|
会場:San Jose McEnery Convention Center
このため最大同時開催数は27セッションにも上り、総セッション数は400を超える。どのセッションに足を運ぶか迷うどころか、物理的に移動だけでも大変であり、日本を含むアジア圏ではちょっと考えられないほどのマンモスカンファレンスになりつつある。 ただ、単にセッション数が増えているだけでなく、内容そのものも着実に充実してきており、カンファレンスの花形であるキーノートスピーチも4本行なわれる。一部のセッションにて実施される同時通訳も日本語に加え、韓国語にも対応。GDCと併催という形で開催されるGDC MobileとSerious Games Summitもそれぞれ2日間で30以上のセッションを行なうなど、単一のカンファレンスとして成立する規模に成長している。 注目されるキーノートスピーチは、プラットフォームキーノートが2年連続となる任天堂代表取締役社長 岩田聡氏の「破壊的開発」とSCEE President Phil Harrison氏の「PlayStation 3: 箱を越えて」の2セッション、ビジョンキーノートが「宇宙空母ギャラクティカ」プロデューサーのRonald D. Moore氏とMaxisチーフデザイナー Will Wright氏の「ゲームデザインの次の一手」の2セッションの開催がそれぞれ予定されている。いずれも旬の題材を持ち合わせた大物が揃っているだけに開催が楽しみだ。 日本人クリエイターによるセッションも充実している。今年は杉山一氏(SCEI)、水口哲也氏(キューエンターテインメント)、谷波晃一郎氏(ナムコ)、江口勝也氏(任天堂)、大原孝夫氏(任天堂)、室田典良氏(NHN Japan)、Sage Sundi(スクウェア・エニックス)、松浦雅也氏(七音社)などが参加。テーマとなるタイトルも「ワンダと巨像」、「おいでよどうぶつの森」、「カウンターストライクネオ」、「ファイナルファンタジー XI」など時代を反映してか、オンライン対応のゲームが優勢である。 また、ニンテンドーWi-Fiコネクションやハンゲーム、LEDZONEなど、ユニークなビジネスモデルの成功事例も紹介される。かつてGDCで日本人スピーチというと、カリスマクリエイターによるゲームデザイン論が大勢を占めていたが、今年のGDC2006では、ゲームデザイン論だけではない、新たな日本ゲーム像の開陳が期待できそうである。 さて、初日の3月20日はチュートリアルセッションが開催された。チュートリアルはゲームデザイン、オーディオ、モバイル、シリアルゲームなど、単一のテーマに関するレクチャーを丸1日かけて行なうというもので、新卒のゲームクリエイターに最適な比較的ベーシックなセッションである。 といいつつ、毎年、その年のゲームテクノロジーの行方を占う先端情報も公開されたりするため目が離せない。今年はOpenGLをテーマにしたチュートリアル「Advanced Visual Effects with OpenGL」において、NVIDIAがHavokと共同で開発したNVIDIA SLI向けの物理効果ソリューションソフトウェア「Havok FX」が紹介された。
実はHavok FXに関しては、GDC開幕直前にNVIDIAよりプレスリリースが配信されており既知の情報ではあるのだが、こうしたすこぶる鮮度の高い話題がスピーカーの口からボンボン飛び出すのがGDCのおもしろさであり、醍醐味である。ぜひ明日以降のレポートにもご期待いただきたい。
□Game Developers Conference(英語)のホームページ (2006年3月22日) [Reported by 中村聖司]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|