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Game Developers Choice Awards、BEST GAMEは「Gears of War」
会場全体が大きな拍手で宮本茂氏の“生涯の功績”を賞賛

3月5~9日開催

会場:Moscone Convention Center

  サンフランシスコで開催されている「Game Developers Conference(GDC)2007」にて、3月7日(現地時間)、「7th annual Game Developers Choice Awards」の授賞式が開催された。この賞はIGDA(国際ゲーム開発者協会)メンバーのゲーム開発者達の投票によって、Writing(シナリオ)、Character Desigin、Vosual Artsといった様々な視点で評価し表彰するものだ。

大きな拍手で祝福される宮本茂氏
Best Gameを受賞した「Gears of war」の開発者Clifford Bleszinski氏(左)、Rod Fergusson氏
 ノミネート作品には「大神」、「LocoRoco(ロコロコ)」」、「ファイナルファンタジーXII」、「Wii Sports」、「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」といった日本のタイトルが目立つ。また、ノミネート作品にこれらのタイトルが表示されると、会場から大きな歓声が上がる。アメリカのゲーム製作者の間での日本タイトルの人気の高さが伺える。

 最初に発表されたのは「Inovation(革新性)」の部門。ここでは、「Line Lider」と、「大神」、「Wii Sports」が受賞した。「Wii Sports」のトロフィーを受け取りに壇上に上がったのは宮本茂氏。宮本氏の登場に会場からは大きな歓声と拍手が上がった。宮本氏は「今はただありがとうという感謝の言葉を。後は明日(のキーノートで)」とコメント。トロフィーを手にガッツポーズをすると、会場から更に大きな拍手と歓声が。

 日本のタイトルで賞を受賞したのは、「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」がWriting部門を、「Wii Sports」はGame Design部門を、「大神」はCharacter Design部門で受賞した。Writing部門で登壇しトロフィーを受け取ったのは「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」ディレクターの青沼英二氏が登壇。青沼氏は「僕が書いたストーリーをものすごく良いものに変えてくれたシナリオ担当の高野充浩さんと京極あやさん、そしてそれを見事にローカライズをしてくれたのでこんなに良い賞をもらえました、ありがとう」とコメントした。

 Best Gameを受賞したのは「Gears of war」。Visual ArtsとTechnologyを合わせると3部門での受賞となる。Clifford Bleszinski氏は、「信じられない、制作をサポートしてくれたチーム、パートナーであるマイクロソフト、支えてくれた家族、そしてガールフレンドに感謝したい」と語った。

 このGame Developers Conferenceはゲームタイトルと共に、ゲームの発展に寄与する人物を表彰する。ゲームに新たな流れをもたらした“First penguin”には「テトリス」の開発者Alexey Pajitnov氏が選出された。Pajitnov氏は、「チャレンジにこだわり続けるのは素晴らしい。実現は簡単ではないが、チャンレジすることをイメージし続ける事が大切だ」と語った。

 そして、全てのゲーム製作者と、ゲーマーに影響を与えた作品を作り出したとする人物に与えられる賞Lifetime achievement(生涯の功績)が、宮本氏に贈られた。昨年の受賞者、Richard Garriott氏からトロフィーが渡されると、会場全体から大きな拍手が。その拍手はいつまでも鳴りやまず、音は一層大きくなり、宮本氏は一瞬、感極まったような表情を見せた。会場からの宮本氏への賞賛の拍手はそのまま、参加者全体の宮本氏への強い想いを表現していた。

 宮本氏は、「サンキューベリーマッチ。本当にこの長い時間仕事をしてきて良かったと思います。こういう賞をもらうと年寄り扱いされて引退も近いと思われがちですが、僕はまだまだみなさんに刺激を与えていきたいと思います。若いみなさんの英気を吸血鬼のように吸い取ってですね(笑)。みなさんにも本当に感謝しています。

 アメリカはチャレンジの国で、僕は昔から大好きです。僕等は常に新しいことをしてきて、本当に楽しんでいますが、それを評価してくださってくれていることに本当に感謝します。これからもいろんな新しいことをしていきます。ありがとうございました」宮本氏の言葉の後、大きな歓声が上がり、続いて会場全体から大きな拍手が宮本氏に贈られた。

 宮本氏はイベントが終わってからも多くのファンに囲まれていた。多くの開発者やゲーム関係者達が宮本氏を一目見ようと周りに集まる姿は、改めて宮本氏の存在の大きさ、ファン達の尊敬の念の強さを感じさせられた。

 今回の「Game Developers Choice Awards」では、宮本氏のファンにはたまらない1つの仕掛けがあった。このイベントでは賞の発表の合間にゲームのパロディームービーが流される。マリオの格好をして街の中を奇声を上げはね回り街の人々から奇異の目を向けられたり、ゲームの元ネタを知っていれば(もちろん会場に、知らない人はいない)爆笑間違いなしのムービーなのだが、このムービーになんと宮本氏が登場するのだ。

 髭をつけ、赤の衣装と緑の衣装をまとって街を思うままに走り回っていた兄弟の前に突然宮本氏が現われ、眉間にしわを寄せて2人をにらむと、2人はしょんぼりした表情で帽子を取ってうなだれる。にらんでいる宮本氏の後ろを「ゼルダの伝説」のリンクの姿をした人物が通りかかり、宮本氏に気がつくと一目散に逃げ出して隠れるというおまけもあって、会場は爆笑の嵐に包まれた。まさに宮本氏が“主役”の「7th annual Game Developers Choice Awards」だった。

Writing部門を受賞した「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」は、青沼英二氏が登壇 “First penguin”を受賞した「テトリス」の開発者Alexey Pajitnov氏 Richard Garriott氏からトロフィーを渡される宮本氏
ノミネート作品が次々と映像で紹介されると、大きな歓声が上がる
ゲームのパロディームービー。まさかの宮本氏の登場に、会場から驚きの声、そして爆発的に大きな笑い声と拍手が起こった


■ノミネート一覧
※太字が受賞作

●Audio部門

・Company of Heroes

・DEFCON: Everybody Dies

・Guitar Hero II

・Lara Croft Tomb Raider: Legend

・LocoRoco

●Character Design部門

・Final Fantasy XII

・LocoRoco

・大神

・Viva Pinata

●Game Design部門

・Bully

・大神

・The Elder Scrolls IV: Oblivion

・Viva Pinata

・Wii Sports

●Technology部門

・Company of Heroes

・Dead Rising

・Gears of War

・Rockstar Games presents Table Tennis

・Wii Sports

●Visual Arts部門

・Final Fantasy XII

・Gears of War

・大神

・The Elder Scrolls IV: Oblivion

・Viva Pinata

●Writing部門

・Bully

・Dreamfall: The Longest Journey

・Sam & Max Episode 1: Culture Shock

・The Elder Scrolls IV: Oblivion

・ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス

●Best Game

・Gears of War

・大神

・The Elder Scrolls IV: Oblivion

・ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス

・Wii Sports

□Game Developers Conference(英語)のホームページ
http://www.gdconf.com/
□Game Developers Conference(日本語)のホームページ
http://japan.gdconf.com/
□Game Developers Choice Awards(英語)のホームページ
http://www.gamechoiceawards.com/
□関連情報
【3月7日】サンフランシスコにてGame Developers Conference 2007が開催
史上最大規模での開催。任天堂とSCEのキーノートに期待
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20070306/gdc2007.htm
【2006年3月22日】Game Developers Conference 2006がサンノゼにて開催
任天堂、SCEの基調講演と日本人セッションに注目
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060322/gdc2006.htm
【2006年3月】Game Developers Conference 2006 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060324/gdclink.htm

(2007年3月7日)

[Reported by 勝田哲也]



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