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会場:Shanghai New International Expo Center
入場料:30元(約480円)
■ SHANDAはゲームコンソール事業を開始 THE9は大作総取り状態で大勝ちを狙う
SHANDAは、昨年のChinaJoyで発表し、昨年末より発売を開始したオンラインゲームコンソール「EZ Pod」が目新しい存在だ。このほかに、DVDプレーヤータイプの「EZ STATION」、その小型版の「EZ CUBE」、そして携帯ゲーム機版である「EZ mini」などを計画しており、現在、中国唯一のゲームプラットフォーマーということになる。「EZ」シリーズについては別途、SHANDA本社レポートで詳しくお伝えしたい。 ライセンスものとしては、新作ではTurbineの「Dungeons & Dragons Online」1本で、「World of Legend」、「MapleStory」、「BNB」、「Magical Land」など同時接続10万人超のタイトルを複数抱える同社ならではの余裕を感じさせる。 そのほかSoftworldが手放した「ラグナロクオンライン」も獲得し、新たにSHANDAがパブリッシャーとして中国展開を行なっている。ビジネスモデルは、Softworldの従量課金を継承し、25時間10元(約160円)、75時間30元(約480円)、30日45元(約720円)と比較的オーソドックスな課金体制を敷いている。 SHANDAの最大のライバルとなるTHE9は、MMORPGをメインとした重厚長大路線をひた走る。コカコーラとタイアップし、国民的なタイトルに成長した「World of Warcraft」(Blizzard Entertainment)を筆頭に、「Guild Wars」(NCsoft)、「ミュー奇蹟の大地」(Webzen)などが主要なタイトルだ。今年はさらに「Hellgate London」(Flagship Studios)、「Granado Espada」(Hanbitsoft)、「SUN」(Webzen)と大物タイトルを続々と獲得。MMORPGのデパートのような状態になっている。 よく知られているようにMMORPGは、開発に時間が掛かり、長期スパンで回収していくビジネスモデルを採用しているため、ライセンスの契約料が非常に高い。当然こうした大物タイトルは、各社の間で価格競争になっており、大作ともなると10億円、20億円とも言われる。THE9はそのすべての戦いに勝ってきたということになる。果たして、これだけのタイトルを同時並行していけるのか未知数だが、前例のない大規模展開である。
■ カジュアルゲームを軸にインスタントメッセンジャー市場が加熱
また、「POPO」と呼ばれるインスタントメッセンジャーソフトに、パズルゲームなどのカジュアルゲームを提供するサービスも行なっている。メッセンジャーという日常ツールにゲームコンテンツをヒモ付けて囲い込みを計るという、米MicrosoftがWindows Live Messengerをプラットフォームとして展開しているMicrosoft Casual Gamesとまったく同じ構想だ。 しかし、このメッセンジャーにカジュアルゲームをヒモ付けて、アバターや広告で収益をあげるビジネスモデルは、中国でもっとも高いシェアを誇るインスタントメッセンジャーソフト「QQ」でも行なわれており、「POPO」はその後追いとなる。ほかにも同様のビジネスを展開しているメーカーも多く、水面下で激しい競争が展開されている。 その「QQ」を展開するTENCENTは、最大シェアを武器に、カジュアルゲームポータル「QQ遊技」を立ち上げている。その新規タイトルが韓国Neowizの「R2BEAT」だ。中国では「QQ音速」と改称して、「QQ」ブランドの中に組み込まれている。現在中国ではカジュアルミュージックゲームが大流行しており、「QQ」と「QQ音速」を擁して、オンラインゲーム業界に本格的に乗り込む。 最後に今年ChinaJoy最大のダークホースといえるのが、国営放送のCNECである。IPTVやケーブルTVの配信を主業務とするれっきとした放送業者だが、国営放送という筋目の確かさを強みに、ゲームパブリッシング事業に全面参入する。
参入メーカーは、Electronic Arts、Ubisoft Entertainment、カプコン、バンダイナムコなど世界的な大手メーカーが揃っている。取り扱うタイトルは、コンソールゲームは含まず、PCプラットフォーム全タイトル。バンダイナムコの「ガンダムネットワークオペレーション」などのオンラインゲームも含んでおり、放送業者がゲーム事業に全面参入することで、ビジネスモデルがどう変わるのか注目されるところだ。
□China Digital Entertainment Expoのホームページ (2006年7月19日) [Reported by 中村聖司]
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