとつと、「金」が3タイルもあるというのは、非常に恵まれた立地だ。特にゲーム初期においての「金」は、1タイルで7単位の商業を産出するという点でゲーム終盤の「小屋(町)」に匹敵する生産性であり、序盤の科学研究を大いにブーストする存在なのである。これに恵まれることで、序盤の展開にかなり余裕が生まれる。

 次に優先するのは都市の防備を固めることだ。初期ユニットの「戦士」では蛮族弓兵に負けてしまうことも多く、高難度では心もとない。そこで、「弓術」技術を開発して「弓兵」を首都で生産し、蛮族対策及び周辺地形の探索を行なう。次に「青銅器」を取り、古代の重要戦略資源「銅」のありかを明らかにする。運良く首都圏内に銅を発見することができた。これですぐに「斧兵」の生産を開始できる。ありがたい。

 その後は「車輪」→「畜産」→「瞑想」→「聖職」……と技術開発を進めていく。最初の目標は、世界遺産「アポロ神殿」を建設すること。この遺産を作ることができれば、無料の技術を1つ得られる。「法律」、「神学」などの高コスト技術を素早く手に入れ、対応する宗教を創始できれば、中盤以降の金銭収入を「偉大な預言者」による聖地建設でブーストできるのだ。

 そうこうしているうちに、相次いで隣国の文明と接触。プレーヤーは、南北に「L」字形に伸びた大陸の、ちょうど中央部に位置。その南部に居を構えるのはスペインのイザベルだ。宗教重視と評判の彼女は、当然のようにすでに仏教を創始している。

 少し遅れて接触してきたのは、大陸北部に位置するズールーのシャカだ。この指導者、本作最高クラスの戦争好きとして知られる。都市拡張も早く、序盤の隣人としては一番最悪な奴だ。対策のため、早速「斧兵」の生産を開始。都市の入植を進めつつ、軍備も増強するという按配だ。

第2都市は食料資源「豚」の隣に建設。この例のように生産力の乏しい序盤の都市は食料資源のある立地を優先する
 首都の人口が幸福限界に達した時点で「開拓者」を生産。首都から4タイル離れた沿岸部に第2都市ヴィエンヌを建設する。立地としてはすぐ隣に食料資源の「豚」があり、人口を増やしやすく、丘陵があるのでハンマー出力も期待できる。

 このように、序盤に建設する都市はなるべく食料資源のある場所に置きたい。人口が伸び悩む場所に都市を建設してしまうと、維持費ばかりが掛かって役に立たないからだ。

 理想としては、生産力の高い都市を中世までに3~5個は建設しておきたいところだ。実は、今回はうまくいかなかった。その理由を先に述べてしまうと、「隣にシャカが居たから」である。その顛末は次章に譲るとして、第2都市を建立した紀元前1760年の段階では、周辺に膨大な空き地があったため、「国境は遠いし、しばらく戦争の心配は無いだろう」とタカをくくっていたのが実情なのである。

スペインのイザベル、ズールーのシャカに相次いで接触。イザベルは宗教をあわせれば仲良くなれるが、シャカは度外れた戦争狂ゆえ、一戦交えることは確実そうだ。問題はその時期がいつになるか。序盤の時点では北辺に膨大な空き地が広がっており、国境を接して戦争になるのは中世以降と見込まれたのだが……


■ 「攻撃志向のAI」ここに極まれり
  シャカとブーディカの3000年戦争

「アポロ神殿」を建設。無料技術は「法律」を選択した。領土が広くなりそうな地形であり、「裁判所」を早期に建設しておきたい
第3都市トロサを建設。その瞬間、シャカのユニットスタックが視界内に現れる。早くもやる気か?
都市の防御を諦め、ユニット温存のために地形防御を選択。この判断は功奏し、第1波を撃退した
 紀元前1400年、首都で「アポロ神殿」の建設を完了。無料技術は「法律」を獲得。この技術は、都市の維持費を半減する「裁判所」を解禁するほか、コストの高い技術であるため、技術交換のタネとして優秀である。さらに今回は1番乗りを果たせたため「儒教」を創始した。しかし、首都の生産力を遺産建設に振り向けたため都市拡張は遅れ気味だ。すぐに「開拓者」の生産にスイッチし、第3都市の建設を準備する。

 第3都市トロサが、「馬」と複数の「香料」に恵まれた川沿いに建立されたのは紀元前900年のこと。優秀な金融都市になることだろう。ところが、都市を建設して視界が広がった瞬間、国境沿いに一大軍事勢力が見えた。ズールーのシャカの軍隊だ。

 不安がよぎる。通常のゲームでは、紀元前1000年あたりのタイミングで宣戦されることはまずない。しかし、このゲームは「攻撃志向のAI」をONにしてある上、この指導者シャカはただでさえ戦争好きときた。こちらの防備はまだ手薄なのに……。

 このターンを終了後、予想通りシャカが宣戦布告! 国境沿いのユニットスタック(インピ4体、チャリオット3体)が、第3都市トロサに迫る。こちらの守備兵は斧兵が2個だ。このターンに完成したばかりの都市は防御ボーナスが無く、この数で攻められれば敗北は確実。その後の展開を脳内でシミュレーションする。

 その結果、ここで都市とユニットの両方を失うくらいなら、都市をあきらめてユニットを温存したほうが良いと判断。戦力を失えば、滅亡の危険も出てくるからだ。都市はまた作ればよい。斧兵を1タイル隣の丘陵/森林の土地に移動させる。この場所なら防御ボーナスは75%となり、幾分有利になる。第2都市からも斧兵を1体呼び寄せておく。結果として都市トロサはがら空き。

 次のターン、予想通り第3都市トロサは占領・破壊された。同時に、丘陵に陣取った斧兵3体に全スタックが突っ込んでくる(チャリオット、インピとも移動力2)。これには辛くも勝利して、シャカの前衛は全滅。こちらの損害は斧兵1体だ。都市は犠牲になったものの、戦力は残った。

 この例のように、「Civ4」の戦闘では、地形防御ボーナスを得られる防御側のユニットが著しく有利だ。多勢に無勢の戦況であれば、たとえこちらが侵攻するシーンであっても、個々の戦闘は防御的に戦いたい。こちらから攻めるばかりでは、ユニットの損失がすぐに増大してしまうのだ。今回、そのわなに嵌ったのはシャカ。続く波状攻撃を凌ぎさえすれば、防衛戦争は難しくない。

紀元前875年に開戦。斧兵の配備が遅ければ、滅亡まで持っていかれてもおかしくはなかった。第1波を撃退した後も、シャカはしつこく攻撃部隊を送り込んでくる。地形防御を駆使してこれを撃退し続ける形で、戦争が継続した

・シャカは停戦拒否。こういうときは弱腰にならずとことん付き合おう

破壊された都市トロサの跡地に再び都市を建設。今度は守備兵を多数展開し、シャカの攻勢を前方で撃退する
 まずはここで停戦交渉を試みるが、強気のシャカは取り合ってくれない。あくまでもこちらを滅ぼすつもりらしい。さすがは「攻撃志向のAI」、容赦がない。これには腰をすえて戦う他ないと判断し、第2都市ヴィエンヌで斧兵と槍兵の大量生産を開始。

 都市の施設は完全無視して軍事ユニットだけを作り続ける。このような場合、中途半端は良くない。首都で生産を完了した開拓者は、元々第4都市用だったが、破壊された都市の跡地に再び送り込む。防衛の橋頭堡とするためだ。

 紀元前550年、第3都市ゲルゴヴィアを建設。同時に、弓兵、斧兵からなる戦力を集中する。主力はシャカの進撃路にあたる丘陵・森林に陣取らせ、前進防御の体制を敷いた。これはうまくいき、6ユニットからなるシャカの第2派を完全撃破。ブーディカの「カリスマ的」志向によるユニットの昇進が効いている。続けて第3派を撃退。防衛にあたった斧兵がどんどん強力になっていく。

シャカとの激闘が続く間、平和なイザベルは仏教の布教に御執心。宣教師が大陸中を走り回っていた
 幸運なことに、ここで「仏教」がケルトの都市に伝播した。これはスペイン・イザベルの国教だ。実は、この段階にいたるまでケルトは国教を制定していない。シャカを相手に戦争している以上は、後背の安全を確保するためにイザベルと仲良くする他ないからだ。

 国教を同じくすれば、イザベルは簡単に「親しみを感じている」まで友好的になる。仏教が伝播したのは渡りに船と、早速仏教に国教を制定。「いらだっている」だったイザベルの態度がいきなり軟化する。これで背後は安心だ。

 前線に弓兵・斧兵・槍兵からなる15ユニットあまりの戦力が揃い、対シャカ防衛戦は軌道に乗った。個々の戦闘はほぼ全勝である。紀元前75年には「偉大な将軍」の一人目が誕生。これは複数の用途に使えるが、まずは槍兵1体を指揮させ、経験値20ポイントを付与。これに「衛生兵III」の昇進を与え、主力スタックに合流させた。この昇進を持つユニットは、同じスタックの味方ユニットを1ターンでほぼ全回復させることができる。長期戦には最適な能力なのだ。

この時点でのシャカはまだ強気。停戦するには都市をよこせと言う。当然飲むわけにはいかないので、徹底抗戦の路線が確定した。前進防御を行なう主力部隊を前進させつつ、「偉大な将軍」を使い「衛星兵III 」のユニットを作成。長期戦に臨む

・最強の嫌がらせ世界遺産「ゼウス像」を建立。
 果てしなく続く戦争の末、両国が辿った運命とは

首都で「アレクサンドリア図書館」完成。「偉大な科学者」の誕生が楽しみだ
一方、前線は最大の山場を迎える。この戦闘を乗り切ってからは攻勢に転じることができた
 この間の技術開発は「筆記」→「美学」→「文学」と進み、紀元1年、世界遺産「アレクサンドリア図書館」を建設する。無料の科学者2名が与えられ、戦争による研究遅れを緩和する効果だ。その後首都では軍事ユニットを作り続け、開拓者を2個生産。

 この時点で都市が3つしかないというのはさすがに辛い。シャカとの戦争を有利に進めるためにも、次なる都市は前線深くに建設することに。大量のユニットに守られた開拓者が、敵陣近くの土地へ向けて進撃する。

 対シャカ戦争が防衛から攻勢に転じる間、ケルトは「官僚制」の社会体制を採用して首都の生産性をブーストしつつ、紀元520年、世界遺産「ゼウス像」の建設に着手した。この世界遺産は本作「BtS」で追加されたもので、戦争中にある相手文明の「厭戦」を+100%するという効果を持つ。

 「厭戦」は、戦争が長期にわたり、ユニットの損失が増えるほど「不幸」を蔓延させ、都市機能をマヒさせるというもの。この状況では、シャカにとって最悪の世界遺産といえるだろう。防衛戦争にはうってつけの切り札なのである。

前線に都市をねじこむ。丘陵なので防御効果が期待できる上、戦略資源の「鉄」を確保。首都から遠く維持費はきついが一石二鳥である
「ゼウス像」完成。効果は「戦争相手国の厭戦を+100%」。長期戦で致死的な効果を発揮する、世にも恐ろしい遺産だ
 前線では、防衛戦闘で古参となった強力なユニット群がシャカの前線都市を破壊しつつ進撃を続ける。紀元640年には、シャカの都市間に「ねじこむ」形で、第5都市ヴェルラミオンを建設。戦略資源「鉄」の真上だ。シャカに鉄を確保させないためと、丘陵の防御効果で前進防御することの2つの狙いがある。

 

体よくシャカの主力を全滅させ、紀元760年にはシャカの都市オンディニを占領。完全に勝ち戦の様相を呈してきたが、まだまだだ。都市数では押されており、シャカはいまだ危険な存在である。したがって、完全に屈服させるまで戦争を続けることを決意。

 国教を同じくしてすっかり仲良くなったイザベルにも対シャカ戦争参戦を要請。参戦コストは「文学」・「法律」・「暦」の3技術だ。少々手痛い出費だが、平和を謳歌して加速しつつあるイザベルの技術開発を戦争の出費で遅延させる狙いもある。こういうところでケチってはいけない。こちらの技術開発は「建築学」→「機械」と、完全に軍事志向で継続。都市防御を削る「カタパルト」、及び中世の主力「槌鉾兵」を解禁し、トドメにかかる。

 ブーディカとイザベルの連合軍がシャカの領土を荒らし始めた紀元920年、ついにシャカの停戦条件がこちらに有利なものとなった。「ゼウス像」の厭戦効果が相当効いているらしい。シャカの都市を見てみると、首都ですら人口3という有様だ。技術でも古代レベルに留まり、明らかに悲惨な状況である。厭戦による膨大な不幸が都市機能をマヒさせている様がありありと想像できる。ざまあみろ、と高笑い。

 そして、紀元1620年、ターン数にして234ターン目、槌鉾兵・長槍兵・騎士・象兵・カタパルト・トレブシェットからなるケルトの大スタックが、ズールーの首都ウルンディを占領。シャカは属国化の停戦条件を飲み、ついに戦争の終止符が打たれた。およそ3,000年、150ターンに及んだ戦争はズールーの国力を完膚なきまでに疲弊させ、ケルトを世界最大版図まで押し広げる結果に終わった。

首都ですらこの有様。周辺の土地を荒らした効果もあるが、「ゼウス像」の効果はてきめんだ 大スタックを投入し、ズールーの首都ウルンディを占領。ここで停戦交渉に入る シャカは降伏に同意。すなわち属国化を受け入れ、3000年近くに渡った戦争が終結した


■ 外交と諜報と軍事を駆使して目指す、一等国へのみちのり

この時点の大陸地図。面積に比して都市が少なく、経済は最悪だ。平和を利用して空き地に都市をねじこみ、生産性を向上させていく
 「攻撃志向のAI」の最たる指導者シャカに勝った! 残る道筋は、最大版図を誇る自国の科学研究を加速させ、世界の一等国に名乗りを上げることだ。長く続いた戦争で版図を広げた副作用として、ケルトには都市の維持費、ユニットの費用が重くのしかかっている。科学税率は30%をキープするのがやっと、というところだ。戦争過多のプレイではありがちな状況だが、健全な財政状態とはとても言えない。

 この時点で技術開発はルネサンス時代にまで進んでいるものの、隣国のイザベルに引き離されはじめている。無料技術を獲得できる「自由主義」も、イザベルに取られた。もはやケルトは後進国。遅れを取り戻すため、各都市に急ぎ「大学」を建設、首都には国家遺産「オックスフォード大学」を作り、研究をブーストする。首都では「アレクサンドリア図書館」を建設していたおかげで、「偉大な科学者」が多数誕生、そのほぼ全てを定住させてある。科学出力+100%は効果絶大だ。

 1635年、新大陸の文明に相次いで接触。その顔ぶれはインカのワイナ・カパック、マヤのパカル2世、インドのアショーカ、アラビアのサラディン、原住民アメリカのシッティング・ブルである。7文明が出揃った。この時点での最先進国は隣国のイザベル、次いで新大陸のパカル2世、アショーカと続く。ケルトのブーディカは4番手だ。

あちらの大陸には4文明がひしめき合っていたようだ。相次いで接触を果たし、技術的にはほぼ同等の状況にあることを確認。取引でいくつかの技術を獲得しておいた

・商業に優れる文明のみが「諜報」を駆使できる。
 貧乏国家の打開策はひとつ……

スパイを使って「自由主義」を奪取。ここで諜報ポイントが枯渇し、もう何もできない状況になってしまった
 技術の遅れを少しでも取り戻すため、「スパイ」を生産してイザベルの都市に送り込む。「テクノロジーを奪取」コマンドを使い、「自由主義」を奪った。続けて複数の技術を奪いたいところだが、コストが高すぎてどうしようもない。というのも、イザベルは古代に「万里の長城」を建設しており、偉大なスパイが複数誕生、諜報ポイントの産出量で大きく上回っているのだ。  

こちらも各都市の専門家に諜報員を雇って差を埋めようとするものの、焼け石に水。沿岸都市に恵まれたイザベルの商業力は世界最高クラスであり、諜報税率の調整により敵を寄せ付けない。

 結局、イザベルから奪えた技術は「光学」、「自由主義」という比較的低コストの2つのみ。それ以上の技術は、諜報ポイントで押されているせいもあり、研究に必要なビーカーの2倍以上という諜報コストの前に奪取を断念。その間にも技術の差は広がっていく。もはや、スペインは友好国でも何でもない。敵国だ。

 都市数で勝っている以上、軍事力ではこちらに分がある。いちはやく「ライフリング」を開発し、「ライフル兵」の量産を開始。イザベルの技術は既に「長距離砲」まで進んでいる。これに対抗するには、すくなくとも「歩兵」と「カノン砲」は欲しい。

 そうすると「鋼鉄」の技術が必要だ……などと逡巡している間に時代は進む。「大量生産」の技術開発を完了して工業化時代に突入。科学税率を0パーセントにして金銭を溜め、全てのライフル兵を歩兵にアップグレード。「鋼鉄」は技術取引で獲得できた。1888年、イザベルに宣戦布告。

膨大な歩兵とカノン砲を投入。イザベルの領土を埋め尽くす。首都マドリッドは簡単に陥落した
 こちらには40個近くの歩兵と、20を越えるカノン砲がある。あらかじ潜入させておいたスパイに「都市反乱を扇動」させ、都市防御力を無効化する。そこにカノン砲を突っ込ませて守備兵の体力を削り、歩兵が都市を占領する。近代以降の戦争は古代の戦争とは異なり、砲撃ユニットの活用で攻撃側が有利な状況も多くなる。最大の効率を上げるには、ケチらずに全力を投入することが最善だ。

 大量のユニットを一挙投入したことが功を奏し、戦争は10ターンもかからずに決着した。1907年、首都マドリッドを失ったイザベルは属国化に同意。旧大陸はケルト1国によって統一され、いよいよ、勝利条件に向かって具体的な作戦を立てる段階に入る。  

この段階で狙える勝利は、「外交勝利」、「制覇勝利」、「宇宙勝利」のいずれかである。「文化勝利」は、戦争ばかりしている国ではほぼ不可能。これを唯一狙える国はスペインだったが、首都を含めて主要文化都市は既にケルトのものになっている。

イザベル戦終了後の世界地図。新大陸ではパカル2世(ライトブルー)の躍進が目立つ そこでパカル2世を仮想敵国に設定。諜報ポイントを重点的に割り振る 現代に入り、技術的にはようやく追いつくことができた。問題はここから先の展開である

・ついに一等国へ。ようやく見えてきた勝利への道筋とは?

占領したイザベルの首都マドリッド。世界遺産のデパートと言うほかないラインナップだ。効果を奪い、この後の内政状況は一気に上向いた
 この状況で最も速く達成できそうな勝利条件は「外交勝利」だ。しかし、この時点で新大陸諸国との関係はそれほど良くない。接触が遅く、十分な外交関係を築けてない上に、技術開発の遅れを取引で取り戻そうとするあまり、「敵国と取引した」のマイナス評価が付いている国も多い。互いの国土に共通の宗教が伝播していないため国教を同じくできないこともある。

 無印の「Civ4」ならこの時点で「外交勝利」を諦めるところだが、「BtS」には別の方法がある。すなわち新大陸諸国を「属国化」し、外交選挙の票数を稼ぐという戦略だ。結局は軍事志向のプレイになるわけだが、その新大陸の情勢はというと、最大最強を誇るマヤのパカル2世に、2番手を走るアラビアのサラディン、それにインドのアショーカとインカのワイナ・カパックが続くという様相。最下位のシッティング・ブルは複数国から叩かれ続けており、都市のほとんどが隣国に占領されている。

 我がケルトのブーディカと最も関係が良いのは2番手のサラディンだ。突破口はここにありそう。サラディンは、ほどなくしてシッティング・ブルを属国にした。これに対しワイナ・カパックが宣戦布告。1912年にはワイナ・カパックとサラディンが相次ぎ参戦を要求してきたので、ブーディカはサラディンに付く。実際は兵を出さず、サラディンに対する外交評価を高めようという算段だ。

 内政面では、イザベルから奪った都市に「自由の女神」、「ペンタゴン」を含む膨大な世界遺産、および、複数の宗教の聖都が置かれていたこともあって(イザベルは宗教を4つも創始していた!)順調に推移。1920年代には技術先進国に躍り出て、1930年に「プラスチック」技術を開発、世界で最初に現代に突入する。

 その後の技術開発は「無線通信」→「コンピュータ」→「超伝導」と進め、各都市に研究所を建設するとともに、首都には世界プロジェクト「インターネット」を完成。「インターネット」の効果により、取りこぼした技術は全て自動的に手に入った。技術交換の必要が無くなり、単独トップに立つ。

現代に入り、技術先行を生かして多くの世界遺産を建造。中でも「インターネット」は絶対に取りたい。世界の2文明が獲得した技術を無償で手に入れることができるため、不利な技術交換に終止符を打てる

・最終戦争へ向け、外交・軍事両面での準備を開始

新大陸の外交窓口は、比較的良好な関係を維持するサラディンとした。積極的に協力しつつ、戦火を絶やさぬようにする
 新大陸に戦火の止む暇はない。この時点で新大陸最強の勢力を誇っていたパカル2世は、ワイナ・カパックとアショーカを属国化してしまった。このまま大国化が進めば極めて危険な存在となる。手始めとして、外交評価を高めたサラディンに対し、技術を餌にパカル2世への開戦に同意させる。二虎相食み、国力を落としてくれることだろう。

 その間ケルト国内では戦車を中心とする陸軍と、輸送艦と駆逐艦を中心とする海軍を編成する。最後の戦争に向けた準備ゆえに、徹底的にやる。「ロボット工学」を獲得し、全ての歩兵を「機械化歩兵」にアップグレード。さらに海軍は「ミサイル巡洋艦」を大量配備する。ほぼ全ての都市で軍事ユニットを生産、生産力の劣る都市では「巡航ミサイル」を製造し続け、ミサイル巡洋艦に搭載する。

 「BtS」で新登場となる、この「ミサイル巡洋艦」は非常に使い出のあるユニットだ。沿岸都市を攻める際には「砲撃」で都市の防御力を素早く削れる上、「巡航ミサイル」を4発搭載でき、これを発射して都市守備兵の体力を削ることができる。「航空母艦」と「戦闘機」使って同じ効果を得ることはできるが、はるかに安上がりで、効率的だ。この大艦隊に、都市占領用の陸上ユニットを大量に搭載すれば、大陸間侵攻部隊の完成である。

沿岸都市では海上ユニットのみを生産し、陸では機械化歩兵の数を揃える。着々と戦争準備をしつつも、首都では「軌道エレベーター」を建設。これは他国に利用されたくない世界遺産であり、直接の必要がなくても建設しておきたいのだ


■ 戦争向きの志向が最大限に生きる総力戦を展開
 敵の軍事力も多い。戦力の集中が突破口だ

サラディンの参戦要求に応える形で、いよいよ世界大戦に突入。属国関係も入り乱れる中、全ての国が戦争当事者だ
 1975年、パカル2世と交戦状態にあるサラディンからの要請に応える形で、戦争に参加。ブーディカ、シャカ、イザベル連合軍は、パカル2世、アショーカ、ワイナ・カパック連合軍へ宣戦布告。世界の全ての文明が戦争状態に突入した。まさに世紀末。

 この頃、ケルトでは「複合材料」の技術開発が完了したため、全ての「戦車」を「現代機甲部隊」にアップグレード。これを搭載した先遣隊・大西洋艦隊が旧大陸を出航する。目標は新大陸東岸に位置するマヤの首都、ムタル。

 先遣隊の内訳は、ミサイル巡洋艦7隻、駆逐艦3隻、輸送艦6隻。これに現代機甲部隊が7ユニット、機械化歩兵が10ユニット、長距離砲が6ユニット、スパイ1ユニットという陣容である。予備爆撃用に8発の巡航ミサイルも搭載してある。この戦力を使って目指すのは、マヤの首都ムタルの占領・維持のみ。

 補足しておくと、この戦力では、戦争序盤、2都市以上に手を広げることは不可能だ。最初の1撃を加えた直後は、敵の主力軍が健在であり、強烈な反撃が予測されるためである。より大戦力の主攻部隊は、旧大陸の東岸にて着々と準備を進めている。作戦としては、大西洋の先遣隊が首都ムタルを確保、防御体制を敷き、パカル2世の主力部隊を撃退、続いて主力部隊が新大陸西岸に迫り、両面からマヤを圧迫するというシナリオになる。

砲撃、誘導ミサイルによる爆撃を加え、マヤの首都ムタルを強襲。この作戦は基本的には成功した
 パカル2世が送り込んでくる艦隊を体よく撃滅しつつ、紀元1988年、先遣隊がムタルに到着。都市に砲撃を加え防御力を削った後、巡航ミサイルを全て叩き込んで守備兵を削る。続いて長距離砲による副次的損害を与え、全ての現代機甲部隊に上陸攻撃を指示。マヤの首都ムタルは1ターンで陥落した。すべてのユニットを上陸させ、防御体制をとる。

 続くターンの反撃は凄まじいものがあった。手始めに、「戦車」と「機械化歩兵」を主力とする、20ユニットほどのスタックがムタルに迫る。これは全て撃退。なんといっても、こちらの機械化歩兵はシャカとの3000年戦争で鍛え上げた古参ぞろいだ。増援も到着し、守備兵は40ユニット強。紀元前に作った「衛生兵III」の将軍付きユニットもいる。2ターンの防衛戦をしのぎ、パカル2世の遊撃部隊を30ユニットほど破壊した。緒戦の戦況は上々である。

首都を取り戻そうと、大量のユニットがとめどなく殺到してくる。さすがに凌ぎきれないと悟り、一旦停戦へ
 しかし安心するのはまだ早い。次のターン、ムタルの守備兵が連戦して疲弊しきったところに、パカル2世のさらなる大スタックが迫ってきた。機械化歩兵を主力とする40ユニットあまりの大所帯である。他方面に見えるアショーカとワイナ・カパックのユニットも含めれば、およそ60ユニット。

 さすがにこれは防ぎきれない。「攻撃志向のAI」とはいえ、ここまで大兵力を擁しているとは計算外だった……。せっかく奪った都市を再び奪われるよりはマシだ、と考え、ここで停戦。1992年のことである。残念。

・最終戦争第2戦。圧倒的な優勢で戦況は推移し……

これは意外。サラディンが属国化を願い出てきた。もちろん、こちらにとっては願ってもない展開だ
 ケルトとマヤの間にかりそめの平和が訪れた後も、パカル2世とサラディンの戦争は継続。押しているのはパカル2世、というより、その属国のワイナ・カパックだ。サラディンの領土が次々に削られていく。これをきっかけとして、最終戦争は次なる局面に突入した。

 2003年、進退窮まったサラディンはケルトのブーディカに対し、「大いなるケルトの指導者よ、どうかアラブを忠実なるしもべとし、苦難からお守りください」と嘆願。ケルトはこれを了承、平和裏にアラビアを属国化する。これを口実として、ブーディカ、シャカ、イザベル、サラディン連合と、パカル2世、アショーカ、ワイナ・カパック連合との間に再び宣戦が布告された。

主力部隊がマヤ西岸に到着。これは全軍のおよそ半数で、もう半数は先に確保した都市ムタルに展開し、マヤ主力を撃退している
 この時点でケルトは「ステルス」の技術を開発完了。最強の爆撃ユニットである「ステルス爆撃機」の量産を開始する。同時に、旧大陸東岸で準備を進めた主攻部隊はパカル2世の領土西岸へ向けて進撃を開始する。その内訳は、長距離砲のアップグレード版である「自走砲」×6、「現代機甲部隊」×8、「機械化歩兵」×20。さらに「航空母艦」4隻に「ジェット戦闘機」を12機搭載しており、支援体制も完璧である。

 結果からいえば、この戦力でも割合ギリギリだった。それでも乗り切れた要因は、開戦後も続けた増援・増援・増援の嵐である。この記事を参考にプレイされる方には、もう少し余裕をもって戦力を整えることをお勧めしておきたい。

 さて、作戦としては、先の戦線で落とした都市ムタルを守る部隊がパカル2世の主力部隊をひきつけて撃退しつつ、西岸の主力部隊が沿岸都市を砲撃・爆撃・占領の手順で次々に陥れる。海上ユニットは陸上ユニットに比べ、敵地内の機動力が抜群だ。この特性を生かし、1ターン1都市ペースで落とす算段である。海を制する者は世界を制するというわけだ。

 いっぽう、ムタルを守る部隊は50ユニットに増員しており、爆撃機も配備済み。近づく敵部隊には爆撃を浴びせ、弱めてから防御戦闘で吸収してしまう。今回はうまくいくだろう。

 狙い通り、ムタル守備隊はパカル2世の主力部隊を開戦数ターンで完全に撃滅した。この間、「核分裂」をいち早く研究していた属国のシャカが戦略核ミサイル「ICBM」を乱発、パカル2世とワイナ・カパック、アショーカの軍隊を都市ごと消滅させはじめる。何て奴だ。この影響から地球温暖化が始まり、世界各地で砂漠化が進行。残された時間は少ない。

 ともあれ、あとはひたすら都市を落とすだけである。1ターンに1都市以上のペースで占領が進む。10ターンほどでパカル2世の領土のほとんどを屠り、主力部隊がワイナ・カパックの領土になだれ込む。開戦から16ターン後の紀元2019年には、残り2都市となったパカル2世が降伏。属国のワイナ・カパックも続けて降伏し、世界VSアショーカの構図が完成した。

 そして紀元2020年、ケルトのブーディカを事務総長とする国際連合は、外交勝利を発議。2021年の開票ではシャカを除く全ての属国がブーディカに投票、圧倒的多数の得票で外交勝利を果たした。実質的には制覇勝利なのだが。

前線都市にステルス爆撃機を配備。強力な支援爆撃により占領が着々と進む 開戦10ターンほどで、パカル2世の領土はこの有様。情勢は一気に傾くものだ そして勝利。シャカがICBMを乱発したおかげで、放射能で汚染された都市圏が痛々しい……

・プレイを通じて得た反省点と対策

 このプレイを総括して見ると、やはり「攻撃志向のAI」の特性が目立った。ひとつは、ノーマルゲームに比べ、全体的な技術開発のペースが格段に落ちているということだ。実際に、紀元2000年に達しても誰一人として宇宙船を完成させうる技術力を保持しておらず、その代わりに、大量の軍事ユニットが世界中にひしめきあっていた。「国王」難度では、通常のゲームであれば、1950年代に宇宙船が飛ぶこともある。およそ50ターンから100ターンは遅れていたと見ていいだろう。

 この感触は、どちらかというとマルチプレイに近い。プレーヤー同士が疑心暗鬼に陥り、口では友好と平和を唱えつつ、裏で軍事ユニットをモリモリ作っているような情景である。軍事力を過剰に配備すると、ちょっとした軍事バランスの崩壊や、技術格差といった要因が破滅的な戦争の引き金を引きやすい。マルチプレイでは、よくそのような状況になるが、「攻撃的なAI」でのプレイはまさにその雰囲気だ。非常にスリリングかつ、手応えのあるゲーム展開と言える。

 戦略面では、中盤の技術の遅れが、いくつかの選択肢を選べなくしてしまった感がある。シャカとの戦争が3000年の長きに渉ったことが主因として挙げられるが、それを早期にやめるべきであったかどうか、難しいところだ。結局のところは全ての国を制圧して終わったゲームなので、実のところもう少し徹底的に軍事に傾倒しても良かったかもしれない。首都で世界遺産を作っている場合ではない、ということだ。どうせ奪うのだから。

 当たった文明がケルトのブーディカでなく、例えば「金融的」志向のエリザベスなどであれば、肥沃な土地を生かして内政プレイに徹することも可能だったろう。その意味では、プレーヤーの志向が戦略全般に影響したゲームでもあった。「攻撃的」、「カリスマ的」という志向の組み合わせは、あまりにも軍事プレイに最適だった。

 ちなみに、今回のゲームを通じて最も役に立ったと感じる世界遺産は「ゼウス像」である。序盤のシャカはもとより、終盤のパカル2世の都市での不幸蔓延ぶりは見ごたえのあるものだった。もう少し長く戦争が続いていれば、パカル2世は広大な領土を持ったまま破滅していたことだろう。戦争プレイを志すプレーヤーはこの遺産を是非とも作っておこう。長期戦を挑めばボディブローのようにジワジワ効いてくるはずである。

最終ターンにおける世界情勢。「世界VSアショーカ」。わりと気の毒である 軍事力評価では、パカル2世との第1戦で逆転、その後はブーディカの優勢が続いた スコアは勝利ターンが遅かったためやや低め。「パンゲア」ならもっと速く勝利できただろうか


■ その2: 「1都市でチャレンジ」で学ぶ、都市管理のコツ
 入門者のためのOne City Challenge(OCC)ガイド

「1都市でチャレンジ」はカスタムゲームからスタートする。陸地が大きいほど厳しいゲームになる傾向があるので、最初は「極小」で試してみると良いだろう
 今回のレポートでは、もう1プレイの様子をお伝えしてみたい。こちらは趣向を変えて、「OCC」である。

 「OCC」とは何か。「One City Challenge」の略で、1都市のみで勝利を目指すというゲームモードだ。つまり、プレーヤーが建設できる都市は首都のみ。他のAIプレーヤーは、通常通り、複数の都市を建設し、普通に勝利を目指してプレイする。プレーヤーにとっては首都の生産力が全てというゲームモードであるために、都市の細かい管理がキモとなる。このためOCCは、都市管理の要諦を学ぶには最適というわけだ。

 このモードでプレーヤーが目指せる勝利条件は「外交勝利」、「宇宙勝利」の2種類だ。「文化勝利」は、最低でも3都市が必要なので不可能。「制覇勝利」に関しては、理論的には可能だが、ほとんど不可能と言っていい。基本的な方針としては、軍事はほとんど無視して、外交努力で平和を作り出し、技術開発に精を出して宇宙船の発射1番乗りを目指す、という形になる。

 今回のプレイ条件は、標準サイズの「パンゲア」、7文明、難度は「国王」。「1都市でチャレンジ」オプションをONにし、他の条件は全て標準である。指導者にはエリザベスを選択した。「金融的」と「哲学的」の志向を持つ指導者である。「金融的」は、2単位以上の商業を産出するタイルで商業出力が+1されるというもの。研究力を上げるために最適な志向といえる。「哲学的」は、「偉人」の誕生率が+100%される志向で、首都のみでプレイするOCCにはうってつけの志向だ。

 OCCモードの最大の特徴として、通常ゲームにある制限「1都市に建設できる国家遺産は2つまで」が撤廃される。つまり、不幸を根絶する「グローブ座」、科学をブーストする「オックスフォード大学」、不衛生を低減する「国立公園」など、全ての効果を1都市に集中できるのだ。通常モードでは決して見られない超強力な都市を作る。これが醍醐味だ。

・OCCモード序盤の進め方は、通常ゲームと「ちょっぴり」異なる

首都を建設。森林が多く、理想的な立地である。「OCC」なので、都市建設はこれにて終了
 早速プレイを始めよう。紀元前4000年、首都ロンドンは森林に囲まれた河川地帯に建設された。OCCなので、拡張はもう終わりである。あとは文化圏が広がっていくのみ。都市圏には戦略資源の「米」、「牛」、「とうもろこし」が見える。将来文化圏に組み込まれそうな位置には「宝石」が見えており、序盤の衛生・食料・幸福状況は理想的に推移しそう。あとは都市圏に「銅」か「鉄」が発生すれば言うことないのだが。

 技術開発は通常ゲーム同様の定石どおり、近隣の資源を活用するためのものを優先する。まずは「米」を利用するための「農業」、「牛」を利用するための「畜産」という順番である。それらが完了したならば、科学をブーストするために「陶器」(小屋を作れる)も早めに研究しておく。ハンマーを増やすために「採鉱」も忘れずに。このあたりからOCCならではの戦術に入っていく。

周辺の戦略資源を利用できるようになれば、早速「ピラミッド」を建設。すぐさま「代議制」移行する
 資源活用関連の技術を研究し終えたら、次は世界遺産「ピラミッド」を建設しよう。そのために「石工」の技術を研究する。続いて森林を伐採するために「青銅器」を開発。ピラミッドは全ての政治体制を採用可能にするという遺産で、OCCモードでは必須の存在だ。専門家の研究が+3される「代議制」を採用すれば、大いに科学研究の助けになる。

 ピラミッドの建設中、川沿いの森林は伐採して「小屋」を作っておこう。地形にもよるが、2、3作れば十分。「金融」志向により、商業が+1される川沿いであれば作りたての小屋が商業3を産出する。「町」に成長すれば商業7となるので、科学税率を100%にしている限りは、専門家を雇うより多くの科学出力が得られる。これに加え、序盤の科学研究は、ピラミッドによる「代議制」と「アレクサンドリア図書館」による無償の科学者2名によってブーストする。これらの世界遺産のうち、どちらか一方を取り逃した場合、勝利はかなり難しくなると考えよう。

・専門家経済で超科学都市を目指せ!

技術交換が可能になった時点で、取りこぼした技術は大量にあるが、問題ない
AIが研究しにくい「美学」・「文学」を交換材料に、ここまで技術を回収できる。慌てずにいこう
 今回のプレイでは、紀元前850年にピラミッドを建設できた。そこで早速「代議制」に移行する。この政治体制では都市に+3の幸福ボーナスもあるため、幸福限界に達した人口をさらに増やせるという嬉しい副作用もある。その後の研究は「文学」へ一直線。

 

その研究を進める間、ピラミッドが産出する「偉人ポイント」のおかげで「偉大な技術者」が誕生した。これを温存しておき、アレキサンドリア図書館を1ターンで完成させる。まずまずの滑り出しである。

 この頃には接触したライバル文明が「アルファベット」を開発し、技術交換が可能になる。ここまでに取りこぼした技術は、「美学」・「文学」あたりを取引材料に入手するといいだろう。また、国境解放条約は積極的に結んでおく。外交評価にプラスがある。国教は、隣国に合わせよう。間違っても自国だけの国教にしてはならない。OCCにおいては、隣国をいらだたせるほど危険なことはないのだ。適当な宗教が伝播していなければ、無宗教で通そう。

 さて、アレキサンドリア図書館を建設したら、しばらくは技術開発で先行できるようになる。余裕があれば偉人誕生率を+50%する「パルテノン神殿」も作っておこう。国家遺産「民族叙事詩」も忘れずに。ここから目指すのは「自由主義」レースだ。研究力が限られるOCCにて、無償の技術1個が得られるというのは何よりも有難い。近隣の資源を確保するために多少の寄り道(「暦」の技術等)はするにしても、まずは「教育」に繋がる「官吏」と「哲学」を優先する。

「アレクサンドリア図書館」効果で、科学者がどんどん生まれる。定住させ、科学をブーストしよう
 「官吏」によって利用可能になる公民「官僚制」は、首都の生産性を+50%する。つまり、OCCにおいては国力を1.5倍にすることを意味し、これ以外の選択肢は無い。また、「哲学」によって解禁される宗教体制「平和主義」は、偉人の誕生率を+100%する。研究が完了したら早速採用し、偉人ラッシュに入ろう。

 首都では、アレクサンドリア図書館その他の遺産の効果により、「偉大な科学者」が数ターンに1人のペースでモリモリ生まれるはずだ。一人は科学+50%の「アカデミー」を作り、残りはどんどん定住させて、首都の科学出力を最大化させる。

 状況にもよるが、ルネサンスに入る前には、都市の(国家の)科学出力が200近くなるはず。「教育」を研究し、「大学」を作り、続けて「オックスフォード大学」を作る。これでさらに科学+150%。順調に行けば、その前に「自由主義」レースに勝利できるだろう。

「哲学」獲得直後の社会体制。基本的にはゲーム終盤までこのままだ 「オックスフォード大学」完成直後の都市。科学出力は445に達した 「グローブ座」の必要技術「演劇」の獲得は工業化直前でもよい。衛生限界で人口が増やせないのだからその前に必要なことをしよう

・「国立公園」で超偉人都市へ成長。科学出力4桁の世界へ突入!

このあたりでハンマーが不足し始めるので、「共通規格」を早めにとり、森林に伐採所を作っておこう
 工業化時代に入るまでは、都市の衛生・幸福の限界により人口を12~14程度以上に増やすことが難しい。外交で友好国を作り、資源をねだるのもひとつの手ではあるが、長続きしない。衛生か幸福の限界まで人口が達したら、生産性の低いタイルで労働する市民は専門家・科学者に変えておこう。これは研究量が増すだけでなく、偉人ポイントの総量を増やす効果もある。

 都市の人口が増えるたび、適切なタイルで市民が労働しているか、専門家の割り当ては適切か、しっかりチェックしよう。また、ここまでの段階で森林は極力残しておく。重要遺産の緊急生産や、食糧生産性の高いタイルを開墾するためなら仕方が無いが、森林は将来重要な役割を果たすことになるからだ。

 さて、「オックスフォード大学」を作り終えて科学出力が倍増したら(今回のプレイでは、この時点で445に達した)、次に目指す技術は「生物学」である。それに連なる技術を開発している間、「演劇」を取引で手に入れて、首都に「グローブ座」を作っておこう。これで不幸は撲滅される。あとは衛生さえ解決すれば、人口は生産力の限界まで増やせるようになる。

「生物学」で解禁される「国立公園」建設直後の図。全ての市民をタイルで労働させつつ、沢山の専門家を雇えるようになった
 今回のプレイでは取引用として「ライフリング」に寄り道したが、紀元1650年に「生物学」を獲得。これで国家遺産「国立公園」を作れるようになった。この遺産はまさにOCCのためにデザインされたようなもので、この遺産がある都市では人口由来の「不衛生」が撲滅されるほか、都市圏内の「保安林」で労働する市民が、無償の専門家を1人提供してくれる。つまり、森林タイルが人口2に化ける。今回のプレイでは都市圏に森林が8タイル残っていたので、専門家8名は「無償で」手に入るわけだ。あとは森林と「町」を破壊しない範囲で、都市の人口を最大限に増やす。

 専門家を大量に雇えるおかげでハンマー出力も向上できるようになる。これに伴い、都市圏に作った「工房」などの改善は全て破壊しておく。更地にしたタイルは、確率的に森林が増殖する機会が与えられるので、しばらく放置しておこう。今回はこの方法で森林2タイルを増やし、計10タイルの森林を確保できた。急ぎ労働者を使い、全ての森林を「保安林」にしてしまう。これで無償専門家が10人だ。

・独善的平和のための外交戦略

周辺国を戦争で「忙しく」させつつ、自国だけは平和を謳歌する。外交には全ての知力を注ごう
 ゲームはいよいよ大詰め。ここで外交面のふるまいについて確認しておこう。実際の所、この時代まで平和を続けること自体が難しいこともある。平和を保つひとつのコツとしては、隣人の宗教志向に対して敏感に反応することだ。基本的には、国教は隣国に合わせる。隣接する複数の国家のうち宗教的な指導者が存在すれば、そちらを優先してもいいだろう。

 ターンを重ねる毎に幾度となく「技術をよこせ」だの、「金をくれ」だの、強請されることもあるだろう。基本は簡単で、全てOKすべきだ。この種の要請に応えると、暗黙のうちに10ターンの和平条約が結ばれることになっており、少なくともその間の安全は保証される。技術1個と国家の滅亡を秤にかけて、どちらが重いかは考えるまでもない。

 次に安全保障対策。基本的には、「遠交近攻」を旨とする通常の外交と異なり、OCCでは「遠攻近交」に近いスタイルをとると良い。取引などの機会において、外交にマイナスが付きそうなときは、隣接する文明を怒らせない方向で選択肢を選ぶ。少なくとも遠くの文明は国境が隣接していないおかげでマイナス評価が少ない上、侵攻に手間がかかるため、相当攻撃的な指導者でない限りは安心なのだ。

 防衛協定を結べるようになったら、最も軍事力が高く、好意的な文明を選んで結んでおこう。技術を餌に改宗を願い出て、宗教を同じくすることも大きな効果がある。自国の軍事力が少なくとも、強力な文明を味方につけておけばまず安心。

 2番手以下に位置する危険な文明には、技術か金銭エサに戦争をさせ、常に忙しくさせておく。2番手を1番手にぶつけて、双方を疲弊させる方向が理想だろう。このサジ加減さえ巧くいけば、恒久的に平和を謳歌できるはず。あとは安心して宇宙を目指せばよい。

・不足しがちな人口とハンマーは「企業」でカバー。そして宇宙をめざす

現代に入ったら技術のリード状況を確認。若干の取りこぼしは当然あるが、これらは「インターネット」で回収するので取引はしない
 「国立公園」を作り、産業化を達成したら、外交のため本当に必要な場合を除き、技術交換をストップする。偉人による超科学都市を建設したとはいえ、1都市ではもう限界だ。ここから先は技術開発ペースも、宇宙船を作るハンマーも不足しがちになる。取りこぼした技術は「コンピューター」で解禁される世界遺産「インターネット」で獲得すればよい。研究を加速するため「超伝導」に直行し、「研究所」を建設したら、一直線に宇宙を目指そう。

 現代に入った時点での科学出力の目安は、600~1,000ほど。専門家は科学者と技術者を限界まで雇用し、科学とハンマーの出力を最大化する。社会体制は当然ながら「カースト制」を最後まで採用する。余裕があれば「ブロードウェイ」、「ロックンロール」、「ハリウッド」などの世界遺産を建設しておこう。これによって得られる幸福資源を、食料、ハンマー系の戦略資源を得るための取引材料にできる。首都には「グローブ座」があるのだから、幸福資源はひとつ残らず輸出してよいのだ。

都市の最終進化形態。「シド寿司社」による食料、および「マイニング社」による追加ハンマーで生産性を限界まで高めている
 人口はこの時点で食料限界に達しているはず。さらに人口を伸ばして専門家を増やしたい場合は、「シド寿司社」、「シリアルミル社」といった食料増幅系の企業を創設し、食料生産をブーストしよう。追加で3~4程度の専門家は雇えるはずである。

 ちなみに、企業を誘致すると維持費が問題になるため、裁判所を立てておくこと。逆に言えば、企業を設立しない限り、裁判所や銀行といった金銭系の建築物は何一つ必要ない。紀元前4000年から科学出力はずっと100%だ。

 今回のプレイでは、取っておきの「偉大な商人」を使って「シド寿司社」を創設し、首都の人口を28まで増加させた。「保安林」タイルによる無料専門家10名を含む17名の専門家は、「核融合」を研究完了するまでは科学者と技術者に割り振り、それを完了してからはハンマー出力を優先するため全ての科学者を聖職者に転向した。それに加えて17名の定住偉人が生み出す、研究出力の最大記録は1,119.30だ。1都市ながら大国並みの研究量である。この規模が達成できれば、勝利は近い。

 最後の問題は宇宙船のためのハンマー出力、ということで、首都に出店された「マイニング社」の効果をありがたく拝借。宇宙船に必要な技術を開発し終えたタイミングで科学税率を0%にし、余った金銭を使って友好的なライバル文明からありったけの「鉄」、「銅」、「アルミ」を輸入する。これに加え、「偉大な技術者」を使って「軌道エレベーター」を緊急生産した結果、宇宙船パーツ建造時の最大ハンマー出力は555に達した。

 これらの努力は功を奏し、1990年に全ての宇宙船パーツが建造完了。宇宙船は2001年にアルファ・ケンタウリに到着し、イギリス文明は宇宙勝利を達成した。

余裕があれば宇宙船は全パーツを完成させておきたい。追い上げが厳しい場合は、スラスターとエンジンを多少個省略する。外殻については、省略するとミッション失敗の危険が出るため、真っ先に作っておこう


■ 「1都市でチャレンジ」=OCCプレイを終えて。雑感とプレイのススメ

終了ターンでの技術状況。オスマンのメフメド2世は未来技術に到達していた。ハンマー出力が足りなければ負けていたかも
諜報グラフ。わが国の諜報力はぶっちぎりの最下位だ。スパイに狙われたらどうしようもない。あきらめるべし
 2つ目のプレイで体験したOCC。実は、結構ギリギリの勝利だった。宇宙船を発射した時点では大国のメフメド2世から強烈な追い上げを食らい、技術では完全に並ばれていた。宇宙船の発射があと10ターンも遅れていれば、勝利は危うかっただろう。追い上げの原因は、スパイによる技術奪取が半分。国力不足によるものが半分だ。

 実際の所、OCCは諜報国家に対して非常に弱体である。技術を奪われることも再三あるし、建造中の宇宙船のパーツを破壊されることもよくある。だからといって諜報ポイントに国力を割り振っても意味はない。研究力のほとんどは偉人経済で回っているからだ。素の商業出力がほとんど無い以上、諜報税率を上げたところで焼け石に水である。必要に応じて「公安局」および「諜報機関」を建造し、都市にスパイを駐留させておけば被害を多少は軽減できるかな、といったところだ。

 もうひとつの懸案として、「代議制」を採用し、専門家の研究力を+3した状態で、森林を「町」にしてしまうか、それとも「国立公園」で追加の専門家を雇うか、というのも難しい問題である。一般的には、草原/森林のタイルは2食料、2ハンマー、川沿いであれば1商業を産出する。専門家は、科学者ならば6科学を産出だ。これを町にした場合、2食料、7商業、川沿いであれば1商業が追加、「堤防」により1ハンマーとなる。この状態で科学税率を100%にすれば、科学量では「町」のほうが上回る。しかし、専門家は3偉人ポイントを産出するのでため甲乙付け難い。

 というわけで、OCCでのプレイは、都市圏の各タイルの生産性を精密に吟味するクセを付けるのにうってつけだ。プレイで得た経験と勘は、通常ゲームにも十分応用が効くだろう。ゲームの基本要素である食料、商業、ハンマーの各出力が、都市の施設により増幅される仕組みにも精通できる。高難度のプレイでは、無駄なものを作らないこと、効率的な経済を構築することが何よりも大事であり、そのために必要なことをOCCで学べるわけだ。

 初級、中級から上級への脱皮を目指すプレーヤーの方々、是非ともいちどはOCCを体験してみてほしい。「シヴィライゼーション4」のシステム、ならびに「ビヨンド ザ ソード」で追加されたゲーム要素に新たな解釈が得られるはずである。また、短い時間でプレイできるというのも嬉しいことだ。今回のプレイは3時間程度で、短ければ2時間もかからずにクリアできる。お試しあれ。

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□サイバーフロントのホームページ
http://www.cyberfront.co.jp/
□「シヴィライゼーション4 ビヨンド ザ ソード」のホームページ
http://www.cyberfront.co.jp/title/civ4_bts/
□関連情報
【2008年1月30日】PCゲームレビュー「シヴィライゼーション4 ビヨンド ザ ソード」前編
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20080130/civ4bts.htm
【2007年7月6日】PCゲームレビュー「シヴィライゼーション4 完全日本語版」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060706/civ4jp.htm
【2007年8月3日】PCゲームレビュー「Civilization IV BEYOND the SWORD」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070803/civ4bts.htm

(2008年2月1日)

[Reported by 佐藤“KAF”耕司]



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