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今回、ガンホーはこのアップデートに先がけ体験会を開催した。本稿ではその体験会でのスクリーンショットと共に、新要素を紹介していきたい。
■ 今まで以上に恐ろしい魔物が待ち受ける新フィールド、ハムツ、シドヘ
本作はガンホーが日本オリジナルの試みとして「プロゲーマー制度」を導入した事でも話題を集めた。この制度は対戦専用サーバーで行なわれ、12月17日に開催された第1回のトーナメントにおいて上位4位までに入賞したチームがガンホーとのプロゲーマーの契約を結ぶことができる。契約を結んだチームが、2007年3月に開催される第2回大会で4位までにはいることができれば賞金を獲得することができる。トーナメントは定期的に開催されることがアナウンスされており、「A3」の試みがプレーヤー、ひいてはオンラインゲーム業界全体にどのような影響を与えるか注目していきたい。 「A3」の大型アップデート「PartII」は、正式サービス開始に伴う形で実装された。新職業「アーチャー」の追加の他、多くの新地域が追加された。「PartIII」は、アイテム課金化に伴う大がかりな仕様変更を挟んで、2006年1月に実装されている。新しいクエストや上位装備などが追加されている。この他、「A3」ではカプコンの子会社であるフラグシップのシナリオによるクエストや、最上階を目指してプレーヤー同士が各フロアで戦いを繰り広げるという「欲望の塔」などのイベントが行なわれている。 「PartIV」では、200年以上誰にもその正確な場所を知られることのなかった闇の帝国「ウェデート」がプレーヤー達の前に現われる。ウェデート支配者、闇の帝王ハーケンは今も帝国のどこかで世界に闇の力をもたらすために計画を練っているという。このハーケンへたどり着くための鍵を握るのが、恐ろしい魔物達の棲息する忘却の沼「シドヘ」と、暗黒の塔へと続く入口があるといわれている全3層で構成されているダンジョン「ハムツ」である。 シドへはハムツへ繋がる入口であると共に、多くの魔物のいる上級者向けの狩り場である。吸血鬼「バート」や内臓をはみ出させた醜悪な怪物「ラダシト」などが闊歩する非常に危険な場所であるが、人間と取引する魔物のが住む安全地帯も存在している。プレーヤー達はこの安全地点を拠点として冒険していくこととなる。このシドへへ行く道は現在のところ明らかになっていない。噂では今まで存在したボスがシドへへのルートの秘密を握っているとのことだが……。 ハムツはシドヘの安全地帯か、移動魔法師の転送魔法によって入ることができる。1階から3階まであり、転移魔法を使えば直接各フロアに飛ぶことができる。シドヘ以上に強力なモンスターがひしめいている。シドへ、そしてハムツのモンスターは非常に強力である。今回の体験会ではレベル160に装備を強化したかなり強いキャラクタ2人で挑んだのだが、モンスター一体に対してさえ、ほとんど相手にならなかった。この地域はレベル150以上のキャラクタが対象となっているが、狩りをするためにはパーティーでの挑戦が必須となるだろう。 このモンスターを更に凶悪な存在にさせているのが、今回から追加された特殊攻撃である。「PartIV」からのモンスターは「毒」や「石化」、「めまい」、「補助魔法無効」といった特殊攻撃をしてくる。石化されると身動きとれなくなり、めまいだと命中率が下がる。このほか、走ることができなくなり、敵から逃げられなくなることも。1人のプレーヤーではあっという間にこれらの攻撃で力を奪われ、魔物に囲まれてしまうだろう。 これらの効果を打ち消すためにはシドヘやハムツのモンスターからドロップされるポーションを使うか、効果が消える時間を待つしかない。モンスターを一体倒すのにもかなり時間がかかるので、実際にはポーションに頼らず、パーティーで戦い、マイナス効果をものともせずに敵にダメージを与え続ける、という戦い方になるだろう。ドロップされるポーションは状態回復薬の他に、魔物から不可視になる薬なども用意されている。中には4分間ダメージを軽減するものや、15秒間無敵になるような、対人戦でも使えそうなアイテムがある。しかし再使用に時間がかかるので、使い所が難しそうだ。
シドヘ、ハムツのモンスターは単体でも強力であるが、シドヘの「エリニュー」や、ハムツの「イシュナ」、「アルイシュナ」、「ディイシュナ」というボスモンスターはたくさんの護衛をつれている。しかもボスは各マップに複数存在し、入口のすぐ側にいる場合もある。2~3パーティーが協力しなくては倒せないような敵である。これだけ強力なモンスターだが、挑戦する価値は充分にある。何故ならば彼らを倒すことによって、プレーヤー達は更なる強さを獲得できるのである。
■ 高レベルキャラクタに更なる力を付与する、多くの新アイテム
防具改造はアーマーの属性防御力を最大値にすることができる。能力付与は、鎧強化石の種類によって決まり、「防御力増加」、「クリティカルヒット成功率上昇」、「最大MP増加」などの効果を付与できる。8次の鎧なら能力は1個、9次なら2個、10次なら3個の能力付与が可能となっている。 能力付与はさらにネックレスや指輪にも行なうこともできる。能力付与が可能なアクセサリーはシドヘ、ハムツの魔物達からドロップされる。付与できる能力は攻撃力増加や防御力増加の他、調合成功率増加や、エンチャント成功率増加など生産活動に役立つアイテムも制作可能だ。 ドロップアイテムとしては「ユニーク防具」も大きな魅力だ。各職業に3種類用意されていて、フルセットを揃えることができればステータスが強化されるだけでなく、アイテムドロップ率が上がったり、様々な追加効果を得ることができる。 新モンスターからは、「英雄スキル」のスクロールもドロップされる。今回は残念ながら体験できなかったが、更なる強力な力を獲得できそうだ。対象レベルは160以上という上級者向けの要素だが、ギルドの強さを常に競う「A3」の場合ではこのスキルの必要性は特に高いだろう。この他、レベル130以上のいくつかのスキルが追加された。職業間のバランスが変わってきそうで、今後のトーナメントがどのように変化するかも期待したい。 「PartIV」という大規模アップデートにかかわらず、対象が高レベルユーザーに極めて限定されている、はっきり言えばシドヘに到達できるプレーヤーが、有力な騎士団に所属している高レベルユーザーに限定されている点は少し疑問を感じるところだ。ガンホーによればレベル150以上のプレーヤーは全体の20%だという。新スキルの対象となるレベル130以上のプレーヤーまで視野に入れれば、全体の50~60%のユーザーが到達しているとのことだが、せっかくの新要素が実感できないというのはやはり少し寂しく感じる。新地域が明らかになったことで世界全体が変化を迎えるような要素も欲しいと感じた。 「A3」では現在のレベルキャップは165だが、160以上のキャラクタには膨大なレベルアップの時間がかかるかわりに、オーラをまとい、強力な力を得ることができる。現在のトーナメントでもレベル165近くのキャラクタが参加していることが勝敗の重要な要素になっている。今回の追加要素でこの傾向はより顕著になりそうである。
また、アップデートのスピードに関してのユーザーの不満の声もある。韓国では「PartIV」は2005年の5月に実装されており、すでに「PartV」も実装済みである。日本の「A3」は賞金トーナメントや、オリジナルイベントなどで独自の進化を遂げているが、やはり韓国で実装されている要素は一刻も早い実装を望みたい。それと共に、新しいユーザーがより参加したくなるような要素のパワーアップも望みたいところだ。
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□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ (2006年12月19日) [Reported by 勝田哲也]
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