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「エバークエスト」といえば、“エバークエスト、ネバーエンド”と言われる、プレイをやめることができない状態「エバークラック」という言葉が生まれたほどMMORPGプレーヤーを魅了したタイトル。それらの逸話をご存知のかたもそうでない方も、スクウェア・エニックスが運営を行なう「エバークエストII(以下、EQ2)」の動向に注目している方は多いだろう。現在EQ2は、クローズドβテストが行なわれている真っ只中で、6月16日からはいよいよ正式サービスが開始される。 今回は前半では、4月21日に実施されたバージョンアップの内容を中心にEQ2の最新動向をお伝えし、後半では初心者にとって高いハードルである、EQ2のインターフェイスのカスタマイズ部分を紹介していきたい。βテストに参加中のプレーヤーの方や、βテストには参加できなかったものの正式サービスを心待ちにしているという方に、EQ2日本語版の魅力の一端でも伝われば幸いである。
■ アーティザンに嬉しい変化が見られる4月21日のバージョンアップ 4月21日にバージョンアップが行なわれたEQ2日本語版。こちらのスクウェア・エニックス特設サイト内にて内容が確認できるのだが、非常に膨大な量であるため、特設サイト内でもヘッドラインという形式で、バージョンアップのおおまかな内容が掲載されている。以下はそのヘッドラインの抜粋である。
・キャラクタが家にいない時や、オフラインの時でも商品を売れるようになりました! 中でも大きな変化は、オフラインでも商品の売買ができるシステムの導入だ。これは、所持しているアイテムを他のプレーヤーに販売する方法のひとつである「マーケット」に関わるもの。以前では、マーケットにアイテムを出品する際には、自分のキャラクタが所持、もしくは契約している家の中で待機している必要があった。 今回の変更により、冒険中やオフラインの間でも出品したアイテムのやり取りが可能となり、以前はアイテムの出品数が少なく寂しい様相だったマーケットだが、現在は出品数が大幅に増え、一気にゲーム世界が活気付いている。特にアイテムの保管数を増やす金庫(Box)と、持ち歩けるアイテムの数が増えるカバン類(Backpackなど)の取引は活発だ。
ちなみにアイテムを出品するには、“a market bulletin board”を購入後、自分の家の中に設置した後にダブルクリック、もしくは右クリックでアクセスして自分のショップを開く必要がある。また、今回のバージョンアップで追加された、家を離れているときやオフライン時にも販売を行なう場合には、住居内のハウス保管室に金庫を設置し、その金庫の中に、マーケットで販売したいものを収納する必要がある。
これによりゲーム内では、アーティザンに興味を示すプレーヤーが増え、前述のマーケット仕様の変更の効果も合わさってちょっとした生産ブームが起きている。生産の手順ひとつにしても生産専用のスキルを使用して生産品のクオリティ向上を目指せるなど、独自の仕様が多く盛り込まれているのがEQ2であり、筆者も非常に楽しく生産にハマっているところである。現在βテストに参加中ながらも、まだアーティザンはあまり経験していない、という方はぜひチャレンジしてみて欲しい。 他にも、生産作業中まれに発生する特殊なイベントとして“テクニック・バフ”、“完璧な製品作成”、“革新の抱擁”が3種類追加されるなど、今回のバージョンアップでは、アーティザンに関わるものが多く追加、もしくは変更された印象を受ける。とは言え、バージョンアップの内容はこれだけに留まってはおらず、連続したクエストである新しいクエストパスの追加をはじめ、数多くの呪文とコンバットアーツの修正が実施されるなど、冒険に関する面も大きく変化している。 上記以外にも非常に多くの内容が更新されたバージョンアップだが、新要素に関するテキストがすでにローカライズされているところにも注目したい。通常こういったバージョンアップでは、原文そのままに実装がなされることも珍しくなく、現在の運営状況がクオリティアップを図るためにβテストを実施していることも考慮すると、これは好印象である。 気になるゲーム内全体のローカライズ部分に関しても、毎日行なわれているメンテナンスの実施ごとにデータが更新されるようで、メンテナンス開始前と終了後を比べると変化しているテキストを発見することもある。だが、プレイをしていると、未翻訳の部分がまだ目に付くのも事実。正式サービスの開始日である6月16日に向けて、ローカライズ部分を含め、EQ2日本語版としての細かなブラッシュアップが、今後も順調に伸展していくことを期待したいところだ。
■ スケールの大きいEQ2日本語版はインターフェイスのカスタマイズ性にも圧倒される
さて、EQ2日本語版のインターフェイスは、一言で言うならば「どんなタイプの人にでも合わせられるほど豊富なカスタマイズ項目が存在する」のである。各種情報ウィンドウ、ログウィンドウの位置はもちろん、フォントサイズの設定や、通常時・マウスオーバー時の透過設定などなど、自由な表示方法を設定することができる。インターフェイスひとつを見ても、これだけのカスタマイズが可能なタイトルは珍しい。
ただ、自由にいじれると言われても、ほとんどの人は何をどうすればわからないだろう。EQというタイトルに慣れ親しみ、インターフェイスはこうであって欲しいというビジョンを明確に持っているユーザーであれば、自分好みのインターフェイスが設定できるのだが、シリーズに初めて触れる方はそうもいかない。プレイしながら、どのようなカスタマイズが可能なのかが理解していける場合も少なくはないのだが、まずはどのようなカスタマイズが可能なのかを知らないと第一歩が踏み出せないと思う。では早速、早速カスタマイズ可能な部分やカスタマイズの一例を紹介していこう。
■ カスタマイズ項目を理解して、自分好みのインターフェイスに仕上げる楽しさ ここからは具体的な設定方法を解説しつつ、プレイを快適にするためにぜひ設定しておきたいという筆者オススメの設定を紹介していこう。現在クローズドβに参加している方でも、カスタマイズの部分はよくわからなくて未設定という方に今回の紹介内容が役に立てば幸いである。また、クローズドβテストには残念ながら参加できず、はやくEQ2日本語版に触れてみたい、という方には、EQ2の持つポテンシャルの一端が伝わればと思う。
・チャット用のログウィンドウを増やす
・アビリティやコンバットアーツ、ソーシャル用のホットバーを増やす 今回スクリーンショットを撮影している舞台「レフュージ島」を冒険している段階では、あまり不便を感じないかもしれないが、その後の舞台であるケイノスやフリーポートに渡り、冒険を重ねると使用できるアビリティやコンバットアーツが増えていく。直接アビリティやコンバットアーツを選択できるホットバーも、ログウィンドウ同様に初期状態ではひとつだけしか設定されていないため、ログウィンドウと同じ要領で複数のホットバーを設定するのがよいだろう。
・ナレッジ内の入れ替えも可能 普段使わないアビリティやコンバットアーツなどは、メニューのナレッジ内のリストから選択して使用することになるのだが、このナレッジ内の並びもドラッグ&ドロップによって変更することができる。ホットバーをフル活用するのもよいのだが、特にアーティザン(生産)で使用する生産スキルなどは、ナレッジのリストから使用しているという方もいるだろう。ナレッジ内のスキルなども、使い勝手の良い並びに変更しておきたいところだ。
・ワイドスクリーンレターボックスを設定して表示画面を調節 オプションの項目もかなり多彩なEQ2日本語版だが、中でもゲーム画面の表示範囲を変更するオプション「ワイドスクリーンレターボックス」は自分好みに設定しておきたい。このワイドスクリーンレターボックスは、ゲーム画面の表示範囲を映画のスクリーンのように上下を黒幕で覆い隠すという設定。なお、初期状態でも上下は多少カットされているのである。
・ウィンドウ設定の項目を細かくチェック 画面上に表示されているウィンドウは全て、ウィンドウの上で右クリックすると選択できる「ウィンドウ設定」の内容を変更することで、表示に関する設定を行なうことができる。設定できるのは、ウィンドウ全体の透明度、ウィンドウのフレームやタイトルのON/OFFと透明度、ウィンドウ内の背景の透明度など。これに加えて、マウスを乗せた状態、マウスオーバー時の透明度も個別に設定することができる。
・/showhoodで頭装備の表示を切り替え EQ2日本語版では、兜やフード付きのローブを装着した時、兜やフードのグラフィックが頭に表示されるのだが、この点はキャラクタの顔が見えなくなってしまって寂しいと感じるかたもいるだろう。そこで、/showhoodというコマンドを入力することにより、頭装備をつけている場合のグラフィック表示を切り替えることができるのだ。
■ ユーザーのニーズに対応できる、細かなカスタマイズ設定は好印象 いかがだったろうか。今回取り上げた内容は基礎的なものばかりで、バリバリとβテストに参加しているかたには少々物足りないかもしれない。今回こういった内容を掲載したのは、EQ2というゲームがこれまでの他タイトルには見られなかったほどのカスタマイズ性を要しているという部分をお伝えしたかったためである。ウィンドウの配置が自由自在に行なえるのはもちろん、フォントサイズの変更や透過設定なども自己流に調節することができる。 特にMMORPGにとって重要なログウィンドウは、ログごとに表示ウィンドウをわけたり、タブ切り替え式にしたりなどが設定可能なわけで、現状考えられるユーザーのニーズのほとんどに対応していると言えるだろう。また、好みが別れるであろうフキ出し式のチャット(チャットバブル)に関しても、オプションでOFFにすることで、ログのみの表示にすることができる。インターフェイスに言及するとEQ2というタイトルは、ユーザーひとりひとり"好みの表示方法が異なる"という難問に対して、多彩な選択や設定を可能にすることでそれらに可能なかぎり対処したという、非常にキャパシティの大きな作品なのである。
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□スクウェア・エニックスのホームページ (2005年4月26日) [Reported by 山村智美]
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