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★オンラインゲームファーストインプレッション★

かつてない冒険への“没入感”をもたらす
アクション性の高い、新時代のMMORPG

ダンジョンズ&ドラゴンズ オンライン
ストームリーチ

  • ジャンル:MMORPG
  • 開発元:Turbine
  • 運営元:さくらインターネット
  • 利用料金:月額1,500円
  • 対応OS:Windows XP
  • サービス開始日:7月27日(オープンβテスト)、8月10日(正式サービス)



 さくらインターネットが日本で展開する「ダンジョンズ&ドラゴンズ オンライン ストームリーチ(「DDO」)」。米Turbineが開発する、MMORPGとMOを融合させたゲームである。日本では現在クローズドβテスト中であり、7月27日よりオープンβテスト、8月10日より正式サービスを開始する予定だ。

 本作はテーブルトークRPGの代表作「ダンジョンズ&ドラゴンズ(「D&D」)」の最新ルールを採用し、「エベロン」というキャンペーンセッティングを直接のモチーフにしている。呪文の名称や装備品、細かいルールなどすべてが「D&D」の世界を忠実に再現しており、D&DファンにはたまらないMMORPGとなっている。

 「DDO」の魅力はテーブルトークRPGの再現だけではない。ボイスチャットを使用する、アクション性の高い「迷宮探検」ゲームとして新しい楽しさをプレーヤーにもたらしてくれる。仲間と共に迷宮に挑戦し、危機を突破していく爽快感は今までのゲームになかったものがある。今回はファーストインプレッションとして、このゲームの感触をお伝えしたい。


■ まずはキャラクタを作成して、D&D世界に足を踏み入れよう

3Dグラフィックスで表現されたダンジョン。日本語版のUIは開発中のもので、正式サービス時には変更される可能性がある
エベロンならではの種族ウォーフォージド。戦争のために生み出された全身が金属でできた種族だ
金属でできた生物が闊歩し、空飛ぶ船が浮かぶ。エベロンはSF的要素も取り入れた世界だ
 「DDO」ではプレーヤーは人間、エルフ、ドワーフ、ハーフリング、そしてウォーフォージドの5つの種族からキャラクタを作成する。ウォーフォージドとはエベロン独特の種族で、高度なテクノロジーによって生み出された機械の人間だ。エベロンはSF的な要素もも持っている世界で、ウォーフォージドの他にも金属でできた人造の生物が多く闊歩している。

 各種族には様々な特性がある。エルフは手先が器用で、眠りの呪文に体制を持つ。ドワーフは頑強で、特定の敵に対して特に強さを発揮する。ハーフリングはローグに最適なすばしっこさを持っている。そしてウォーフォージドは高い耐性を持ち戦士に向いている。ウォーフォージドはその金属の体のため他の種族とは違い、プリーストの治療呪文が半分の効果しか発揮しない代わりに、ウィザードの「リペア」でも体力を回復できる。

 キャラクタのクラスはファイター、パラディン、バーバリアン、ローグ、レンジャー、クレリック、ウィザード、ソーサラー、バードの9つが用意されている。まずは自分の思い描いたキャラクタ像に近い組み合わせでキャラクタを作っていこう。他のMMORPGと違うところは、ここから更にキャラクタの「カスタマイズ」ができることだ。

 カスタマイズでは、能力値、初期スキル、さらに技能などかなり細かく選択できる。「D&D」をプレイした人ならば「能力値によって判定ボーナスがある」、「マルチクラス(「DDO」では他のクラスを兼用できる)のための有利な能力値に設定する」、「自分のスタイルにあった魔法を選ぶ」といったルールを把握したアレンジを楽しむことができるが、正直、始めたばかりのプレーヤーにはどうやってカスタマイズしていいかわからないだろう。

 筆者からのアドバイスとしては、とにかくなんでもいいからキャラクタを作り、ゲームに飛び込むことをオススメしたい。プレイをしていく内に、ゲームのルールを知り、新しいキャラクタ、新しいアプローチでゲームを深く楽しみたくなる。もちろん、ゲームを理解した上で、改めて最初のキャラクタにこだわるのもいいだろう。

 「DDO」はフィールド部分がMMORPGで、クエストを受け、ダンジョンに入る部分は、インスタンスダンジョンが展開するMOとなる。ダンジョンは最大6人のパーティーで挑戦できる。序盤はソロプレイも可能だが、パーティープレイが中心となっていく。パーティーメンバーの組み合わせは自由だが、一般的には罠を解除できるローグと回復役のクレリック、そして前衛を担う職業のメンバーをまず確保してから、という編成が多いようだ。

 プレーヤーが挑戦するダンジョンは、緻密な3Dグラフィックスで再現されている。あまり使われない地下倉庫や、忘れられた遺跡、といったように薄暗いステージが多いのも面白い。かびくさいダンジョンを、どこから来るともわからないモンスターにおびえながら、一歩一歩進む。部屋にはいると芝居っ気たっぷりの男性による解説が入る。これは、テーブルトークRPGでの「ダンジョンマスター(司会でありルール判定者。プレーヤーに状況を伝える)」のしゃべる雰囲気をうまく再現している。

 MO+MMOという構成のゲームは最近多くのメーカーが挑戦しているが、「DDO」はそういったタイトルと比べて段違いに内容が濃くなっている。3Dのアクションゲームと言っても良いほどフィールドは変化に富んでおり、地底湖や墓地、忘れられた倉庫、下水道、さらにはオープンフィールドと、クエストには多彩なコンセプトを持った3Dフィールドが数多く用意されている。

 本作のゲームルール、そしてグラフィックスが生み出す世界観の厚みは他のMMORPGの追随を許さない。夏にはホビージャパンから「エベロン」の設定資料集も刊行予定だという。本作を掘り下げると共に、テーブルトークRPGの「D&D」からのアプローチを行なうことで、より一層本作の世界にのめり込めるだろう。

キャラクタ作成画面。種族、職業、外見、更にカスタマイズにより自分の思い描いたキャラクタを作成できる
ターンアンデッドを持ち、邪悪な存在に対して強いパラディン 味方を元気づける歌を歌い、回復呪文も使用できるバード 呪文の数はウィザードに劣るが、武器の扱いにも長けたソーサラー
チュートリアルステージで基本的なキャラクタの能力を学ぶことができる


■ ダンジョンをみんなで突破していく、「冒険者」になりきれる瞬間

冒険者の出会いの場となる酒場。「DDO」では街の中でも酒場でしかHPやMPが回復しない。酒場のマスターから料理や酒を購入することで回復速度がアップする
ダンジョンではいくつかの難易度が選択できる。序盤では高難易度のダンジョンはロックされている
 「DDO」の世界はいくつかの階層にわかれ、特定のクエストをクリアすることで通行が可能になる。ゲームを始めたばかりの所でパーティープレイをしようとすると、他プレーヤーと合流がしづらい場合もあるので、初心者は注意したい。

 マップは日本のRPGのようにわかりやすいアイコンで各商店を表示しているわけではないので、目的の店を探すのに少し苦労をした。ちなみにアイテムを預けられる「銀行」や高級品を扱う店は、キャンペーンを進めて街の中心部に入るための許可を得ることで利用できるようになる。

 「DDO」はクエストをクリアすることで経験値や報酬を入手できる。1本のクエストは大体30分から1時間くらい。クリアまでに2~3時間かかるキャンペーンシナリオも用意されている。1カ所で狩りを繰り返す従来のMMORPGに比べ、プレイのメリハリがきいている。積極的に仲間を募り、自分のペースで、様々なプレーヤーと冒険を楽しんで欲しい。

 何からやればいいのか、どこに進めばいいのか、どんなクエストをこなせばいいのか、本作は始めたばかりの時はかなり敷居が高いゲームだ。たとえば「DDO」ではキャラクタのHPやMPは酒場でしか回復しない。泳ぐ時には鎧を外した方が有利になる。武器の変更はショートカットで行ない、ショートカットバーは大体2段以上用意していた方が良い……。ゲームを進めて行くことで気がつくことは多い。

 本作は、ただ街の外に出てモンスターを叩くだけのゲームとは違う、情報量が多く、“濃い”プレイが楽しめるゲームだ。熱心なプレーヤーは自分たちできちんとプレイの仕方を模索していくだろうし、「D&D」ファンならば様々な点が忠実にテーブルトークを再現しているのがわかり、うれしくなってしまうだろう。しかし、「試しにやってみようか」というプレーヤーにとって、とまどってしまうことも多いかもしれない。

 ゲームはチュートリアルのクエストも用意されていて、ソロプレイでキャラクタの特性もつかむこともできる。しかし、序盤のプレイではプレーヤーはキャラクタの真の能力を知ることはできないだろう。パーティープレイをして、他プレーヤーと連携をすることで、始めてキャラクタの役割、そして本作の本当の魅力を知ることとなる。自分はどんな役割を求められているか? キャラクタはどう動かせば有利に戦えるのか。一番の「お手本」は他プレーヤーの動きである。じっくりとゲームに取り組み、よりうまいプレイ、求められた役割を果たす楽しさを体験して欲しい。

 クエストの内容も単純にモンスターを倒すだけではなく、隠された扉を探したり、NPCをダンジョンの出口まで護衛したり、モンスターを入口まで誘導したり、多彩な展開が用意されている。ダンジョンの構成もまた、地下水道の中に入口があったり、床にパズルが設置されていたり、ギロチンのような巨大な刃が落ちてくるトラップが仕掛けられていたりとバラエティーに富んでいる。

 うまいプレーヤーはゲーム内での「動き」が如実に違う。ジャンプではしごにしがみついたり、他のプレーヤーを導くように先に進んだり、的確に先制攻撃を決める。前衛職は「インディミテート」のスキルを使い敵をまとめ、ウィザードは一度の呪文で多くの敵にダメージを与える。ローグは常に周りに気を配り真っ先に敵を見つける。ゲームに馴れたプレーヤーの動きは見ているだけで勉強になる。

床のパネルをクリックして、四方にエネルギーを注入するパズル NPCを護衛し、近寄ってくるモンスターを倒すクエスト モンスターを倒さず、誘導するクエストも
扉を開ける前に、合図をして、襲いかかってくるモンスターへの準備を整える 先へ進むためのスイッチを手分けして探す 部屋の中には何があるのか? モンスターに注意しながら探索する
戦士はインディミテートのスキルで敵を引きつけ、仲間へ攻撃が向かないようにする 囚人を発見。クエストは様々なシチュエーションが用意されている クエスト中に発見できる宝箱では、すべての参加者がアイテムをゲットできる
敵は常に死角から攻撃しようと動き回る。戦闘は非常にスピーディーに展開する 穴の先にはどんな危険が待ち受けているだろうか オープンフィールドでの冒険も用意されている。前に見える集落では敵が待ち受けている

アイテムを預けられる銀行はあるキャンペーンクエストを進めることで利用できるようになる
下水道を進む。スライムが潜んでいないか、注意する必要がある
 プレーヤーのパーティーは、感知能力の高いローグを先頭に、周囲を警戒しながら進んでいく。ここで有効になるのが「ボイスチャット」である。ローグが罠を感知したときや、敵へ先制攻撃を仕掛けるとき、声による意志の疎通ができた方が、スムースにゲームを進められる。本作はゲームのシステムとしてボイスチャットを装備しており、使用しているプレーヤーも多い。喋りたくないという人は別に無理に喋る必要はない。まずは、他のプレーヤーの声を聞くことから始めて、徐々に「声のある世界」に自分を慣らしていけばいいだろう。

 パーティーメンバーと一緒に地底湖を泳ぎ、亀裂をジャンプし、敵を遠くから狙撃する。仲間と共にプレイできるリアルタイム制と、自由度のあるアクション性はプレーヤーとキャラクタの一体感をもたらす。ゲーム内でキャラクタが強くなっていく以上に、自分が“冒険者”として成長していく感触をつかめる。

 思わず足がすくんでしまうような高低差や、水の底に何があるかわからないような地底湖、怪物がそこかしこに潜む地下墓地といった、おどろおどろしいダンジョンを突破していく。ある時は足を止めて、謎についてプレーヤー達で話し合うこともある。ストーリー性の高いクエストをみんなで解き明かす感覚は、従来のMMORPGの「狩り」以上の高揚感をもたらしてくれる。

 本作の楽しさは、パーティーで連携して難局を突破していくところにある。初心者は他プレーヤーの動きに一生懸命ついていき、中級者になれば仲間を引っ張っていく楽しさも体験できる。ギルドを作ってなじみの仲間を作るのも楽しいし、さまざまなパーティーに積極的に参加し、ベテランの冒険者として振る舞うのは、たまらない充実感をもたらしてくれる。

 「DDO」は序盤のクエスト以外は、ほとんどパーティープレイが推奨されている。画面上部にある「ソーシャル」ボタンをクリックすれば、他プレーヤーを募集しているパーティーや、仲間を求めているキャラクタを簡単に検索できる。しかし、クローズドβテストでは時間によってはちょっとパーティー募集がうまくいっていないかな、と感じた。

 パーティーを募集しているグループが少なかったり、プレーヤーを求めているのが上級者だけだったりで、筆者自身も周囲がどういうプレーヤーなのか不明なため、他の人に声をかけてしまうのに少し尻込みしてしまうところもあった。これはクローズドβテストという、人数を限ってサーバーが運営されているという問題もあるかもしれない。もっとユーザーが多くなれば、常時他プレーヤーを募集するような状況になるかもしれない。

 ギルドに入ることで、生き字引のような上級プレーヤーに教えてもらうのも良いだろう。さくらインターネットは「DDO Blog」というプレーヤーが書き込み、交流することができるブログサービスを始めることで情報交換をバックアップしていくという。ゲーム情報に関しては、オープンβテスト、正式サービス時にはユーザー側も様々なコミュニティーサイトを作り、初心者を誘導してくれるだろう。より一層濃い交流を期待したい。

 「DDO」は従来のMMORPG以上の没入感をもたらす「迷宮探検ゲーム」である。確かに敷居は高いが、そこを乗り越えれば「冒険者」として楽しむことができる世界が待っている。筆者は、「DDO」で体験できる冒険者との一体感、クエスト内でパーティーメンバーが協力する充実感は、MMORPGというジャンルによりリアルな「冒険の興奮」をもたらす作品だと強く感じた。オープンβテスト、そして正式サービス時にはできるだけ多くのユーザーにこの興奮を体験して欲しいと思う。

敵を絡め取り、動きを止めるウェブの呪文 攻撃呪文の代名詞とも言えるマジックミサイル。ウィザードのレベルが上がると攻撃力が跳ね上がる トラップが行く手を阻む。ローグの出番だ
ローグの危機感知能力は罠の存在を瞬時に知らせる。素早くその情報をパーティーに伝えるためには、ボイスチャットが有効だ 離れた敵を攻撃するために、パーティーメンバーが一斉に遠距離武器に持ち替える 足を止め遠距離から攻撃するか? 近付いて接近戦を挑むか? 瞬時に判断し行動する。仲間の動きに合わせて作戦を切り替えるのも楽しい
ウィザードが足を止めて魔法を唱えられるように、前衛は敵に接近して足止めをする ウィザードは常に戦場を見渡し、呪文の効果を最大限に発揮できるようにする 水の底に通路が見える。重い鎧などは脱いでおいた方が水中では有利だ
街は何カ所かクエストをクリアしないと入れないエリアに区切られている。パーティーに合流するときは注意が必要だ マップ画面。日本のRPGと比べると、ちょっとショップなどの位置がわかりにくい ゲームを進めることでより高品質な武具を購入できるようになるが、魔法がかけられた武器などは冒険を通じて入手することが多いだろう

DUNGEONS & DRAGONS ONLINE(tm): Stormreach(tm) interactive video game (c) 2006 Hasbro, Inc. (c) 2006 Atari, Inc. (c) 2006 Turbine, Inc. and patents pending. All rights reserved. Dungeons & Dragons Online: Stormreach, Dungeons & Dragons Online, Eberron, Stormreach, Dungeons & Dragons, D&D 及び Wizards of the Coast の関連するロゴは、Wizards of the Coast Inc. の米国及びその他の国における登録商標または商標で、使用許可を受けたものです。Hasbro 及びそのロゴは Hasbro, Inc. の米国及びその他の国における登録商標または商標で、使用許可を受けたものです。Atari 及び Atari ロゴは AtariInteractive, Inc. の商標です。Turbine 及び Turbine ロゴは米国及びその他の国における登録商標または商標です。SAKURA Internet 及び SAKURA Internet ロゴはさくらインターネット株式会社の商標です。その他記載されている会社名、製品名、ロゴ等は各社の商標または登録商標です。
※画面は開発中のものです。


【ダンジョンズ&ドラゴンズ オンライン ストームリーチ】
  • CPU:Pentium 4 1.6GHz以上(Pentium 4 3.0GHz以上推奨)
  • HDD:5GB以上(低解像度クライアント3GB以上)
  • メモリ:512MB以上(1GB以上推奨)
  • ビデオカード:ビデオメモリ64MB以上のビデオカード(128MB以上推奨)


□さくらインターネットのホームページ
http://www.sakura.ad.jp/
□「ダンジョンズ&ドラゴンズ オンライン ストームリーチ」のページ
http://www.ddo-japan.com/
□関連情報
【7月5日】さくらインターネットCEO笹田亮氏インタビュー
ゲーマー社長が推進するIDCとMMORPGの新たな関係
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060705/ddoint.htm
月額1,500円で8月10日より正式サービス開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060704/ddo.htm
【6月14日】さくらインターネット、MMORPG「D&D オンライン ストームリーチ」
ゲーム内アイテムの付いたパッケージを7月28日発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060614/ddo.htm
【6月1日】さくらインターネット、「D&D オンライン」のβテストを6月19日より開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060601/ddo.htm

(2006年7月11日)

[Reported by 勝田哲也]



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