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会場:ActozSoft本社内
ここで改めて「アニス&フリッキー」のコンセプトを説明しておこう。本作は“キューブスペース”と呼ばれるサイバー空間を舞台にアニスとフリッキーという元気なキャラクタが、世界を救うため奮闘するMMORPGである。WASDで移動、マウスで視点変更という操作法で、コンシューマのアクションゲームのような、多数のトラップが仕掛けられたフィールドをジャンプで突破していく。MMORPGとアクションゲームの融合という、新しいチャレンジを行なっている作品だ。 今回の説明会の多くの部分は前回お伝えした「体験レポート」と重なる部分もあるのだが、新たな要素も多数明らかになった。さらに最新スクリーンショットを合わせて紹介したい。
■ 独特のセンスが光る、多彩でユニークなアイテム
最初に紹介された要素がキャラクタの装備のバリエーションである。猫の顔がついた棍棒(なぜかおなかにあたるところにポケットがある)や、トイレが詰まったときに使用するスッポン、手の形をした武器「妖しいゴム手袋」、鉛筆に指した消しゴムや、ちょっとおしゃれな椅子、これらは全てキャラクタが扱う武器なのだ。威力がどうかという前に、それを持っているだけで大きなインパクトがある。単純にかわいかったり、かっこいいわけではない、とても「ヘン」で魅力のあるセンスである。 吉本氏も「手袋の光沢に注目してください」、「鉛筆の芯がちゃんと消しゴムから飛び出ているのが確認できます」ととても細かい説明をする。この細部までにこだわったデザインこそ「アニス&フリッキー」の大きな特徴だ。キャラクタが身にまとう「スーツ」はカエルデザイン、タヌキデザインなど動物をモチーフにしたものがある。また、バックパックには乾電池を差したものや、給水器をデザインにしたものがあった。こちらも外見から性能が予想できないものばかりだ。 更にクエストで手に入るアイテムとして背中と腰につけるライオンの頭のようなパーツが紹介された。上半身にライオンの上あご、下半身に下あごがついていて、キャラクタがアクションをするとそれぞれのパーツが近づきライオンの口が噛み合わさるようになっている。また、腕のパーツにはユーザーがデザインしたギルドタグを付けられる盾のようなスペースが確認できた。 装備の紹介を終えると、仲間を募ってモンスター退治に赴くことに。ここで気がついたのはロビーでの移動速度が上がっているところだ。操作性も日々改良されているようだ。Kim氏はパーティーを組んで「神殿」をテーマにしたフィールドに。デモプレイのキャラクタは高レベルに設定されており、それぞれサブ職業にもついていて速いペースで敵を倒していった。装備も、使用するスキルも派手で、戦闘はポップな色合いのエフェクトが目立つ、派手で見応えのあるものだった。
驚かされたのはKim氏のプレイのうまさである。以前一度本作に触れてみたのだが、浮遊する足場を飛び移っていくのはなかなか難しかった。Kim氏の連続ジャンプですいすいとフィールドを進んでいくテクニックには感心させられた。ギャラリーのためのサービスとしてエモーションコマンドを効果的に使い、失敗したときにはキャラクタを泣かせたり、うまくいったときには笑わせたりしていた。キャラクタの声は元気な感じが良く出ていた。
■ 力を合わせてトラップを通過し、職業の特性を活かして戦う。協力が不可欠なボス戦
面白いと思ったのが、このインスタンスダンジョンのマップの構造だ。いくつかのスイッチを他のメンバーが押すことでだんだん道が開けるようになるなど「協力要素」を重視している。スイッチを押すことで何もない場所に足場が現われるなど、仕掛けも凝っていて、見ていて思わずプレイしたくなる。 デモプレイを見ていて、「アニス&フリッキー」で気になる部分はやはりフィールドの難易度の高さだ、ということを改めて感じた。スタッフ達はやり込んでいるから簡単そうに見えるものの、マップを順調に進むためには、キャラクタの操作に熟練し、マップを知り尽くして始めて可能になる。アクションゲームが苦手な人にはハードルが高いゲームといえるだろう。ユーザーからもそういった声が多かったためか、「救済措置」が導入されていた。 「ストレッチャー」というスキルがそれで、これを持っているプレーヤーがこれを使うと他の位置にいるプレーヤーを自分のところに引き寄せることができる。とても魅力的なスキルだが、この制限が緩すぎてもゲームのコンセプトが弱くなりかねない。今後、もう少し詳細を確認してみたいスキルである。 ボス戦は発表会同様、体を張って仲間を攻撃から守る「フォーサー」、トラップを仕掛けて敵に大ダメージを与える「トラッパー」、楽器を演奏し、仲間の力を増幅する「バード」、仲間を治療できる「ダンサー」の4つのサブ職業を持つキャラクタ達が力を合わせて倒していた。今回Kim氏はトラッパーとして活躍。爆弾を密集してしかけ、フォーサーが的確にそこにボスを誘導する。爆弾が爆発し、ボスにダメージを与える。個人的には少し爆弾の「演出」が弱いかな、とも思った。爆発のエフェクトは派手なのだが、ボスはそれをものともせずに突っ込んでくるのだ。もう少しボスが爆風でしりもちをつく、といった威力を実感させる効果を期待したい。 とはいえ、ボスもまたパーティーの移動速度を下げる呪文を使ったりと様々な動きも見せてくれる。なにより、熟練したプレーヤー達による連携による戦闘は、それぞれの役割を把握しているだけに見ていてとても気持ちがいい。自分もうまくなり、仲間と共に息のあった戦闘を展開したいと思った。 ボスとの戦闘の後は、「キューブリアンベー」と、「芸術堂」という新しく追加された2つのフィールドが紹介された。キューブリアンベーは動く床や飛び石などのアクション要素が楽しめる地形と、攻撃をしてこないモンスターが闊歩するフィールド。経験値が得られるなどの特典はないが、スキルの練習などもできるステージだ。芸術堂は巨大なピアノが置かれているステージ。鍵盤の上に乗ると音が鳴る。韓国では練習を重ねたGM達によって“演奏会”が開かれたという。ギルドイベントなどで腕前を披露したくなるステージだ。
今回は残念ながら日本語クライアントのバージョンでの試遊ができなかった。しかし現時点でほとんどの部分は日本語化が行なわれているのが確認できた。メッセージの細かい不具合なども今後急ピッチで改善されていくだろう。今回、ActozSoftの見学会では開発中のステージの一部も見ることができた。「おもちゃの国」をイメージとしたほのぼのとした雰囲気を持ったものになるようで、「アニス&フリッキー」の世界に新しい一面を加えてくれるものになりそうである。日本向けのキャラクタデザインや、オリジナル要素なども開発中とのことで、今後の展開に期待したいところだ。
■ 世界観、キャラクタ性がすべてから感じられる、最新スクリーンショット
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□ネットクルーのホームページ (2006年8月19日) [Reported by 勝田哲也]
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