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UKゲームショウ現地レポート「Tom Clancy's Splinter Cell: CHAOS THEORY」がプレイアブル展示 |
Ubi Soft、「Splinter Cell」展示セクション |
会場:ExCeL London
等身大(?)サム・フィッシャーが来場者をお出迎え |
プラットフォームはXboxとPC。共に、カナダのUbi Softモントリオールスタジオにて並行開発されてきたこともあり、特別な市場戦略が採択されない限りはXbox版とPC版はほぼ同時に発売される見込み。
今作のストーリーは我らが日本も絡んでくるだけに興味深い。
現在から数年後の極めて近い近未来、北朝鮮と日本との国交を悪化させるような情報操作がサイバーテロの形で勃発。両国の関係は悪化し、戦争寸前の状況にまで追い込まれる。事態を重く見たサム・フィッシャーが所属するNSAスプリンターセル部隊は、このサイバーテロの黒幕を暴き、世界秩序を取り戻すために乗り出すのであった。
Ubi Softの3DプログラマDany Lepage氏 |
ちなみに今年頭に発売されたばかりの「Splinter Cell 2」こと「Splinter Cell: Pandora Tomorrow」は、中国のUbi Soft上海スタジオが「Splinter Cell 1」エンジンをベースにして開発したものであり、今作の「Splinter Cell 3」こそが「本当の新作」という位置づけになる。
3Dグラフィックエンジンの開発には3Dプログラマのダニー・リペイジ(Dany Lepage)氏の全面指揮の下に開発されており、PC版はプログラマブルシェーダ2.0ベースで、Xbox版はそのシェーダの仕様を簡略化し、プログラマブルシェーダ1.x仕様へポーティングする形で開発されている。
リペイジ氏は'97年から2000年の間、カナダのMatrox Graphicsに勤務、Millennium G200/G400の設計チームのメンバーを務め、その後、米NVIDIAへ移ってGPU設計チームに参加し、「GeForce 3」、「GeForce 4 Ti」の設計に参加、そしてXboxのGPU、APU、MCPの設計にも参加して、2002年にUbi Softに引き抜かれた“曰く付き”の人物。現役3Dゲームプログラマのなかでも最もGPUに精通した人物のうちの1人として知られており、「Splinter Cell 3」では彼の新しいアイディアが余すことなく導入されている。
顔の目鼻立ち等のディテール表現、衣装の凹凸表現などが全て法線マップによるもの |
今回展示されていたバージョンで面白かったのは障子シェーダー。東洋が舞台として多分に登場する今作では、日本伝統の部屋仕切りの障子が登場するのだが、障子の向こう側の人物キャラの影が、光源からの距離に応じて異なったぼやけ率と拡大率で半透明に投射されるのだ。技術的にはそれほど高度ではないシェーダーだが、前作で笑いを誘った「液晶シェーダー」(ゲーム中に登場する液晶モニタが視線角度によって色が反転してしまうに通ずる、リペイジ氏のシェーダーアイディアが光る表現だ。
今回展示されたのはXbox版のみだが、そのハードウェア制約の中で精一杯、法線マップテクを酷使しており、前作の「Splinter Cell 2」と見比べればビジュアル表現は明らかに向上しているのが実感できる。まるで現行Xboxが、新たなグラフィック表現を獲得したかのようにも見えるかもしれない。
毎回注目が集まる、主人公のサム・フィッシャーのアクションだが、今作ではますます忍者化が進んた印象だ。たとえば前作からあったパイプ伝い姿勢から、下半身をパイプに固定したまま、上半身だけをおろして敵の首を締めたりできる。銃を構えたときに銃身の角度が上手く合わないときには、「Rainbow Six」シリーズにあった姿勢をずらすアクションも可能となった。
【スクリーンショット】 | |
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ビニールのカーテンをナイフで切り裂きつつ相手を羽交い締め。サム・フィッシャー……敵に回したくない男である |
【スクリーンショット】 | ||
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背後から忍び寄って……。じゃまなビニールカーテンはナイフでカット |
【スクリーンショット】 | |
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雨が降っていれば雨音でサムの足音はほとんど相手に気にされることがない。そこを背後から……。ちなみに今作も操作中に視点の移動が可能 |
敵をナイフで脅して尋問 |
また、今回登場する敵達の中にはサム・フィッシャーと同等のサーマルビジョンを装備したハイテク軍団も登場するため、前作のようにただ身を影に潜めているだけでは敵に狙い撃ちされてしまうこともある。これに対してはまたまた素晴らしいアイディアを持ってサム・フィッシャーは対抗するのだ。「冷水シャワーを浴びて、制限時間付きながら体温を下げて敵のサーマルビジョンからこちらの姿を消す」という対抗手段がとれるのである。
グラフィックスだけでなく、ゲームプレイにおいても新要素が満載の「Splinter Cell 3」、その登場が今から待ち遠しい。
□Ubi Soft Entertainmentのホームページ
http://www.ubi.com/
□ECTSのホームページ
http://www.ects.com/
□European Games Networkのホームページ
http://www.europeangamesnetwork.co.uk/
□Game Stars Liveのホームページ
http://www.gamestarslive.co.uk/
□「Splinter Cell: Chaos Theory」のページ
http://www.splintercell3.com/
□関連情報
【9月2日】Game Stars Liveレポート UBI SOFTブースレポート
~二刀流忍者になって帰ってきたペルシャ王子
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040902/ubi.htm
【5月16日】「Tom Clancy's Splinter Cell 3」プレビュー
世界最強のスニークアクションは3で独走態勢に入る
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040516/e3sc3.htm
(2004年9月2日)
[Reported by トライゼット西川善司]
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