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★PCゲームレビュー★

あのカリスマ中年ステルス親父が
緊迫する日中朝問題解決に挑むシリーズ最新作

SplinterCell: Chaos Theory

  • ジャンル:アクションシューティング
  • 開発/発売元:Ubisoft Entertainment
  • 価格:6,000円程度(輸入版のみ)
  • プラットフォーム:Windows 2000/XP
  • 発売日:3月28日(英語版)


 Xbox用ステルスアクションゲームとして第一作がメガヒットを記録して以来、今や「Halo」に列ぶXboxの代表作として、広く認知されている「SplinterCell」シリーズ。いまやこのゲームジャンルのリーダー的存在にもなった「SplinterCell」は、この最新作で三作目となる。

 これまで「SplinterCell」のPC版は“Xbox版の移植版”という弟分的な位置づけだったが、今作ではPC版の制作に異様なまでの気合いが注がれており、なんとグラフィックスエンジンがプログラマブルシェーダ1.1ベースから3.0ベースへと新調された。グラフィックスの話は、回を改めるとして、本稿では、まず、このシリーズ第三弾「SplinterCell:Chaos Theory」のゲーム内容をじっくり紹介していこう。


■ 「SplinterCell」シリーズとは!?~「メタルギアソリッド」とどこが違うのか

 まず初めに簡単に「SplinterCell」シリーズを振り返っておこう。「SplinterCell」はいわゆるスニーキングアクションやステルスアクションに分類されるタイプのゲームだ。敵に見つからないように、あるいは見つかった際には騒ぎを大きくしないうちに収拾させて、密やかに任務を完遂することを目指す。そう、日本国内ではこのジャンルのゲームの定番と言えば「メタルギア・ソリッド」シリーズなわけだが、コンセプト的には「SplinterCell」とメタルギア・ソリッドはかなり似ていると言える。

 ただし、両者は類似点も多いが相違点も多い。ゲームシステムの面での最大の違いは、標準視点の位置。共にタイプとしては三人称視点だが、メタルギアは視点位置がシーン毎に異なる(概ね上部俯瞰視点が基本)のに対し、「SplinterCell」では後方視点が基本としている。メタルギアはどちらかと言えば神の視点でキャラクタをコマのように操作するという感覚があるが、「SplinterCell」の方は等身大の没入感が味わえるのが特徴だ。同じ「かくれんぼ」ゲームではあるが、そのプレイスタイルはかなり違うのである。

壁に身を寄せ付けて移動するアクションはかなりかっこいい


前作はソニー・エリクソンがスポンサーの関係で目立っていたが、今作ではノキアの露出度高し。AMDのゲーム内広告も結構ある 障子ごしの会話に耳を澄ますサム。日本が舞台にもなる今作では障子がらみのフィーチャーが満載だ

 さらにいえば、両者は描き出そうとしている世界観も異なっている。メタルギアは、現実を舞台としながらもメタルギアと呼ばれる巨大ロボット兵器の謎を機軸にして、超人やクローン人間、サイボーグまでが登場してしまうかなりSF趣向の強い作品だ。対する「SplinterCell」は若干のオーバーテクノロジー描写はあるものの、現行技術ベースの兵装描写にこだわり、現代の世界政治情勢を「IF(もしも)」フレーバーで調理したストーリー展開が特徴となっている。

 なお、「SplinterCell」では、ストーリーや軍事ハイテク描写の監修に、「レッドオクトーバーを追え」や「トータルフィアーズ」に代表されるハリウッド映画の原作者で軍事テクノスリラー作家のトム・クランシーを起用している。世界情勢のタブーに対して独特な空想力で切り込んでいく「SplinterCell」のストーリーラインは、トム・クランシーの力合ってこそ生まれたものなのである。

 余談だが、この「SplinterCell」人気を受けて、ついにパラマウント映画がこの「SplinterCell」の映画化に乗りだしたことを発表した。キャストは未定とのことだが、監督は「プライド・栄光への絆」の監督で知られるピーター・バーグが内定しているとのこと。個人的には、主役のサム・フィッシャーには無精髭の似合う短髪中年と言うことでジョージ・クルーニーあたりを希望したい。

今作のサムのアップ。皆さんは映画版サムは誰が適任だと思います? 今作のサムのコスチュームは2タイプ。このようなマスク付きもあり。なぜか今作のサムは目がロンパリ系。ゴーグルの使いすぎの副作用か?
ドアを開ける前には光ファイバーカメラを隙間から通して部屋の中の様子を事前に確認。これ、スパイの常識 ナイフを突きつけて尋問。こんなおっかないサムですが、結構所帯じみていて、任務中に自宅にやり残してきた洗濯のことを思い出したりする描写なんかも入ります


■ 今回の「SplinterCell」はストーリーがやばい~北米開発だからできた物語

 前作「SplinterCell: Pandora Tomorrow」では、イラク戦争後の反米感情高まるイスラム教信仰圏、インドネシアをテーマにしたものだったが、3作目となる今作はストーリーがいよいよやばくなっている。

 今回のサム・フィッシャーの任務の舞台となるのは北朝鮮、韓国、日本なのだ。そう、日本、中国、韓国、北朝鮮の四国の関係を題材にしたストーリーが展開するのである。

 年々、緊迫する一方の日本、中国、韓国、北朝鮮間の四国関係は、ついに2007年、日本国籍船の中国、北朝鮮の海域の封鎖というところにまで行き着いてしまっていた。この事態に困惑する日本政府だが、憲法第9条があるために自国で具体的な軍事対策が取れない。そこで日本政府は状況打開のためにアメリカに助けを求めることに。

 そんな緊迫した世界情勢の中、ドイツの天才数理学者エイブラハム・ザッケージーが姿を消す事件が発生。蒸発か、誘拐かは不明であるものの、この事件に、主人公サム・フィッシャーのかつての同僚、ダグラス・シェトランドが設立したディスプレース社が関わった痕跡が見つかる。

サムが日本で大暴れ。舞台が日本となれば畳と掛け軸、そして水墨画! サムの初来日作となった今作は必見。サム、囲炉裏とご対面の図
日本には一家に一体、仏像くらいありますって 庭先で少林寺拳法を鍛錬するオヤジに見つからないように先に進むサム

 この事件の直後、北朝鮮は太平洋海域航海中のアメリカ空母を予告なくミサイル攻撃し、沈没させてしまう。しかも、このミサイル攻撃は、反米感情が沸騰中の韓国との共謀作戦であったことが判明。アメリカは、北朝鮮、そして同盟国のはずの韓国との開戦を決断してしまう。日本の運命やいかに? そして、戦争勃発と数理学者の失踪との関係は?

 この「混乱の定理(Chaos Theory)」が渦巻くさなか、アメリカの国家安全保障局(NSA)の特務組織サードエシュロン(Third Echelon)は、ベテラン・エージェント、サム・フィッシャーに事態の調査を命ずるのであった…。

 導入部からして危険なテーマだが、ゲーム中の描写やストーリー展開はもっとやばい。筆者は最後までプレイしたが、そのどんでん返し自体も日本人にはタブーなネタであっただけに、日本語化する際には苦労を強いられそうだ。

北朝鮮に潜入中のサム・フィッシャー
北朝鮮が再びミサイル発射準備を開始。サム・フィッシャーが阻止に走るが、すんでの所で間に合わず!? このあとどうなる?


アメリカと韓国が開戦。ソウルは戦火に包まれる。サードエシュロンはこの事態調査にサムをソウルへ派遣 機密情報を持ち帰ろうとしたアメリカ軍戦闘機が韓国軍に撃墜。「任務は戦闘機コクピットからこの機密情報を回収すること。これはパイロットの救出よりも優先される」


■ メタルギアとは異なったプレイ感のステルスアクション

目に見えないトラップも3つ目ゴーグルに仕込まれた特殊視覚装置を活用すれば……
 PC版のサムの操作は、[W][S][A][D]で移動、マウスで視点操作というFPS伝統の操作スタイルを採用している。FPSと決定的に異なるのは視点は、必ずしも後方視点に限定されないと言うこと。マウスを大きく動かせば、サムを正面から捉えて、サムの背後の情景を見ることもできる。

 この制限の少ない視界操作は、人に見つからないようにする「かくれんぼ」動作が主体となる本作において、自分を取り巻く環境状況をリアルタイムに把握するのに貢献している。敵がどこにいるのか、敵の視線がどちらに向いているのか、ダッシュしてあの壁際へ飛び出すタイミングはいつか等を確認する際に、この視界操作系がキモとなってくるのである。

 そして、このシステムは、常に背中姿しか見られない、一般的な三人称視点アクションゲームと違い、主人公サムの、中年とは思えないしなやかな肉体アクションをダイナミックに見て楽しむことにも一役買っている。

 さて、グラフィックスが大幅に進化した今作だが、基本的なゲーム進行はこれまでと同じ。前作からプレイしてきた人は違和感なくプレイできるはずだ。

サムの敵は光。闇を作り出すために光を排除していくのもサムの基本行動の1つ。今作では蝋燭を吹き消すなんてアクションも


 サムの行なうべき行動は、前作同様、ランバート司令官より随時指示される場所へと赴くこと。大局的には、いわゆるゴールを目指すタイプのゲームと思ってもらっていい。そのゴールへの道を阻むものが、地形要因であったり、敵の存在だったりするわけだ。

 地形的障害は、このタイプのゲームではよくある、「あそこに行くには、あのスイッチを押さないとダメ」的なスイッチ押しパズルの形態を取っており、そのスイッチを守っているのが敵達ということになる。

 各局面ごとに「敵に見つかっても良い最大回数」が設定されており、この回数を超えて見つかるとゲームオーバー。よって本作では、表だった銃撃戦は歓迎されない。敵の排除は、自分の存在を敵に知られないように行なっていかねばならないのだ。

 そこで利用するのが、シーン内随所にある暗闇や地形的凹凸/起伏の存在。局所的に見れば、SplinterCellは、いかに敵に見つからないように敵に接近するかというパズルゲームになっていると言ってもいい。

エレベータメンテナンス用のはしごから階上へ。と、その時、下からエレベータがせり上がってきた! ピンチ! サム~うしろ~! 潜入と言えば、天井からロープでするする降下が基本でしょう!

 「どう考えても、敵に見つからないように接近するのは無理!」というシーンも随所に存在し、そうしたケースで重要となってくるのは「敵の誘き出し」や「敵の注意をそらす行動」だ。

 具体的には、その場に落ちている石や空き缶などのゴミを放り投げたり、ワザと自分の姿をちらつかせたりする行動をとることになる。敵が、サムの存在に気づくまでには、あるレベルの"敷居値"が存在し、ちょっと見られたり、多少の物音を聞かれたぐらいでは問題ない。

 ただし、ひとたびこちらが陽動を行なえば敵達は「見回り警戒」のような能動的な行動に移ることになるため、その後のサムの操作には、タイミング重視のアクションが要求されるようになる。こちらに近づいてくる敵を出会い頭に倒したり、敵の注意が明後日の方向に行っている間に走り抜けたり。

 なお、局面によっては銃撃戦にならざるをえない場合もあり、その際には、FPSゲームばりの派手なガンアクションゲームへと変貌する。完全な隠密行動の連続の要所要所に、そうした大胆な行動が求められ、ゲーム進行そのものにアクセントが与えられているのだ。

今作のサムは戦車を相手にすることも。手榴弾を砲台のハッチにピンポイントで投げ込め!


 今作は、全10ステージで構成され、各ステージのボリュームはやや短めな印象を受けた。大体、ペースよく進めば、初見でも1ステージあたり1時間前後といったところか。

 ステージクリアの鍵を握る「プライマリゴール」(主目標)を達成した時点で次のステージへと進めるが、その前にゲームシステム側からプレーヤーの行動が評価され、100点満点中、何点だったかを知らされる。

 評価のポイントは細かいが、大体、「民間人に危害を加えてしまったか」、「敵に自分の存在をどの程度気づかれたか」、「サブゴールをどの程度達成できたか」によって得点が左右されるようだ。サブゴールとは、各ステージ中に織り込まれた「やっておくとストーリーへの理解がより深まる」的なチェックポイントのこと。具体的には、「特定の場所の棚の引き出しを開けて機密文書を読めたか」とか「特定の場所のコンピュータをハックして情報を引き出せたか」など。

 1ステージのボリュームが短くなった、その分、サブゴールの数は多く、100点満点を取るのは意外に難しい。前2作とは違い、繰り返しプレイして楽しめるよう、リプレイバリューを高めたゲームデザインとなった感がある。

諜報活動に使用した盗聴マイクの回収なんていうサブゴールも。全部回収できないとクリア後の評価がマイナス 死体は他の敵が寄りつかなさそうな部屋にまとめて置いておく


■ ステルス親父の超絶アクションを堪能せよ~新ガジェット装備続々登場

 「SplinterCell」の醍醐味と言えば、やはりサム・フィッシャーのド派手な肉体アクションだ。

 今作におけるサムのアクションの見どころと言えば、多彩になった攻撃アクションの数々。攻撃ボタンを押すだけで、シーンの状況に応じて、自動的にかっこいい攻撃アクションが繰り出されるようになっており、例えば、天井を走るパイプに掴まった状態から攻撃ボタンを押せば、そのまま上半身だけを吊り下げて敵の首締めを行なったりしてくれる。高所のフチに掴まった状態から、敵が近づいた瞬間に攻撃ボタンを押せば、敵を引っ張って、転落させたりすることも。

サムの象徴的なポーズである股割り。狭い場所ならばこのように静止して留まることも 今作のサムはちょっと忍者チック。やっぱ、これって活躍の場が日本になったりしてるから?

ビルの縁を平行移動して、のほほんと見回りをしている敵兵に接近(左上)。掴んで引っ張り込む。敵「うわぁ」(右上、左下)。敵、転落死(右下)。


 また、背後から忍び寄って敵につかみかかる「羽交い締め」アクションは健在で、今作では、ここからの攻撃を「殺害」にするか、「気絶(殺害せずに気を失わせるだけ)」にするかの選択がプレーヤーに委ねられるようになった。具体的には、マウス左クリックのプライマリ攻撃が「殺害」、右クリックのセカンダリ攻撃が「気絶」のように割り当てられている。民間人への尋問後は「気絶」が基本で、うっかり「殺害」してしまうと評価に響くので注意が必要だ。

敵の自由を奪った状態から尋問して情報を獲得することは、前述のサブゴール達成にも大きく起因する。よって出てきた敵を片っ端からサイレンサー付き銃で狙撃するのは得策ではない


羽交い締めにした敵を、無理矢理に網膜スキャナーに押しつけて、ドアを開けさせるなんてことも


障子の向こうに映る敵を、障子を破きながら羽交い締め! イッツ、ダイナミック!


今作では行く手を阻む障害物のうち、切れるものはナイフでカットすることが可能になった


 そして今作では武装の進化も目立つ。1つはシリーズ通して主武装となっていた5-7SCハンドガンにOCP(Optically Channelled Potentiator)と呼ばれるサブ機能が実装されたことだ。OCP、意訳すれば「電磁波ビーム発信器」ともいうべきもので、5-7SCハンドガンを構えて狙いを定めセカンダリ攻撃(右クリック)を行なうと指向性の強い電磁波が発せられ、一定時間、電子機器の動作を停止させることができるのだ。

 活用範囲は非常に広く、照明器具を一定時間消したり、監視カメラを一定時間動作不能に追い込んだりできる。重要なのは、こうしたサボタージュ行動を銃弾を消費せずに遠隔操作にて行なえることだ。

 2つ目は、サムの3つ目ゴーグルに新たな特殊視覚装置が増設されたこと。その名も「EEV(Electronically Enhanced Vision)」、意訳すれば「電場増幅ビジョン」で、電子機器の放つ電磁波を増幅して視認することができるものだ。シーン内に隠された電子セキュリティの存在を確認でき、ズーム機能を併用することで、その電子機器の種類(OCPで動作妨害が可能か、など)を調べることもできる。

ゴーグル未使用状態 暗視ビジョンに切り換えれば、こんなによく見える!
敵の位置だけを知りたければ感熱ビジョンに切り替えれば良し これが今作で追加されたEEV、電場増幅ビジョン。電子機器の場所が明るく見えるようになる

 さらに、このEEV、IEEE802.11機能の無線LAN機能を搭載しており、電子機器のワイヤレスハッキングまでが可能となっている。例えば、敵が持ち歩いているノートパソコンを、離れた場所から中をのぞき見することができちゃうのだ。サムもこの機能には、かなりご満悦のようで、劇中、感激のあまり「時代はWi-Fiだな」と呟くシーンも。

 「重要な部屋のはずなのに見張りがいない」、「四方八方がセキュリティ装置で身動きができない」といった局面では、このEEVを活用すると、思わぬ場所に仕掛けられたセキュリティ装置を発見できたり、その解除を行なえたりできる。なお、OCPとEEVによる遠隔サボタージュ装備は、今作の実質的な難易度の低減にも結びついている印象がある。

 3つ目は、サードエシュロン専用の特殊装備であるSC-20K多目的アサルトライフルに、ついにショットガン機能が搭載されたこと。近接的な銃撃戦には絶大な破壊力を有しており、絶体絶命のピンチの際には頼りになる。

今作から追加されたミニゲーム的トラップ解除のコンピュータハッキング。IPアドレスをオーバーライドしてコンピュータから情報を盗む シリーズではお馴染みの鍵開けミニゲームもグラフィックスがパワーアップ


■ 新設された協力プレイモードにも挑戦せよ

 本作ではメインとなるシングルプレイに加え、前作より追加されたマルチプレイモードを引き続き搭載している。

 守る傭兵と攻めるスパイ側にわかれて対戦する「ネットワーク対戦」モードは、ゲームエンジンまでもが前作「Pandora Tomorrow」ベースとしており、一旦「Chaos Theory」を終了して別起動されるなど、実質的に「前作そのまんま」という印象だ。こちらの内容は、前作のレビュー記事で詳しく触れたので、そちらを参照して欲しい。

 今作のマルチプレイモードの目玉はなんといっても、複数人で協力してシナリオを勧めていく「CO-OP(協力プレイ)」モードの方だろう。こちらは、今作のChaos Theoryエンジンベースの物で完全な新作となっている。

 このモードでは、各プレーヤーが、サム・フィッシャーのような出で立ちで、しかもサムと同等の能力を持ったプレーヤーとして登場する。同一タイミングで複数のスイッチを解除しなければならないトラップなど、互いに協力し合わないと先に進めないシーンが盛り込まれた協力プレイ専用のミッションが用意されている。また、巴投げの大ジャンプや肩車によるよじ登りといった、このモード専用のアクションも存在する。シングルプレイをコンプリートした後は、ぜひとも挑戦したい。

前作「Pandora Tomorrow」そのままのネットワーク対戦モード 今作の目玉は複数人でシナリオを楽しむ協調プレイ。奥にいるのが相棒。手前が自分

 さて、これまでの3作を通してプレイしてきた筆者の感想としては、今作はグラフィックスの強化こそ目立つものの、ショッキングなストーリー展開と新アクションが追加された以外に、ゲーム性そのものに大きな革新はなかったと感じる。プレイ感覚は良くも悪くも「続編の味わい」であった。

 これを「手堅い」と見るか、「マンネリ」と見るかは人それぞれだが、個人的には今作でも、カリスマ中年ステルス親父、サム・フィッシャーの魅力は大爆発であったために満足度は高かった。

かつての盟友、ダグラス・シェトランドと対峙するサム。果たして勝負の行方は? 今作のサムは掴まると、逆に敵に尋問されてしまう。この後のこの兵士の運命は確実な死

 ゲームプレイは難易度も下がっているし、基本的に一本道なので大きな支障は無いと思われるが、ストーリーの理解には高校卒業程度の英語力は必要になる。劇中、メタルギアやプリンスオブペルシャなど、特定のゲームに対するジョークが見受けられるので、ゲームファンは敵の台詞にもよく耳を澄まして聞き取るように。

 ユービーアイソフトによれば、台詞やテキストを日本語に置き換えた完全日本語版も、年内には登場予定とのこと。なお、前作「Pandora Tomorrow」の完全日本語版は3月31日に発売となっている。

鍵を握るヤクザが新宿の大衆浴場にいるという情報をキャッチしてやってきたサム。店名は「浴室の家」だ。今作の日本描写は好き放題だ


意味不明な言葉の書かれた掛け軸の数々。漢字の天地が逆転していたり反転していたりすることもざら サムは日本の防衛庁ならぬ国防総省に潜入。中途半端に照らされたKOKUBO SOSHOの文字が一抹の侘びしさを感じさせる

こういう妙ちきりんな日本語サインをチェックしていくだけでも今作はかなり楽しい! 完全日本語版ではこのあたりはどうなるのか気になるところだ


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【SplinterCell: Chaos Theory】
  • CPU:Pentium 4 1.4GHz以上
  • メインメモリ:256MB以上
  • HDD:4GB以上
  • ビデオメモリ:64MB以上


□「SplinterCell: Chaos Theory」の公式ページ(英文)
http://www.splintercell3.com/
□関連情報
【9月2日】「Tom Clancy's Splinter Cell: CHAOS THEORY」がプレイアブル展示
あのカリスマ・ステルス親父にもうすぐ会える!
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040902/sc3.htm
【5月16日】「Tom Clancy's Splinter Cell 3」プレビュー
世界最強のスニークアクションは3で独走態勢に入る
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040516/e3sc3.htm

(2005年5月9日)

[Reported by トライゼット西川善司]


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