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★PCゲームレビュー★

ついに出たRTS界の金字塔
「Age of Empires」シリーズ第3弾

「Age of Empires III 日本語版」

  • ジャンル:リアルタイムストラテジー
  • 開発元:Ensemble Studios
  • 発売元:マイクロソフト株式会社
  • 価格:9,870円
  • 対応OS:Windows XP
  • 発売日:発売中(1月27日)



  •  リアルタイムストラジー(RTS)ゲームの金字塔、「Age of Empires(AoE)シリーズがついに「III」となった。2002年12月に発売された前作「Age of Mythology」(AoM)は神話の世界を描いた空想ダイナミズムをRTSに投影したもので、「AoE」シリーズの緻密な軍事ユニット表現とド派手な天変地異効果が組み合わされ、独特なプレイ感を提供してくれたなかなかの意欲作だった。

     しかし、今回は「Age of」ときて「Empires」が来るというわけで、再びファン待望の歴史スペクタクルRTSであり、まさにファンは「これを待っていた」という心境だろう。

     「AoM」を横目に、「AoE II」をプレイし続けた「AoE」シリーズのファンも多いと思う。また、人気の「AoE」シリーズを「III」から始めてみようと言う人も少なくないだろう。今回のレビューでは、勝つための戦略や文明の特色解説よりも、「AoE III」とはどんなゲームなのか、ゲームの全体像を掴むためのガイド的な内容でお届けしていく。


    ■ 今回のテーマは大航海時代、舞台は新大陸アメリカ!

     新作「AoE」シリーズにおいてまず初めに気になるのは描かれる時代だろう。

     「AoE III」で描かれるのは、大航海時代から産業革命あたりまで。年代にすると15世紀から19世紀当たりまでを網羅することになる。

     大航海時代は、新大陸の発見にシンクロするような形で、ヨーロッパの列強諸国がこぞって植民地政策を施行し、世界を舞台に政治経済や軍事が目まぐるしく動いた時代だ。

     列強国同士の同盟や敵対などは植民地や本国の情勢に多大な影響を与えたし、かなり近代よりとはいえ、各国の文明ごとの特色はまだ色濃く残っていた時代だ。歴史のifを楽しむテーマとしてもおあつらえ向きな時代だと言えよう。

     大航海時代といえばアフリカ、インド、アジアなどもヨーロッパ列強のターゲットとなったわけなのだが、「AoE III」では、列強同士がもっとも激しくぶつかり合った、新天地・アメリカ大陸植民をテーマととしている。

     こうしたテーマの設定の関係上、登場する文明は、スペイン、イギリス、フランス、ポルトガル、オランダ、ロシア、ドイツ、オスマン帝国の全部で8種類のヨーロッパ列強国。ヨーロッパばかりで面白いの? という印象を持つかも知れないが、大航海時代のヨーロッパ各国に政治経済と軍事がほどよく独自性が表れており、日本の戦国時代にも似た「もしあそこでああしていれば?」という歴史のifを楽しむには格好のテーマなのだ。世界史を学んでいればより深い興味を持てることだろう。

     ところで、史実上、アメリカ大陸利権には絡まなかった中国や日本、韓国といったアジア勢は「AoE III」には残念ながら登場しない。歴史のifを楽しむという意味ではあってもよかったような気はするが、それは歴代「AoE」シリーズでは必ず発売されることが慣例化している拡張パックなどのタイミングで期待するとしよう。

    ゲーム中リアルタイムに視点の変更が可能。完全3D化された「AoE III」の3Dグラフィックス
    視点を近づけてみれば戦闘の臨場感も倍増。3Dグラフィックス化されたことの意義は大きい
    キャンペーンモードのゲーム中に挿入される様々なカットシーンはリアルタイムグラフィックス。最初の主人公モーガンとヒロイン役女海賊リジーとのご対面シーン。一度戦った相手とは友達(恋人)になってしまうという少年漫画的パターン


    ■ シングルプレーヤー: キャンペーンモードは大作RPGライクな一大叙事詩

     まずは「AoE III」のゲームの全体像から紹介しよう。従来作通り、ゲームは大きく分けてシングルプレイとマルチプレイに分けられている。

     シングルプレイのゲームモードは2つ。キャンペーン、スカーミッシュの2つだ。

     ゲームの操作を学ぶチュートリアルも用意されているので、「AoE」シリーズが全く初めてという人や、しばらくプレイしていなかったのでリハビリが必要という旧プレーヤーはこちらから始めるといい。チュートリアルは基本的に負けることがないので、自分のPCシステムで、どの程度グラフィックス負荷をかけられるのかなどを探る目的で活用するのもいいだろう。

     チュートリアルで操作方法を学んだあとはいよいよキャンペーンモードだ。

     キャンペーンモードは、プレーヤーが特定のヒーローキャラクタに扮し、ロールプレイングゲーム(RPG)に似たドラマチックなシナリオに従ってゲームが進んでいくモードになっていて、チュートリアルよりも進んだ実践的なゲームプレイが展開される。

     最初、プレーヤーが扮することになるのはモーガン・ブラックという聖ヨハネ騎士団の指揮官であるスコットランド人のヒーロー。敵は世界を牛耳ろうとする謎の秘密結社オッサス団。なにやらスパイ映画みたいなノリだが、本当にそんな感じで、ギリシャは地中海、マルタ島に端を発した戦いは、段々とスケールアップしていき、「AoE III」のメインステージとなる新大陸アメリカにまで飛び火していく。

     まさに世界を股にかけた大冒険活劇。ネタバレになるので詳しくは話さないが、概要を少々。

     キャンペーンモードは3章仕立て。第1章は16〜17世紀、前述した騎士モーガン・ブラックと不老不死の泉を巡る冒険が描かれている。

     第2章はモーガンの孫、傭兵となったジョン・ブラックの物語になる。こちらはアメリカ植民が進みヨーロッパ列強の戦いがこの新天地で熾烈を極めている18世紀が舞台だ。

     第3章はさらにジョンの孫、実業家となったアメリア・ブラックの物語となる。18世紀後半、アメリカ合衆国として独立を果たし、産業革命も波及しつつある19世紀が舞台。

     ブラック家の全ての世代に対して関わってくる、宿敵オッサス団は何者なのか。謎が謎を呼ぶストーリー展開には思わず引き込まれてしまう。確かにこれまでのRTSでいうところの「ゲームルール学習教材」の役割も十分果たしてはいるが、「AoE III」においてはもはやメインゲーム、いや1本の大作“RPG”といっても過言ではないくらいのボリュームとなっているので、ぜひともプレイしてもらいたい。

     なお、今回発売された「AoE III」は完全日本語版となっており、ゲーム中の音声からメニュー構成、ヘルプに格納されているユニットの解説や各文明の歴史解説資料までが全て日本語化されている。かなり完成度の高い日本語版なので、昨年末、待てなくて英語版を買った人も欲しくなってしまうこと請け合いである。

    右がキャンペーン・モード最初の主人公モーガン・ブラック。左はこのオヤジの魅力に虜になってしまった女海賊リジー モーガンの上官、アランは次から次へと無理難題を投げかけてくる。アランの真意は? 壁画の白豹は後のストーリー展開の伏線に。謎めいたストーリー展開はアドベンチャーゲームに引けを取らない 味方兵が白豹に襲われるカットシーン。こ、これは、あの壁画の!? この新天地アメリカは呪われた大陸なのか
    キャンペーンの多くは1ステージ内でも複数のサブミッションから構成されているパターンが多い。このシーンの任務は、味方の援護が到着するまで砦を守れ……というもの マップ上の特定の拠点を撃破すると新たな道が切り開かれることも。このあたりの展開はRPGライク


    ■ 母国からの支援「ホームシティ」システムとTCG要素を取り入れた「デッキ」システム

     今作「AoE III」は大航海時代を描いているということで「本国と植民地」という関係をうまくゲーム・モデル化している。それが「ホームシティ」システムだ。

     ゲームの舞台は当然、植民地である新天地アメリカ側。そしてホームシティとは自軍の母国の都市のこと。基本的な資源採取を初めとした内政活動は新大陸側でも行なえるのだが、敵軍勢との戦闘準備や内政に偏りが出てきた場合には、援助をホームシティ側に求めることができるのだ。ホームシティから行なえる援助は労働者や軍隊の派遣から、木、金、食料などの物資援助など。

     「AoE III」では自軍の文明進化度が5区分された時代で表されるが、このホームシティからの支援は1番目から4番目までの各時代において5種類ずつ、計20種類受けられることになっている。歴代の「Age of〜」プレーヤーならば各時代における特別支援と聞いて「AoM」の「ゴッドパワー」(天変地異)を思い出すかもしれないが、あれほどゲーム進行に直接的な効果をもたらすものではなく、文字通り、プレイ支援的な位置づけになっている。

     ホームシティは本国ということで、「AoE III」のシングルプレイ開始時には、ホームシティの選択を迫られるようになっている。ホームシティの選択は実質的には8文明のどれでプレイするかの選択に等しい。一度のプレイには1つのホームシティでしかプレイできないが、プロファイルとしては複数のホームシティを持つことができるので、最初の選択時に悩んだら、とりあえずは適当に決めてしまっても問題はない。

     とはいえ、ホームシティはある意味プレーヤーのゲームプロファイル、RPGでいえばキャラクタに相当し、実際のシングルプレイゲームで行なった戦闘や探索、内政活動に応じて、そのホームシティに経験値が加算されていく仕組みになっており、実質的に「育てる/成長させる」というRPG的な要素が加味されている。「RTSに育て要素」というのはなんとも面倒くさい感じもあって賛否両論だろうが、とにかく、これが「AoE III」の最大の特徴にもなっているのだ。

     一定の経験値に達すると、そのホームシティは1段階レベルアップし、その都度、ホームシティに新しい植民地援助手段を追加できるようになる。RPGで言うところの「レベルアップすると新しい魔法を覚えた」感覚に近い。

     「AoE III」では、このホームシティが行なえる植民地支援を「カード」と呼んでいて、この支援のカードをゲーム中、どの時代に使えるようにするか、設定、調整、組み上げるシステムを「デッキ」と呼んでいる。これは最近流行のトレーディングカードゲーム(TCG:Trading Card Game)の要素を取り入れたと言うことなのだろう。

     ホームシティをレベルアップすることで手に入れた新しい支援「カード」を、どの時代で使えるようにするかの設定は、「ホームシティ」メニューの「デッキの構築」にて行なう。

     カードには様々な制限が設けられており、特定の時代にしか使えないもの、1回しか使えないものなどがある。一定時間間隔で何回も使える物資支援系のカードは進化を早く行ないたい初期時代に組み入れたいし、軍事ユニット支援系は戦闘が起こりうる時代に使えるようにした方がいいだろう。

     デッキの構築はゲーム開始以降は修正ができないので、まさに事前戦略設計に相当する。ゲームを多くプレイしないと経験値は溜まらないし、経験値がないと各時代で使えるカードが少ないしで、「AoE III」ではかなり「やり込み」を奨励したゲームシステムになったといえる。

    任意の文明を選んで名前、プレイするゲームタイプまでも入力してホームシティを作成 ホームシティのメイン画面は選択した文明らしいグラフィックスになる。1プレーヤーが複数のホームシティを持つこともできるがそれぞれが独立管理されるのでそれぞれを地道に育てていかなくてはならない
    レベルアップしたことにより5枚のカードが入手可能となった状態。枠で囲まれたカードが入手可能なもの デッキのカスタマイズ。どの時代にどの支援カードを使えるようにするかの設定が行なえる


    ■ 「AoE III」における内政〜町の人がついに銃を持ったぞ!

     ホームシティシステムに面食らってしまった人も多いかも知れないが、実際のゲームプレイそのものは従来の「AoE」シリーズにかなり近いものなので安心して欲しい。内政システムは若干のアレンジはあるが、基本的には歴代「AoE」シリーズと同じだ。

     労働力ユニットである「町の人」を増やし、彼らに木、金、食料の採取を行なわせ、これをリソースに様々な経済支援建物や軍事施設を建てていくゲーム序盤のセオリーは共通だ。

     ただし、伐採所や採掘所のような資源回収用の施設をいちいち建設しなくてはならなかった前作までと違い、町の人を資源に割り当てるだけでその資源を回収して採取もされるように採取プロセスが簡略化されている。

     また、食料以外の木や金といった資源が枯渇してしまうと、歴代の「AoE」シリーズでは軍事も同時に飽和してしまい、「戦いもいよいよ最終局面になってきたか」という雰囲気が漂ったものだが、「AoE III」では、中世より後の、やや文明が進んでいる世界までを描いていることもあり、「資源を生産する」という逆の発想の内政が可能になっている。

     具体的には、「AoE III」では後半の時代で食料、木、金のいずれも産み出せる「工場」が立てられるようになっているのだ。先代「AoE」までの枯渇してしまうシステムもそれはそれでリアルで面白かったのだが、「AoE III」では時代描写をこのようにデフォルメして取り入れたことで、ゲーム後半でも長期戦が楽しめるようにアレンジされたわけだ。

     人口システムには大きな変更はなく、兵ユニットも含めた総人口は、「家」の数によって上限が設定される仕組みだ。

     また、中世までを描いた先代までと異なり、町の人達も近代化されている。今作の町の人は、やむなく戦闘を行なわなければならないとき、なんと鉄砲による飛び道具攻撃ができるのだ。もちろん威力は本格的な銃兵と比較すれば低いのだが。

     とはいえ、卓越したグラフィックスよりも、新しいホームシティシステムよりも、「町の人が銃を構える姿」にAge of Empires “III”を一番感じてしまった筆者であった。

    町の人は直接目的の資源に割り当てればOK。だから町の中心から比較的遠い位置の、複数の資源に対して採取を命令することも可能になった 「町の中心」をみんなで袋だたきにしていたら町の中心が破壊されて……中から銃を持った町の人が! びっくり!
    「AoE III」における「砦」(画面手前)は「AoE II」以前のシリーズで言えば「城」に相当するもの。これを立てられると早期決着は難しい 「AoE III」でも、海付きマップでは漁船は食料採取の主力選手


    ■ 「AoE III」における軍事と戦闘〜ユニットの強弱関係は歴代「AoE」シリーズから継承

     「AoE III」における戦闘システムも歴代「AoE」シリーズに倣ったもので取っつきやすい。

     登場する軍事ユニットは大別して、素歩きの「歩兵」、馬にまたがった「騎兵」、砲弾を撃ち出す「砲兵」、海軍を構成する「軍船」といった種類がある。これは「AoE」シリーズをプレイしてきた人ならば聞き慣れた言葉のはずだ。なお、歩兵は「戦士育成所」、騎兵は「騎兵育成所」、砲兵は「砲兵育成所」という感じで、対応する個別の施設を立ててから生産しなければならない。簡略仕様となった町の人の採取システムとは異なり、前作通り、だ。

     ただし、「AoE」シリーズであった、飛び道具攻撃専門歩兵の「射手」というジャンルは「AoE III」では「歩兵」に統合されてしまっている。まぁ、これは、弓の活躍が限定的で鉄砲が当たり前となった大航海時代の世相を反映した形だろう。ちなみに飛び道具を取り扱う歩兵は「戦士育成所」にて生産するようになった。

     各軍事ユニットの強弱関係については、従来から倣ったものになっている。これも取っつきやすいだろう。具体的には、槍兵は騎兵に強いし、銃兵(弓兵)は歩兵に強いが騎兵には弱い。一方、砲兵は建物や歩兵に強いが騎兵には弱い。などなど……「AoE」シリーズで培った軍事ユニットの強弱関係の知識や感覚はイメージ通り「AoE III」でも使えるようになっている。

     「AoE」シリーズでお馴染みの主力軍船となるガリオン船は「AoE III」でも登場する。しかし「AoE III」のガリオン船は接岸すると戦士育成所と騎兵育成所の機能を兼ね備えた兵ユニット生成拠点として活用できるという要素が新たに組み込まれている。ガリオン船に兵ユニットをたくさん積載して海を渡って敵へ攻め込んだ際、揚陸させた第一陣が戦闘を仕掛けている間、接岸したガリオン船群で歩兵や騎兵を次々に追加増産して、第二派を現地で組み上げる……といった戦略も可能になったのだ。

     戦闘のやり方は、歴代「AoE」シリーズと同様で、自軍軍事ユニットはドラッグして選択、そのまま目標の敵軍をクリックするだけでOK。あとは各ユニットが自分の戦闘能力を活用して自動的に戦ってくれる。隊列も自動的に弱いユニットを内側に固めて強いユニットが外側を守る陣形が整えられ、進軍スピードも遅いユニットに合わせられる。

     また、戦闘シーンにおける各ユニットの挙動は単なるアニメーション再生ではなく、HAVOK製の物理エンジンによる衝突/破壊シミュレーションやラグドール物理シミュレーションの結果に従ったものになり、そのシーンで実際にユニット同士が戦っている臨場を強く感じられるようになった。吹っ飛んだ敵は地面を転がって海に落下したりするし、崩れ落ちる破片は複雑な衝突を見せて散乱する。「AoE III」になってRTSにおける3Dグラフィックス導入の意義が実を結び始めたという感じだろうか。

     各施設でテクノロジーを進化させることで軍事ユニットをその文明特有の強化を行なえる要素も健在。ただし、自分のプレイしている文明で、どのテクノロジーをいつ進化させればよいかというのは、「AoE III」ではゼロから学び直さなければならない。とはいえ、「AoE」シリーズファンならばそこに面白さを見出せるはずなので苦にはならないはずだ。

     ところで、「AoE III」の操作系で筆者がプレイして「これはいい」と感じた改善点がひとつある。ゲームオプションで「ドラッグ選択は軍事ユニットに対してのみで、町の人を選択しないようにする」という設定が設けられており、これを有効にすると町の人と軍事ユニットが入り乱れた混戦時にドラッグした場合、スピーディに軍事ユニットだけを選択できて隊列を整え直すことが可能になったのだ。細かい点だが、激戦時に遊びやすくなったのはちょっとうれしい。

    砲兵は歩兵や建物への攻撃力は絶大だが、接近戦能力が低く連射能力もないので護衛が必要不可欠 ガリオン船は今作でも主力軍船。しかも、接岸時は歩兵生成が可能。まさに動く要塞
    建物やユニットはHAVOK製物理エンジンによるシミュレーションに従って破壊されていく。破片が相互にぶつかり合ったり地面に弾んだりしていく崩壊していく姿はダイナミック


    ■ 新要素: ネイティヴ・アメリカンとの関係〜基本は中立だが味方にできる!

     舞台が新大陸アメリカということで、当然、アメリカ先住民族「ネイティヴ・アメリカン」が登場する。

     ヨーロッパ列強が彼らに対して行なった略奪と虐殺は歴史のタブーとなっているわけだが、「AoE III」ではこの部分は適度に史実に従い、タブーに深く踏み込まない程度のうまい解釈でゲームに取り込んでいる。

    これがアメリカ先住民族の集落。ここに決められた位置に交易所を作ると同盟が結べて、さらに経済活動も行なえる
     「AoE III」ではアメリカ先住民族は、基本的には中立な立場を取っており、プレーヤーを含む各ヨーロッパ列強文明が、彼らの集落の決められた地点に交易所を建設することで、味方にできるというシステムになっているのだ。

     交易所が建設されると幌馬車や時代によっては鉄道が往来するようになり、1往復するたびに資源が自軍にもたらされる。

     また、ひとたび味方にできると、この交易所でアメリカ先住民族の戦士ユニットが製造できるようになり、またアメリカ先住民族特有のテクノロジー進化を自軍に適用できるようになる。アメリカ先住民族の戦士ユニットは自軍の人口制限とは無関係に生成できるので(ただし、上限あり)、いざというときには頼りになる。なお、一度敵軍に獲られたアメリカ先住民族の集落も、敵軍の交易所を破壊して自軍の交易所を立て直せば、自軍に寝返らせることも可能となっている。

     中には財宝を守っているアメリカ先住民族(ゴロツキ?)もおり、こうした財宝を略奪するには彼らを殲滅しなければならない。このあたりは史実に従ったものであり、少々ブラックな雰囲気を醸し出している。

     こうしてみてくると、「AoE III」においては、アメリカ先住民族は、大胆なたとえだが「1つの資源」ということができる。それだけで勝負は決まらないが、敵よりも多くアメリカ先住民族を味方に付けた方が戦いを優位に進められることは間違いない。


    ■ マルチプレーヤー〜シームレスなオンライン対戦が可能

     「AoE」シリーズの醍醐味といえばやはり対戦。オンラインによるマルチプレーヤーゲームだ。「AoE III」でも、特別な外部ソフトを利用せずに、ゲーム内メニューからシームレスなオンライン対戦ができるようになっている。

     マルチプレーヤーメニューの項目「ES ONLINE」がそれで、CDキー1個につき、ES ONLINEのアカウントを1つ作ることが可能。一度アカウントを取ってES ONLINEにアクセスしてしまえば、シングルプレイでコンピュータ対戦するのと変わらない手軽さで対戦が始められる。

     ES ONLINEでは戦績に応じたプレーヤーレベルが割り当てられる仕組みを採用しており、対戦相手を探すときにはこのレベルを参考に、自分の腕前にもっとも近い相手を見つけられるようになっている。

     「ホームシティ」システムのレベルアップシステムは、マルチプレーヤーゲームにも導入されており、対戦で勝っても負けても経験値は得られ、その経験値に応じてレベルアップがなされる。レベルが上がれば支援「カード」が入手でき、これをホームシティの支援「デッキ」に組み込むことができる。シングルプレーヤーの時と同じだ。

     より多くの時間、プレイしたプレーヤーの方が高レベルになりやすく、より優位なデッキに組み上げられることになる。この点はかなりオンラインRPGにインスパイアされたシステムになっているといえる。

     ES ONLINEのメニューには、対戦戦績に対応した世界ランキング表なども随時集計され発表されるようになっており、とにかく、これまでの「AoE」シリーズの対戦よりも「継続的なやりこみ」を奨励する作りとなっていることは間違いない。

     対戦の模様はリプレイファイルとして記録することが可能。対戦終了後は「記録ゲーム」メニューにてビデオファイルのように再生して楽しめる。この時、任意の軍勢のプレイを見ることができるので、上級プレーヤーのテクニックを参考にできる。

    ES ONLINEのメイン画面。ここも完全日本語化されている。ただし、対戦相手は世界中のプレーヤーだ 対戦者の条件を設定して対戦相手を検索! ES ONLINEの対戦ランキング。様々なゲームモードごとのランキングが表示されている。もちろん世界ランキングだ


    ■ 「AoE III」をフルクオリティ・グラフィックスでプレイするためには最低でもGeForce 6800 GSクラスが欲しい?

     「AoE III」は「AoM」よりも進化した、完全にフルスクラッチビルドのグラフィックスエンジンが注目を集めた。なにしろNVIDIAの協力の下、ハイダイナミックレンジ(HDR)レンダリングを実装して、しかも各ユニットにセルフシャドウが出る強力な影生成エンジンまでを実装。「AoE III」はRTSというゲームジャンルでここまでやるのかと言うくらいのハイテク・グラフィックスエンジンで動作するのだ。このあたりの詳しい解説は筆者の連載でも紹介しているので参考にして欲しい。

     ここでは、実際のゲームでどの程度重いのか、というインプレッションを述べておきたいと思う。

     やはりRTSということで細かいユニットの緻密な描写を楽しみたいなら、1,600×1,200ドット画面、グラフィックスオプションを全て最高位に設定してプレイしたい。この願望を叶えるにはどの程度のハードウェアが必要なのかを簡単だが独自に検証してみた。

     CPUはAMD Athlon64 4000+(SledgeHammerコア)、メインメモリはDDR400の1GB(512MB×2 Dual Channel動作)。ビデオカード(GPU)はNVIDIA GeForce 6600 GT、GeForce 6800 GS、GeForce 7800 GT、GeForce 7800 GTX、GeForce 7800 GTX×2のSLIといったパターンを用意(ATI系は機材調達できず)。計測は、実際のゲームプレイを記録したリプレイデータを見ながらフレームレート計測ソフトを用いて行なうというテスト方法。

     GeForce 6600 GTは、平均FPSが20fps程度。GeForce 6800 GSでは30fps程度にまで上がる。GeForce 7800 GT、GTX、GTX×2のSLIでは40〜50fps程度で飽和。GTX、GTX×2ではフレームレートのばたつきは幾分少ない印象はあるが、最高フレームレートは7800 GTと大きな差異はないという感じ。

     まとめると、2004年のベストセラー機GeForce 6600 GTは「AoE III」を高解像度1,600×1,200ドットのフルクオリティでプレイするにはやや力不足という感じで、GeForce 6800 GS程度は欲しい……という結果になった。なお、GeForce 6600 GTユーザーはもう一枚6600 GTを購入してSLIを組むという手だてもあるだろう。

     これから「AoE III」用にマシンアップグレードを考えている人は参考にして欲しい。

    背景、兵ユニットの全てが3Dグラフィックス。しかもHDRでセルフシャドウ付き。マウスホイールで視点のズームインまでが可能。ここまでよっても見応えのあるグラフィックス
    水面シェーダはプロシージャルメソッドにより様々な水の色を出すことができる。「AoE III」開発初期は水面の並表現に波動シミュレーションも実装していたが重すぎたために省略された
    HDR光源として設定された太陽を受けて砂浜や兵士の甲冑が軽くブルームを起こして見える表現。HDRレンダリングによるもの
    影生成は3DMark05にも採用されたシャドウマップ技法の発展形であるPerspective Shadow Map技法による。この影表現はお見事だ。視点を回転させても当然ちゃんとした破綻しない影が出ている

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    □マイクロソフトのホームページ
    http://www.microsoft.com/japan/games/
    □「Age of Empires III 日本語版」のページ
    http://www.microsoft.com/japan/games/age3/default.asp
    □関連情報
    【1月19日】マイクロソフト、WIN「Age of Empires III 日本語版」
    快適にプレイできる推奨PCが各社から発売
    http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060119/aoe.htm
    【1月17日】マイクロソフト、WIN「Age of Empires III」と「レーザー マウス 6000」を
    購入した人に3,000円をキャッシュバック
    http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060117/aoe.htm
    【1月13日】マイクロソフト、「Age of Empires III」特製パスネットを
    東急線主要駅にて1万枚限定で発売
    http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060113/aoe.htm
    【2005年12月12日】マイクロソフト、歴史RTSシリーズ最新作
    WIN「Age of Empires III 日本語版」2006年1月27日発売
    http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051212/aoe.htm
    【2005年10月26日】WPC EXPO 2005が本日より開幕
    マイクロソフトが「Age of Empires III 日本語版」や新型マウスを出展
    http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051026/wpcms.htm
    【2005年9月15日】「Age of Empires III」シニアデザイナーBruce Shelley氏インタビュー
    「AoE IIIは老若男女を問わず誰しも楽しめる国民的ゲーム」
    http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050918/aoe3i.htm
    【2005年9月8日】本日到着! DEMO & PATCH 「Age of Empires III」Playable Demo 
    http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050908/demo0908.htm
    【2005年6月6日】Ensemble Studios、「Age of Empires III」を正式発表
    新大陸を舞台にフォトリアルクオリティーで挑む新世代RTS
    http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050106/aoe3.htm
    【2005年5月22日】「Age of Empires III」シニアデザイナーBruce Shelley氏インタビュー
    新エンジンによる美麗グラフィックスと濃厚なストーリーに注目
    http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050522/e3_aoe3.htm

    (2006年1月27日)

    [Reported by トライゼット西川善司]



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