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Game Developers Conference 2006現地レポート

Game Developers Conference 2006がサンノゼにて開催
任天堂、SCEの基調講演と日本人セッションに注目

3月20~25日開催

会場:San Jose McEnery Convention Center

 世界最大規模のゲーム開発者向けカンファレンスGame Developers Conference(GDC) 2006が、現地時間の3月20日より米国サンノゼにおいて開幕した。初日と2日目はチュートリアルが行われ、3日目より各種キーノートを含む一般のセッションとGDC Expoがスタートする。GAME Watchでは本日より最終日の25日まで、連日リアルタイムレポートをお伝えしていく予定だ。

年々拡大傾向にあるGDC Mobile。2日目には日本のモバイル市場を代表してスクウェア・エニックスCOO岡田氏の講演も予定されている
こちらも急拡大しつつあるSerious Game Summit。比較的日本人の参加者も多いセッションだ
メイン会場であるMcEnery Convention Centerは全館無線LAN環境が整備されており、受講しやすい環境が整えられている
 昨年はサンフランシスコにて開催されたGDCだが、今年はふたたび大手ハードベンダーの本拠地であるサンノゼに会場を戻した。規模はサンノゼで開催された一昨年、そして昨年を遙かに上回り、今年はメイン会場であるSan Jose McEnery Convention Centerだけでは収まりきらず、隣接するMarriott Hotel、Hilton Hotelと、表玄関の向かいにCivic Auditorium、1ブロック先にあるFairmont HotelのボールルームやミーティングスペースをすべてGDC会場として借り切っている。

 このため最大同時開催数は27セッションにも上り、総セッション数は400を超える。どのセッションに足を運ぶか迷うどころか、物理的に移動だけでも大変であり、日本を含むアジア圏ではちょっと考えられないほどのマンモスカンファレンスになりつつある。

 ただ、単にセッション数が増えているだけでなく、内容そのものも着実に充実してきており、カンファレンスの花形であるキーノートスピーチも4本行なわれる。一部のセッションにて実施される同時通訳も日本語に加え、韓国語にも対応。GDCと併催という形で開催されるGDC MobileとSerious Games Summitもそれぞれ2日間で30以上のセッションを行なうなど、単一のカンファレンスとして成立する規模に成長している。

 注目されるキーノートスピーチは、プラットフォームキーノートが2年連続となる任天堂代表取締役社長 岩田聡氏の「破壊的開発」とSCEE President Phil Harrison氏の「PlayStation 3: 箱を越えて」の2セッション、ビジョンキーノートが「宇宙空母ギャラクティカ」プロデューサーのRonald D. Moore氏とMaxisチーフデザイナー Will Wright氏の「ゲームデザインの次の一手」の2セッションの開催がそれぞれ予定されている。いずれも旬の題材を持ち合わせた大物が揃っているだけに開催が楽しみだ。

 日本人クリエイターによるセッションも充実している。今年は杉山一氏(SCEI)、水口哲也氏(キューエンターテインメント)、谷波晃一郎氏(ナムコ)、江口勝也氏(任天堂)、大原孝夫氏(任天堂)、室田典良氏(NHN Japan)、Sage Sundi(スクウェア・エニックス)、松浦雅也氏(七音社)などが参加。テーマとなるタイトルも「ワンダと巨像」、「おいでよどうぶつの森」、「カウンターストライクネオ」、「ファイナルファンタジー XI」など時代を反映してか、オンライン対応のゲームが優勢である。

 また、ニンテンドーWi-Fiコネクションやハンゲーム、LEDZONEなど、ユニークなビジネスモデルの成功事例も紹介される。かつてGDCで日本人スピーチというと、カリスマクリエイターによるゲームデザイン論が大勢を占めていたが、今年のGDC2006では、ゲームデザイン論だけではない、新たな日本ゲーム像の開陳が期待できそうである。

 さて、初日の3月20日はチュートリアルセッションが開催された。チュートリアルはゲームデザイン、オーディオ、モバイル、シリアルゲームなど、単一のテーマに関するレクチャーを丸1日かけて行なうというもので、新卒のゲームクリエイターに最適な比較的ベーシックなセッションである。

 といいつつ、毎年、その年のゲームテクノロジーの行方を占う先端情報も公開されたりするため目が離せない。今年はOpenGLをテーマにしたチュートリアル「Advanced Visual Effects with OpenGL」において、NVIDIAがHavokと共同で開発したNVIDIA SLI向けの物理効果ソリューションソフトウェア「Havok FX」が紹介された。

 実はHavok FXに関しては、GDC開幕直前にNVIDIAよりプレスリリースが配信されており既知の情報ではあるのだが、こうしたすこぶる鮮度の高い話題がスピーカーの口からボンボン飛び出すのがGDCのおもしろさであり、醍醐味である。ぜひ明日以降のレポートにもご期待いただきたい。

会場はゆったりしており、フロアの各所にミーティングスペースや“作品”出店されている。広すぎるため移動だけで休憩時間が終わってしまうのが玉に瑕である

初日開催されたチュートリアルは13セッション。見ての通り、チュートリアルによって会場の広さも、レクチャーの仕方も異なる。「Creativity Boot Camp 2006」(上段中央)では、イリノイ大学で教鞭を執るゲームクリエイターPaul Schuytema氏がクイズ形式で右脳と左脳のブレインストーミングを実施。どんどん書かせて、どんどん答えさせ、厳しい寸評を加えるという非常にパワフルなレクチャーだった

□Game Developers Conference(英語)のホームページ
http://www.gdconf.com/
□Game Developers Conference(日本語)のホームページ
http://japan.gdconf.com/
□関連情報
【2005年3月】Game Developers Conference 2005 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050315/gdclink.htm
【2005年3月8日】Game Developers Conference 2005がサンフランシスコにて開催
著名クリエイターが一堂に会する世界最大規模のゲームカンファレンス
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050308/gdc_01.htm

(2006年3月22日)

[Reported by 中村聖司]



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