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【連載第180回】 あの、おもちゃを徹底レポート




音楽と戯れるロボット犬!
セガトイズ「idog」

「idog」
発売 セガトイズ
価格 4,179円
電源 単4アルカリ電池×3(別売)
発売日 発売中



 iPodに代表される携帯型音楽プレーヤーが、大ブレイク中だ。ヒットの理由はいくつも挙げられるが、その根底には大量に詰め込んだ好きな曲をいつでもどこでも楽しみながら、「音楽ってやっぱりいいなぁ」と音楽の良さを再認識できることがあるだろう。

 今回紹介する「idog」は、そんな時代の空気から生まれたといっても過言ではないアイテム。音楽をテーマに、これまでにない遊びができるコミュニケーション型トイだ。発売は、過去に「プーチ」を始めとするたくさんのロボット・トイを開発してきたセガトイズ。同社の試行錯誤が「idog」に結実し、まったく新しい楽しみ方ができるトイを作り出している。長年のe-Toyウォッチャーとしても感慨深いものがある。


いい意味で玩具らしくない、洗練されたデザイン

iPodのパロディのようなあしらいのパッケージ
 「idog」自体は、非常に洗練されたデザインだ。パッケージはモロにiPod風で苦笑させられるが、本体のデザインはiPodに負けず劣らず、ユニーク(独特)なものになっている。

 「idog」というからには、もちろん犬をモデルにしたトイなのだが、相当のデフォルメが施されている。顔には鼻と耳しかなく、大胆にも生き物の表情を決定付ける「目」が存在していないのだ。4本の足や尻尾もごくごくシンプルな造詣だ。

 それでいて、単調なデザインなのかといえば、そうではない。子供向けや大人向けを超越し、気品の良さすら感じられる。インテリアとしても、かなりのグレードだ。そして、この「洗練されたデザイン」という印象は、本体の電源を入れるとより鮮烈なものになる。

犬をモデルに抽象化を極めたかのような本体デザイン 歩行機能などはなく、あくまで音楽で遊ぶトイとして企画されている 背中にはスピーカーがあり、多様な音を再生する


 本体のスペックを簡単に述べておこう。幅は約11センチ。奥行きは10センチ。高さも10センチ程度。大人の手のひらにぴったりと収まる程度のサイズといえば、その大きさを実感していただけるだろうか。

 ボディに埋め込まれたマイクとスピーカーで、ユーザーの声を感知し、音声を発する。コミュニケーションに使用するスイッチは、頭に2個。鼻に1個。そして尻尾に1個用意されている。これらのスイッチに触れることで「idog」とさまざまな遊びを楽しめるようになっている。

 顔には光センサーも内蔵され、頭上に手をかざすとそれが感知される仕組みだ。左足には、ステレオミニプラグがあり、オーディオプレーヤーと接続できるようになっている。

右足にはマイクが設けられ、ユーザーの声を感知する 大人の手のひらとほぼ同じ大きさのサイズだ



バーチャルペットとしても、音楽プレーヤーとしても楽しめる

 「idog」の遊び方は、大きく3種類のモードに分けられる。「ペットモード」と「イベントモード」と「外部入力による演奏モード」だ。それぞれの楽しみ方を順を追って説明していこう。

 1番目の「ペットモード」は、その名の通り「idog」をペットとして可愛がるモードだ。本体に電池を入れると、「idog」のまっさらな顔に合計で7種類のランプが点灯する。ランプはオレンジからブルー、ピンク、というふうに自在に色を変え、全部が一度に点灯したり、円を描くように点滅したり、と表現豊かに変化する。

 「idog」は、これらのランプの色や点灯具合によって気持ちを表す。同時に鳴き声代わりに多彩な音を発する。ユーザーは、これらの光と音を見極めて、「idog」とコミュニケーションを図るのだ。

 それにしてもなんてキレイなんだろう。都会のイルミネーションのようにコロコロと変わる「idog」のランプをはじめて目にしたとき、筆者はすっかり感激し、時間を忘れて見入ってしまった。

顔のランプはアートのように美しく点灯する 室内の明かりを暗くして、ランプだけを撮影してみた


  「idog」のランプには、一定の法則がある。オレンジ色が点灯しているときは、ご機嫌な状態。緑色は、気分的に落ち着いてユーザーになついている状態。赤色は、不機嫌な状態だ。

 さらにランプの回転速度が、そのときの感情の強弱を示している。ランプが点滅し、ゆっくりと円を描いている場合は「ちょっぴり」。めまぐるしく回転している場合は「とっても!」。

 「idog」の気持ちの変化は、ランプの色と回転速度を組み合わせて表現される。オレンジ色のランプがゆっくり回転しているときは、「ちょっぴりご機嫌」。赤色のランプが激しく回っているときは、「とっても不機嫌」というわけだ。

 気分は、スイッチを押すことで徐々に変化していく。鼻のスイッチを押しているとご機嫌になり、頭のスイッチを押すとユーザーになついてくる。また尻尾にむやみに触れると、たちまちのうちに不機嫌になってしまう。

 「idog」は電源を入れてしばらくすると、お腹をすかす。空腹になると「チャラリ~リラ、チャラリラ~リラ~」とチャルメラのメロディを奏でる。空腹はユーザーの声や音楽を聞かすと満たされるので、こんなときはひとまず何でもいいので声を掛けてみよう。

 また「idog」はモノマネが得意だ。「ペットモード」の最中に話しかけ、顔のランプが緑色になったら、さらに話しかける。するとこのときの声が「idog」に記録され、似たような音階のメロディとして再生されるのだ。人間の声は、多少の音階のゆれがあるもの。それを上手に拾って、キレイなメロディに変換するようだ。「ゲームウォッチ」と早口に話しかけても、「ゲー・ム・ウォッ・チ」とゆっくり話しかけても、それらのニュアンスはきちんと表現する。あまりに楽しいので、これも何度も繰り返して遊んでしまった。ときには「ちょっと違うかな?」と感じるメロディが再生されることもあるが、そこはご愛嬌という感じだ。

 2番目の「イベントモード」は、「idog」が自然に音楽を奏でるモードだ。曲は「idog」のオリジナル。即興音楽かと思いきや、とても可愛らしいメロディばかりが再生される。「idog」と遊んでいる時間が長いほど、長い曲が再生される仕掛けらしい。

 「idog」が顔全体をオレンジ色に点灯させ、作曲家フォースターの「ビューティフル・ドリーマー」を奏でたら、「演奏イベント」が始まる合図だ。このイベントは「idog」が音楽を奏でている間、頭上に手をかざすと、その動きに応じて曲調が変化する、というものだ。実際に体験してみると、曲はグニャグニャグニャ……というふうに、メロディとテンポを大きく変える。まるで電子楽器の「テルミン」に触れているようだ。

 3番目の「外部入力による演奏モード」は、別売のステレオミニプラグを利用して、音楽プレーヤーを接続し、「idog」を再生機器として利用する遊びだ。音楽プレーヤーで曲を再生すると、本体に内蔵されたスピーカーから音が鳴り響く。さらには曲調に併せて「idog」が顔や耳を動かし、顔のランプを鮮やかに点灯させる。スピーカーの音質はAMラジオ並みだが、そのチープさが「idog」にマッチしているように思える。

メロディの再生中に手のひらをかざすと曲調が変わる iPodなどとつなげて、外部スピーカーとしても使用できる

【ムービー】
idogの発声
(MPEG-1、759KB)
モノマネモード
(MPEG-1、755KB)


 以上が「idog」の遊び方だ。筆者はどの遊びも新鮮で、たっぷりと楽しんだ。とくに「モノマネモード」が気に入っており、決してそんなことはないのに、「idog」と心が通っている、と感じるほどだ。発売日以来、さんざん遊び倒しているのだが、「今度は誰に自慢しようかな?」と考えたり、「2匹並べて遊ぶとどんなふうに面白いのだろう?」と想像したりしていて、まだまだ興奮は尽きない。

Copyright 2005 (C) SEGA TOYS


□セガトイズのホームページ
http://www.segatoys.co.jp/
□「idog」のページ
http://www.idog-segatoys.com/
□関連情報
【1月19日】セガトイズ、2005年の商品説明会を開催
“音楽”がエサ!! 音楽を作曲するペットロボ「idog」など発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050119/segatoys.htm


 毎週、電子系のおもちゃを中心にオススメのおもちゃをご紹介しています。「このおもちゃ、気になるけど面白いかなぁ」といったものを徹底的に遊び倒し、その面白さをお伝えしていきます。取り上げて欲しいおもちゃなどがありましたらドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部)

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(2005年4月7日)

[Reported by 元宮秀介]


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