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ついに最新拡張ディスク「アルタナの神兵」の正式サービスがスタートした。「アルタナの神兵」では、約20年前にヴァナ・ディールの中央、クォン・ミンダルシアの2大陸を揺るがせた“水晶大戦”の時代が舞台となる。過去の戦争時代に隠された“歴史の真実を探す”冒険ということで、「ヴァナ・ディール“水晶大戦”探放記」と連載タイトルを命名した。「近東見聞録」同様にご愛読頂ければ幸いだ。
さて、第1回になる今回は、開かれた過去の冒険に揺れるヴァナ・ディールの模様をお届けしよう。過去世界は、“よく知っている場所なのに右も左もわからない”という不思議な魅力に満ちていた。それゆえ筆者はプレイ当初、“新鮮さと困惑”に包まれた。この模様をお伝えするとともに、序盤のガイドも記していこう。
今回は11月22日の発売日早朝から、混雑によって登録情報管理サーバーへ繋がらない事態が発生し、そのまま23日、24日、25日の三連休も事態が継続。アクセス集中緩和の報告は、連休明けの26日月曜となった。約5日間は事態を収束できなかったことになる。 この間、すべてのユーザーが拡張コンテンツ登録を行なえなかっただけでなく、「ヴァナ・ディールコレクション」を購入して新規にプレイを開始しようとしていたユーザーもアカウント登録ができず、プレイできないユーザーが続出するという事態が発生してしまった。拡張ディスクの発売を機に、復帰することを考えていたユーザーも同様で、課金登録処理ができず、プレイできなかった。問題の規模としては非常にクリティカルだ。 このような事態は、βテスト開始から、正式サービス開始や拡張ディスクが発売されるたびに起こってきたことではあり、そのたびに対策が施されてきた。今回も認証システムをすべて内製にするなど、問題を強く認識した上で努力の形跡が伺えた。それだけに同様の事態になってしまったことが非常に残念だ。
いつかまた、こういったコンテンツ登録の機会は訪れることと思うが、筆者は、不正行為に対して力強く「全てのツールを撲滅します」とコメントし、それを有言実行して今も継続的に取り組んでいる強さを信じたい。願わくば、こうした事態が無くなり昔話になることを切実に祈りたい。
● ジュノ周辺に出現した「禁断の口」より水晶大戦の時代へ!
バタリア丘陵では北中央付近、ロランベリー耕地では北西付近に禁断の口がある。ソロムグ原野だけは少し特殊で、ガルレージュ要塞を抜けたソロムグ原野の段差の上に禁断の口がある。一人では行きづらい場所なので他の2カ所を目指すのがオススメだ。なぜソロムグ原野だけがそのような場所にあるかは後に考察していこう。 筆者は、ロランベリー耕地の禁断の口を目指した。周りには同じように過去の世界へと思いを馳せる冒険者がたくさん走っていた。新しい冒険のはじまりならではの光景だ。ジュノからほど近い場所にそれはあった。チョコボに乗るほどでもない距離だった。地面から生えるように立っている禁断の口は、ぼんやりと口の中が光っているものの、外観は薄汚れツタも絡まっていて古びている。 チョコボから降りてドキドキしながら禁断の口を調べてみる……が、なにも起こらない。どうなっているのだろうと思ったそのとき、突如異変が起きた。……そして、ある出来事の後、一瞬にしてどこか別の場所に降り立っていた。過去の世界に行くまでの道のりはこのように、ある程度の力量ある冒険者なら道のりというまでもないほどに簡単だ。敷居も低いというよりないと言っていい。期待している新天地にすぐにたどり着けた。あっけないなと拍子抜けするほどなのだが、実は問題はここからだったのだ。 この最初の過去世界への移動は、たどり着く先がランダムになっている。バタリア、ロランベリー、ソロムグと現代世界の入り口として前述に紹介したエリアのいずれかのポイントに出る。過去世界の禁断の口の場所は、現代世界に禁断の口がある場所と同じだ。筆者の場合は過去のバタリアにたどり着いた。ログには「禁断の口」が異界と通じたようだと出た。これでバタリア丘陵の禁断の口で現代と過去を自由に行き来できるようになったようだ。 眼前には見覚えのある風景が広がっている。ここはよく知ったバタリア丘陵のはずだ。現代世界のバタリア丘陵の地図を所有しているためか、地図も見ることができた。やはり間違いない。だが、空の感じ、木々の感じ、空気感までもがまったく違う世界のように映る。周辺にはゴブリンが徘徊していた。強さはレベル75から見て「楽な相手」。レベル75でも絡まれてしまう。現代のバタリア丘陵とは危険度が違っていた。ひらひらと宙を舞うピクシーの姿もあった。 とりあえずジュノが近いはずだと、バタリア丘陵を東に進んでみた。道はもちろんよくわかっている。なにしろもう何年もプレイしてきて見知った場所なのだ。しかし、遠くに知らない建物が見えたり、徘徊しているモンスターがまったく知らない種類だったりと、新しいもので満ちている。この感覚は想像していたよりずっと斬新だ。土地勘があるのに、右も左もわからないという、今までに覚えのない奇妙な感覚が楽しい。
慎重にインビジとスニークをかけてから動きだす冒険者もいれば、とりあえず駆けだしてゴブリンに襲われている冒険者もいた。新しい世界についた高鳴りと、どうすればいいのかというとまどいが心に同居していた。筆者の「アルタナの神兵」の始まりは、ズバリ“困惑”だった。
● 水晶大戦の時代に放り出された! 頼りを求めて「秘密基地」へ
実際のところ、この「どこにいけばいいのかわからない?」という手探り状態は1時間以上続いた。ジャグナー森林へと続く道にはこれまた見覚えのない城門があり、そこにいた騎士からエルディーム古墳へ行けと聞いたので、たくさんある古墳の入り口を丹念に探し回ったからだ。ほとんどは現代と同じようにモンスターがいるばかりで途方に暮れたのだが、最終的に一番南東にある古墳の入り口へとたどり着いた。 この古墳だけは他と様子が違っていた。まず入り口に兵士が見張りとして立っていたし、中にもモンスターの姿がなく、連合軍の人々がいたのだ。現代ではダンジョンでしかないエルディーム古墳だが、過去では基地として使われている。お墓の上には花束が添えられていて、ごく最近に命を落とした人がいることを感じさせる。「これが戦争の時代か……」と感じる。
基地内はたくさんの騎士が待機してる姿が見られたぐらいで、設備として呼べるものはなかった。奥へと進むと現代のダンジョン同様にモンスターも徘徊している。モグハウスのような心を休められそうな場所はない。外でもときおり耳にした、勇ましいBGMが断続的に鳴り響くばかりだ。
それはこともあろうにオーク神だった! あとから同じ姿をした「Conqueror Bakgodek」という名称のオークだとわかったが、瞬く間に叩きのめされた。「これが戦争の時代か……」と、もう一度痛感したのだった。これが筆者のカンパニエバトルとの遭遇だった。 さて、ここまでを簡単にまとめると、まず頼るべき場所は「基地」だ。バタリア丘陵についた場合は筆者のように南東の「エルディーム古墳」へ、ロランベリー耕地の場合は「クロウラーの巣」、ソロムグ原野の場合は「ガルレージュ要塞」が基地になっている。これらの基地を訪れ、NPCとある会話をすることで次に目指す目標もつかめてくる。筆者のようにカンパニエバトルに遭遇することもあるので、リレイズがあったほうがいい。 ここでひとつ気をつけてもらいたいことがある。最初に過去世界へ降り立ったとき、ソロムグ原野にたどり着いた場合だ。たどり着いた場所の禁断の口が現代と繋がるため、ソロムグ原野だけが繋がっている状態で現代に戻ってしまうと、次は現代のソロムグ原野からしか過去にいけない。前述のようにソロムグ原野の禁断の口はガルレージュ要塞の魔防門の先を抜けた場所にあるため、行くのに苦労する。ロランベリー耕地かバタリア丘陵に移動して禁断の口から現代に戻るようにしよう。
ちなみに過去のガルレージュ要塞は、連合軍の基地として活用されていて非常に綺麗な状態で危険が少ない。魔防門の奥にも過去の要塞なら安全に一人でいけるのだ。そこから禁断の口を使って現代に戻ると、一人では行けない現代のガルレージュ要塞の奥側にいける。AFの取得など、魔防門の奥にある宝箱を探すときに便利だ。
3箇所の基地を巡ってみたものの、最前線という印象で心を安められる場所ではなかった。周辺を歩き回ってみても、レベル50ほどでは危険と思われるモンスターが多数徘徊しているし、途中には砦周辺で激しく混戦を繰り広げる騎士隊とオークの集団も目撃した。戦争が大陸全土を支配していると感じる。 安らげる市街エリアを求めて、目指すはサンドリア王国、ウィンダス連邦、バストゥーク共和国の三国だ。冒険者の始まりの場所である三国を、過去の世界で改めて目指すをとうのは、なんとも奇妙な話だ。
三国に出発する前に押さえておきたいのは、新しいエリアの地図をもらえるクエストだ。先に紹介したエルディーム古墳、クロウラーの巣、ガルレージュ要塞の基地にいるNPCからクエストを受けられる。この報酬の地図がないと、基地から始まる「三国を目指す冒険」がとても厳しくなる。しっかり手に入れておこう。
● 過去の「サンドリア王国」を目指す--オーク帝国軍の警戒とノールの見破りをかいくぐる
他のルートはないものかと探すと、バタリア丘陵からジャグナー森林に入った場所の近く左壁沿いに南東へ進んだ場所に洞窟があった。現代にはなかった道だ。ここに入ると、「ブンカール浦」という新エリアに抜け出た。このエリアを迂回してジャグナー森林の西側を目指すというわけだ。 ブンカール浦は起伏の激しい山中のような場所で、ジャグナー森林の南東のエリアだ。道が細く、段差で一方通行になってしまう場所も多い。天然の迷路といった印象だ。オークやゴブリンをはじめ、モルボルやトレント、バタリアにもいたスミロドンのより強い種類「Fierce Smilodon」も徘徊していた。敵にもよるがレベル75からみても「丁度いい強さ」から「強そうな敵」ぐらいで危険度が高い。地図なしで挑むと確実に迷いそうだ。 南側にあるジャグナー森林へと続く道へとブンカール浦を抜けても、難関はまだ続く。今度はジャグナー森林の南西側に出たが、ノールやオークが多数徘徊していた。ノールは視覚の見破り能力を持っていて、視界に入ればインビジをしていても襲われてしまう。強さもレベル75からみて「同じぐらいの強さ」や「強そうな相手」などがいる。試しにノールと戦ってみると、ただ強いだけでなく自己回復もしてくる難敵だった。 ジャグナー森林の西側はオーク帝国軍の本拠地が近いため、ほとんどオーク帝国軍が前線基地にしているような印象だ。徘徊している数が非常に多いばかりでなく、物見台のような建築物を建てていて上から見張っている場合もある。気づかずに近くを通ってしまったら遠隔攻撃で襲われた。そうした建築物をあえて昇っていってバリケードを越える場面もあった。 このときはレベル75の4人パーティで進んでいたにも関わらず、かなり緊張感のある冒険になった。インビジやスニークを使って慎重に進んだが、ノールに見破られて襲われたり、オークに関知されてしまったりと何度かの戦闘もあった。ジャグナー森林の北西からエリアを抜けて東ロンフォールにたどり着いたとき、胸をなでおろしたほど。東ロンフォールは新モンスターのレディバグなどがいたが、もう危険はなかった。
東ロンフォールに出たとき、ちょうど朝日が出ようとしていた。「アルタナの神兵」の世界は空が美しく、朝焼けと夕焼けの変化が特に綺麗だ。緊張感のある冒険を越え、美しく色合いが変化していくロンフォールの森を見て全員が喜びを分かち合った。その先についにサンドリア王国の姿が見えてきた。
サンドリアは南サンドリアだけが開放されていた。全体がものものしく、至るところに城壁が築かれている。北東側の裏通り「番犬横丁」では牢屋にオークを閉じこめていた。競売所があった場所はカンパニエの拠点になっている。たどり着いて早々、思いがけない人物の姿が目に入った。この人物について詳しくは本連載でカンパニエを扱う際に書こうと思うが、この予想していなかった出会いにはかなり驚いた。
バタリア丘陵、ジャグナー森林、ブンカール浦、またジャグナー森林、そして最後は東ロンフォールと、レベル75でも危険のある中を進む冒険となった。ブンカール浦は新エリアであり現代にエリアがないため禁断の口はないが、それ以外のエリアにはあるので、現代と行き来できるようにさせつつ休憩地点にするのがオススメだ。
● 過去の「ウィンダス連邦」を目指す--「カルゴナルゴ城砦」を突破せよ!
まずは禁断の口を通って現代に戻り、再びジュノ周辺に集まった。徒歩しか移動手段のない過去よりも、現代のほうがはるかにスピーディーに移動できる。どうやって移動するのが楽か? という会話に、現代と過去そして禁断の口の場所などが混じってややこしいものの、それすら新鮮で楽しかった。 現代のジュノに集合したのち、ロランベリーにある禁断の口を通って過去のソロムグ原野に集まった。そのままメリファト山地へ入る。メリファト山地には、リンクスというクァール族のモンスターが多数徘徊していた。オレンジ色の濃い体色をしていて、現代のクァールよりも凶悪そうにみえる。
サンドリアへのルートで登場したスミロドンもそうだが、それぞれカバンを拡張するクエスト「ヨバクリのかばん2」、「ヨバクリのかばん3」で必要になるアイテムの元を落とす。スミロドンならブンカール浦にいた「Fierce Smilodon」、リンクスならメリファト山地の東側にいる「War Lynx」はアイテムを落とす確率が良いようだ。また、カバンを拡張するクエストでは他にもいくつかの材料が必要になるが、そのうち「デスストーン」と「エンジェルストーン」は過去の南サンドリアのクエストで手に入った。
道を引き返し、西サルタバルタへと抜けられる別のルートを探す。すると、マップ中央の西端にやはり現代にはない道が続いていた。抜けた先は新エリアの「カルゴナルゴ城砦」。カンパニエのマップではメリファト山地の南にあるエリアだ。 カルゴナルゴ城砦の雰囲気は、タロンギ大渓谷の南にある細い道が密集しているあたりに近いだろうか。地図でみると道が少し分断されているが、南が西サルタバルタ側へ続いていた。ここも地図を手に入れていないとかなり迷うだろう。必ず準備したい。 狭い道には新モンスターのラフレシアやドラゴンフライが多く徘徊していた。レベル75からみて「丁度いい強さ」の表示で、パーティで挑んでいたためあまり危険はなかったが、一人で挑むなら注意が必要だろう。 途中、どうしてもマップの道のようには南に進めなかったため、マップでは空白になっている中央の砦を通ることに。オズトロヤ城の屋外のような雰囲気のある砦で、ここもある種の迷路のように入り組んでいる。前述のようにマップにもこの砦自体が載っていないため、方角として南東を目指して進んでいった。
少し迷ったものの砦を抜けることに成功し、カルゴナルゴ城砦エリアの南側に抜けることができた。ここまでくればもう少し。南へと走り続け、ついに西サルタバルタへとたどり着いた! 時間にして1時間もなかった冒険かと思うが、初めての場所を駆け抜けてきたという達成感を、目の前に広がる西サルタバルタの景色が高めてくれた。
西サルタバルタの禁断の口を行き来できるようにし、過去のウィンダス連邦へ入ろうとしたそのとき、入り口周辺にぴょこぴょこと動く緑色の小さな生き物がいるのが見えた。なんだろう? と近づいてみると、それはトードというカエルのモンスターだった。「アトルガンの秘宝」で登場したポロッゴ族に冒険者が魅了されると変わるカエルの姿そのもののモンスターだ。トードはたくさん徘徊していた。
ウィンダス連邦に入るといきなり驚きの出会いが待っていた。現代世界ではよく知っている人物の、水晶大戦時代の姿はとても意外というか、かわいらしいというか……(笑)。こちらもぜひ実際にご覧頂きたいところだ。ウィンダスは水の区のみが開放されているようだ。街にいるミスラに話を聞いてみると、ヤグード教団の聖都侵入で壊滅的な被害を受け、石の区は水没したままだという。戦いの爪痕が色濃く残る都市だった。
● 過去の「バストゥーク共和国」を目指す--新モンスター「ペイスト」やチゴーに注意!
レベル75からみると、スラッグは「丁度いい強さ」ほどでパーティならそこまでの危険はないものの、ペイストは「強そうな」相手。聴覚で関知するモンスターが多いなか、ペイストは視覚関知なのも注意だ。試しに戦ってみると、硬化時間の短い石化効果を与えてくるグリムグラワーという技を多用してきた。 パシュハウ沼をもうすぐ抜ける、というところでまたしてもバリケードが道を塞いでいた。これで三国それぞれへの3つのルートはどれも塞がれていたことになる。三国間、そしてジュノを孤立させようと獣人血盟軍が工作しているのだろうか。 周辺を歩き回ってみると、南西のマップにはない道を発見できた。ここを抜けると、「グロウベルグ」という新エリアに出た。パシュハウ沼とグスタベルグの間にある山中のエリアで、ここも起伏が非常に激しい。クゥダフ兵団が多数徘徊しているほか、先ほどの「ペイスト」、サイのような大型のモンスター「ウィヴル」がいた。細い道がいくつも伸びているが、他の2国のルートに比べると分かりやすい。高い場所からの景観がよく、美しいエリアだ。
抜け出るとそこは北グスタベルグだった。現代では東西が分断されていて南グスタベルグを経由するが、過去では坂道で東西が繋がっている。ゼーガムの丘のふもとを東に回っていくと禁断の口を発見できた。
バストゥークは商業区に入れた。入った場所はバストゥーク港側と少し変わっていた。入ってすぐのところにいたガルカ兵と話してみると、バストゥーク港はサハギンの破壊工作で破壊されたという。獣人血盟軍だけでなくサハギンにも攻められているとは。そうした背景もあり商業区のみが機能しているようだ。 辺りを見て回っていると、塀のヘリに立つ変わったガルカの姿が見えた。どこかで見たスタイル。冒険を続けてきた冒険者ならもうこれだけでもわかるかと思うが、過去のバストゥークでも時を越えた再開があった。もちろん向こうはこちらのことを知らないわけだが。
過去のバストゥーク商業区は他の2国と比べてあまり破壊されておらず、綺麗だった。大きな変化として平和の象徴とも思える大きな噴水がなく、そこにはフリードリヒ塔という大きな防御塔が建っていた。この塔には獣人軍の侵攻に備えて大砲が設置されているという。バストゥークもまた、水晶大戦という大きな流れに包まれていた。
「アルタナの神兵」の世界が開かれたことがなにより大きい話題だが、11月20日に導入されたバージョンアップによる変化も、とても大きなものとなった。簡単にではあるが、大きなポイントを以下に紹介していこう。バージョンアップについての詳しい内容は2007年11月20日のバージョンアップをご覧頂きたい。
実際に使ってみると、バージョンアップ情報にも補足されているように、初期状態では色合いが濃く厳しい。前述の「FINAL FANTASY XI Config」でガンマ値を、そしてゲーム内のコンフィグよりRGBカラーのガンマ設定を調整する必要がある。いろいろと試行錯誤したが、最終的にはバージョンアップ情報に掲載されている設定例のように、全体のガンマ値を-0.4し、ゲーム内のRGBガンマは赤を25%ほど、グリーンを30%ほど、ブルーを40%ほどにするとかなり整った。今後「ウィンドウ表示モード」向きのカラー設定に一発で切り替わるチェックなどが追加されてくれると嬉しい。 ウィンドウ自体は端をドラッグすることでサイズを比率に関係なく変更できるほか、Shiftキーを押しながらドラッグすると画面比率を保ったままサイズ変更できる。比率変更後はゲーム内コンフィグで「背景表示のスクリーン領域」を変えることでバランスを保てる。だが、縦横比率を大きく変えてしまうと、ログの文字が若干潰れ気味になったり、単純に見づらくなったり、支障が出てくる。基本的には「FINAL FANTASY XI Config」で設定したFront Bufferの値のサイズで使うのが良さそうだ。ウィンドウのタイトルバーを右クリックすることで「サイズを初期化する」こともできる。
筆者はいつもゲームパッドで操作しているが、このウィンドウ表示モードではマウスカーソルが画面に残り、時には十字キー操作の邪魔になるときもあった。ゲームパッドで操作している人にとってはほとんどマウスを使うことはないと思われるので、ゲームクライアント側のみマウス操作自体を無効にできるようになると嬉しいかもしれない。筆者の環境では気になったのはそれぐらいで、安定性も良好だ。グラフィックス全般の違和感などはまだまだあるものの、実装されたばかりということが大きく、これからブラッシュアップされていくところもあるだろう。まずは、ウィンドウ表示モードが公式にサポートされていくことを喜びたいと思う。
まず最初にこの変化に触れて、当分、いや、よっぽどの事がない限りマクロパレット数に悩まされることはないだろうと感じた。少なくとも筆者は1ジョブのために200個ものマクロを使いたいと思ったことはないし、レベル制限コンテンツ用にマクロをばんばん登録していっても使いきるだろうかわからない。それが20ブックもあるというのだから、これまで200個の中でやりくりをしてきたのが嘘のようだ。 マクロコマンドには「/macro」というコマンドが追加され、「book」、「set」というサブコマンドを組み合わせることでブックの切り替えもできる。切り替えずとも1ブックの200個で充分にそのときそのときのプレイはしていけると思うが、こうした切り替えもサポートされているのはありがたい。
また、マクロ編集でもこれまでは「カット/行カット」という切り取りの動作だったものが「コピー/行コピー」という複製の動作に変わった。これまではマクロ編集をしていて2回連続でカットしてしまい1回目の行が無くなってしまった……なんていうこともあったが、コピーならば元が残っているので心配がない。細かではあるがこれも嬉しいところだ。
両手武器は2007年8月28日のバージョンアップでステータス補正計算式が変わり、前連載の近東見聞録でも第29回でもお伝えした。だが、今回再度調整されることとなった。以前に強化された段階では「STR+1に対して攻撃力+1」で、命中率に対してもDEX+1で同等の計算がされていた。 再調整後の計算式を検証すべく、吟遊詩人レベル75を両手棍以外の装備を外した状態にして試してみた。この状態で攻撃力253。これにSTRを足していくと、
STR+1で攻撃力254(ステータス補正+0.75)
といったように確認できた。小数点以下は四捨五入されていると考え、今回の再調整では「STR1に対して攻撃力+0.75」になっている。命中率に関しては数値で出ないため断言を避けるが、おそらく同等の変更がされているだろう。筆者としては、8月に大幅強化された以前よりは両手武器自体の性能が高まっているのは変わらないとして、再調整をバランスを計るためのものとして理解したい。むしろそれよりも、一度引き上げたものを次のバージョンアップの再調整で下げた、という流れに問題を感じる次第だ。
友人のモグハウスは筆者の部屋と違ってとても綺麗に調度品がレイアウトされており、ちょっとうらやましくなった(笑)。「この調度品はどこで手にはいるの?」など、調度品を見つつ会話も弾む。現状では機能としては「入れるようになった」ところまでではあるが、今後にモグハウスに招待できる機能からの広がりも期待できる。例えば栽培などは招待許可を受けたメンバーで共有して育てたりしてみたい。なにか面白い遊びが加わってくることを期待したいところだ。
また、レンタルハウスを借りる手続きも廃止された。今後はどこのモグハウスに入る際でもそのままスムーズに入れる。これが派手さはないもののなかなか便利だ。慣れないうちは手続きをしようとNPCに話しかけてしまうのだが。
「暗く、儚く、そして哀しい時代……」とプロローグテキストにあったが、それでいて決して殺伐と感じさせ過ぎたりせず、荒廃しきっていないところが「FF XI」らしさだろう。儚さはBGMとともに世界をもの悲しく、美しく見せているし、そこに生きる人々からは強さと明るさを感じられる。なにより、「アルタナの神兵」はあくまで過去であって、これまでずっと現代の姿を見てきた。この登場したタイミングも大きいだろう。そこかしこにはピクシー族の姿が見え、現実的な戦争というキーワードの中でもファンタジーを感じさせる。
今回はそれら世界観、そして最初に待っていた思いがけない「三国への危険で長い道のり」というポイントをピックアップした。第1回としてはボリュームが出たが、ここからカンパニエをはじめとする「アルタナの神兵」の面白さが始まっていくことだろう。これからこの連載「ヴァナ・ディール“水晶大戦”探放記」でそれら魅力をお伝えしていこうと思う。
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□スクウェア・エニックスのホームページ (2007年11月28日) [Reported by 山村智美 / Pomm]
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