「エバークエスト II」クローズドβテスト緊急レポート
英語版との比較でローカライズの出来映えをチェック
4月1日
会場:スクウェア・エニックス本社
いよいよ本日4月6日よりベータテストが開始されるスクウェア・エニックスの「エバークエスト II」(以下、EQ2)だが、今回はベータテストの開始に先駆けて日本語版に触れる機会を得たので、撮り立てのスクリーンショットを中心に、ローカライズの内容や日本語版の感触をお伝えしていこう。
■ 丁寧なローカライズにより、より深くEQ2の世界観を味わえるように
今回のプレイではキャラクターメイキングから、チュートリアルであるファージャーニー号、レフュージ島、さらにケイノスの市民権クエストの途中までをプレイすることができた。
日本語版を触ってみてまず感激したのは、当たり前といえば当たり前なのだが、日本語にローカライズされていることだろう。筆者は英語版の「エバークエスト II」を2カ月ほど前からプレイしているのだが、あまり英語は堪能ではない。そのため英語版をプレイしているときは読み取れていなかったクエストの詳細であったり、微妙なバックグラウンドストーリーが、自分にとって一番理解しやすい日本語で展開されるだけで軽い感動を覚えた。
EQ2の物語は、海に流されていた主人公が、レフュージ島を目指して航海中の船「ファージャーニー号」の船員に運よく引き上げられるところから始まる。この船には様々な人種が乗り合わせているのだが、ここで早くもスクウェア・エニックスがおこなったローカライズのこだわりを見ることができた。
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左が英語版、右が日本語版。チュートリアルウィンドウの文章もしっかりと翻訳されている
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船長の口調は、「お前さん」や「覚えてねえのかい? 」など、海の男らしい意訳がされている
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もうひとつ船長の発言。「海がシケてきやがったぜ」や「Waulonのところに行きな」など、やはり海の男テイストだ
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画像の「dry land and dry food」という部分は、そのままならば「乾いた大地に乾いた食べ物」だが、それではちょっと重苦しいだろう。EQ2日本語版ではボヤキ程度に読み取れるよう、「乾いた地面にパリッとした食い物」となっている
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EQ2は、これまでのMMORPGに比べても、圧倒的にテキスト量が多いタイトルである。他のタイトルでも、イベントシーンなどであればボリュームのあるテキストが展開されることはあるが、EQ2ではNPCとの何気ない会話でも、結構なボリュームの会話が展開される。この緻密かつボリュームのあるテキストのおかげで、EQ2という作品のどっしりとしたスケールと存在感を感じることができる。
ローカライズは単純な翻訳ではなく、種族やクラス、キャラクタが持っている設定や発言時の状況をしっかり把握したうえでの言い回しや語尾があてられているという。この世界観を尊重した翻訳に当初の予想よりも時間がかかったとのことだが、それも納得がいく話である。単純に英語を日本語に置き換えていくだけの作業を行なったのであれば、もっと早期にベータテストが開始できたのかもしれないが、それでは、いざゲームをプレイし始めてから不満が出るという結果になりかねないだろう。ちなみにベータテスト中も、テストに参加しているプレーヤーの声を元にローカライズ部分の修正を行なっていきたいということだ。
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「アイテムを買ってきて欲しい」とNPCに言われ、「お金がない」と返答している場面。英語では「I have no money」なのだが、日本語版では「あいにくと一文無しで。」と単調な翻訳ではなく、柔軟な翻訳がなされている
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チュートリアルでは、「全部ルートボタンを押して」となっているのだが、獲得ウィンドウは「すべて獲得」になっているのがちょっとツライかなというところ。今後のブラッシュアップに期待したい
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50種類以上の数が用意されているエモート。中にはニュアンスの難しいものもあるのだが、今回プレイした段階で、ほとんどのローカライズが完了していた
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レフュージ島でのアーキタイプ選択の会話。会話をしているGarvenの口調ひとつにしても、何人もの難民と話をしてきたらしい雰囲気を感じさせる味が出ている
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アイテムの詳細をチェック。細かなパラメータが存在するEQ2のアイテムだけに、日本語の詳細は嬉しい
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ショップでのアイテム名ももちろん日本語。武器防具だけではなく、アイテム作成用の素材など、アイテム数はかなりの数があるため、英語だと苦しいところだ
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Garvenの指示通りにGruttooth Invaderを倒したことを報告しているところだが、一度に結構な量の長文が表示されている。英語がすごく得意だ、もしくは自分は英語圏で生まれ育った、という人でなければ苦しい量だ。こうしたクエストの長文の日本語化は最も嬉しいポイントだろう
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この画面だけならば大したテイスト量ではないのだが、この後、画面の5、6倍近い会話がなされる。筆者が英語版でプレイした際は、さすがに読み取る気力が起きず、英語習っておけば良かったなぁと考えたものだ。日本語版ならノープロブレムである
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■ ここは英語じゃないと……というこだわりにも対応できる、翻訳切り替え機能を搭載
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オプション項目には新たに「翻訳」のタブが追加されている。このチェックを切り替えることで、英語表示と日本語表示を切り替えることができる |
日本語版では、オプション項目に「翻訳」という項目が追加されている。この項目では、チェックの切り替えによってアイテムや地名など合計9項目の表示を、英語表示にするか、日本語表示にするかを選択することができる。
また、EQ2ではメッセージログなどの表示ウィンドウを、個別にカスタマイズすることができる。ウィンドウの透過設定やフォントサイズなどを設定して、プレイヤーの使用しやすい環境を作ることができるのだが、こういった細かな部分もしっかりローカライズ済みである。
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マップもカタカナで表記されているが、この部分は英語のままのほうが雰囲気があっていいかも、と感じる方はオプションの翻訳で英語表示にできるというわけだ
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ウィンドウのカスタマイズ項目だが、筆者は英語版の項目「Backdrop」で困惑した覚えがある。これが日本語版で「バックドロップ」となっていたら大弱りしていたところだ。細かなところとはいえ、こうした日本人としてはひっかかる部分が日本語版では、馴染みのある言葉へ置き換えられている
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■ ローカライズの具合は良好。今後のさらなる進化と共に期待したい
EQ2自体は非常にとっつきのよい作りになっており、例えばクエストを閲覧することができる「クエストジャーナル」では、その進行具合と次にこなさなければいけない手順を確認することができる。また、NPCやグループメンバーがいる位置へ光のラインを表示して案内してくれる「ウェイポイント」の機能も嬉しい。
そこまで至れりつくせりの仕様が詰め込まれているEQ2だが、肝心要のテキストが英語では、どうしてもとっつきが悪くなる。今回、日本語にローカライズされたことにより、そのスケールと深みを存分に味わえるようになっている。本誌では、4月7日より開始されるベータテストの模様をお伝えしていく予定なので、ぜひ楽しみにしていただきたい。
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クエストの進行具合や手順を確認できるクエストジャーナルのローカライズもバッチリ。お世話になることが多い機能だけに、しっかりとクエストの背景が読み取れるような精度に仕上がっているのは嬉しい
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キャラクタ情報のローカライズもほぼ完了済み。「Biography」はそのまま訳すと「伝記」となる。英語版のプレイ時は、フィーリングでメッセージや自己紹介文を入れるところだな、と感じてはいたが、やはり日本語版ではプロフィールになっている
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※画面は開発中のものです。
□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.co.jp/
□「エバークエスト II」のホームページ
http://www.playonline.com/eq2/
□関連情報
【11月5日】「EverQuest II」日本語版開発者インタビュー
英語版の発売日が急遽決定、日本語版の開発状況やいかに?
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041105/eq2int2.htm
【6月21日】「EverQuest II」日本語版プロデューサーSage Sundi氏特別インタビュー
「単なるローカライズではなく、日本のユーザーに合わせたカルチャライズを目指す」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20040621/eq2int.htm
(2005年4月6日)
[Reported by 山村智美]
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